
11月18日(水)、相鉄線海老名駅です。おや?見かけない電車が止まっていますよ。行先表示は「特急 JR埼京線 直通」。表示はやがて「特急 新宿」に切り替わりました。えっ!?埼京線が海老名まで乗り入れているとは・・・。ちっとも知らなかったなぁ~。駅の案内ポスターによると2020.11.30に相鉄・JR直通線開通1周年を迎えるそうです。武漢ウイルスで引きこもりがちだったので世の中の流れに後れを取りました。海老名から武蔵小杉、渋谷方面なら便利かもしれないですね。

さて、本題に入ります。最寄り駅は相鉄線西谷駅です。駅から南へ道なりに坂道を下ると帷子川に出ます。帷子川に架かる学校橋です。

帷子川はこんな川です。学校橋より帷子川下流を見ました。
JR横浜駅東方1.5km位のところで横浜港に注いでいます。

同、上流の様子です。今日は好天、穏やかな流れです。帷子川分水路はこの上流に在るので川を眺めながら遡ります。

左岸沿いの逆田橋公園奥に続く緑地帯です。見るからに旧河道っぽいですね。地図で確認すると帷子川の旧河道でした。旧河道は保土ヶ谷区と旭区の境界線になっています。

新幹線手前、右岸に合流する河川があります。くぬぎ台川と言います。この川も区の境界線になっています。

新幹線を潜り抜けたあたりの帷子川。三面をがっちりコンクリートで固めています。段々の床固工に両側は魚道でしょうか。礫を埋め込みせせらぎを作るのは酸素補給のためかも知れませんね。ヒメツルソバがコンクリの隙間で頑張っています。

その上流です。小さな堰で流れを堰き止めています。その上流及び左岸の施設が帷子川分水路の分水施設(帷子川分水路取水庭)です。上に架かる橋はふれあい橋です。

ふれあい橋下流、左岸の帷子川河川標識。神奈川県が管理する二級河川です。
二級河川 帷子川水系 かたびらがわ
河口から8.8km 神奈川県

ふれあい橋より上流の眺め。川幅が広がり池になっています。
左岸側にコンクリートの棒(スクリーン)が行儀よく並んでいます。



右岸からの眺め。スクリーンは直径が500mmくらいありそうです。根っこや枝付きの流木、その他大型ゴミが分水路トンネル内に流入するのを防ぐためと思います。鶴見川の川和遊水地内部を見学した時に同様のスクリーンを見ました。トンネル内にゴミが詰まると分水路の役目を果たせなくなりますからね。

右岸から下流方向の眺め。ふれあい橋が見えます。川幅を広げて池にしたため相対的にふれあい橋で川幅が狭くなり、流れにくくなった洪水は左岸の越流堤(分流堰)から分水路へ流れ込むしかない・・・こんな仕掛けだと思います。
資料(帷子川分水路パンフ)によると洪水時流量配分は、510㎥/秒の洪水を分水路へ350㎥/秒、帷子川へ160㎥/秒に分けて流す(時間当たり82.1mm降水量対応)。とあります。洪水の約70%を分水路へ流し、下流域を氾濫浸水被害から守るための施設であることが分かります。
町中でよく見かける雨水調整池は時間当たり降水量50~60mmを想定した造りになっています。時間当たり82.1mm降水量は、それをはるかに上回るおそらく50年に一度あるかないかのゲリラ豪雨または台風豪雨だと思います。

ふれあい橋から見たスクリーンと分流堰ゲート。ただいま工事中です。分流堰とはいわゆる越流提のことですね。ここでは分流堰と呼んでいます。

越流部を新しくする工事だそうです。(国土強靭化対策工事)

分流堰を越えた洪水は帷子川分水路に入ります。
水路沿いの河川標識です。
二級河川 帷子川水系 帷子川分水路
河口から7.2km 神奈川県

分水路下流のR16下白根橋から見た帷子川分流堰ゲート。
帷子川分流堰ゲート
純径間:6.5m 扉高:5.2m 門数:3門
製作年月:平成3年3月 (銘板より抜粋)
分流堰ゲートの役割は何でしょうかね。流量調節のためと想像するのですが、後述の分水路下流の水位目盛にヒントが書いてありましたよ。

R16下白根橋から見た帷子川分水路下流方向。新井川がコンクリート製の水路橋で分水路を渡っています。

水路橋で帷子川分水路を渡る新井川です。人工河川と自然な河川の立体交差です。分水路に合流させないところが面白いです。

帷子川分水路を渡り東へ向かう新井川。この先で右カーブし帷子川に合流しています。


その下流、帷子川分水路トンネル入口です。出口は横浜駅西口近くにあります。資料(帷子川分水路パンフ)によると
トンネル延長5,320m、トンネルの形状は偏平馬蹄型、底部幅内径11.2m、高さ内径9mとなっています。

分水路内に刻まれた水位目盛を見つけました。最高位15mまで刻んであります。下の方7.2mに「ゲート閉水位」の文字有り。7.2mに達したら分流堰ゲートを閉じるという意味でしょうね。いずれにしても分流堰ゲートは流量調節の働きをしています。
今回はここまでです。皆さんはどのような感想を持たれたでしょうか。同日、帷子川分水路トンネル出口も見に行きました。次回「其の707」で発表します。
お知らせ
本記事を機に放水路・分水路がらみの過去記事を新カテゴリ「放水路・分水路」として括りました。ささやかなグランドオープンです。(^σ^♪
帷子川分水路取水庭の位置です。(地理院地図より)
帷子川分水路トンネルは水色破線で表示してあります。
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