秋の台風シーズンに備えるダムの水位管理に興味があったので見に行きました。現場を見るほうが理解は早いと思います。百聞は一見に如かずって言いますからね・・・。
昨年11月の読売新聞報道によると、
全国に1460基のダムがあり、その内訳は、治水機能を持つダムが562基、発電、上水道、農業用水などの利水目的ダムが898基ある。ダムの大半が利水目的も兼ねた多目的ダムなので水害時に水位調節に使える貯水量は全有効貯水量の約3割にとどまっている。
政府の運用見直しでは大雨が予想される場合、利水用の水をあらかじめ放流して水位を下げ、新たに貯水量を確保することが柱になる・・・とあります。
城山ダムは利水目的も兼ねた多目的ダム(洪水調節・水道用水・工業用水・発電)です。政府の運用見直し通りに事は進んでいるのでしょうか、興味深いですね。(^σ^)

右岸から見た今日の城山ダム(津久井湖)です。

両端左右2門がクレストラジアルゲート×4門、間にはさまれた中央の2門がオリフィスラジアルゲート×2門です。
上部に水色のゲート巻上げ機がずらりと並んでいます。湖面水位はこの位置からは分からないです。

津久井発電所1号機取水塔です。取水した水は管路で調圧水槽へ向かっています。取水塔側面の黄色い印は常時満水位(平常時最高水位)EL124mを示しています。その下、水色の印は洪水期(6/1~10/15)制限水位EL120mを表しています。現在の水位はそれ以下のEL117.5m位でしょうか。

その左側、赤レンガは横浜水道川尻隧道上口(上流側入口)の遺構です。その左側のコンクリートは横浜水道中沢接合井の遺構です。城山ダム完成により水没しました。
湖岸の建物は神奈川県企業庁相模川水系ダム管理事務所(城山ダム管理事務所)です。昨年見学会で訪れダムの勉強をしました。

右岸にも黄色と水色の表示があります。現在の水位はEL117.5m位。洪水期制限水位より2.5m水位を下げ大雨や台風に備えています。
企業庁HPによるとさらに水位を下げた設定があります。予備放流水位(よびほうりゅうすいい)と言い、設定水位はEL113.0mです。現在よりさらに4.5m水位を下げることになります。
大雨や台風などの洪水が予測された場合は、前もって放流して、ダムの水位を下げることを予備放流と言います。予備放流により下げる目標水位を予備放流水位と言います。
(企業庁HPより)
企業庁HPによると予備放流水位EL113.0mまで水位を下げると洪水調節容量は27,500k㎥となり、有効貯水容量54,700k㎥の50.27%になります。以前は、このような設定水位はなかったので政府の運用見直しに従った新たな設定と思われます。
城山ダム・ダムカードです。

城山ダム
所在地:神奈川県相模原市
河川名:相模川水系相模川
型式:重力式コンクリートダム
ゲート:クレストラジアルゲート×4門
オリフィスラジアルゲート×2門
堤高・提頂長:75.0m・260.0m
総貯水容量:6,230万㎥
管理者:神奈川県 神奈川県企業庁
本体着工/完成年:1961/1965年
目的記号:FWIP (洪水調節・水道用水・工業用水・発電)
2019年10月の緊急放流ではゲート全6門を開け3000㎥/秒を放流しました。
参考過去記事
其の614 城山ダムを見学しました (2019.11投稿)


同日朝、丸葉朝顔の葉っぱの上にオンブバッタ2ペアを見つけました。上に乗っている小さい方が♂です。
城山ダムの位置です。(地理院地図より)
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