横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の274 二ケ領用水久地円筒分水を訪ねる

 前回「其の273」の続きです。二ケ領宿河原堰から二ケ領用水を下流へたどっています。

二ケ領用水久地円筒分水・伏越施設
前回見た「二ケ領用水・久地分量樋跡の碑」を過ぎると水路幅いっぱいの大きな水門が目に入り、ごうごうと落下する水音が聞こえてきます。大きな水門脇右岸に小さな水門二門があります。伏越の呑口へ導く取水口です。

二ケ領用水久地円筒分水・伏越施設
水路幅いっぱいの大きな水門です。二ケ領用水を堰き止めています。対岸の護岸は平瀬川右岸です。二ケ領用水は平瀬川を伏越で潜り抜け対岸へ渡ります。二ケ領用水と平瀬川の立体交差ですが、この水門は対岸の久地円筒分水と一体の施設です。

二ケ領用水久地円筒分水・伏越施設
大きな水門を平瀬川右岸から見ました。平瀬川を渡り対岸で吹き上がるには一定以上の水位が必要と思います。案内パネルの久地円筒分水断面図によると最高水位▽17.55(円筒分水の水位は▽16.10)とあります。不要な水は写真のように余水として平瀬川に放流しています。

二ケ領用水・平瀬川交差点付近の平瀬川上流
伏越交差点付近から見た平瀬川上流の様子。左側の隧道が昭和16年二ケ領用水円筒分水と同時に完成した平瀬川新河道の隧道。右側は新たに掘られた平瀬川隧道。

二ケ領用水・平瀬川交差点付近の平瀬川下流
伏越交差点付近から見た平瀬川下流の様子。昭和16年完成の平瀬川新河道です。二ケ領用水はこんな深い川を伏越で潜ります。

二ケ領用水・伏越の呑口
二ケ領用水久地円筒分水を背に平瀬川右岸から見た伏越呑口(黄色矢印)。大きな水門脇の二門の取水口から取り込んだ用水は黄色矢印の位置で落下し平瀬川の川底下を(内径1500mmの2本のコンクリート管で)横断します。

二ケ領用水久地円筒分水 二ケ領用水久地円筒分水
これが有名な二ケ領用水久地円筒分水です。名にし負う二ケ領用水久地円筒分水前にとうとう私も立ちました!(^σ^)/

ここまで前置きが長くなりましたが、円筒分水の中央の小さい円筒(直径8m)の真下が平瀬川を横断した伏越の吐口で、用水が吹き上がっています。円筒分水のしくみは以下の通りですが、本当に上手く巧みに設計してあります。

この円筒分水工と呼ばれる分水装置は、送水されてくる流量が変わっても分水比が変わらない定比分水装置の一種。内側の円筒は整水壁とも呼ばれ、吹き上げる水を放射状に均等に溢れさせる。
その外にある直径16mの円筒の外周を、それぞれの灌漑面積に合わせた比率(川崎堀38.471m、六カ村堀2.702m、久地堀1.675m、根方堀7.415m)で水量を分ける農業用水の施設です。
円筒分水は、平成10年(1998)に川崎市で初めて国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。

(川崎市の現地案内パネルより抜粋)

別の二ケ領用水久地分量樋現地説明パネルには
昭和16年(1941)、多摩川右岸農業水利改良事務所長であった平賀栄治の設計建設により、水害防止のための新しい平瀬川の開削と二ケ領用水の伏越そして久地円筒分水が完成しました。
とあります。治水と利水を上手に絡ませこの施設を完成させました。素晴らしいアイデアですね~。一石二鳥の大事業です。

平賀栄治顕彰碑・国登録有形文化財証
平賀栄治顕彰碑(左側)と国登録有形文化財証(右側)。
多摩川の上河原堰、宿河原堰の改修、平瀬川と三沢川の排水改修、そして久地円筒分水の建設などに携わった。川崎の町を支える水の確保に全力を捧げた「水恩の人」は昭和57年、89歳の生涯を閉じた。 (平賀栄治顕彰碑・川崎西ライオンズクラブ寄贈より抜粋)

以下、個別に円筒分水の様子を見ます。
二ケ領用水久地円筒分水
手前左が六カ村堀(2.702m)、右が久地堀(1.675m)です。

二ケ領用水久地円筒分水・久地堀、六カ村堀
分水後の左が久地堀、右が六カ村堀。

二ケ領用水久地円筒分水・根方堀
手前が根方堀(7.415m)です。隣が久地堀、六カ村堀で残りが最大の川崎堀(38.471m)になります。

二ケ領用水久地円筒分水・川崎堀
越流の様子と奥は川崎堀の始まりです。

二ケ領用水久地円筒分水
川崎堀から見た二ケ領久地円筒分水と越流の様子。

二ケ領用水・川崎堀
このあとは二ケ領用水川崎堀に沿って下流へ歩きました。
円筒分水から川崎堀下流を見る。

二ケ領用水・川崎堀、R246下流
R246を潜った二ケ領用水川崎堀。

二ケ領用水・川崎堀、大山街道大石橋
大山街道大石橋です。灯篭型の親柱に「にかりょうようすい」。

二ケ領用水・川崎堀、曙橋
曙橋まで下ってきました。前方の高架橋は東急田園都市線です。このあとは近くの溝の口駅へ向かいました。

今回の探訪で円筒分水は伏越の吐口であることを初めて知りました。また平瀬川の治水は二ケ領上河原堰を探訪した時に見た三沢川とそっくり同じと分りました。どちらも新河道で、新河道と二ケ領用水が伏越交差など共通しています。いつか新旧河道の分岐点など現地を探訪したいと思います。
おしまいになりましたが、探訪の初めに二ケ領宿河原堰に隣接の二ケ領せせらぎ館を訪ねました。川崎市発行のパンフ「二ケ領用水久地円筒分水」はじめ二ケ領用水についての資料提供をいただき参考にさせていただきました。ありがとうございました。

二ケ領用水久地円筒分水の位置です。



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