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横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその取水源を探訪します。

其の266 冬の左岸用水路と冬みず田んぼ

 JR相模線海老名・入谷駅間は車窓から線路沿いを流れる相模川左岸幹線用水路(以下左岸用水路)が見られます。
5月から9月は田んぼに用水を送るため水路から溢れんばかりに流れています。10月からは送水を止めるので水路が底を見せます。
12月のある日、左岸用水路に用水が流れていることに気づきました。あれっ?冬場なのになぜ流れているのだろう。確か一年前の冬も流れていたような気がします。
冬場の通水は何か訳があってのことだと思います。神奈川県相模川左岸土地改良区HPを開くと、
新たな取り組みとして、「冬みず田んぼ」(冬期湛水)といって非かんがい期(稲作期以外)に取水通水し、水田に水を入れていること。それは冬場の除草作業の軽減や稲わらの分解促進のために行っている。ということが分かりました。

「冬みず田んぼ」を見たくなり、12月23日(水)晴れ、ウォーキングを兼ねて行ってきました。

海老名駅付近・相模川左岸幹線用水路
相模線の車窓から海老名・相武台下駅間は「冬みず田んぼ」が見えないので海老名駅から下流へたどることにしました。
これは海老名駅南口近く、海老名市役所方面へ行く道路です。こんな街中を左岸用水は流れています。歩道わきにパンジーの花壇があります。パンジーとパンジーの間にグレーチング点検フタが見えます。そこから覗くと左岸用水路の流れが見えます。

国分関免信号前・相模川左岸幹線用水路
国分関免(こくぶせきめん)交差点角にある左岸用水路の水門です。田んぼへ行く支線用水路の分水門は閉じています。

海老名市役所付近・相模川左岸幹線用水路
国分関免の信号から左岸用水路の上に整備された「水と花と緑の小道」を歩きます。海老名市役所南の分水門です。転倒堰で堰上げしています。

相模川左岸幹線用水路のマンホールフタ
「水と花と緑の小道」で見た左岸用水路のマンホールフタ。

海老名市・相模川左岸幹線用水路
その南、海老名消防署を過ぎ、貫抜制水門(かんぬきせいすいもん)北側から見た左岸用水路の上流方向。国分関免信号南の田んぼに続いて二つ目の田んぼですが、こちらも水は張られていません。時期が早かったかな?それとも別の田んぼへ送っているのかな?

海老名消防署西・冬水田んぼ
新年に入り再訪しました。これが「冬みず田んぼ」です。場所は海老名消防署の西、横須賀水道みち沿いです。左岸用水路から少し奥まったところにある田んぼです。「冬みず田んぼ」を初めて見ました!


以下、「冬みず田んぼ」の南(大谷水門交差点角)にある左岸用水路の貫抜制水門に久しぶりにやってきました。通水期に比べ制水の仕方が正反対に変わっていたので紹介します。貫抜川放水路へ全量放流していました。

相模川左岸幹線用水路・貫抜制水門
南側から見た冬場の貫抜制水門。右側は寒川町、茅ヶ崎市へ向かう左岸用水路。通水は止まっています。

相模川左岸幹線用水路・貫抜制水門
上流から見た貫抜制水門。左側2門は寒川町、茅ヶ崎市へ向かう左岸用水路。ゲートは閉じています。右側は田んぼへ向かう支線用水路の分水門でやはり閉じています。

貫抜川放水路
貫抜川放水路から見た貫抜制水門。冬場の通水量の余水を放流中です。4月~9月の通水期は幹支線へ送るので放流されません。

相模川左岸幹線用水路・貫抜制水門
上流から見た貫抜制水門。南西へ向かう貫抜川放水路の始まりの水門です。ゲートは開いています。

相模川左岸幹線用水路について説明パネル
貫抜制水門脇の相模川左岸幹線用水路について説明パネル。
参考になるので記します。
[相模川左岸幹線用水路について]
この水路は、相模原市磯部から茅ヶ崎市室田までの20kmに 及ぶ農業用水路で、昭和の初期に先人たちが築き上げた歴史のある水路です。この水は田植えの時期の4月から9月まで相模川の磯部頭首工から取水して、田んぼを潤すため水を送っています。また、灌漑用水としての目的以外にも、地下水への涵養や地域用水として、私たちの生活環境を守ってくれる重要な働きをしています。 
(説明パネルより)

高座郡海老名町耕地事業竣工記念碑
貫抜制水門の一角に建てられた「高座郡海老名町耕地事業竣工記念碑」です。
昭和二十八年十月十二日に高座郡海老名町耕地整理組合が建立。
神奈川県営の暗渠排水、区画整理事業等を施工し乾田化を計り昭和二十年三月竣工。組合営の整地、架橋、井堰、掛樋、伏越などの工事が同二十七年八月完成。関係者 県営事業所長 船戸廣次氏、組合長 望月珪治氏。四百八十七町二反歩の海老名耕地は大沃田となった。 
(記念碑より抜粋)

貫抜川放水路の先はまだ見たことがないので河口まで歩くことにしました。
貫抜川放水路
南西へ向かう貫抜川放水路。すぐ下流で北から来た中央排水路が合流します。

河骨の案内パネル・貫抜川放水路
橋に掲示の河骨(こうほね)保護の看板。この辺りで河骨という植物の保護育成をしているそうです。人工的に開削された貫抜川放水路に珍しい水生植物が自生するとは興味深いですね。

貫抜川放水路・西部排水路合流
上一ツ橋信号付近で西部排水路(左側)が合流。今昔マップ(1927~1939年)を見ると貫抜制水門からこの合流点までの貫抜川放水路は影も形もありません。(1944~1954年)版に現在と同じ形で地図上に登場します。
前述の高座郡海老名町耕地事業がその頃施工されたので貫抜川放水路は人工的に開削された川ですね。

貫抜川
海老名運動公園付近の貫抜川(かんぬきがわ)。上流を見る。
地図を見ると西部排水路合流点より下流は貫抜川と表示してあります。ブロック護岸のお堀のような川です。

貫抜川・海老名運動公園付近
貫抜川上流を望む。海老名運動公園南、河口近くです。

貫抜川河口・海老名運動公園付近
貫抜川左岸より河口を望む。相模川左岸に合流しています。結局、相模川の磯部頭首工で左岸用水路に入り「冬みず田んぼ」を潤した後相模川へ戻って行きます。途中で地下水の涵養もしました。高架橋は圏央道・海老名Jctです。

この後は近くのJR相模線社家駅へ向かいました。

水路が底を見せる秋の左岸用水路は「其の45 秋の左岸用水路・座間サイフォン付近」で投稿しました。

海老名消防署西の「冬みず田んぼ」の位置です。
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コメント

管理人殿
いつも、楽しく、興味深く拝読させていただいております。本年も宜しくお願い申し上げます。冬みず田んぼですか~確かに、冬でも雑草は出てきますからね。なにか疑問が有れば、必ずそこには意味があるんですね。以前、左岸幹線用水路の最終地点(茅ヶ崎市室田)の田んぼを開発する仕事をした時に、その手前で送水をストップする為、色々手続きをしたのを思い出しました。冬場に通水(回数が増える)すると、やはり、使用料等は増えるんですかね。

  • 2016/01/14(木) 20:52:10 |
  • URL |
  • こーいち #-
  • [ 編集 ]

Re: 管理人殿

いつもコメントありがとうございます。
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
左岸用水路の室田の終点は私も3回ほど訪れています。住宅街の中に田んぼが残っていました。ギンヤンマが飛んでいたこと、相模原では見かけない蝶ゴマダラアゲハのこと、初回訪問で左岸用水路の終点を間違えて読者の助け舟をいただいたことなど思い出深いところです。使用料のことはどうなんでしょうかね?なんとなくわかります。

  • 2016/01/15(金) 08:28:11 |
  • URL |
  • doushigawa #-
  • [ 編集 ]

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