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横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその取水源を探訪します。

其の621 村山上貯水池(多摩湖)を訪ねました・東京都東大和市

 村山下貯水池に続いて西隣の村山上貯水池を訪ねました。

多摩湖自転車歩行者道
多摩湖自転車歩行者道に入りました。これは出発地の村山下貯水池方面です。緩い坂道を上ってきました。


多摩湖自転車歩行者道
多摩湖自転車歩行者道を西方の村山上貯水池方面へ歩を進めます。常に右側の東京都水道局のフェンスに沿って歩いたのですが、それがまた長~く感じました。


多摩湖自転車歩行者道の鹿島橋
多摩湖自転車歩行者道の鹿島橋
行けども行けども右側はフェンスで、いい加減飽きたころに赤色のアーチ橋・鹿島橋に到着。親柱に取水塔がデザインしてあります。村山上貯水池(村山上ダム)は近いみたいです。


村山上ダム(村山上貯水池・多摩湖)
多摩湖自転車歩行者道から一般道に下りしばらく歩くと村山上ダムに到着。村山下ダムから小一時間かかりました。ふう~。
ダム堤体下に歩行者用通路があります。


村山上ダム天端の道路
自動車の通行量が多いのですが・・・。ダム堤体天端の道路を歩きました。


村山上貯水池の取水塔
取水塔や村山下貯水池、村山上貯水池を見るためです。取水塔はこれがベストショットです。ダムの耐震強化工事用通路が間に入り邪魔をしております。


村山下貯水池(多摩湖)
ダム堤体天端より村山下貯水池を望む。水平線の彼方に先ほど見学した村山下ダムが見えます。


村山上貯水池(多摩湖)
村山上貯水池です。明らかに下貯水池に比べて水位が高いですね。地理院地図で標高を測ると上貯水池が115m、下貯水池は105mと表示され、10mの差があります。
この奥最西端に羽村取水堰で取り入れ第3水門から来た羽村線導水路の出口があり、流入直後に隣の山口貯水池連絡水路に分水しています。ちなみに山口貯水池の水位は115mと表示されました。


左岸から見た村山上ダムと取水塔。
村山上貯水池(多摩湖)
村山貯水池・村山上ダム
村山上貯水池・取水塔
これは12月18日に山口貯水池へ行ったときに撮影した村山上ダムと取水塔です。


多摩湖畔の「中島先生頌徳碑」
多摩湖左岸湖畔に立つ「中島先生頌徳碑」です。
明治42(1909)年、東京市は水需要の増加に対応するための調査を東京市区改正委員会に依頼。委員会は東京帝国大学教授の中島鋭治工学博士らに委嘱。明治44年調査結果が報告され、村山貯水池案に決定。(村山下貯水池案内板より要旨)

中島鋭治工学博士は渋谷町からも委嘱を受け多摩川取水の渋谷町水道(大正13年3月完成)の建設に貢献、双子の駒沢給水塔を設計した東京市水道事業推進の重鎮で、日本近代水道の父と呼ばれています。

村山上貯水池(多摩湖)の概要です。
河川名:多摩川水系多摩川
ダム湖:多摩湖
ダム型式:アースダム
堤高:24.2m  堤頂長:318.2m 
竣工年:1924(大正13年)
 (ウイキペディアより)

村山下ダムには余水吐き施設があったのですが、こちらのダムはどこにあるのでしょう。左岸にはなかったですね。管理事務所のある右岸側の見えないところにあるかも知れませんね。


多摩川の原水の流れ図
参考までに多摩川の原水の流れ図を再掲します。


帰りは西武球場前駅から西武遊園地行き西武山口線レオライナーに乗りました。
西武山口線・レオライナー
西武山口線・レオライナー
4両編成のレオライナーはレールがない電車です。


西武多摩湖線・西武遊園地駅
西武遊園地駅では国分寺行き西武多摩湖線が待機。速やかに乗り継ぎが出来ました。帰りは国分寺まで早くて便利でしたね。

今年最後の投稿です。皆さまこの一年ご愛読ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

村山上ダムの位置です。


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其の620 村山下貯水池(多摩湖)を訪ねました・東京都東大和市

 水道水のために開発された小河内ダム(奥多摩湖)から多摩川の原水の流れを追っかけています。今回は羽村取水堰で取り入れた原水の送り先、村山下貯水池(多摩湖)編です。

多摩湖自転車歩行者道
12月14日(土)、最寄駅は西武多摩湖線武蔵大和駅です。
駅近くの多摩湖自転車歩行者道に入りだらだら坂を上っていきます。


村山下貯水池入口
15分ほどで村山下貯水池入口に到着。貯水池のドーム型屋根の取水塔をあしらった門柱が目を引きます。


村山下貯水池第1取水塔
門を入ってすぐ、楽しみにしていた貯水池のシンボルに早速のご対面でーす。大正14(1925)年7月に完成した村山下貯水池第1取水塔です。

村山下貯水池取水塔案内板
村山下貯水池取水塔はこんな取水塔です。


別角度から。
村山下貯水池第1・第2取水塔
村山下貯水池第1・第2取水塔
村山下貯水池第1取水塔と奥は第2取水塔。

村山下貯水池第2取水塔
村山下貯水池第2取水塔です。
昭和48(1973)年2月完成。高さは27.4m、外径は9.0m。
計画取水量は20.0㎥/秒となっています。 (案内板より)

村山下貯水池第1取水塔・完成時の写真
これは完成当時の第1取水塔です。高さは27.061mもあり、普段は大部分が水面下です。外径は約8.8m。計画取水量は20.0㎥/秒。 (案内板より)


村山下貯水池・余水吐け施設
村山下貯水池・余水吐き施設
村山下貯水池・余水吐き施設
余水吐き施設です。案内板によると村山貯水池のオーバーフロー(溢流水)を宅部川に流すために造られた水路で、貯水池満水時における堤体保護のために大正時代に造られました。


村山下貯水池・余水吐き1号橋
余水吐き水路にかかる橋、余水吐き1号橋と言い水路と共に造られました。


村山下貯水池・余水吐き水路十二段の滝
余水吐き1号橋から下流の眺め。下の橋は瀧見橋(余水吐き2号橋)です。


村山下貯水池・余水吐き水路十二段の滝
瀧見橋(余水吐き2号橋)から見た「十二段の滝」。玉石造りで、水の勢いを抑えるため落差約30mの落差工になっています。


村山下貯水池・余水吐き水路に架かる瀧見橋
立派な親柱付きの瀧見橋(余水吐き2号橋)。大正15年築造。


村山下貯水池・余水吐き水路・宅部川から見た瀧見橋
宅部川から見た瀧見橋。宅部川を地図上で下流にたどると新河岸川に合流しています。宅部川は荒川水系の川です。


村山下貯水池堰堤・村山下ダム
村山下貯水池堰堤(村山下ダム)です。
提高さ:35.45m  提頂長:610m
アースダム形式の貯水池。案内図によるとダム断面はピラミッド型で心壁の上下流側をさや土で固め、下流側は平成21年完成の耐震性強化工事により、その上に強化土を盛り立て補強しています。
貯水池水面の標高 
HWL TP+103.411m LWL TP+85.411m
(案内板より)


これは多摩川の原水の流れ図です。(山口貯水池案内板より)
多摩川の原水の流れ図
図によると、村山上貯水池・山口貯水池・村山下貯水池は連絡管で繋がり、3貯水池は一体運用されています。原水は羽村の第3水門から羽村線に入り村山上、山口、村山下の順に流れています。3貯水池の水位は同じと思ったのですが、そうでもないようです。地理院地図(右サイドバーにリンク)で確認できます。

この図から渇水や水質事故に備え利根川系と多摩川系の原水を相互運用するため連絡導水路が通じていることが分かります。

3貯水池の工事は大正5年に始まり、村山上(大正13年)、村山下(昭和2年)、山口(昭和9年)の順で貯水池が竣工しました。(東京都水道局東京水道名所より抜粋)


村山・山口貯水池土木学会選奨土木遺産
村山・山口貯水池は2007年に土木学会選奨土木遺産に選定されました。


村山下ダムの親柱
これは昭和2年堤体完成当時の親柱です。案内板によると当時の土木技術を後世に伝える貴重な土木遺産として保存展示しているそうです。


村山下ダム堰堤天端の通路
堤体天端、幅10.7mの通路です。案内板によると堤頂付近は耐震補強のためセメント安定処理土で強化されています。堤体下流側へ降りる階段があります。


村山下ダム堰堤
階段を降りました。


村山下ダム堰堤
さらにその下へ降り堤体を見上げる。提高さ:35.45m。 


村山下ダム堰堤下の施設
堤体の下、萱の草むらの中に近寄りがたい雰囲気の施設がありました。これは何でしょうかね。ドレンがらみの施設かな。表札も何もない謎の施設です。


都立狭山公園宅部池
心和む鏡のような池がありましたよ。都立狭山公園宅部池です。堤体下と西武多摩湖線の間は都立狭山公園となっていて四季折々の風景が楽しめます。池畔に消防水利の標識とその脇に消火栓が立っていました。

これで主要な部分は一通り見学したので次の目的地村山上貯水池(村山下貯水池の西側、上流側の貯水池)へ向かいました。

台風19号通過直後にAmiさんが村山下貯水池を探訪しています。土木建築視点の探訪記はこちらです。

村山下貯水池(多摩湖)・村山下ダムの位置です。


其の619 羽村取水堰を訪ねる・東京都羽村市

 小作取水堰に次いで7年ぶりに羽村取水堰を訪ねました。

JR青梅線羽村駅西口
12月14日(土)今日はJR青梅線羽村駅西口からの歩きです。


馬の水飲み場跡・東京都羽村市
多摩川を堰き止める羽村取水堰は羽村駅の西方、台地の下にあります。新奥多摩街道の信号を過ぎ、河岸段丘崖の切通しの下り坂で面白いものを見つけました。「馬の水飲み場跡」です。昔、坂の下に住む農民は、段丘崖の上にある畑へ肥料などを運ぶため、馬車を使っていました。坂の途中に水飲み場を作り、馬を労わったそうです。小作駅近くの河岸段丘崖の下にお馬さんに感謝と供養を表す馬頭観音像が祀ってありましたが似たような話ですね。


稲荷神社付近の紅葉・東京都羽村市
紅葉が残っていました。稲荷神社付近、段丘崖の坂上にて。


羽村取水堰と取水施設
道なりに進み、奥多摩街道T字路にぶつかったところが羽村取水堰と取水施設です。左側が羽村取水堰(羽村投渡堰)で、奥は第1水門です。


第2水門と玉川上水
管理橋から見た第2水門とここから始まる玉川上水。


羽村取水施設と羽村取水管理事務所
管理橋から見た石垣。玉石を上手に積んでいます。職人の技が光りますね・・・。正面の建物は東京都水道局羽村取水管理事務所。


羽村取水堰(羽村投渡堰)
管理橋を渡りました。下流側から見た羽村取水堰。右側の流れはいったん取入れた水を吐出しています。案内板によると小吐水門とあります。


羽村取水堰・「堰の筏通場」
羽村取水堰・「堰の筏通場」案内板
羽村取水堰と固定堰。その間に魚道のような水路がありますが、これは案内板によると「堰の筏通場」と言い、享保6(1721)年に設置され、以来、青梅材の壮観な筏落としの風景が、大正時代の末ごろまで見られたそうです。


羽村取水堰(羽村投渡堰)
羽村取水堰(羽村投渡堰)
投渡堰を拡大しました。 
鉄の桁に杉丸太を立て横に差込丸太を通し、そだ(木の枝を束ねたもの)や砂利で堰を作りました。大水になり一定水位になると桁を外し、堰自体を下流に流し、大水が治まると堰を再構築しました。 (東京都水道局・東京水道名所より)


羽村投渡堰
この写真は洪水時の羽村投渡堰です。5月4日、大雨の翌日に撮りに行きました。水色の桁が上に引き揚げてあるのが分かります。松丸太、そだ、砂利は下流に流されて見えません。こうすることによって堰本体を守っているわけです。「小さな旅」では世界的に見てもこの堰だけと言っていました。
「其の39」(2012.10投稿)より。


羽村取水堰下流の多摩川
羽村取水堰下流の様子。台風19号の傷跡が残っています。


羽村取水堰と第1水門
多摩川上流側から見た羽村取水堰と第1水門。


以下は関連施設展示物等です。
玉川上水羽村陣屋跡
これは羽村取水管理事務所隣の玉川上水羽村陣屋跡です。案内板によると江戸時代の役所跡で、上水道の取締まり、水門、水路、堰堤などの修理、改築などの仕事を行っていました。


玉川水神社・東京都羽村市
隣接の玉川水神社です。
東京水道の守護神で玉川上水が承応3年この地に建立。
水神社としては最も古いものの一つ。
祭神は
彌都波能賣(みつはのめのかみ) 
水分大神(みくまりのおおかみ)
 (案内板より)


羽村取水堰・水利使用標識
水利使用標識です。取水量17.2㎥/秒。
小河内ダムの多摩川第1発電所の放流水が21.5㎥/秒でした。
小作取水堰の取水量が5.0㎥/秒。若干勘定が合わないです。


羽村取水堰・玉川兄弟の像
堰付近の広場に建立された玉川上水開削の工事請負人で功労者の玉川兄弟の像です。
玉川上水は、羽村取水堰から新宿区の四ツ谷大木戸に至る延長約43kmの上水路で承応3(1654)年当時、江戸の飲料水供給のために造られたものです。現在は、羽村取水堰から小平監視所までの間約12kmが、上水路として利用されています。 (現地案内板より)


羽村取水堰・牛枠(川倉水制)
広場にこんな展示もありました。牛枠(川倉水制)(うしわく・かわくらすいせい)と言います。甲府盆地の釜無川、笛吹川で見かけた聖牛(ひじりうし・せいぎゅう)に似た治水施設です。


羽村取水堰・2014土木学会選奨土木遺産
羽村取水堰(投渡堰)は2014に土木学会選奨土木遺産に認定されました。


羽村橋上流で玉川上水を渡る水管橋
羽村取水堰で取入れた水は玉川上水となり、下流で分水しているのでその様子を見に行きました。これは200mほど下流にあった玉川上水を渡る大小4本の水管橋です。羽村橋から上流を見た写真です。上流側のグレー色の水管橋だけエアバルブ付きです。どこからどこへ行くんでしょうか?気になりますね。


玉川上水を渡る水管橋
右岸側に答えが書いてありました。下流側の茶色の水管橋は羽村市の雨水管でした。中の水は右から左、多摩川へ向かっています。
エアバルブ付きの水管橋は後で分かりますが、小作浄水場へ向かう水道原水の導水管です。左から右へ流れています。


玉川上水から村山上貯水池向け分水施設
玉川上水羽村橋下流、左岸を見ると12連の分水門があります。その奥にもう一つ水門(第3水門)が見えます。この第3水門が村山上貯水池(多摩湖)へ行く地下導水路・羽村線の入口です。


羽村線導水路入口・第3水門
アングルを変えました。中央が村山上貯水池へ向かう第3水門で地下導水路・羽村線入口です。羽村線は村山上貯水池まで自然流下で水道原水を送っています。手前は玉川上水の流れ。


小作浄水場向け分水施設
右岸側でも分水しています。4連の分水門があります。


小作浄水場向け取水施設
その下流です。沈砂池を通り4連の除塵機を抜け白い建物に入ります。右側の漏斗形のタンクは粉末活性炭の貯蔵槽です。


東京都羽村取水ポンプ所
白い建物は東京都羽村導水ポンプ所と言います。玉川上水から水道原水を取水して活性炭を投入し小作浄水場へ送水するための施設です。この辺りで送水するところと言えば小作浄水場しかないですね。帰宅後羽村取水堰前広場の「多摩川の原水流れ図」を確認したら推測通りでした。(^σ^)


東京都水道局・多摩川の原水流れ図
おしまいに多摩川の原水の流れ図です。羽村取水堰は通算3回目の訪問です。今日はゆっくりと施設を巡り今まで知らなかったことを学びました。原水流れ図に従い次回は村山上・下貯水池(多摩湖)を訪ねます。

羽村取水堰の位置(中央十字線)です。


其の618 小作取水堰へ行ってきました・東京都羽村市

 小河内ダムで貯めた水はダム直下の多摩川第1発電所の水車を回し、多摩川に放流され下流の小作取水堰、羽村取水堰で水道原水として取水されます。その一つ小作取水堰(おざくしゅすいせき)を見学しました。見学と言ってもただ表から眺めるだけですが・・・。

JR青梅線小作駅西口
11月16日(土)、最寄駅はJR青梅線小作駅西口です。ここから南西方向の小作取水堰へ向かいます。


懐古の井戸・小作駅東口
懐古の井戸案内板
その前に近くに井戸があると聞いたので見に行きました。もしかして「まいまいず井戸」かもしれないですからね~。意外な場所、東口エスカレーターを下りたところにありました。明治27年に造られた井戸で「懐古の井戸」と言います。当時としては台地上の井戸掘りが技術的に難しかった深さが27mもある深い井戸です。同じ台地上の隣の羽村駅前の「五ノ神まいまいず井戸」は深い井戸が掘れず、まいまいず井戸の形になりました。


小作緑地公園下の馬頭観音像
小作駅をスタートし南西方向に進むと小作緑地公園に突き当たります。園内を横断し大昔に多摩川によってできた河岸段丘崖を下ります。


小作緑地公園下の馬頭観音像
河岸段丘崖を下ったところに馬頭観音が祀ってありました。庚申塔もありますね。馬頭観音は台地上の農地を往復するのに馬や牛の力に頼ったので感謝と供養のために建立されました。

小作緑地公園下の庚申塔
庚申塔です。六臂の青面金剛と三猿が刻まれています。


小作坂下交差点
河岸段丘崖の森の下、奥多摩街道と吉野街道交差する小作坂下交差点です。


小作取水堰
小作取水堰
奥多摩街道を南進し右折したところが東京都水道局・小作取水堰です。
眼前の橋は小作取水堰管理橋です。小作取水堰は小河内ダムの下流約34km地点にあり、多摩川の表流水を水道原水として取水する施設で、原水は地下導水路で山口貯水池(狭山湖)へ送っています。
自動車は通行止めです。人は通行可なので施設を順に見て回ります。


小作取水堰案内板
管理橋のたもとに案内板が立っていました。堰の概要や施設名が書いてあります。

小作取水堰の概要
洪水吐ゲート:4門
土砂吐ゲート:1門
魚道:2箇所
管理橋:幅員4.0m 延長:193.14m
完成年月日:昭和55年7月26日
  (案内板より)

小作取水堰・水利使用標識
水利使用標識です。
取水量:5.0㎥/秒と表示されています。
小河内ダム直下の多摩川第1発電所の放流水量は21.5㎥/秒でした。

以下、管理橋を渡りながら施設を見ていきます。
小作取水堰・土砂吐ゲート
左岸寄りの土砂吐ゲートです。
土砂吐ゲート フラップ付ローラーゲート
純径間×扉高:10.0m×2.2m
 (銘板より)

小作取水堰・洪水吐ゲート
4門ある洪水吐ゲートです。
洪水吐第1号(~4号)ゲート
フラップ付ローラーゲート
純径間×扉高:27.5m×1.8m
 (銘板より)


小作取水堰・取水口、樋門ゲート
左岸に設置の取水口や樋門ゲートが見えます。


小作取水堰・右岸の魚道
右岸の魚道です。左岸にもあります。


小作取水堰
右岸から見た小作取水堰。ずらりと並んだゲートや門扉操作室がいかにも近代的取水堰らしいです。下流の羽村の投渡堰(なげわたしせき)が江戸時代の技術を伝える珍しい堰なので対照的ですね。


小作取水堰管理橋より多摩川下流の眺め
右岸下流側の眺め。投渡堰として有名な羽村取水堰は約2km下流にあります。


小作取水堰管理橋より多摩川下流の眺め
管理橋より左岸下流側の眺め。手前の高水敷に立つ塔は水位観測塔です。


小作取水堰左岸取水口
スクリーンがずらりと並ぶ左岸の取水口です。取り入れた水は樋門ゲートから沈砂池へ流れていきます。


小作取水堰・樋門ゲートと流量調節ゲート
多摩川左岸堤防を挟むようにゲートが設置してあります。川表側は樋門ゲート3門、川裏側が流量調節ゲート3門です。


小作取水堰・沈砂池
流量調節ゲートから沈砂池に入ります。水道原水は多摩川と逆方向へ流れています。丘の上の白い建物は東京都水道局羽村取水所 小作取水堰管理所です。


小作取水堰・沈砂池
沈砂池下流側へ回り込みました。沈砂池を越流した原水は手前のゲートから小作・山口線導水路Φ3800mmに入り自然流下で山口貯水池(狭山湖)へ流れていきます。


小作取水堰
施設を一通り見学しました。おしまいに沈砂池付近多摩川左岸堤防から小作取水堰遠景です。

追記
前回投稿の小河内ダム直下の多摩川第1発電所は所管が東京都交通局であることが分かりました。路面電車や地下鉄を走らせているあの東京都交通局が電気事業もやっているんですね。それで思い出したのは東京都交通局が管理する「白丸調整池ダム」です。魚道付きの大変珍しいダムです。場所は小河内ダムの下流、青梅線の鳩ノ巣駅付近にあります。探訪記を発表しました。興味がある方はどうぞ。
其の512 白丸調整池ダムを訪ねる②魚道編・東京都奥多摩町

小作取水堰の位置です。


其の617 小河内ダムへ行ってきました・東京都奥多摩町

 山梨県大月市の深城ダムを見学後、小河内ダムを見に行きました。深城ダム上流の葛野川ダム(揚水式の葛野川発電所下池)を訪ねる予定が、松姫トンネル手前のR139がなぜか通行止めのため、予定を変更し小河内ダムへ向かいました。


小河内ダム・奥多摩湖
深城ダムから小一時間ほどで小河内貯水池(奥多摩湖)に到着。左岸駐車場付近から見た小河内ダムです。湖水は台風19号の影響でいまだに薄茶色に濁っています。


小河内ダム・奥多摩湖
湖畔をダムへ接近します。正面が小河内ダムです。いわゆるクレストゲートなどの洪水吐施設がない、のっぺりとした堤体です。エレベーター塔と展望塔だけが目立ちます。左側は余水吐水門です。


小河内ダムの余水吐水門
余水吐水門です。5門のローラーゲートは閉じています。小河内ダムは洪水調節機能を持たない水道専用ダムとして築造されました。ダム断面図を見ても洪水期、非洪水期別の水位は設定されていません。


小河内ダム余水吐水路
余水吐水門の上は水根橋と言い、車や人が通行できます。
水根橋から見た余水吐水路です。余水は下流の水根沢に落とし多摩川に合流しています。大雨が降ると水位が上がるので設定満水位(EL526.5m)を超えるとここから放流されます。先だっての台風19号直後は大量に放流されたはずです。治水機能を持つダムの非常用洪水吐に相当する施設ですね。案内板によると計画放水量は1500㎥/秒となっています。


小河内ダム
小河内ダム
左右両岸から見た小河内ダム堤体。変化に乏しく単調な感じがしますね・・・。堤高・提頂長は149.0m・353.0m、堤頂ELは530m。上流側の山々は水道水源林として東京都水道局が100年前から管理しているそうです。


奥多摩湖(小河内貯水池)
右岸慰霊碑付近から左岸方向の眺め。先ほど渡った5門の余水吐水門が見えます。その左側は「水と森のふれあい館」、その左が「第2号取水施設」、5門の余水吐水門の右側は小河内貯水池管理事務所です。ダムカードは水と森のふれあい館でもらいました。


小河内ダム直下の眺め
堤体天端の通路から下流側を眺めました。ダム直下の多摩川第1発電所や変電所が見えます。左上、山の上の茶色の円筒はサージタンクです。後述の第2号取水設備から多摩川第1発電所へ向かう導水管路の途中にあります。


小河内ダム
谷側から見た小河内ダムです。


小河内ダム直下の施設・多摩川第1発電所他
ダム直下の施設です。中央の白い建物が多摩川第1発電所、左上、多摩川第1発電所取水管から水圧鉄管が伸びています(最大取水量21.5㎥/秒)。水色の屋根の施設は第1号取水施設取水管(最大取水量17.0㎥/秒)。どちらも水じょく池に入った後、多摩川の維持水、氷川発電所向けに分け下流へ流れていきます。多摩川を流下した水は小作取水堰、羽村取水堰で取水され本来の目的である水道原水として東村山浄水場、境浄水場、小作浄水場へ送られます。
水じょく池の「じょく」とはやわらかい敷物の意で減勢工とか減勢池と同じ機能と思います。


原水の流れ図です(現地案内板より)。
小河内ダム原水の流れ図
利根川水系の朝霞浄水場・三園浄水場にも原水連絡管で繋がっています。異常渇水期や水質事故に備えて相互融通するためと思います。


小河内ダム全景図
参考資料として小河内ダム全景図です(現地案内板より)。


小河内ダム・第2号取水施設
これは駐車場前の第2号取水施設です。ゴミ除けスクリーンが見えます。施設の上はヘリポートになっています。利根川水系が渇水期になると30.0㎥/秒を取水し多摩川の増量を図ります。また冷水対策用として4/1~11/30まで取水し多摩川第1発電所を経由して下流に放流します。上述の多摩川第1発電所取水管からは12/1~3/31までの取水で季節により使い分けています。


小河内ダム・クラウド注入模式図
これはグラウド注入の模式図です。案内板から見つけました。
小河内ダム建設工事では地盤改良のためあらかじめ各種グラウチングを行ったそうです。


右岸ダムサイトにモニュメントが展示してありました。
小河内ダムモニュメント・コンクリートバケット
ダム建設に使われたコンクリートを運ぶバケットです。一回の運搬で6㎥のコンクリートを運んだそうです。


小河内ダムモニュメント・ドラム缶浮橋
小河内ダムモニュメント・ドラム缶浮橋案内板
ドラム缶浮橋と案内板。ドラム缶はポリエチレン・発泡スチロール製の浮子に変わり、今でも実際に使われているそうです。


小河内ダム・ダムカレー
ダムへ来たからにはダムカレー。時刻は13時半過ぎ、一日限定20食がまだ残っていました。湖面に浮かぶのは巡視艇とドラム缶浮橋だそうです。エレベーター塔、展望塔もありますね。


おしまいに小河内ダム・ダムカードです。
小河内ダム・ダムカード
小河内ダム  目的記号WP
所在地:東京都西多摩郡奥多摩町
河川名:多摩川水系多摩川
型式:非越流型直線重力式コンクリートダム
堤高・提頂長:149.0m・353.0m
総貯水容量:1億8,910万㎥
管理者:東京都水道局
本体着工/完成年:1938/1957年


予備知識なしで訪ねました。現地案内板、パンフなどで知りたいことはおおよそ呑み込めましたよ。訪れてよかったです。(^σ^)


おしまいのおしまい、追記です。
2019.11.24読売新聞朝刊一面にこんな記事が載りました。
国内全ダム運用見直し 1460基、来期にも 
大雨時の貯水量増
 政府は、台風19号などの被害拡大を踏まえ、国内全てのダム、計1460基の運用を抜本的に見直し、水害時に活用できる貯水量を大幅に引き上げる方針を固めた。関係省庁の検討会議を内閣官房に近く設置して具体化を進め、台風シーズン到来前の来年6月の新たな運用開始を目指す。
 全国には治水機能を持つダムが562基、発電や上水道、農業用などの利水目的ダムが898基ある。治水機能があるダムは大半が利水目的も兼ねた多目的ダムであるため、水害時に水位調節に使える貯水量は全有効貯水量の約3割にとどまっている。
 運用見直しでは、大雨が予想される場合、利水用の水をあらかじめ放流して水位を下げ、新たに貯水量を確保することが柱となる。 (以下略)

小河内ダムは水道水のために開発されたダムなので常用洪水吐機能がなく、あらかじめ大雨を予想して水位を下げるのは容易ではないと思います。小河内ダムの水の出口(上述した三つの施設)を同時に稼働させても合計68.5㎥/秒にしかなりません。時間をかければ可能でしょうが、台風が迫っているときには焦りますね。どのように対応するのでしょうか。注目したいと思います。将来的にはどこかに常用洪水吐を造るしかないと勝手に想像するのですが・・・。

小河内ダムの位置です。



其の616 空っぽの道志ダムを見てきました・相模原市緑区

 読者から道志ダム(奥相模湖)が只今全量放流実施中との情報(其の615に12/04付けコメント)を頂きました。湖底が見られるまたとないチャンス到来です。同じ相模原市内なので取るものも取りあえず行ってきましたよ。(^σ^)

道志ダム(奥相模ダム)
道志みち・R413が通行規制のため甲州街道・R20から県道76号線に入り南下しました。県道から見た道志ダムです。いつもと違うのは3門ある大制水門ゲートの真ん中のゲートから放流していることです。


道志ダムの洪水吐ゲート放流
ダム天端から見た放流の様子。右岸端っこの小ゲートからも放流しています。


道志ダムの洪水吐ゲート放流
ダム天端に県道76号線が走っています。右岸から見た洪水吐ゲート放流。


道志ダム(奥相模湖)
さて、注目の奥相模湖はこんな風になっています。湖底を道志川が流れています。めったに見られない風景です。訪れてよかったです・・・。(^σ^♪


道志ダム(奥相模湖)
管理橋が邪魔しているので右岸寄りから見ました。上流から運ばれた砂が堆積し崖を作っています。これだけ大量の砂が堆積すると貯水容量に影響がないか心配になりますね。たまには浚ってやるんでしょうね。流木やごみから洪水吐ゲートを守る網場(あば)がだらりんこ。


奥相模湖
これは普段の奥相模湖です。「其の239」 (2015/9)より。


道志ダムの水力発電所向け取水口
左岸の発電所向け取水口です。ダム直下の道志ダム発電所、道志第1、道志第2発電所へ水を送っています。こんな時しか全体像は見られないので今日の収穫のひとつです。


道志ダム・ダムカードです。目的記号はP(発電)一文字です。
道志ダム・ダムカード
所在地:神奈川県相模原市
河川名:相模川水系道志川
型式:重力式コンクリートダム
ゲート:ローラーゲート×5門
堤高・提頂長:32.8m・74.0m
総貯水容量:153万㎥
管理者:神奈川県企業庁
本体着工/完成年:1953/1955年
こだわり技術:大制水門の13.4mという門扉高さは、当時我が国最高のものでした。

(ダムカードより)

訪れたのは12月5日(木)です。同日の「かながわの水がめ」(右サイドバーにリンクあり)情報によると、
道志ダムではダム関連施設工事に伴い洪水吐ゲート放流を令和元年12月2日から実施しています。
とあり、ゲート放流実施有無を確認できます。

道志ダムの位置です。


其の615 深城ダムを見学しました・山梨県大月市

 11月29日(金)、ぐずつき気味だったお天気が回復したので、かねてより計画していた深城ダムへ行ってきました。

深城ダム・山梨県大月市
中央道大月ICからR139に入りくねくねとした山間の道を上っていくと突然左手に深城ダムが現れました。思わず道端に車を止めて最初の一枚をパチリ。先日訪ねた塩川ダムが真正面から望めなかったので嬉しいですね・・・。遠くの山はうっすらと雪化粧しています。


深城ダム堤体上の管理橋
右岸から見た深城ダム堤体上の通路(管理橋)。見学者は自由に通行できます。左岸の建物は山梨県深城ダム管理事務所です。ダムカードはこちらでもらいました。
深城ダム管理事務所前には見学者用駐車場やトイレがあり、ゆっくり見学できます。それでは順に見ていきます。


深城ダム・山梨県大月市
右岸から見た深城ダム。常用洪水吐から放流中です。


深城ダム・山梨県大月市
湖側から見た深城ダム。現在は非洪水期(10-5月)の水位に保たれています。洪水期(6-9月)は水位を4m下げて洪水に備えます。左側の塔は常用洪水吐設備で、右側は選択取水設備です。管理橋下の開口は自由越流式の非常用洪水吐設備(全5門)です。


深城ダム・選択取水設備
選択取水設備です。利水のために必要な水を取水する際に使用する設備で、ダムに埋設されている管路内を流れ利水放流バルブを経由しダム下流に放流されます。


シオジの森ふかしろ湖
深城ダム堤体天端管理橋から上流方向「シオジの森ふかしろ湖」の眺め。右岸の建物は巡視や流木の撤去を行うボートを格納する艇庫です。


深城ダム管理橋から下流を望む
ダム堤体天端管理橋から下流側の眺めです。


深城ダムのグラウチングトンネル
これは何でしょう。ダム堤体近く右岸山側のトンネル入口のような施設です。左岸山際にもありました。これはダムを造った時にグラウチングを行ったトンネルで、出口はなく行き止まりです。再施工する際に必要なので残してあると思われます。岩盤の割れ目から水が漏れないように割れ目にセメントミルクを注入充填することをグラウチングと言います。

グラウチングとは? 日本ダム協会 ダム辞典より引用します。
 一般に、セメントミルクやモルタルを空隙などに充填することを言います。グラウトということもあるようです。ダム建設では、基礎地盤の改良などのため、セメントミルクを用いてグラウチングが行われます。


深城ダム
堤体天端から見たダム下流側の様子。只今常用洪水吐から放流中です。ダム管理所職員さんの話では、渇水期である今どきの放流は大変珍しいそうです。台風19号の影響がいまだに残っています。


深城ダム直下の様子
真上から見ました。青色屋根の建物は利水放流水を利用した深城発電所です。放流中なので只今発電中です。発電しないときは黒い屋根の利水放流バルブ室から直接放流するそうです。直下の池は減勢工と言います。


深城ダム・ダム内見学案内板
エレベーター棟前、地下60mのダム内見学の案内板です。
ラッキーなことに見学出来ましたよ。(^σ^)


深城ダム・監査廊
エレベーターで地下に下りました。ダム堤体内監査廊です。急峻な地形のため重機が降ろせなく、現在では珍しいブロック工法で築造したそうです。上部には深城発電所内で変圧した高圧送電線が添わせてあります。


深城ダム
深城ダム堤体を見上げる。非洪水期(10-5月)常用洪水吐から放流中です。1門のゲートを上下させて洪水期・非洪水期の洪水吐ゲートを兼用しています。こだわり技術の一つだそうです。


深城発電所・横軸フランシス水車
発電所建屋の窓ガラス越しに内部を見られます。「中川水力」看板がかかっているのが横軸フランシス水車です。
最大出力340kw


深城発電所発電電力表示
これはダム管理事務所前の発電電力表示です。只今の発電量24.3kw。


深城ダムの水神様
ダムサイトの水神様です。大門ダム、塩川ダムにも祀ってありましたね。


深城ダム左岸山側のニホンザル
左岸の山側でニホンザルが遊んでいました。二匹映っています。左岸、右岸にそれぞれ群れが生息しダムにも出没するそうです。その糞害処理が大変そうでした。

見学は以上で終え次の目的地へ向かいました。
深城ダムパンフや施設前の案内板が充実した内容で理解が深まりました。ダム好きにとってはありがたいダムです。


おしまいに深城ダム・ダムカードです。
深城ダム・ダムカード
深城ダム  FNWP
所在地:山梨県大月市
河川名:相模川水系葛野川
型式:重力式コンクリートダム
ゲート:ベルマウス型オリフィス1門
堤高・提頂長:87m・164m
管理者:山梨県
本体着工/完成年:1996/2005年



山梨県深城ダム管理事務所の位置です。