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横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその取水源を探訪します。

其の608 宮ヶ瀬ダムの利水放流・神奈川県愛川町

 小沢頭首工を見た後、宮ヶ瀬ダムへ足を延ばしました。
思いがけず今まで見たことがない利水放流を見ることが出来ましたよ。(^σ^♪


愛川町田代・中津川左岸宮ヶ瀬ダム放流中電光掲示板
中津川左岸、愛川町田代の「宮ヶ瀬ダム放流中注意」の電光掲示板です。この辺り上流の石ころ河原にカワラノギクの自生地があります。河川敷に下り、藪の小道を進んだのですが途中で行き止まりでした。自生地の石ころ河原は水に浸かったみたいです。
渡りに船の電光掲示板情報。この上流、すぐ近くなので宮ヶ瀬ダムの放流を見に行くことにしました。


宮ヶ瀬ダム・宮ヶ瀬湖
今日、10月23日の宮ヶ瀬ダムです。台風19号の影響で宮ヶ瀬湖は茶色に濁っています。


宮ヶ瀬ダム堤体より下流を望む
ダム堤体天端から下流方向の眺めです。下から放流水音が轟轟と沸き上がってきます。


宮ヶ瀬ダム堤体より下流の眺め
お天気は快晴、約40㎞先のランドマークタワーが見えました。


宮ヶ瀬ダム
ダム直下の管理橋から見た宮ヶ瀬ダム堤体。
ここから三種類の放流設備が見られます。
●一番上の三つの開口部は非常用洪水吐(自由越流提)
●その下に二条の流水跡があります。高位常用洪水吐です。
観光放流の際はここから二条が同時に放流されます。
●その下左岸寄り白い建物が低位常用洪水吐です。
低位常用洪水吐の右側に堤体天端に通じる階段があります。残念ながら管理橋より先は通行止めのため近づけません。

宮ヶ瀬ダム階段
これは右岸階段上り口の案内板です。498段ありますよ。こちらは入り口の柵が施錠され入れなかったです。階段開放日は下記HPを参照ください。洪水吐施設の解説もあります。
宮ヶ瀬ダム・国土交通省相模川水系広域ダム管理事務所



利水放流設備です。
宮ヶ瀬ダム・利水放流設備

宮ヶ瀬ダム・利水放流設備
とどろきわたる流水音は管理橋のすぐ下、右岸で発生しています。選択取水設備から取り入れた利水放流設備です。放流設備上の護岸に青色のリングが展示してあります。実際に使われている口径3mの鋼管カットモデルです。


宮ヶ瀬ダム利水放流鋼管カットモデル
鋼管カットモデルと案内板。
口径:3,000mm 板厚:20mm 流量:50㎥/秒(鋼管銘板より)


宮ヶ瀬ダム直下中津川(石小屋湖)
管理橋から下流の眺め。右岸は愛川第一発電所です。利水放流設備同様、選択取水設備から取り入れた水で只今発電中です。最大使用水量22㎥/秒。利水放流設備と合わせると72㎥/秒を放流していることになります。


新石小屋橋下付近の中津川(石小屋湖)
新石小屋橋下の洲と流木。今まで見たこともない洲があり、丸太が漂着しています。どこから来たのでしょう。もしかして非常用洪水吐(自由越流提)を越えたのでしょうか。上記HPによると、かつて非常用洪水吐放流が行われたのは試験放流時の一回のみで、非常用洪水吐からではないと思います。
新石小屋橋を渡り、石小屋ダムを見に行きました。


石小屋ダムと石小屋湖
石小屋ダムです。利水放流で水かさが増し只今満水位です。


石小屋ダム・石小屋橋
石小屋ダムと石小屋橋。ゲートがない自由越流提ダムです。


石小屋橋より中津川下流の眺め
石小屋橋より中津川下流の眺め。左岸の利水放流設備から放流中です。その下流側に愛川第二発電所があります。

石小屋ダム下流の利水放流設備
利水放流設備を拡大しました。ここへは何回か来ていますが、今日初めて利水放流を見ました。


石小屋湖と津久井導水路取水口
茶色に濁った石小屋湖。左岸の施設は津久井導水路取水口です。城山ダム(津久井湖)が水不足になるとここから道志川経由津久井湖に送水し補給します。


宮ヶ瀬ダム・ダムカレー
おしまいに水とエネルギー館でお決まりの定番ダムカレーを頂きました。今年3月にも食したのですが辛口になっていましたね・・・。辛れー。


宮ヶ瀬ダムの位置です。


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其の607 小沢頭首工を訪ねる・相模原市中央区水郷田名

 10月23日(水)、久し振りの青空。前回訪ねた清水下頭首工下流の小沢頭首工(こさわとうしゅこう)へ行ってきました。相模川は10月12日の城山ダム緊急放流以来ゲート放流が続いているので水かさが増しています。


相模川にかかる高田橋・県道54号線
県道54号線高田橋です。相模川左岸堤防下の遊歩道から上流を見たところです。緊急放流では高田橋の橋桁すれすれまで水位が上昇したそうですが、河川敷広場の芝生の傷みはなくそんな痕跡はないですね。


相模川・高田橋上流
遊歩道から芝生広場に下り上流へ歩くと前方に小沢頭首工が見えてきました。足元に浮遊ゴミが溜まっているので緊急放流ではこの辺りまですれすれに水位が上昇したことが分かります。芝生広場は、相模川の花火大会では観客席となります。


相模川・高田橋上流
石ころ河原に下りて小沢頭首工そばまで接近します。


相模川・小沢頭首工
4門の取水堰転倒ゲートは倒伏しています。城山ダムはかながわの水がめ(サイドバーにリンクあり)で確かめると今日もゲート放流続行中です。いつもより水かさが増し茶色く濁った流れです。


相模川・小沢頭首工
対岸は愛甲郡愛川町角田と相模原市の境界付近です。取水ゲート、魚道、崖の中腹の操作室が見えます。かんがい期であれば小沢頭首工で取水した用水は相模川右岸の愛川町、厚木市の田んぼへ流れていきます。


相模川・小沢頭首工下流
頭首工下流の河原にポツンと六脚ブロックがひとつ鎮座しています。きっと緊急放流で転がりながら流されてきたんでしょね。水の力はすごいですね・・・。


相模川・小沢頭首工下流
六脚ブロック付近から見た左岸堤防。城山ダム緊急放流で水位が上昇したのは下段の堤防まででそれより上は安全でした。


相模川・小沢頭首工下流床固ブロック
頭首工左岸側は固定堰です。固定堰下の床固ブロック群。


相模川・小沢頭首工固定堰と水叩工
固定堰下です。コンクリートで固めています。こんな河川施設を流路工では水叩工と呼んでいますが同じ目的と思います。


相模川・小沢頭首工固定堰
固定堰の上に立ち、足元を見れば城山ダム緊急放流の跡が残っていました。
大雨でダムの洪水調節能力を上回る流入があった時、流入量と同量を放流するのが「緊急放流」です。もし城山ダムがなければ、大雨のたびに緊急放流時のような事態が発生することになります。ダムの有難さが良く分かりますね・・・。


相模川・小沢頭首工
左岸堤防上より小沢頭首工の眺めです。


相模川左岸・標高、河口からの距離標識
相模川左岸堤防上で標柱を見つけました。
標高58.1m  河口から28.6km


小沢頭首工見学記(操作室・取水ゲート・転倒堰・魚道など)はこちらです。
其の88 小沢頭首工幹線水路を歩く1・小沢頭首工を訪ねる


小沢頭首工の位置(中央十字線)です。


其の606 清水下頭首工を訪ねる・相模原市中央区

 10月20日(日)、前回訪ねた諏訪森下橋の下流にある清水下頭首工を久し振りに訪ねました。城山ダムがゲート放流中で水かさが増えた頭首工はどんな様子か気になります。ここは通算3回目の探訪となります。

相模川・相模原市中央区田名清水
相模原市中央区田名清水の相模川左岸崖上の森から見た相模川です。まだ茶色の濁流です。


相模川・相模原市中央区田名清水
別の日に撮った相模川右岸から見た断崖です。清水下頭首工は中洲の向こう側、左岸崖下にあります。


清水下頭首工通路
標高差約40mの急な崖を下ります。初めは九十九折の階段を下ります。


清水下頭首工通路
下る途中で振り返りました。崖から清水が湧きぬかるんでいます。鉄製階段は腐食しているので用心しながらの歩きです。


清水下頭首工取水堰
清水下頭首工に到着。転倒堰は倒伏しています。起立状態で水かさが増えると河川水の速やかな流下を妨げるので、自動的に倒伏する仕組みになっています。
それにしてもこんな崖下にどのようにして築造したのでしょう。
上流に土嚢を積んで川筋を変更して流れをなくし、資機材は崖上からクレーンで降ろしたのでしょうかね・・・それとも対岸から仮設橋?よく分かりません。


清水下頭首工取水口
取水口ゲートです。2門あります。取水した用水は水路隧道に入り、約800m下流の分水施設で烏山用水と相模原幹線用水路(大堀)に分けられます。通水期の取水量は最大2.1㎥/秒。ゲート巻上げ機操作は大変そうです。通路幅は人一人通るのがやっとですからね。数年前の初探訪では豪雪で立木が倒れ、加えて崖崩れもありこの取水施設を見ることができませんでした。


相模川・清水下頭首工
この写真はその時の模様です。



清水下頭首工通路
帰り道です。中空に浮かぶ階段? 崖崩れが怖いので逃げるようにこの場を離れました。足がつりそうです。

平成24年(2012年)に城山隧道の横坑を見に行ったことがあります。谷底の横坑入り口を見つけた帰りに崖道を登ったのですが、今日と同じ気分になりましたね・・・。後ろから幽霊に抱き着かれるような恐ろしい体験をしました。帰宅して撮った画像を改めるとレンガ張りの横坑隧道入り口前に火の玉が二つ写っていました。


清水下頭首工遠隔操作盤
崖上の通路降り口に設置された遠方ゲート操作盤です。頭首工を管理する土地改良区係員はここから取水ゲート開閉操作が可能です。当初無かったらしいのですが、後年、県によって設置されました。


烏山用水
約800m下流の分水施設で分水された烏山用水の様子です。烏山用水は水郷田名地区のシンボルとして通年通水しています。相模原幹線用水路(大堀)も同じように茶色の水が流れていました。今は非かんがい期ですが町中では環境維持水として流しているようです。

写真左側そりのある石積み護岸は相模原市登録史跡・烏山用水の石積みです。
安政5年(1858)、領主の烏山藩大久保氏によって作られたものです。石積みは川床から約2mの高さがあり、隧道出口付近の原形を残すものとして伝えられています。相模原市教育委員会 (説明パネルより)


清水下頭首工下流の望地キャンプ場付近、望地弁天前に清水下頭首工完成記念碑が立っています。「其の137」記事より抜粋します。
清水下頭首工完成記念碑
明治44年烏山用水路延長工事の際、取水口として設置された。昭和35年3月「相模原用水組合連合会」を結成、現地点に水門を設けた。昭和40年9月、台風24号の被害は激甚をきわめた。関係機関の配慮により、5600万円あまりの巨費をもって昭和42年3月完成した。



関連記事です。
其の136 水郷田名の烏山用水を訪ねる(2014/3投稿)
其の137 相模原幹線用水路を訪ねる①(2014/3投稿)


清水下頭首工の位置(中央十字線)です。


其の605 城山ダムのゲート放流・相模原市緑区

 台風19号が上陸した3日後、城山ダムのゲート放流を見てきました。上陸した12日の午後9時30頃、昭和40年の建造以来初めての緊急放流が行われ下流域の市町では夜中の避難騒ぎとなりました。

城山ダムのゲート放流
今日の城山ダムです。緊急放流は4時間ほどで終わり、只今2門のゲート放流が行われています。報道によると緊急放流では平常流量の2倍に相当する毎秒3千トン以上に上ったそうです。


津久井湖 2019.10.15
津久井湖は浮遊ゴミの山です。これは酷い! 現在の貯水量は津久井発電所取水塔に表示の黄色ライン・常時満水位124mを下回り、夏期の洪水期制限水位120m程度に抑えているようです。


城山ダム取水塔
これは渇水期の津久井湖・津久井発電所取水塔の写真です。
「其の98」より。
こんなに水位が下がった津久井湖を見るのは初めてです。これはR413城山大橋から見た津久井発電所の取水塔です。(2013年8月12日撮影)。
近頃はいつ来ても青線より少し下の117mでした。直近の6月27日に訪ねた時もやはりそれぐらいでした。
今日はいつもより5m以上水位が下がっています。
(ちなみに黄色線は標高124m、青色線は120mを示す)。



津久井分水池前を流れる相模川
城山ダムのゲート放流を見るのは今回が2回目です。1回目は2015年9月「其の239」でした。
今回はその時見られなかったダム下流の相模川の流れを見てきましたよ。めったに見られないので今日の収穫です。普段、ダム直下から下流の津久井発電所放流口までは水無川です。写真右手前のゲートは津久井分水池から下の津久井発電所へ向かう水圧鉄管の入口ゲートです。遠くの橋は圏央道です。


相模川に架かる諏訪森下橋
小倉橋下流、諏訪森下橋を流れる相模川です。


相模川・諏訪森下橋付近
相模川・諏訪森下橋付近 2019.10
堤防上の雑草がなぎ倒され、津久井湖のゴミと同じ浮遊ゴミが溜っています。12日夜の緊急放流で濁流が堤防から溢れた証拠ですね。


小倉橋下流の相模川
諏訪森下橋を渡り中洲の北側から上流の小倉橋を見ました。


相模川・小倉橋下流 2019.10.15
小倉橋上流に津久井発電所の放流口が見えます。帰宅後「かながわの水がめ」を確認したら、発電所はこんな濁流にも拘わらず運転していることが分りました。床固めブロックが無残です。緊急放流の影響ですね。


諏訪森下橋上流、道路陥没 2019.10.15
中洲内の道路もこんな惨状です。これも緊急放流の被害者?ですね。中洲内の田んぼは無事で収穫後の稲束が干してありました。


城山ダムです。


其の604 江東三角地帯の治水施設・北十間川樋門②

 今年春に耐震対策工事中だった北十間川樋門を初探訪しました。「下町のパナマ運河体験クルーズ」のついでに、北十間川樋門のその後を見に行ってきました。前記事と重なりますがその様子を簡単にお伝えします。

東京スカイツリー下・北十間川
東京スカイツリーの真下、北十間川に架かる東武橋です。
橋より上流側(西側)で北十間川樋門耐震対策工事が行われています。これは、その工事現場東端です。

※各画像はクリックすると拡大します。


耐震対策工事中の北十間川樋門
橋の下から覗くとこのようになっています。今年春とあまり変わっていません。数本のホースが土嚢を跨いでいます。北十間川樋門は(源森川水門経由隅田川の水を)水質浄化用水として取り入れる取水口としての役目を持つのですが、只今工事中のためこのように暫定的にホースで水を送っていると思います。


耐震対策工事中の北十間川樋門
東武橋橋上から見ました。


これ↓はこの春に来た時の現場の状況です。「其の563」より。
北十間川樋門耐震対策工事現場
東武橋を渡り東側から見た北十間川樋門耐震対策工事現場です。小梅橋・東武橋間の内99.5mが工事区間です。北十間川樋門が樋門ゲートから奥行99.5mもあることが分りましたが、只今施工中で、中の様子はさっぱりわかりません。工事完了後(工期は2020.2月末)にもう一度出直しですね。


耐震対策工事中の北十間川樋門
工事現場ゲート内、今日の様子です。土曜日で休工中です。
白色のフタがしてあったのが除かれ川らしくなりました。西端に樋門ゲート巻上機が見えます。樋門は撤去予定ですが、まだ撤去されていないですね。


耐震対策工事中の北十間川樋門
対岸から見た西方向です。北十間川樋門ゲートが見えます。


耐震対策工事中の北十間川樋門
対岸から見た東方向です。左端が東武橋です。


北十間川樋門
北側道路から見た北十間川樋門。樋門より西側の北十間川は源森川水門を通じ隅田川に繋がる感潮河川です。

北十間川樋門は隅田川の水を水質浄化用水として取り入れる取水口としての役目があるのですが、江東河川事務所HPによると平成31年度中にサイフォンを設置し樋門は撤去するそうです。樋門の代わりに堤防(護岸)を築きその上にサイフォン管を通すということです。


東京スカイツリー下の北十間川
東武橋下流の北十間川。北十間川樋門を境とし東側は江東内部河川の東側河川となります。「下町のパナマ運河体験クルーズ」の発着場所はスカイツリー下のおしなり公園船着場です。


東京スカイツリー
東武橋より東京スカイツリーを見上げました。10月5日(土)、台風19号来襲一週間前です。

北十間川樋門は扇橋閘門と共に江東内部河川を東西に分ける治水上重要な施設です。西側河川はA.P.±0m~+2.1mの範囲内で水位が変化する感潮河川。東側河川は人工的にA.P.-1.0mに抑えて管理する水位低下河川です。東西の落差は最大3.1mに達します。
扇橋閘門は前扉後扉があり理解しやすいのですが、こちらはどのような仕組みで落差調節するのか実際に見てみたいです。
工事完成後にまた出直します。そのさいはサイフォン施設もぜひ見たいものです。


台風19号の被害状況が徐々に明らかになっています。台風の被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

台風19号が伊豆半島に上陸したのは10月12日19時頃です。
その日の同時刻、テレビを見ていたら隅田川のテラス護岸が水に浸かった映像が流れていました。昼間の映像でしたが、東京湾は16:31が大潮の満潮時刻で台風19号の接近による高潮が心配されていました。この一年江東三角地帯(デルタ地帯)を巡り、治水について勉強したので些か関心を持ち治水観点から注目していました。幸いにして大きなニュースになることなく台風は過ぎ去り事なきを得ました。東京都民はじめ河川を管理する東京都・国交省・関係省庁もきっと安堵したと思います。昼間に荒川決壊のおどろおどろしいシミュレーション映像がTV放映され恐怖感を持った方が多かったと思います。台風が迫っているときこのような映像の放映は止めてもらいたいですね。

事なきを得たのは、荒川上流部秩父のダム群、彩湖(荒川第一調節池)で洪水を貯留し、青水門(岩淵水門)や隅田水門で水をコントロールし、江東三角地帯外郭防潮水門・排水機場などの治水施設群がシステムとしてフルに機能を発揮した結果だと思います。武蔵水路も一役買っていると思います。まずは良かったです。

台風19号は伊豆半島に上陸後、小田原市、町田市を通りました。私が住む相模原市の隣が町田市です。12日の21時頃強風雨がピタッと止みました。ひょっとして台風の目が通過したのかなと今頃になって振り返っているのですが、幸い自宅近辺では大きな被害もなく事前の予想が大きく外れ助かりました。夜、城山ダム緊急放流があり相模川沿いの住民が河岸段丘上の小学校へ強制的に避難する事態になったことを、翌日になって人づてに聞きました。緊急放流により高田橋の橋桁すれすれまで水位が上昇したそうです。

初回探訪記事です。
「其の563 北十間川樋門」 (2019/05投稿)


北十間川樋門の位置(中央十字線)です。


其の603 「下町のパナマ運河体験クルーズ」乗船記

 扇橋閘門の耐震補強工事が完成し、令和元年8月1日から閘門の通航が可能になりました。水のエレベーターとか川のエレベーターと呼ばれるパナマ運河式水門・扇橋閘門をクルーズで体験できる嬉しい企画を見つけ早速行ってきました。(^σ^♪


北十間川・おしなり公園船着場
スタートは東京スカイツリー真下、北十間川のおしなり公園船着場です。扇橋閘門で水のエレベーターを体験した後ここへ戻ります。

※各画像はクリックすると拡大します。


下町のパナマ運河体験クルーズお座敷船
これが今日乗船する屋根付きお座敷船です。


下町のパナマ運河体験クルーズ
参加者12名全員が揃い、定刻に出発。北十間川を東へ。


下町のパナマ運河体験クルーズ
T字水路を右折し横十間川へ入り南下します。


下町のパナマ運河体験クルーズ・JR総武線下
JR総武線下を通過。ここまでにアオサギ、シロサギ、コサギなど水辺の大形野鳥に合いました。餌になる魚が棲んでいる証で東京のど真ん中とは思えない自然が残っています。ときおり大形のボラが水面上に跳ねていました。驚いたことにスカイツリー下の北十間川ではマハゼの釣り人がいましたよ。水質がきちんと維持管理されているんですね・・・。


小名木川・横十間川のクローバー橋
小名木川との交差点です。クローバー橋を仰ぎ見ながら右へ曲がり小名木川に入ります。


小名木川の扇橋閘門後扉
小名木川を西へ進むと間もなく扇橋閘門後扉前に到着です。閘門後扉(ゲート)は開いています。ゲートの中(後扉と前扉の間)を閘室といい、閘室内で水位調節を行い、通航船を昇降させます。見たところお座敷船と閘室内は同水位ですが、信号が赤なので青に変わるのを待ちます。


扇橋閘門閘室内
信号が青に変わったので閘室内に入りました。左側側壁の水面跡に注目。直前の通航で付いた水面跡です。西側河川の只今の水位を示しています。

●扇橋閘門より西側の河川(江東内部河川・西側河川=小名木川、大横川。いずれも隅田川に繋がる東京湾感潮河川です)水位は潮の干満によりAP±0m~AP+2.1mの範囲で変化します。
●只今の閘室内の水位はAP-1.0mです。扇橋閘門より東側の河川(江東内部河川・東側河川=北十間川、横十間川、小名木川、旧中川)は治水上、人工的に水位はAP-1.0mに維持されています。

※AP(Arakawa Peil)とは、荒川工事基準面のことで、標高(TP)±0mのとき、AP+1.134mです。


扇橋閘門水位目盛
水位目盛りです。只今の水位はAP-1.0m、西側河川の水位はAP+1.2mと読み取れます。よって水のエレベーターは2.2m上昇することになります。

●東京湾大潮時満潮位はAP+2.1m(資料によっては+2.0m)なので最大3.1m昇降となります。最低は東京湾干潮位AP±0mなので1.0mの昇降となります。


扇橋閘門前扉
前方西側の前扉は当然のことながら閉じています。


扇橋閘門閘室と後扉  扇橋閘門閘室と後扉
一緒に通航する後続の船が閘室内に入ったところで後扉が閉じます。


扇橋閘門閘室内・給水中
側壁下部から水が吹き上がりぐんぐん水位が上昇します。泡や渦でそれと分かります。後述しますが東西河川の水位差を利用して給水しています。


扇橋閘門水のエレベーター完了
扇橋閘門水のエレベーター完了
水のエレベーター完了。西側河川と同水位になりました。
上記の後扉を閉じた写真と比較すると良く分かります。所要時間は5分間くらいでした。


扇橋閘門前扉
前扉が開き始めました。水がしたたり落ちています。青信号になるのを待ちます。


扇橋閘門前扉を通過
青信号に変わり小名木川(西側河川)に入りました。後扉は閉じたままです。


小名木川・大横川交差点
小名木川・大横川交差点から見た大横川北方向。出発地点の東京スカイツリーが見えます。ここでUターンして再び閘室内に入ります。先ほどとは逆の操作をして東側河川と同水位に調節したあと後扉を抜けて東側河川に入りました。


竪川
往路と同じ航路を逆にたどりスカイツリー下へ向かいます。横十間川から廃川になった竪川が見えました。住民の要望により埋立てたそうです。


北十間川の逆さスカイツリー
北十間川で逆さスカイツリーを撮りましたよ。(^σ^)/


参考までに川のエレベーター仕組み図です。「其の589」より。
扇橋閘門の仕組み
感潮河川水位(満潮時平均水位)はA.P.+2.1m、対する江東東側河川の平均水位はA.P.-1.0mで3.1mの水位差があります。

図によると閘室内の給水・排水は水位差を利用しているので動力を用いていないことが分ります。


地上からの扇橋閘門探訪記はこちらです。
「其の589 小名木川の扇橋閘門を訪ねる」 (2019/08投稿)


今回のクルーズはガレオンさんにお世話になりました。
詳細は「下町のパナマ運河体験クルーズ」をご覧ください。


扇橋閘門の位置(中央十字線)です。


其の602 柏尾通り大山道・長後市民センターの石仏群

 前回、下土棚遊水地を見学したあと、柏尾通り大山道に入り小田急線長後駅へ向かいました。長後市民センターの石仏群に詳しい案内板が新設されたので短くお伝えします。

下土棚遊水地D池周囲堤沿いの道を長後街道の方へ歩いて行くと、老人福祉センターこぶし荘を過ぎた辺りに右から下って来た坂道との交差点があります。この坂道が柏尾通り大山道です。
柏尾通り大山道
柏尾通り大山道に入りました。大昔に引地川が削って出来た河岸段丘崖でしょうかね。ずっと上り坂です。そのまま進むと長後街道に入ります。大山参拝の人たちが利用したので長後街道は大山道でもありました。


長後市民センター・石仏群案内板
長後街道沿いの長後市民センターを表敬訪問しました。センターの庭には近隣から集めた石仏が多数並べてあるので通りがかった時はいつも寄るようにしております。

これが新設の案内板です。いままではなんの案内もなかったのが、石仏個々に番号が付けられ、下記のように詳細な記述があり、より詳しく学べるようになりました。

長後市民センター石仏群
種類、型・刻銘、造立年・造立者、元の所在地等
平成31年3月吉日 長後地区郷土づくり推進会議歴史散策の会



石仏群は道標、句碑を含め30体ほどあります。以下は案内板未設置の石仏、道標です。

長後市民センターの庚申塔  長後市民センター・庚申塔
庚申塔です。左側面に天明二壬寅十一月吉日(1782年)造立。相州高座郡下土棚。右側面は道標を兼ねています。


長後市民センター・大山道道標
庚申塔の左となり(柏尾通り)大山道道標です。

来年、下土棚遊水地を見学する予定なのでまた来ます。案内板にどのように記述されるか楽しみです。

長後市民センター石仏群の直近の探訪記録です。
「其の542 柏尾通り大山道④」(2019/2投稿)


こぶし荘先の大山道(中央十字線)です。


其の601 引地川の下土棚遊水地を訪ねる④

 久しぶりに下土棚遊水地へ行ってきました。
現在工事中の下土棚遊水地。平成27年以来、年に一度は訪れるようにしています。今回の見学では工事が順調に進捗し様変わりした池もありました。

下土棚遊水地D池
9月25日(水)、今日もてくてく一人旅。小田急江ノ島線長後駅から長後街道の坂道を下り六会橋手前までやってきました。長後街道から見たD池です。前回と比べあまり変化していません。左側石垣下のコンクリートは上流の長後堰から来た暗渠用水路です。どのような形になるか注目しているのですが、まだ壊されないで無事ですね。このまま中村橋の放流口まで活かされるような気がします。

※各池の配置は引地川左岸側が下流に向ってD池、C池,B池の順で、右岸側がA池です。詳しくは下土棚遊水地パンフレットを参照ください。

※各画像はクリックすると拡大します。


下土棚遊水地D池
引地川の方向を見ると川沿いで重機がなにやら作業しています。


下土棚遊水地D池・連通管
その下流側に前回来たときにはなかった水路トンネルが見えます。D池、C池の境、県道22号線を潜る水路トンネル(連通管)です。引地川左岸越流堤からD池に入った引地川の洪水はD池、C池、B池の順に下流の池に流れて行きます。


下土棚遊水地D池・工事の様子
六会橋から見た工事の様子。この辺りに越流堤が設置されるので、その関連工事と思われます。


下土棚遊水地D池・工事の様子
鋼矢板の打ち込み作業でした。昔は鉄の重りを吊り上げてどっすんと打ち込んでいたので騒音が酷かったのですが、今は静かです。


下土棚遊水地D池・工事の様子
県道22号線下土棚大橋からズームインで見た作業の様子。上の写真と比べると約6分で打ち込んでいます。静かで作業が早い!良いことずくめですね。(^σ^) 越流堤は蛇行部に設けるみたいですね。
右岸のゲートは雨水下水管吐口です。脇に柏尾通り大山道の人道橋が架かっていたのですが撤去されました。


下土棚遊水地C池
下土棚大橋から見た下流方向です。D池の下流C池です。一次池(川に近い方の池)が掘り下げられ左岸の護岸は真新しくなっています。


下土棚遊水地C池
県道22号線から見たC池。掘り下げた一次池と遠くにB池に繋がる完成した連通管が見えます。


下土棚遊水地C池連通管
上記をズームインしました。C池、B池を繋ぐ連通管。


下土棚遊水地C池
C池南端、中村橋たもとから見たC池上流方向。一次池に水が溜っています。たぶん雨水でしょうね。湧水ではないと思います。


中村橋より引地川上流を望む
中村橋から見た引地川上流方向。左岸の護岸が一部真新しくなっています。


下土棚遊水地B池
中村橋から見たB池。長後用水路終点の放流口(茶色のフラップゲート)が見えます。田んぼへ水を送る時期、上流の長後堰(ゴム堰)で取水した用水の余水排水が役目を終えてここから引地川へ戻って行きます。


下土棚遊水地B池・排水ゲート
B池と排水ゲート(吐口管)。前回来たときに完成していました。D池→C池→B池と流れ洪水が収まるとここから引地川に戻されます。一次池、二次池に段差があることが分ります。


下土棚遊水地・A池越流堤
さて、中村橋に戻り下流方向右岸のA池を見ました。前回来たときに工事中であった引地川右岸の越流堤が完成しています。洪水が池に流入し易い蛇行部に設けてあります。


下土棚遊水地・引地川右岸A池越流堤
ズームインしました。引地川右岸の一段低い堤防。越流堤。


下土棚遊水地・引地川右岸A池越流堤
A池周囲堤から見ました。減勢池もちゃんとありますよ。


下土棚遊水地・A池湘南台大橋上流
下流の湘南台大橋から見た引地川とA池上流方向。囲繞堤(=引地川右岸堤防)に近い池が一次池です。


下土棚遊水地・A池湘南台大橋下流方向
湘南台大橋から見たA池下流方向。広いグランドのような二次池。


下土棚遊水地・A池湘南台大橋下流方向
湘南台大橋から見た引地川とA池下流方向。囲繞堤下が一次池です。


下土棚遊水地A池排水ゲート
A池の隅にある排水ゲート(吐口管)。洪水が収まるとここから貯留した水を排水します。初めて来たとき既に完成していました。

下土棚遊水地パンフによると工事期間は平成18年度~32年度(令和2年度)です。来年の今頃はほぼ完成が予想されるので次回訪問が楽しみです。今日見た限りA池はもう完成に近いですね。進捗状況は良好で洪水が越流堤を越えて流入しても充分対応可能と感じました。

前回の探訪記はこちらです。
其の474 引地川の下土棚遊水地を訪ねる③(2018/4)


六会橋の位置(中央十字線)です。