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横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその取水源を探訪します。

其の569 秩父4ダムを訪ねる② 合角ダム・埼玉県秩父市

 前回の浦山ダムに次いで合角(かっかく)ダムを訪ねました。

合角ダム・埼玉県秩父市
浦山ダムから車を転がすことおよそ40分。合角ダムに到着しました。

合角ダム
合角ダムは荒川水系一級河川吉田川に築造されました。
堤高・堤頂長:60.9m・195m。2003年(平成15年)に完成。


合角ダム堤体より下流を望む
ダム堤体上は自由に散策できます。合角ダム堤体天端より吉田川下流を望む。吉田川は下流で赤平川に合流し、赤平川は秩父鉄道皆野駅付近で荒川に合流しています。


合角ダム・西秩父桃湖
堤体天端より西秩父桃湖を望む。雨不足のせいか水位が下がっています。


合角ダム・堤体天端
ダム堤体天端の通路です。左岸(西)方向を見ました。左端の3階建ての建物はダム管理者・埼玉県合角ダム管理所です。
ダムカードはこちらでもらえます。右手前の建物は常用洪水吐施設です。


合角ダムより下流を望む
常用洪水吐施設脇から見た下流方向。左手前の放流渠に水の流れはなく乾いています。案内パンフによると、直下の池は減勢工と言い、小さなダム(副ダム)が設置してあります。副ダムの左側の小さな建屋は利水放流管バルブ操作室と言います。細かく観察すると副ダム下流側左岸に放流しているのが分りますね・・・。(^σ^) 画像をクリックすると大きくなります。


合角ダムの艇庫
右岸に巡視艇をしまう艇庫がありました。山梨県の広瀬ダムにもありましたね。


合角ダム・常用洪水吐、選択取水設備
右岸から見た合角ダム。常用洪水吐と選択取水設備が見えます。このダムの特に目立つ点は水位が異なる2種類の常用洪水吐を持っていることです。

案内パンフ・ダムカードによると
中央(黄色矢印下)の常用洪水吐は洪水期(7月1日~9月30日)に使用するオリフィス(3.6m×3m)が1門です。設定水位はEL315.60mと低水位です。

その左右開口(赤色矢印下)の常用洪水吐は非洪水期(10月1日~6月30日)に使用する越流頂(13.5m×2門)です。設定水位:EL328.00mと洪水期に較べ高水位となっています。

前述の常用洪水吐が乾いていた理由は非洪水期なのでオリフィスがゲートによって閉鎖されているからです。


合角ダム
ダムカード写真は、中央の常用洪水吐から放流中の洪水期の画像を使っています。ダムの水位を低く抑え大雨に備えているわけですね。
ダムカードの目的記号はFNW(洪水調節、維持水、水道水)。

DAM-DATA
所在地:埼玉県秩父市
河川名:荒川水系吉田川
型式:重力式コンクリートダム
堤高・堤頂長:60.9m・195m
管理者:埼玉県
本体着工/完成年:1990/2003年

(合角ダムダムカードより抜粋)

合角ダム・常用放流設備案内板
常用放流設備(常用洪水吐)の現地案内板です。画像をクリックすると拡大します。


合角ダム・選択取水設備
選択取水設備です。農業用水として利用するので水面近くの温かい水を取水するようにしています。

合角ダム・選択取水設備案内板
選択取水設備の案内板です。取り入れた水は前述の利水放流管バルブ操作室を経て吉田川に放流されます。



合角ダム・埼玉県秩父市
おしまいに下流側から見た合角ダムです。逆光で画像が暗くなりました。前述のように現在は非洪水期でオリフィスはゲートにより閉じています。従って常用洪水吐の放流は見られません。

一通り見学したので合角ダムはここまでです。きょう一日で4ダムを巡る予定です。

合角ダムの位置です。


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其の568 秩父4ダムを訪ねる① 浦山ダム・埼玉県秩父市

 5月23日(木)、秩父4ダムの一つ浦山ダムへ行ってきました。神奈川県にある宮ヶ瀬ダムとそっくりさんのダムです・・・。

浦山ダム・秩父さから湖
最初に浦山ダムを訪ねました。浦山ダム堤頂道路より秩父さくら湖の眺めです。荒川の支流、浦山川を堰き止めた人造湖です。
前回まで隅田川と荒川に挟まれた江東三角地帯(デルタ地帯)を歩きその治水事情について学びました。両川とも荒川水系の河川で江東デルタ地帯は河口近くにありました。今回は、埼玉県秩父市にある荒川源流部のダムを訪ね、ダムを通じて荒川水系の治水利水状況を勉強したいと思っています。(^σ^♪


浦山ダム・水資源機構荒川ダム総合管理所
右岸の建物は水資源機構荒川ダム総合管理所です。ダムカードはこちらでもらえます。忘れずにゲットしたのであとで紹介しますね。天皇陛下御在位30年記念を含め3種類もらいましたよ!


浦山ダムより下流を望む
堤頂道路よりダム堤体下部と浦山川下流を望む。遠くに日光連山、赤城山などの峰々が見えます。手前右下に右岸外部階段が見えます。左岸にも約500段の外部階段があり見学者は自由に昇降可能です。


浦山ダム・埼玉県秩父市
エレベータでダム直下に降りました。堤体内にエレベータ設置は神奈川県の宮ヶ瀬ダムとそっくりですね。堤高・堤頂長も互角で外観もよく似ています。
最上部中央左右の開口部は非常用洪水吐、その下中央の開口が常用洪水吐です。最上部中央左右の塔は左側が選択取水塔、右側はエレベータ塔です。


浦山ダム・副ダム、利水放流施設、発電所
下流側を見ると副ダムで堰き止めた池があります。パンフに減勢工とあり。右岸の大きな建物は利水放流ゲート室で護岸壁に放流口が見えます。流れはなく只今休止中です。その代り下流側の浦山発電所が利水維持用水として放流しています。


浦山ダム・副ダム
下流から見た副ダム。副ダムの上、右岸の小さな建屋が浦山発電所です。副ダム下流側に発電後の用水を放流しているので只今発電中です。


浦山ダム・外部昇降階段
前述の約500段の外部階段です。見学者は昇降可能です。


浦山ダムRCDコンクリートコア
浦山ダムRCDコンクリートコア説明板
堤体内連絡通路に展示の「浦山ダムRCDコンクリートコア」と案内板。RCD工法によりダム本体に打たれたコンクリートを切り出したものです。


浦山ダム・秩父さくら湖
秩父さくら湖から見た浦山ダム。


浦山ダム・選択取水塔
選択取水塔をズームインしました。EL.目盛が刻んであります。只今の水面はEL.378.0m、ダム堤体天端まではEL.400.0mです。
堤体に黒いパイプが添架してあり選択取水塔に繋がっています。これは何でしょう。
清水(せいすい)バイパスと言います。
洪水などでダムの水が濁っても貯水池(秩父さくら湖)上流のきれいな水を下流へ流せるよう、貯水池沿いに整備された約6.0kmのバイパス水路です。
ダム上流の取水口で取り入れた清水は選択取水塔から利水放流ゲート室又は浦山発電所から浦山川に放流されます。

(水資源機構浦山ダム現地案内板より要旨)


浦山ダム・清水バイパス水路
左岸に敷かれた清水(せいすい)バイパス水路。


清水バイパス水路・カットモデル
清水バイパス水路に使われているパイプのカットモデルです。
直径1mの円管(鋼製管と強化プラスチック複合管、水中に浮かぶ高密度ポリエチレン管)です。送水能力は浦山川が必要とする維持流量0.7㎥/秒を持っています。


浦山ダム・ダムカレー
湖畔のさくら湖食堂定番、浦山ダム・ダムカレーです。時刻は13時頃と遅め。見事にたいらげましたよ!♪


おしまいに浦山ダムダムカードの紹介です。
浦山ダムダムカード
洪水調節:計画高水量1,000㎥/秒の内890㎥/秒を調節。
維持用水:水不足の時に放流し補給する。
水道用水:埼玉県、東京都、秩父市の水道用水4.1㎥/秒。
発電用:放流水を利用して最大出力5,000kwの発電。
上記を行う多目的ダムです。目的記号FNWP。

DAM-DATA
河川名:荒川水系浦山川
型式:重力式コンクリートダム
ゲート:自然調節方式
堤高・堤頂長:156m・372m

ちなみに宮ヶ瀬ダムは
堤高・堤頂長:156m・375mでほぼ同じサイズです。
管理者:水資源機構
本体着工/完成年:1990/1999年

(浦山ダムダムカードより)

浦山ダムダムカード・天皇陛下御在位三十年記念
浦山ダムダムカード・天皇陛下御在位三十年記念

浦山ダムダムカード・1999-2019浦山ダム管理開始20周年記念
浦山ダムダムカード
1999-2019浦山ダム管理開始20周年記念


浦山ダムの位置です。


其の567 神田川河口を訪ねました・東京都中央区・台東区

 竪川水門を訪ねたついでに神田川河口も見てきました。河口がどのようなところか前から一度見たいと思っていました。

神田川河口
これは両国橋から見た隅田川右岸の神田川河口です。前回の竪川河口が両国橋左岸下流なので400mほどしか離れていません。


神田川河口
隅田川テラス護岸の端っこから見ました。神田川河口に架かる橋は柳橋です。


神田川の柳橋
かの有名な柳橋です。相当年季の入った橋ですね・・・風格あるデザインで貫録十分です。昭和4年に完成した古い橋です。

どのような橋か以下案内板より抜粋して記しますね。
明治維新後、柳橋は新橋と共に花街を代表するような場所となり、新橋は各藩から政府に出て役人になった人々、柳橋は江戸以来の商人や昔の旗本が集まるところであったようです。

柳橋の諸元
形式:タイド・アーチ橋
橋長:37.9m
有効幅員:11m(車道6.0m 歩道2.5m×2)
建設年次:昭和4年12月(復興局施行)

(中央区設置の案内板より)

案内板に子規の句が刻んでありました。病弱だった子規、結構あちこち出歩いていたんですね。
・春の夜や女見返る柳橋  子規
・贅沢な人の涼みや柳橋  子規



神田川河口付近
柳橋より神田川上流を望む。船宿の遊覧船が多数舫ってます。河口近くなので運河のように見えますね・・・。護岸を観察すると隅田川から切れ目のない高さA.P.+6.4mの防潮堤が上流のほうまで連続しています。
左岸側は台東区柳橋1丁目、右岸側は中央区東日本橋2丁目です。


神田川河口
柳橋より神田川下流を望む。


さて、前回まで江東三角地帯(デルタ地帯)の治水施設を訪ね歩きましたが、神田川が今までの川(運河)と違うことに気づきましたか?そうなんですよね、竪川と同じように隅田川に合流する河川なのに防潮水門がないですね・・・。なぜでしょう?私なりに考えてみました。

ひとつは、両岸共高さA.P.+6.4mの防潮堤で護られているからです。伊勢湾台風クラスの高潮(高さA.P.+5.1m)を想定した護岸整備が完了しているので防潮水門は不要です。
ふたつめは、川の性格の違いからと思います。江東内部河川に対して、約25km上流の井の頭池を発した神田川は流域に降った大雨を集め台地を一気に流れ下ります。速やかに外海(隅田川)に流すことが肝要で防潮水門などもってのほか、却って障害物になってしまいますね・・・。

以前、神田川・環状七号線地下調節池の地下トンネルを見学したことがあるので神田川水系の治水には関心を持っています。きょうは初めて神田川河口を見られて良かったですね。(^σ^)
これから神田川流域の治水施設(分水路や調節池)も探訪できればと思っています。


神田川河口(中央十字線)です。


其の566 江東三角地帯の治水施設を訪ねる・竪川水門

 江東三角地帯治水施設巡りの最終回です。令和元年5月10日(金)、墨田区の竪川水門を訪ねました。

隅田川テラス護岸・浜町河岸通り
都営地下鉄新宿線・馬喰横山駅下車、隅田川右岸へやって来ました。川沿いの浜町河岸通りから防潮堤天端に上り、しゃれた階段を下りるとそこは隅田川テラス護岸です。

隅田川テラス護岸の階段
階段の柵を拡大するとこのよう凝った造りになっております。
金をかけていますね・・・。


竪川水門
対岸を眺めると竪川河口はすぐ見つかりました。ゲートを上げた竪川水門が見えます。


竪川水門
ズームインしました。通航用にゲート(門扉)は上がっています。水門を挟む左右の防潮堤天端までの高さはA.P.+6.4mです。(北十間川河口・源森川水門の案内板で知りました。源森川の防潮堤と同じはずです。)


竪川水門
さらに拡大しました。高さA.P.+5.0mまで刻んだ水位目盛りがあります。伊勢湾台風クラスの高潮A.P.+5.1mを想定した目盛りですね。竪川水門内側の護岸高さは隅田川防潮堤高さに比べ明らかに低いことが、写真から見てとれます。水門がないと大変なことになります。
門扉高さは7.5mあり、いざという時に下ろすと、両側の防潮堤と面一になるはずです。

竪川水門の働きについて、現地案内板がなかったので大島川水門の案内板より引用します。
大島川水門(竪川水門)は、大横川(竪川)が隅田川に合流する地点に位置し、周辺流域を高潮の侵入から守るための防潮水門です。
台風などによる高潮や津波が発生し河川の水位が上昇した時、地盤高の低い地域では浸水などの災害が起きる恐れがあります。このような時に水門を閉鎖し災害を防ぎます。また、大きな地震があった時も直ちに水門を閉鎖して水害を防ぎます。

(東京都江東治水事務所案内板より抜粋)

竪川水門の概要です。大島川水門と同規模です。
型式:鋼製単葉ローラーゲート
規模:有効幅11m×2連  門扉高さ7.5m
完成:昭和34年度 
 
(江東治水事務所HPより)

左側に扇橋閘門工事による通航禁止の案内が掲げてあります。期間:平成29年10月1日~平成31年7月31日


隅田川テラス護岸
竪川水門を間近で見るため対岸へ渡ります。テラス護岸を上流の両国橋のほうへぶらぶらと歩きましたよ。左側の防潮堤高さはどれくらい?たぶんA.P.+6.4mと思います。


両国橋
両国橋を潜りました。鋼鉄製の橋でしょうか?鋲の数が凄い!


両国橋親柱
両国橋右岸の親柱。暗くなると中に明かりが灯るんでしょうね。


竪川水門
隅田川左岸テラス護岸から竪川水門の眺め。進入禁止のためこれより近づけません。


竪川水門
隅田川防潮堤内側から見るとこんな感じです。これより先は進入禁止です。


竪川水門

竪川水門
竪川河口に架かる一之橋から見た竪川水門です。


竪川
一之橋より竪川上流(東方向)を望む。およそ1.5km先で南流する大横川に合流します。同じ江東内部河川でも先日歩いた旧中川に比べるとまるきり趣がなく味気ない川(運河)ですね・・・。
頭上は首都高小松川線。


これで江東三角地帯(デルタ地帯)の治水施設をすべて巡ったことになります。
外郭水門×4か所、外郭ポンプ場(排水機場)×3か所、北十間川樋門、扇橋閘門など東京都の施設に加えて国交省の施設荒川ロックゲートも訪ねました。名にし負う江東ゼロメートル地帯の治水事情についてつぶさに学べたと思っています。工事中だった施設については完成を見計らって再訪するつもりです。


帰りに両国駅近くの江戸東京博物館を訪ね、特別展「江戸の街道をゆく」及び常設展を観覧しました。下の写真は常設展の原寸大に復元した日本橋です。
江戸東京博物館・復元日本橋

江戸東京博物館・復元日本橋  江戸東京博物館・復元日本橋  江戸東京博物館・復元日本橋

日本橋の規模は全長28間(約51m)、幅4間2尺(約8m)。
ここでは北側半分の14間を復元。用材は、橋杭、梁、桁、親柱などは槻を、高欄、床板などは桧を使っているそうです。
常設展は民俗好きには堪えられない見どころが満載です。これはほんの一部です。


竪川水門の位置(中央十字線)です。
 

其の565 江東三角地帯の治水施設を訪ねる・木下川排水機場

 前回の「旧中川かさ上げ護岸の歴史」を見たあと旧中川を遡り、上流端にある木下川排水機場を訪ねました。

旧中川の送電線橋、水管橋
平井橋上流で見た面白い風景。どちらも水色なので水管橋と思ったら、施設標によると手前は東京電力パワーグリッドの地中送電線でした。旧中川を橋で渡っています。並行する上流側の橋は「工水」の表示あり、東京水道の工業用水管橋と思われます。


旧中川
旧中川
江東新橋からは左岸沿いを歩きました。スタート地点の中川大橋付近と同じ緩傾斜護岸で高水敷に遊歩道が整備されています。旧中川全体が親水公園化されています。

杭より岸辺寄りは水深が浅く葦が繁り小魚の恰好の棲みかになっています。観察するとメダカより小さな稚魚(1cm位)が集まり真っ黒な大きな塊となって移動していました。浅場はボラのような大きな天敵から身を守る安全地帯なんですね。それと稚魚が暮らせるのは溶存酸素など水質が良好に保全されている証と言えると思います。


吾妻第二ポンプ所排水樋管ゲート
右岸に樋管ゲートがあります。背後の建物は東京都下水道局吾嬬第二ポンプ所です。前回見た木場ポンプ所、小松川ポンプ所と同じ雨水排水のための施設です。本来は自然流下で砂町水再生センターへ行くはずが低地帯なのでポンプに頼らざるを得ないのでしょう。ポンプ所が多いですね。雨水に限り旧中川へ放流していると思います。


旧中川と墨田清掃工場
中平井橋まで遡ってきました。前方の巨大煙突は墨田清掃工場です。


旧中川の桜並木
樹齢がまだ若い桜並木が続きます。来春また来たいですね・・。


木下川排水機場
桜並木が途絶えたところで突如木下川排水機場が出現。旧中川の上流端です。見えるのは除塵機のスクリーンのみ。

木下川排水機場は只今耐震補強工事中です。工事案内板によると工期は平成32年3月中旬までとあり、令和2年ですね。
右側の建物がポンプ棟、左側は電気室、事務室、制御盤室、発電機室などの建屋です。排水能力はポンプ5台で51t/秒。
ちなみに下流端の小名木川排水機場はポンプ4台で72t/秒。

木下川排水機場は平常時も稼働する排水機場ですが、見たところ流れがないですね。案内板によるとポンプの改修工事も行っているので現在排水は休止中みたいです。

木下川排水機場のもう一つの機能は、旧中川の水質の保全再生を図るため荒川から維持浄化用水を取入れていることです。排水と真逆のことをやっています。サイフォンを設置し荒川からの取水量増加を図る整備を行っているそうです。工事完成は平成31年度。北十間川樋門もサイフォン化するので同時進行していますね。

江東三角地帯を歩いてみて、江東内部河川の東側河川に流入する維持浄化用水は次の5か所が思い当りました。(5)扇橋閘門は通船の度に西側河川から東側河川へ通水するので維持浄化用水としました。
(1) 北十間川樋門(隅田川⇒北十間川~旧中川)
(2) 木下川排水機場(荒川⇒旧中川)
(3) 横十間川親水公園(隅田川⇒小名木川~旧中川)
マイクロ水力発電所がある公園です。
(4) 仙台堀川公園(隅田川⇒小名木川~旧中川)
(5) 扇橋閘門(隅田川⇒小名木川~旧中川)


江戸川区平井7・荒川右岸堤防
左手に木下川排水機場を見ながら進むと荒川の土手下に出ましたよ! 高低差が凄いです。荒川は隅田川の放水路(荒川放水路)として開削された人工河川です。昔の人は偉いですね~。


木下川排水機場正門
荒川の土手から見た木下川排水機場正門です。見学会ではないので表から眺めるだけです。


木下川排水機場排水樋管ゲート
これは荒川土手(荒川右岸堤防)から見た木下川排水機場排水樋管ゲートです。ゲートは2門で1門は閉じています。入口側のスクリーンが6門もあったのでなんかアンバランスですね。


木下川排水機場・排す樋管ゲート
荒川堤防外側から樋管ゲートを見ました。水流を全く感じません。旧中川へ浄化維持用水を取り入れているので流れがあるはずなんですけどね。片方のゲートを開けているのはそのためと思います。


木下川排水機場・排水樋管ゲート
荒川河川敷より木下川排水機場・排水樋管ゲート遠景。


木下川排水機場・樋管ゲートを背に荒川を望む
上記より荒川を望む。対岸の水門は中川と荒川を結ぶ水門。
この辺りの荒川は水位がA.P.±0m~+2.1mの間で変化する感潮河川です。今日歩いた旧中川はA.P.-1.0mの水位低下河川でした。その差は最大3.1mになります。外郭ポンプ場(木下川排水機場)の重要さが分りますね。

今昔マップ(1896~1909)を開くと荒川放水路開削前の中川が見られます。今昔マップは右サイドバーにリンクあり。


荒川右岸堤防・墨田区東墨田3
帰りは八広駅まで荒川右岸堤防を上流へ歩きました。


荒川右岸堤防・墨田区墨田2
京成線八広駅手前で高潮堤防整備工事をやっていました。国交省発注工事で高潮と洪水に強い堤防にする工事です。


今回のスタート平井橋の位置(中央十字線)です。


其の564 江東三角地帯の治水施設・旧中川かさ上げ護岸の歴史

 江東三角地帯の治水施設を巡っています。4月28日(日)、
旧中川を歩いてきました。

中川大橋より旧中川上流を望む
都営新宿線東大島駅から再び中川大橋へやって来ました。
中川大橋より旧中川上流を望む。上流の橋は東大島駅です。


中川大橋より旧中川下流を望む
下流側を見ると「旧中川・川の駅」にスカイダックが停車中です。下流の橋は平成橋でその下流に荒川ロックゲート、その隣旧中川下流端に小名木川排水機場がありますが、どちらも4月に探訪しました。


旧中川・川の駅、江東区中川船番所資料館
「旧中川・川の駅」とバックの建物は江東区中川船番所資料館です。


江東区中川船番所資料館・観覧券
せっかくなので見学しました。観覧券(200円也)です。
カット写真は「歌川広重 名所江戸百景 中川口」。


中川船番所
復元した中川船番所です。寛文元年(1661年)深川番所からここ中川口へ移転。深川番所は小名木川の河口(萬年橋北詰に番所跡)にありました。入り鉄砲に出女を取り締まったので関所ですね。明治2年(1869年)全国の関所廃止に伴い中川番所も廃止。


江東区中川船番所資料館・民俗展示
同館2階の郷土の歴史民俗展示。「昭和30年代の江東区中川さん宅」。年寄りにはむかし懐かしいものばかりですね。(^σ^)


旧中川・東大島駅付近
広々とした高水敷の河川敷に下り、公園のように整備された散策路を旧中川上流端の木下川排水機場まで治水施設を見ながらぶらぶらと歩きました。旧中川が江東三角地帯(デルタ地帯)の治水施設そのものなんですけどね。


アカバナユウゲショウ
歩き始めてすぐ今シーズン初めてアカバナユウゲショウと対面で~す。嬉しいですね~。


旧中川の逆井橋
逆井橋まで遡って来ました。高架橋は首都高小松川線です。


木場ポンプ所雨水下水管吐口
逆井橋下流右岸に雨水下水管の吐口がありました。注意看板によると東京都下水道局木場ポンプ所の雨水下水管放流口です。小名木川を歩いた時には、このような施設は一つも見かけなかったので、江東内部河川探訪で初めて見る施設です。


逆井の渡し跡の碑
逆井橋のたもとに立つ「逆井の渡し跡」の碑です。
逆井の渡し(さかさいのわたし)は、江戸時代から明治時代初期まで中川にあった渡しで、亀戸村と西小松川村を結んでいました。 (江東区設置の案内板より抜粋)


旧中川のボラ
逆井橋付近では魚も見つけましたよ。江東内部河川歩きで見る初めての魚です。数匹が群れていました。大きさは一尺以上ありボラと思われます。ここより上流いたるところで見かけましたがどこから入り込んだのでしょうかね。


旧中川散策路
旧中川高水敷に設置された散策路を行く。護岸は傾斜護岸で小名木川のような運河の垂直護岸とは異なり、旧中川ならではの風景を自然に作り出していますね・・・。初めのうちは右岸を歩きました。


江東治水事務所の「江東内部河川の整備」案内板
中川新橋付近の堤防上に設置された看板。東京都江東治水事務所の「江東内部河川の整備」について詳しく書かれ、じっくり読めば勉強になります。


江東内部河川の整備
案内板の一部を拡大しました。江東内部河川の整備についての説明。画像をクリックすると拡大します。


旧中川・ふれあい橋付近
アーチ型の橋・ふれあい橋まで遡りました。東京スカイツリーが見えます。水の流れを感じません。江東内部河川の東側河川は水位を人工的にA.P.-1.0mに抑えている水位低下河川です。


旧中川・小松川ポンプ所雨水下水吐口
左岸に樋管ゲートが見えます。地図を見ると小松川ポンプ所とあるので、先ほど見た木場ポンプ所と同じ雨水下水管の吐口と思われます。江東デルタ地帯に大雨が降ると雨水下水管を通して旧中川に流れ込むので外郭ポンプ施設の小名木川排水機場や木下川排水機場がフル稼働し、荒川へ排水することで旧中川が溢れるのを防いでいるんですね。西側地域は清澄排水機場がその役目を果たしています。


旧中川・総武本線
JR総武本線を潜ります。ツツジが見頃でした。


旧中川・江東新橋
江東新橋まで来ました。右側は江東区が整備した防災船着場です。


江東新橋より旧中川上流・北十間川を望む
江東新橋から上流を眺めました。左手から北十間川が合流しています。前回探訪した北十間川樋門で取り入れた隅田川の水が、ここで旧中川に合流します。両川共水位はA.P.-1.0mに抑えている水位低下河川です。全く流れを感じませんが、4月に見学した小名木川排水機場が平常時排水しているのでゆっくりと南方向へ流れていると思います。


「旧中川かさ上げ護岸」の遺構
江東新橋を左岸に渡ったところに「旧中川かさ上げ護岸」の遺構が保存してありました。


旧中川かさ上げ護岸の遺構
まるで露頭で見られる地層のようですね~。
昭和30年度竣工 A.P.+2.8mから上へ
昭和41年度竣工 A.P.+3.6mまで凄まじい嵩上げです。
江東三角地帯(デルタ地帯)のこの辺りでは11年間で0.8m地盤沈下したことになります。東京湾平均満潮位はA.P.+2.1mなので、今私が立っているところまで水に浸されたことになりますね。現在旧中川は人工的にA.P.-1.0mに抑えて管理する水位低下河川です。その差は3.1mもあります。

A.P.(Arakawa Peil)とは、荒川工事基準面のことで、標高(東京湾平均海面T.P.)0mの時、A.P.+1.134mとなります。
(東京都江東治水事務所案内板より)


「旧中川かさ上げ護岸の歴史」案内板
「旧中川かさ上げ護岸の歴史」案内板です。書いてある内容は「小名木川かさ上げ護岸の歴史」とほぼ同じです。

今回はここまでです。引き続き旧中川を遡上します。次回は旧中川上流端にある木下川排水機場を訪ねます。


今回のスタート中川大橋の位置(中央十字線)です。


其の563 江東三角地帯の治水施設を訪ねる・北十間川樋門

 いよいよ令和時代に入りましたね・・・。
五月一日、新しい朝が来ていつもと変わらぬ日常の始まりですが、この日から新元号令和。我が家では玄関先に日の丸を掲げ、新天皇陛下即位を奉祝しました。

さて、拙ブログは平成から引き続き江東三角地帯の話です。
源森川水門に続いて北十間川樋門を見に行きました。

北十間川
源森橋から見た北十間川の東方向です。只今東京都建設局による北十間川護岸建設工事が行われています。今回の探訪先・北十間川樋門は正面大小2基のクレーン下辺り(小梅橋東側)にあります。


北十間川樋門
北十間川樋門
北側道路へ回り込みました。側面から見た北十間川樋門です。門扉(ゲート)を上げ下げする水色の巻上機が林立しています。本来であれば小梅橋から樋門を一望できるのですが、北十間川護岸建設工事と北十間川樋門耐震対策工事のため近づけません。残念ながら横から見るのが精一杯です。
江東治水事務所HPで北十間川樋門を見ることが出来ます。

北十間川樋門は(源森川水門経由隅田川の水を)水質浄化用水として取り入れる取水口としての役目があるのですが、江東河川事務所HPによると平成31年度中にサイフォンを設置し樋門は撤去するそうです。樋門の代わりに堤防(護岸)を築きその上にサイフォン管を通すということです。北十間川樋門は今日の訪問が見納めになるかも知れませんね。


北十間川樋門耐震対策工事現場
東武橋を渡り東側から見た北十間川樋門耐震対策工事現場です。
小梅橋・東武橋間の内99.5mが工事区間です。北十間川樋門が樋門ゲートから奥行99.5mもあることが分りましたが、只今施工中で、中の様子はさっぱりわかりません。工事完了後(工期は2020.2月末)にもう一度出直しですね。


北十間川樋門耐震対策工事現場
北十間川樋門耐震対策工事現場
これは東武橋から見た北十間川西方向(工事中の北十間川樋門)です。上の写真は橋上から。下は橋の下から見たところです。
北十間川樋門は扇橋閘門と共に江東内部河川を東西に分ける重要な施設です。西側地域河川はA.P.±0m~+2.1mの範囲内で水位が変化する感潮河川。東側地域河川は人工的にA.P.-1.0mに抑えて管理する水位低下河川です。東西の落差は最大3.1mに達します。
扇橋閘門は前扉後扉があり理解しやすいのですが、こちらはどのような仕組みで落差調節しているのか、私的には最大の関心事でした。今日見た限り窺い知るのは少々困難な感じ。一年後に出直します。(^σ^)
そのさいはサイフォン施設もぜひ見たいものです。


北十間川・東武橋
テラス護岸から見た東武橋。橋の下に北十間川樋門耐震対策工事が見えます。


北十間川
東武橋より北十間川下流を望む。東側地域河川はA.P.-1.0mに抑えた水位低下河川です。西側の北十間川に比べ確かに低く感じます。


北十間川・東京スカイツリー前
突然噴水が始まりましたよ! 左側は東京スカイツリーです。観光客の目を楽しませるのが目的かも知れませんが、本当の狙いは水質保全のための曝気と思います。荒川の彩湖でもそんな施設がありました。相模ダム(相模湖)や城山ダム(津久井湖)でもアオコ発生を抑えるためにエアレーションをやっていますね。


北十間川・水質浄化施設
北十間川・水質浄化施設案内板
水質保全と言えば東武橋西側に北十間川水質浄化施設がありました。
墨田区が設置した木炭接触酸化法を用いた河川水の浄化装置です。浄化装置は横切っているソーラーパネル地下に設置されています。揚水ポンプ、曝気装置のエネルギーはソーラーパネル発電を利用しています。
多摩川水系の平瀬川浄化施設、仙川浄化施設などを見学したことがあるのですがその方式は礫間接触酸化でした。木炭を用いた方式は初めて知りました。


北十間川・水質浄化施設
東武橋西側の北十間川水質浄化施設吐口です。水色の水管橋の向こう側レンガ模様の施設で下半分はゴミが入らないようにスクリーンで囲っています。


大横川親水公園管理事務所
近くの大横川親水公園を漫ろ歩きしたのでちょっとだけ載せますね。昔、北十間川樋門耐震対策工事現場から南へ大横川(運河)が分岐していました。現在は堅川までの間1.8kmを埋立て大横川親水公園(昭和56年埋立て開始、平成5年完成)となっています。これは北十間川樋門耐震対策工事現場南側の大横川親水公園管理事務所です。


大横川親水公園・凸面鏡
園内に設置の凸面鏡に写る東京スカイツリー。


大横川の業平橋
管理事務所南側の業平橋です。そのまま残る現役の橋です。


大横川親水公園・業平橋
業平橋の下はこんな風になっています。


大横川親水公園・業平橋
大横川親水公園内南側から見た業平橋。


大横川親水公園・釣り堀
釣り堀がありましたよ。護岸がそのまま残っています。

大横川親水公園・海抜-0.7mの看板
釣り堀前の看板。海抜-0.7m。海抜ゼロメートル以下と聞いても、慣れたのでさして驚かないですね。


アカバナユウゲショウ
おしまいに令和元年、新天皇陛下即位の日に咲くアカバナユウゲショウです。5月1日相模原市にて撮影。これから11月頃まで水辺歩きの旅に彩りを添えてくれるはずです。


北十間川樋門の位置(中央十字線)です。