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横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその取水源を探訪します。

其の515 上市町釈泉寺円筒分水槽を訪ねる・富山県上市町

 9月13日(木)、東山円筒分水槽を見学したあと上市町釈泉寺円筒分水槽を訪ねました。

上市町釈泉寺円筒分水槽
上市川左岸沿いにある上市町釈泉寺円筒分水槽です。
この写真は東側(上流側)から見たところです。撮影地点背後から地下水路で導かれた用水が円筒分水槽中央真下から吹き上がっています。階段下は分水用仕切壁になっています。

上市町釈泉寺円筒分水槽へ流入する用水
円筒分水槽東側で地下に潜る用水。前方は円筒分水槽です。

上市町釈泉寺円筒分水槽へ流入する用水
同地点から見た上流側の開水路(共通幹線水路)。近くの頭首工から取水した流れです。頭首工はあとで見に行きます。

上市町釈泉寺円筒分水槽
北側から見ました。階段下は仕切壁になっています。こちら側へ落下した用水は、右岸幹線水路へ流れて行きます。

上市町釈泉寺円筒分水槽
南側から見た円筒分水槽。左岸幹線水路へ流れていきます。

上市町釈泉寺円筒分水槽
西側から見た円筒分水槽。右岸幹線水路と左岸幹線水路。どちらもここから地下に潜り地下水路になります。右岸幹線水路にゴミ除けスクリーンが写っています。右岸幹線水路は伏越で上市川を潜り右岸の田んぼへ向かいます。

上市町釈泉寺円筒分水槽案内板
上市川沿岸土地改良区が立てた上市町釈泉寺円筒分水槽案内板です。要点を抜粋します。
事業年度:昭和26年度~34年度
受益面積:542ha
頭首工:一か所
用水路:7,045.62m  
円筒分水槽:直径9.3mの同心溢流円筒型槽により、水を右岸幹線水路、左岸幹線水路へ配分する。分水比:右岸0.49左岸0.51 

通水量:記載なし(後述の上市川第一発電所の最大使用水量は8.0㎥/秒)

上市町釈泉寺円筒分水槽前を流れる上市川
上市町釈泉寺円筒分水槽付近より上市川下流を望む。前方の橋は釈泉寺橋です。ここへ来るときこの橋を左岸から右岸へ渡りました。

上市川第一発電所案内標識
進入路が分りにくいので簡単に説明すると、釈泉寺橋を渡ってすぐ、この標識が目印です。上市川右岸沿いに上流へ、頭首工手前の橋を渡り、左岸沿いの農道のような狭い道を下ると円筒分水槽です。

上市川第一発電所下流の頭首工
円筒分水槽前の道は袋小路なので来た道を引き返します。
上市川に架かる橋から見た頭首工です。奥の建物は富山県企業局上市川第一発電所です。

上市川第一発電所
富山県企業局上市川第一発電所です。これより約1km上流の上市川ダムで取水し管路で導水しています。
昭和39年(1964年)運用開始、最大使用水量は8.0㎥/秒。 
水力ドットコムより)

上市川・上市川第一発電所前
発電所前の上市川に放流しています。下から吹き上がる放流水。上市川ダムから河川維持用放流はないようで、上流からの流れはありません。

上市川第一発電所下流の頭首工
発電所前から見た頭首工取水施設です。2門ある可動堰上流、左岸の赤いゲート2門が取水施設です。取水後は地下水路から開渠、地下水路となり上市町釈泉寺円筒分水槽中央から吹き上がります。

上市町釈泉寺円筒分水槽の位置です。


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其の514 東山円筒分水槽を訪ねる・富山県魚津市東山

 9月13日(木)、前回の貝田新円筒分水に続いて東山円筒分水槽を訪ねました。

東山円筒分水槽・富山県魚津市東山
片貝川右岸側にある東山円筒分水槽です。3方向に分水しています。左側が東山用水、右側は青柳用水。

東山円筒分水槽・富山県魚津市東山
東側から見ました。右端は天神野用水。青空であれば水面が映えるんですが・・・少し残念です。

前回見たように片貝谷発電所の発電機水車を回した放流水は貝田新円筒分水以下の分水施設でかんがい用水と放流水に分水されました。かんがい用水の一部(2.05㎥/秒)は片貝川右岸側の水田向けとして片貝川を伏越で横断しています。前回「其の513」で貝田川左岸の伏越呑口施設まで探訪しましたが、伏越吐口がこの東山円筒分水槽です。直径9.12mの円筒分水槽中央から吹き上がっています。

東山円筒分水槽・富山県魚津市東山
西側から見た円筒分水槽と天神野用水。ビヤ樽のような形ですね。ゲートは地下水路トンネルの制水門と思われます。
用水路が河川を伏越で潜り対岸に設けた円筒分水で吹きあがる事例は、川崎の二ヶ領用水久地円筒分水とそっくりですね。

魚津市水循環遺産 東山円筒分水槽
東山円筒分水槽地名標柱。魚津市の水循環遺産だそうです。

東山円筒分水槽案内板
構内の案内板です。要点を抜粋します。
事業年度:昭和25年~30年度
受益面積:1,800ha  水路延長:10,374m
通水量:最大2.05㎥/秒


東山円筒分水槽案内板
同概要です。

東山円筒分水槽から始まる用水路
東山円筒分水槽から田んぼへ向かう東山用水(右側)と青柳用水(左側)。

東山円筒分水槽付近の片貝川
円筒分水槽前はこんな風景です。片貝川右岸より片貝川上流を望む。あいにくの天気です。

東山橋より片貝川上流を望む
帰り道、片貝川を渡り次の目的地上市町の円筒分水槽へ向いました。東山橋より片貝川上流を望む。

東山円筒分水槽の位置です。


其の513 貝田新円筒分水を訪ねる・富山県魚津市貝田新

 ひところの猛暑が収まったので、富山県の円筒分水工巡りに行ってきました。9月13日(木)、14日(金)の両日、魚津市、上市町、南砺市にある四基の円筒分水工を訪ねました。

富山県魚津市・貝田新円筒分水
貝田新円筒分水です。ここは富山県魚津市貝田新です。

富山県魚津市・貝田新円筒分水
県道67号線に面しています。県道沿い縦長の大きな看板が目印となります。北陸道魚津ICから近かったですね。今日は相模原から車で遠征しました。

富山県魚津市・貝田新円筒分水
大量の水が中央から吹き上がり凄まじい迫力です。水量が多すぎて様子がよくつかめませんが、正面のゲートから奥へ分水しているのが分ります。右端のコンクリートは片貝谷発電所放水路排水ゲートです。

貝田新円筒分水から始まる用水路
正面ゲートから始まる用水路です。地図によると片貝川左岸側の田んぼへ流れて行きます。

富山県魚津市・貝田新円筒分水
外周から管理橋が突き出しています。片貝谷発電所放水路排水ゲートです。中央から吹き上がった用水のほとんどが、この周りから出て行く感じです。観察すると水の出口は正面ゲートとこの二か所です。

片貝谷発電所放水路排水ゲート
外周から見た片貝谷発電所放水路排水ゲートです。
銘板に有効幅1.5m×有効高1.5m、平成5年製作とあり。
この銘板のお陰で大量に吹き上がる水は片貝谷発電所(地下水路)の放流水と分りました。

片貝新円筒分水周りの用排水路
円筒分水南側に二本の水路が流れていますが、円筒分水の脇を流れているだけで円筒分水とは無関係です。南方の別の田んぼから来た用排水路と思われます。

北陸電力片貝谷発電所
発電所は近くなので見に行きました。北陸電力片貝谷発電所です。
昭和28年(1953年)運用開始、最大使用水量は11.4㎥/秒。 
水力ドットコムより)
貝田新円筒分水も同時期に完成したと思われます。また大量に吹き上がっている水量は11.4㎥/秒と分かりました。

東山橋より片貝川上流を望む
ここで貝田新円筒分水の位置を確認しておきます。この写真は1.5kmほど下流の東山橋から見た片貝川上流方向です。貝田新円筒分水は向かって右側、片貝川左岸側にあります。
向かって左側、片貝川右岸側に次回発表する東山円筒分水槽があります。貝田新円筒分水で分水した用水の一部は片貝川を伏越(ふせこし・サイフォンとも言います)で横断し東山円筒分水槽に流れて行きます。

貝田新円筒分水の位置です。

北の方にある東山円筒分水槽の位置も確認できます。

貝田新円筒分水から始まる放水路
貝田新円筒分水前の県道から見た放水路下流方向です。

貝田新円筒分水から始まる放水路・用水路
上記を下流側から見ました。水量が少ない左側水路は南の田んぼから来た用排水路です。右側は片貝谷発電所放水路排水ゲートからのメインの流れ。

貝田新円筒分水下流の分水(余水吐)施設
すぐ下流で越流堤から分水しています。と言うかこれは余水吐ですね。越流堤から溢れる水は余水で、前方のゲートで流量を調節していると思います。左側が田んぼへ行く用水路。右側の水路は宮川放水路と言い片貝川に合流しています。

片貝川を潜る伏越の呑口はどこにあるか、それも今日の関心事なので、ここより下流の二本の水路沿いを歩いてきました。

宮川放水路
まず宮川放水路の下流です。片貝川へ向かっています。

宮川放水路
魚津市土地改良区が立てた宮川放水路の看板。この看板で放水路と知りました。

宮川放水路
片貝川へ合流直前の宮川放水路。「伏越の呑口はどこにあるのかな・・・」と期待しながらの歩きでした。結果的に呑口施設は無かったですね。

片貝川
宮川放水路合流点から見た片貝川。富山湾へ流れて行きます。

貝田新円筒分水下流の用水路
越流堤のある分水(余水吐)施設へ戻り伏越呑口施設を探しに行きました。今度は用水路を下流へたどります。

貝田新円筒分水下流の用水路
100mほど下流で分水しています。左側の水路が片貝川へ向かっているので下流へたどります。あとで分かりますが水量2.05㎥/秒の流れです。

用水路と宮川放水路の立体交差
先ほど歩いた宮川放水路を水路橋で横断する用水路。貝田新円筒分水下流で分水した用水路と放水路の立体交差です。中を流れる水は先ほどまで同じところを流れていました。面白い出合ですね~。

貝田新円筒分水下流の用水路
片貝川左岸堤防が見えてきました。ゲートがあります。これは間違いなく伏越呑口施設ですね・・・。(^σ^)

片貝川を横断する伏越呑口
伏越呑口施設に到着です。あとで訪ねた東山円筒分水槽案内板によると、ここで地下に潜った用水路は片貝川の川底を口径1m×2連の伏越管(L=163.2m)で潜り抜け、水路トンネル(L=135m)を経て東山円筒分水槽中央真下から吹き上がります。通水量は最大2.05㎥/秒です。

片貝川・魚津市片貝新
片貝川左岸堤防に上り対岸を望む。東山円筒分水槽は左手の方にあるはずですがここからは見えません。

片貝川を横断する伏越断面図・魚津市片貝新
片貝川を横断する伏越断面図です。右端が呑口施設です。
(東山円筒分水槽案内板より)

今日は貝田新円筒分水に加え予定通り伏越呑口施設も見つけることが出来ました。(^σ^)
次回は東山円筒分水槽を訪ねます。

其の512 白丸調整池ダムを訪ねる②魚道編・東京都奥多摩町

 前回の続きです。白丸調整池ダム(以下白丸ダム)は珍しい魚道付きのダムです。農業用取水堰とは違い高低差のあるダムにどのようにして魚道を通したか、探訪前から楽しみにしていました。

白丸ダム魚道
白丸ダム堤体より鳩ノ巣渓谷下流の眺め。右岸寄りサイドゲートから放流を行っているので水煙が立ち、虹がかかっています。
左岸岩盤上を魚道が上っています。100mほど下流へ行ったところで折り返し左側の岩盤上を上流側へ約100m上り、地下トンネルへ入ります。

魚道は幅が2m、勾配は1/10、型式はアイスハーバー型(階段式魚道)です。白丸調整池の水面と魚道上り口との高低差は27mもあります。

白丸ダム完成は昭和38年(1963年)、魚道の完成は平成14年(2002年)と時差があります。多摩川を上り下りする魚に配慮し、追加工事により39年後に完成しました。

多摩川左岸沿い・白丸ダム魚道
右岸から見た魚道です。多摩川下流に向け岩盤上を上り、折り返し地点から上流へ向かう魚道。勾配は1/10です。

白丸ダム魚道平面図
白丸ダム魚道平面図です。(白丸ダム管理棟説明パネルより)
トンネル内の魚道は見学可能なので魚道を上流へたどります。

白丸ダム管理棟・魚道入口らせん階段
白丸ダム管理棟で白丸ダム・ダムカードやパンフをもらいます。管理棟内には魚道説明パネルが掲げてあるので概要をつかめます。
トンネル内の魚道を見学するために、管理棟中央の急ならせん階段を下ります。地下の魚道を流れる水音が響き渡りちょっと怖いですね。

白丸ダム管理棟・魚道入口らせん階段
下から見上げる。帰りは別ルートなので階段を上ることはありません。

白丸ダム魚道・地下トンネル入口
地上部で折り返した魚道は、再度方向を変えここから地下トンネルに入ります。

白丸ダム魚道・地下トンネル内
地下トンネル内を流れる長さ36mのアイスハーバー型魚道。突き当り左側がらせん階段上り口です。

白丸ダム潜孔式魚道・地下トンネル内
突き当りを左折します。アイスハーバー型から潜孔式魚道に変わりました。隔壁下部両側に魚が通るための切欠きがあります。

白丸ダム潜孔式魚道・地下トンネル内
長さ約75mの潜孔式魚道の最上流部です。この先は魚道ゲートなので白丸調整池と同一水面と思われます。遡上した魚はここから白丸調整池へ出て行くことになります。川を下る魚には入口となります。

パンフによると多摩川には、ヤマメ、アユ、ウグイをはじめ100種近くにも及ぶ魚たちが生息し、川を上り下りしているそうです。

白丸ダム魚道・ゲート開閉機
1フロア上にあった設備。魚道ゲート開閉機と思われます。

白丸ダム調整池・魚道ゲート室
白丸調整池に面する魚道ゲート建屋から地上に出ました。

白丸ダム調整池の巡視路
白丸調整池右岸の巡視道路を通って魚道出入口を見に行きました。

白丸ダム魚道ゲート建屋
対岸の巡視道路から見た白丸ダム魚道ゲート建屋。

白丸ダム
魚道出入口を確かめたのであとは帰るだけです。巡視道路から見た白丸ダムです。メインゲートが2門。サイドゲートが1門。このクラスのダムにしては珍しい2段式ローラーゲートを採用しているそうです。

多摩川の鳩ノ巣渓谷
帰路、白丸ダムから鳩ノ巣渓谷右岸散策路に入りました。

多摩川の鳩ノ巣渓谷
足を踏み外しそうな散策路。

多摩川の鳩ノ巣渓谷
吊橋の鳩ノ巣小橋が見えてきました。

鳩ノ巣渓谷の吊り橋・鳩ノ巣小橋
鳩ノ巣小橋に到着。橋を渡れば青梅線鳩ノ巣駅はもうすぐです。

おしまいに白丸ダムとまったく関係がない話題です。
JR八高線拝島駅
これは何でしょう? 
拝島駅で青梅線から八高線に乗り換えました。JR八高線拝島駅の八王子方面行ホームです。線路転落防止柵と分かるのですが、どのように乗客を通すのか???でしたね~。電車到着まで約10分間考えるも分らずじまい。答えは下の写真です。

JR八高線拝島駅  JR八高線拝島駅
ほんの一瞬の出来事でした。


白丸ダムは読者Kさんのお薦めにより探訪しました。面白いダムのご紹介ありがとうございました。勉強になりましたよ。(^σ^)

白丸ダムの位置です。(地理院地図より)


其の511 白丸調整池ダムを訪ねる①・東京都西多摩郡奥多摩町

 9月9日(日)晴れ、読者推奨の白丸調整池ダムを見学しました。魚道付きの珍しいダムです。2回に分けて投稿します。

多摩川・鳩ノ巣渓谷
これは白丸調整池ダム(以下白丸ダム)見学後帰り道で撮影した鳩ノ巣渓谷です。白丸ダム下流多摩川右岸からの眺めです。
白丸ダムはこの渓谷を堰き止める発電専用のダムです。
下流の吊り橋は鳩ノ巣小橋です。橋を渡ると近くにJR青梅線鳩ノ巣駅があります。

鳩ノ巣渓谷・鳩ノ巣小橋付近の眺め
往路は鳩ノ巣駅から青梅街道を西へ歩きました。鳩ノ巣小橋付近崖上から見た上流の風景です。

鳩ノ巣渓谷案内板
駅から白丸ダムまでは700mほどの距離です。奥多摩町が立てた青梅街道沿いの鳩ノ巣渓谷案内板です。奥多摩町産のヒノキ材を使っているそうです。

白丸ダム魚道入口案内板
花折トンネル前の「白丸ダム魚道入口」の案内板です。

白丸調整池ダム
白丸ダムに到着です。左端のサイドゲートから放流しています。
右側はダム展望台。

白丸調整池と白丸ダム
白丸調整池です。ダム堤体上は通路になっているので右岸に渡れます。右岸の方から来た除去した漂着ゴミの搬出設備が見えます。

白丸調整池ダム・ダムカード
正面から撮影できないので代わりに白丸調整池ダムカードです。目的記号はP(水力発電)一文字。ダム型式はG(重力式コンクリートダム)。

白丸ダム地名標柱
白丸ダム魚道管理棟前の白丸ダム地名標柱。一級河川多摩川 
 海から79.2km地点です。

多摩川第三発電所取水口
白丸ダムは東京都交通局が管理するダムで、約5km下流の多摩川第三発電所に発電用水を送るために造られました(1963年完成 発電所は最大出力16,400キロワット)。

これは堤体上の通路から見た右岸の多摩川第三発電所取水口です。管理橋の向こう側に除塵機の格子状スクリーンが見えます。取り入れた用水は地下水路で多摩川第三発電所へ送っています。
管理橋に並行して除塵機で除去したゴミの搬出設備も見えます。

白丸ダム・2段式ローラーゲート
2段式ローラーゲートです。3門あります。

白丸ダム
右岸から見た白丸ダム。展望台が見えます。その右側は白丸ダム魚道管理棟です。管理棟は地下魚道入口です。地下を通る魚道を見学することができます。ダムカードはこちらでもらえます。要求しないともらえないので忘れないように。

白丸発電所取水口
左岸にもスクリーンが見えます。除塵機と思われます。

白丸発電所取水口
角度を変え上記をズームアップしました。これは白丸発電所の取水口です。白丸発電所ができる前までは河川維持水として放流していたものを発電用水として有効活用しています。(2000年運転開始 最大出力1,100キロワット)。白丸発電所は上記展望台の地下に設置されているので表からは見えません。


左岸に二つの発電所の水利使用標識が掲げてあり、最大使用水量などが分かります。
多摩川第三発電所最大使用水量:28.00㎥/秒
白丸発電所最大使用水量:5.3㎥/秒
許可権者:建設大臣
水利使用者:東京都交通局長

発電所の水車を回した後はすぐ元の多摩川に戻してしまうのに水利権が必要なんですね・・・。水利使用者が水道事業者であれば水は水道水または工業用水に姿を変え最後はどこかの下水処理場から川や海に放流されるのでその必要性は分るんですが・・・。発電所が出来た当時の許可権者は建設大臣(現国土交通省)でした。

ダムを一通り見て回りました。肝心の魚道については長くなるので次回②で発表します。

白丸調整池ダムの位置です。


其の510 中津飛行場の遺構を訪ねる・神奈川県愛川町中津

 今年8月、中津飛行場(旧相模陸軍飛行場)の遺構・排水路橋と排水路を探訪し、「其の506」で発表しました。今回は付近にある他の遺構を見に行きました。

中津飛行場の遺構・排水路橋
9月6日(木)、中津飛行場の遺構・排水路橋へまたやってきました。今日の歩きはここからスタートです。

愛川町の近代遺産位置図
今日は愛川町の近代遺産位置図を参考に歩きます。赤線内が中津飛行場敷地、青色部は施設区域(兵舎、格納庫など)です。番号が振ってある遺構を探訪します。排水路橋は⑤です。
位置図は「愛川町の近代遺産」 2001 愛川町教育委員会より。

愛川町・中津往還標識
排水路橋から北へ伸びる中津往還を歩きます。

愛川町中津「辻の神仏」
排水路橋から300mほど行ったT字路付近に中津飛行場正門の門柱(配置図②)が移設されているはずです。付近をうろうろするも見当たらず。代わりに石像物を見つけました。
幸先悪いですね・・・日を改め再訪します。

愛川町中津・辻の神仏案内板
愛川町教育委員会「辻の神仏」案内板です。


次に訪ねたのが③の中津飛行場通用門門柱です。県道63号線交差点信号前です。簡単に見つかりましたが草木が茂り撮っても得体不明になるので、草が枯れる冬場に出直します。②の正門門柱はここにあったものを戦後移設したものです。

中津飛行場の遺構・通信室
中津飛行場の遺構・通信室
次は通信室(位置図①)の遺構です。大野建設(株)さんの敷地内の一角に残っています。3か所目にしてようやくご対面で~す。(^σ^)
蔦でしょうかね、建屋全体が葉っぱで覆われています。見事なカムフラージュですね・・・。大野建設さんの話では四季を通じてこのように繁っているそうです。グーグルマップの航空写真では一見草地に見えます。よく見れば影があるので建物と分かります。通信室は現在物置として利用しているそうです。
参考文献によると建物の寸法は10.5m×8.5mほどで、全高は5.18m、壁厚が30cm以上に及ぶ鉄筋コンクリート造り。

大野建設さんには4年前に馬渡橋の横須賀水道水管橋撤去工事取材で大変お世話になりました。撤去工事の記事「其の189」。

中津飛行場の遺構・格納庫基礎
中津飛行場の遺構・格納庫基礎
次は格納庫基礎(位置図④)です。住宅街の中のコンクリートの塊で全く周りにそぐわないです。よく残りましたね・・・。サイズは厚さ60.5cm 高さ350cm。木造格納庫の基礎部分です。フェンスに説明パネルが掲げてあります。

旧相模陸軍飛行場「格納庫基礎」説明パネル
愛川町教育委員会の旧相模陸軍飛行場「格納庫基礎」説明パネルです。この格納庫は七つある格納庫の一つで「陸軍士官学校飛行班」が独占的に使用していました。
バックの写真は格納庫前での熊谷飛行学校相模文教所当時の記念写真です。飛行機は九五式中間練習機。通称赤トンボと言われた練習機が中津の上空を飛びまわっていたんですね・・・今からは想像もつかないのですが。

次に⑥の弾薬庫ですが、参考文献によると個人宅の物置や工場の倉庫に使用され3棟現存しているそうですが、県道沿い歩道から眺めてもそれらしきものの確認は出来ませんでした。


参考文献です。
「愛川町の近代遺産」 2001 愛川町教育委員会

今日のスタート排水路橋の位置です。
 

情報ボタン→起伏を示した地図→陰影起伏図の順にクリックすると陰影起伏図に切替えできます。

其の509 大同排水機場を訪ねる・山梨県市川三郷町

 8月26日(日)晴れ、黒沢開田揚水機場をひとり見学したあと大同排水機場を訪ねました。

山梨県市川三郷町・大同排水機場
富士川左岸堤防から見た大同排水機場です。「県営土地改良事業 大同排水機場」と大きな看板が上がっています。
向かって左から小河川が流れ込む沈砂池、除塵機、ポンプ室、調圧水槽、正門です。
前回見たように黒沢開田揚水機場から始まる用水路の余水排水はすべて大同排水機場に流れ込んでいます。

黒沢開田幹線用水路
前回の繰り返しになりますが、黒沢開田を流れる幹線用排水路です。前方に大同排水機場が見えます。余水排水は鰍沢口方面から来た小河川に合流後、排水機場に流入しています。

黒沢開田南側を流れる小河川
こちらは東側の鰍沢口駅方面から大同排水機場へ向かう小河川。県道東側の田んぼの余水排水はこの川に流れ込んでいます。

大同排水機場に流入する小河川
大同排水機場沈砂池に流れ込む鰍沢駅方面から来た小河川。

大同排水機場・山梨県市川三郷町
北側から見た大同排水機場です。正面の除塵機が目につきます。左側に別の小河川が流入しています。水の流れを観察すると左(東)から右(西)へ流れています。
排水機場屋上に設置のライブカメラが見えます。

黒沢開田の田んぼ西側は富士川堤防、南側は新川の富士川合流地点なので、富士川から連続する新川右岸堤防です。小河川の流れは両川の堤防に阻まれ行き止まりとなるので大同排水機場の樋管経由富士川へ合流する形を取っています。大雨が降り、もし排水機場がなければ小河川の水は排水不良となりこの辺一帯は水浸し(内水氾濫)になってしまいます。先日探訪した井路縁川のデルタと状況がよく似ていますね・・・。


以下個々の施設を見て行きます。いつものように私なりの感想をあれこれ記述します。

大同排水機場・除塵機
大小2基の除塵機と取り除いたゴミの搬出設備。今日は晴天なので排水ポンプも除塵機も稼働していないですね。

大同排水機場・沈砂池
水は左(東)から右(西)へ流れています。除塵機の右端からこちらへ伸びる仕切を越え右側の細い水路の奥へ流れています。仕切左側の池は沈砂池機能を持たせていると思います。
只今晴天、穏やかな流れは右側の水路から富士川堤防を貫く樋管に入り自然流下で富士川に合流(排水)しています。
大雨が降ると2本の小河川から排水機場へ大量の雨水が流入し、同時に富士川が増水すると自然流下では流れにくくなるので、自然流下水路からポンプ水路に切替えポンプで強制的に排水するかたちをとると思います。

沈砂池の様子は、大同排水機場ライブカメラによる5分間隔の静止画像を見ることが出来ます。

大同排水機場
ポンプ室からの吐出管です。吐出管から調圧水槽に入りそして排水樋管、樋管ゲートを通じて富士川に排水されます。

大同排水機場・排水樋管ゲート
富士川左岸の大同排水機場・排水樋管ゲートと管理橋。
私的には排水樋管ゲートの開閉が気になります。どのタイミングで開閉操作するのでしょうかね・・・。

今日は小河川も富士川も平穏な流れ。自然流下で何の問題もなく富士川に合流(排水)しているのでゲートは開の状態です。大雨の時は上述の通りで、やはりゲートは開です。降っても照ってもゲートは開です。先日探訪した井路縁川の樋管ゲートは常に閉(大雨時の閉は私の勝手な推測)でした。合流先の河川の状況(水位の変化、逆流の有無など)によるものでしょうが面白いですね・・・。(^σ^)

大同排水機場の記念碑
おしまいに開田耕郷記念碑の紹介です。大同排水機場構内にありました。
「県営水田農業確立 排水対策特別事業 大同地区 開田耕郷」
事業の完成年月はいつ頃でしょうか。碑の表面には刻まれてなく不明です。

猛暑対策で今日も相模原から車探訪です。車の外の気温は37度もありましたよ!3年越しの探訪がかなって良かったです。このあと中央道甲府南ICへ向かいました。

排水機場の関連記事です。

其の507 井路縁川と天井川の立体交差・南アルプス市荊沢
其の319 二ヶ領用水と登戸ポンプ場
其の287 鶴巻排水機場と大根川ポンプ場を訪ねる
其の242 俣野堰用水路を歩く・続編 (内容は藤沢市の西俣野排水機場です。)

大同排水機場の位置です。


其の508 黒沢開田揚水機場を訪ねる・山梨県市川三郷町

 8月26日(日)、先月に続いて甲府盆地へ行ってきました。
探訪先は田んぼへ水を送る農業用取水施設ですが、今までに一度も見たことがないタイプの施設です。

富士川・山梨県市川三郷町
富士川左岸堤防上より富士川を望む。数キロメートル上流で釜無川と笛吹川が合流し富士川と名前を変えました。足下から堤防斜面に沿って鉄板製のフタが続いています。

黒沢開田揚水機場取水施設
管理用の階段を下り取水施設を見に行きました。

黒沢開田揚水機場取水施設
富士川河川敷内水路に堰を設け角落しで水位を上げています。

黒沢開田揚水機場取水施設・吸水井
スクリーン付き取水施設(吸水井)。口径300位の導水鉄管が立ち上がっています。

黒沢開田揚水機場取水施設
富士川堤防斜面を駆け上がる導水管。このような風景はいまだかって見たことがないですね・・・。拙ブログ初登場です。

空は真っ青、天気良すぎです~。気温は37℃もあり前回甲府探訪した7月31日と変わらぬ猛暑日です。

黒沢開田揚水機場
堤防天端から見た黒沢開田揚水機場です。導水管が富士川堤防を跨いだ形になります。
ここは山梨県西八代郡市川三郷町黒沢字開田と言うところです。JR身延線鰍沢口駅の近くです。

黒沢開田揚水機場
黒沢開田揚水機場へ伸びる導水管。建物はポンプ場と思われます。ポンプ場前に水利使用標識が立っています。

河川名:一級河川富士川水系富士川
許可権者:国土交通省関東地方整備局長
水利使用者:市川三郷町長
取水施設管理者:市川三郷町長
水利使用の目的:かんがい用水 
かんがい面積:4.5ha
取水量:0.075㎥/秒 
 (水利使用標識より抜粋)

黒沢開田揚水機場
黒沢開田揚水機場ポンプ小屋北側の用水吐出口。残念ながら水の流れがないですね。3年くらい前にこの施設の存在を知ったのですが、あいにく非通水期でした。今日は田んぼへ水を送る時期を逃さないように訪れたのですが・・・。
あとで農作業中の人に聞いたところ、早朝5時頃に当番がポンプを作動させ、田んぼに水が行き渡った頃にポンプを止めているそうです。理由は多分電気代の節約?でしょうね・・・。

黒沢開田の田んぼ
ポンプ小屋前の幹線用水路。北行きと南行きに分水しています。

黒沢開田の用水路
ポンプ小屋の南でも分水しています。奥が東行きの用水路。いつものように用水路沿いを歩いてみました。

黒沢開田の用水路
県道を潜り東方の身延線方面へ向かう用水路。

黒沢開田の用水路
その先の田んぼに用水を配り終え南流する用水路。こちら(南)に向かって流れています。東側は身延線です。

黒沢開田南側を流れる小河川
用水路はその先で鰍沢口駅の方から西へ向かうこの小河川に合流しています。小河川は下流へたどると大同排水機場へ流れ込んでいます。

黒沢開田幹線用水路
一方こちらは、ポンプ小屋南の分水地点から南へ向かう幹線用水路。余水排水路も兼ねていると思います。

黒沢開田幹線用水路
その先です。豊作みたいですね、早くも穂が垂れています。前方に大同排水機場の建屋が見えます。この用水路も先ほどの小河川と同じように最後は大同排水機場へ流れ込んでいます。
つまり黒沢開田の田んぼの余水排水はすべて大同排水機場へ流れ込んでいることになります。

以上、黒沢開田揚水機場、田んぼ、用水路を一通り歩きました。次回は大同排水機場について投稿いたします。

黒沢開田揚水機場の位置です。

地理院地図より。情報ボタンから陰影起伏図に切替えできます。

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