品木ダムの築造目的は、普通のダムが持つ洪水調節ではなく、中和生成物を貯留するためのダムで、一風変わったダムです。

品木ダムです。草津温泉街を通り抜けやってきました。湖の色が独特で何とも言えない色合いですね。淡い青緑色に乳白色が混じっています。ダムの築造目的を示しているような気がします。

品木ダムによって出来た上州湯の湖です。大沢川、谷沢川が流入しています。左手からは草津温泉街の中を流れた湯川が流入しています。

ダム湖右岸の品木ダム(上州湯の湖)案内板です。
品木ダムは中和生成物を貯めることが目的と書いてあります。洪水調節が目的ではありません。以下、案内板より要約です。
品木ダムに流れ込む三川は強酸性の川。ダム上流の工場で中和を行っている。中和をすると中和生成物が発生する。品木ダムは中和生成物を貯める目的で造られた。ダムの底に貯まった中和生成物や川が運んだ土砂の浚渫作業を定期的に行っている。
案内板にあるように品木ダムは国交省の施設で、管理は品木ダム水質管理所。

品木ダム浚渫工事の看板がありました。「ダムにたまった土砂を取っています」とあります。

品木ダム直下の湯川です。流れはなく水が滞留しています。

洪水吐クレストゲートから見おろしました。ゲート放流すると湯川から白砂川、吾妻川、利根川へと流れて行きます。

正面から見た品木ダム。地形的にダム正面からは撮影不可なのでダムカード写真です。ダムの目的記号は「水質改善・P」とあります。Pは発電を意味します。

品木ダム右岸の群馬県営湯川発電所取水口です。中和した水を発電所へ送っています。発電所は白砂川右岸にあり吾妻川に合流した後利根川へと流れて行きます。

取水口付近に掲示の水利使用標識。一級河川湯川とあります。
水利使用目的は水力発電のため(湯川発電所)。
おしまいに品木ダムから見えた湯川の砂防ダムを見に行きました。轟々と落下する水音がここまで聞こえてきます。

砂防ダムの滝です。水の色は乳白色です。湯川の上流は草津温泉の中を流れています。源泉掛け流しの温泉水(pH2.0の強酸性)も湯川に流れ込んでいます。眼前の滝は中和工場で中和剤(石灰石粉)を投入後の中和した流れです。

砂防ダムの滝を真横から見ました。

ダムの上です。土砂が目一杯貯まっています。中には中和生成物も含まれていると思います。
帰りにダムカードをもらうため国交省品木ダム水質管理所を訪れました。このダムの名前は「湯川貯砂ダム」と言うそうです。
国交省の中和事業により魚や生き物が住めない死の川だった吾妻川はよみがえり、魚が住み発電や生活・農業用水として利用できるきれいな川になりました。品木ダムは昭和40年完成の重力式コンクリートダムです。それにしても凄いことをやりましたね・・・。今日は珍しいダムを見学し勉強になりました。
品木ダムの位置です。
青色破線は湯川発電所へ向かう地下導水路です。「情報」ボタンから地形が見やすい「陰影起伏図」「色別標高図」に切替えできます。試してください。
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