
中央本線四方津駅西方で甲州街道と別れ大野ダムへ通じる一本道に入りました。道路左手に大野調整池堰堤(大野ダム)が見えてきました。

大野調整池堰堤右岸寄り天端からの眺め。
案内板があったのでその概要を記しておきます。
ダムの形式:アースダム(ゾーン型)
ダムの高さ:37.27m ダムの長さ:309.10m
ダムの標高:296.97m (現地案内板:大野ダムの概要より)


堰堤右岸寄り天端から見た大野調整池。下の写真の正面に大野調整池制水門(八ツ沢発電所取水口)が見えます。探訪したのは2月11日(日)建国記念日です。1月22日の大雪がまだ残っています。
大野調整池の概要です。
池の容量:169.2万㎥ 発電に利用できる容量:46.7万㎥
発電時に変化する水深:3.03m (現地案内板より)
案内板に大野調整池の役割について書いてありました。
電気の使用量が少ない夜12:00頃~朝6:00頃までは発電所を止め、調整池に水を貯める。電気使用量の多い昼間に調整池に貯めためた水を使って発電する。これを調整池式発電所と言う。 (案内板より要旨)

池のほとりの大野ダム看板・水利使用標識・重要文化財八ツ沢発電所施設の案内板です。近くに別の案内板があり知りたいことがすべて書いてあります。
水利使用標識の内容は上流の取水口制水門前の標識と全く同じです。
河川名:一級河川相模川水系相模川(桂川)
水利使用目的:発電 取水量:27.83㎥/秒
大野調整池堰堤、大野調整池制水門、大野調整池余水路が国の重要文化財に指定されています。
八ツ沢発電所導水路を駒橋発電所下流の取水口から巡ってきたので、上流から順に施設を見て行きます。

池沿いの道を走ると赤色の橋が架かったT字路に出ます。写真右側が隧道出口へ下りる管理用階段入口ですが関係者以外は通行止めです。添付地理院地図の南西から来る青色破線が導水路隧道です。

柵の間から見た大野調整池。左側から流入したばかりの発電用水。前回見た第6号隧道で地下に潜った用水が再び地上に現れました。木々が繁茂し残念ながら隧道出口を見ることはできません。

大野調整池左岸近くに浮かぶ小島。鳥居と祠があるので神社さんですね。この近くに八ツ沢発電所へ送水する施設があります。

ここがその施設です。門柱に「東京電力八ツ沢発電所 大野調整池」の表札がかかっています。ここからは施設が見通せないですね。

対岸からズームアップで撮りました。3連の除塵機が見えます。先ほどの案内板にあった「大野調整池制水門」です。
石造り、レンガ造り、コンクリート造りの7連制水門。延長36.8m、開渠付属。 (八ツ沢発電所施設案内板より)
3連除塵機を通過した水は7連制水門→開渠→隧道→上水槽→水圧鉄管→八ツ沢発電所へ流れて行きます。

7連制水門(水門巻上機が林立しています)通過後の開渠。ここから導水隧道に入ります。隧道に吸い込まれる用水が渦を巻いていました。隧道はなぜが一旦北へ向かいその後東へ転じ発電所上水槽へ向かっています。地理院地図の青色破線がそれです。

大野調整池に入った発電用水の出口はもう一か所あります。
「大野調整池余水路」です。これは左岸から見た大野調整池余水路です。この池はカモ類の天国です。カモの群れが浮かんでいます。

せっかくなので対岸まで余水路を見に行きました。池沿いのこんな道(施設管理用の道)を歩きました。遠くに堰堤が見えます。驚いたマガモの群れが飛び立ちました。

余水路施設直前の進入禁止柵前に到着。柵の間から見た「大野調整池余水路」施設です。
右側越流堤を越えた水が余水路に入り手前の隧道に入ります。ここから隧道入口は見えないです。石造り、レンガ造り、コンクリート造り、延長425.4m。国指定重要文化財です。
余水路は隧道で桂川まで伸びていると思ったのですが延長425.4mと意外に短いです。地理院地図を見ると大野調整池堰堤東側法面に突然川筋が出現しすぐ下流で沢に合流し桂川に注いでいます。突然出現する川筋までが余水路隧道と思われます。
大野調整池の重要文化財施設をすべて見学しました。ここは桜の名所として知られています。もう一度来たいですね。(^σ^)
次回は八ツ沢発電所施設探訪記の最終回です。発電所周りを歩いてきました。
大野調整池堰堤の位置です。
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