横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の312 目久尻川柏ヶ谷堰用水路を歩く

 前回発表の産川せせらぎ公園で河骨(コウホネ)の花を見たその日にゴム堰(ゴム引布製起伏堰)を見つけました。
発見したその日、6月26日(日)晴れの日にゴム堰から始まる用水路を終点まで歩きました。

目久尻川柏ヶ谷堰(ゴム堰)
北部公園のはずれ、目久尻川のゴム堰。左岸に操作室や魚道、取水ゲートが見えます。
嬉しいですね・・・全く予期せぬ儲けものの出合いです。

目久尻川柏ヶ谷堰(ゴム堰)
右岸にも取水ゲートがあり、両岸で取水しています。

目久尻川柏ヶ谷堰(ゴム堰)上流
ゴム堰管理橋より目久尻川上流を望む。青く澄んだ湖水に大鯉が悠々と泳いでいます。最近は手賀沼の濁った水ばかり見ていたせいか特にきれいに感じます。

目久尻川柏ヶ谷堰(ゴム堰)
下流から見ました。魚道も設置されています。取水堰に取水口、魚道と三点セットが揃っています。この施設は農業用水の取水施設・頭首工ですね。

目久尻川柏ヶ谷堰銘板
操作室に掲示の銘板です。平成9年8月に神奈川県厚木土木事務所が造った取水施設です。調べたところ日常の管理は柏ヶ谷堰用水組合が行っています。
名称:目久尻川柏ヶ谷堰ファブリダム
規模:高さ2.08m×河床幅8.20m
型式:空気膨張式  
(銘板より抜粋)  

目久尻川柏ヶ谷堰用水路
左岸の用水路をちょっとだけ下流へたどってみました。老人保健施設えびな前を流れる柏ヶ谷堰から始まる用水路。(以下柏ヶ谷堰用水路または用水路)

「用水路 ここからどこへ 行くのだろう」 doushigawa

偶然の発見なので地図なしですが、終点までたどることにしました。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路
暗渠用水路の上が歩道になっています。グレーチング点検フタがあるところは角落しで堰上げ分水し田んぼへ用水を送っています。ここは道路右側の田んぼへ送っています。田んぼの右側は目久尻川左岸です。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路
これは開渠用水路の角落し堰上げです。暗渠もこれと同様です。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路
相鉄線を潜る柏ヶ谷堰用水路。ここは海老名市柏ヶ谷です。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路支線
柏ヶ谷堰用水路から分水し田んぼへ向かう用水路。ここは海老名市望地2丁目。前方の白いガードレールは目久尻川左岸。

目久尻川・目久尻橋上流
田んぼを巡った用水は余水排水として排水路から目久尻川へ放流していました。望地2丁目の目久尻橋上流付近。

一級河川目久尻川の標識
目久尻橋の「一級河川目久尻川」の標識。目久尻川は神奈川県厚木土木事務所が管理する一級河川です。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路
歩道下の暗渠用水路にゲートがあります。これは何でしょう。
点検口の隙間から中を観察しました。ゲートは閉じていて普通に用水が流れています。
このゲートは用水を送り過ぎた時の溢流水の排水(余水吐け)兼シーズン終了時の用水路内の排水用と思われます。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路の放流口
上記ゲートの先は目久尻川です。目久尻川左岸にフラップゲート付きの放流口がありました。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路
その先、民家が途切れ歩道下の暗渠用水路がこのように幅50cm位の開渠用水路になりました。ここは海老名市望地1丁目。終点間近です。

目久尻川柏ヶ谷堰用水路
右端の草むらがたどってきた柏ヶ谷堰用水路です。ここで目の前のコンクリート製の深い排水路に落ち目久尻川左岸に放流されます。この画像左奥暗渠排水路の先が目久尻川左岸です。

目久尻川排水樋管ゲート・小園橋上流
目久尻川左岸の排水樋管ゲート。ここから放流されます。

目久尻川排水樋管・小園橋上流
目久尻川右岸から見た排水樋管放流口。洗掘防止のためブロックが敷いてあります。ここは綾瀬市との境界小園橋上流になります。結局、目久尻川で取水された用水は田んぼを潤した後再び目久尻川へ戻って行きます。小規模な農業用水路はこのパターンが多いですね。

小園橋より目久尻川上流を望む
小園橋より目久尻川上流を望む。

小園橋の河童のモニュメント
おしまいに小園橋際の河童のモニュメントです。傍らの碑文「河童伝説」に目久尻川の川名由来が記されています。目久尻川は古くは目穿川(めくじりがわ)と記されていた。農作物を荒らす河童に怒った農民が河童の目を抉り取ったのが由来だそうです。

きょう28日は朝から梅雨時らしい雨が降っています。26日の貴重な梅雨の晴れ間にゴム堰発見のおまけつき探訪ができてよかったです。(^σ^)

目久尻川柏ヶ谷堰ファブリダムの位置(十字線)です。目久尻川沿いの田んぼ記号が参考になります。(地理院地図より)

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其の311 河骨の花を見てきました・海老名市上今泉

貫抜川放水路の河骨(コウホネ)に続いて海老名市内のもう一か所のコウホネ育成地を訪ねました。黄色の美しい花をいっぱい見てきたので発表します。6月26日(日)晴れの日に行ってきました。

産川せせらぎ公園・海老名市上今泉
相鉄線かしわ台駅から右手へ坂道を下ると目久尻川に架かる産川橋(さんがわばし)に出てきます。これは産川橋交差点角のコウホネ育成地・産川せせらぎ公園です。せせらぎの中にコウホネの黄色い花が咲いています。せせらぎは湧水なので澄みきった流れです。下流は北部公園から目久尻川に注いでいます。

産川せせらぎ公園の河骨の花・海老名市上今泉

産川せせらぎ公園の河骨の花・海老名市上今泉

産川せせらぎ公園の河骨の花・海老名市上今泉
貫抜川放水路とは違って公園なので間近でコウホネを観賞できます。

産川せせらぎ公園の河骨の花・海老名市上今泉

産川せせらぎ公園の河骨の花・海老名市上今泉
半開のコウホネの花。緑色のつぼみもあります。花期は6月から9月と長く見られるのが良いですね。

産川せせらぎ公園の河骨の花・海老名市上今泉

産川せせらぎ公園の河骨の花・海老名市上今泉
満開のコウホネ。図鑑によると五弁の花びら状に見えるのは萼片で中に無数にあるのが花弁だそうです。それにしてもこのきれいな花を咲かせる植物名が河骨(コウホネ)とはちょっと可哀そうですね。河に生え、根茎が白骨のように見えるのが名前の由来だそうです。

河骨保護の会案内板
河骨保護の会の案内板。「神奈川県下で、コウホネの自生が確認されたのはここ海老名市だけです」とあります。

海老名市北部公園
産川せせらぎ公園の流れは北部公園のせせらぎとなり子供たちの遊び場になっています。ザリガニ釣りの大人もいました。

産川橋より目久尻川下流を望む
産川橋より目久尻川下流を望む。澄んだ水で水深があります。

このあとこれより下流で思いがけずファブリダム(ゴム堰)を見つけ、そこから始まる農業用水路を終点までたどりました。次回発表いたします。

産川せせらぎ公園の位置です。



其の310 手賀川浄化施設を訪ねる・千葉県我孫子市・柏市

 湖北台円筒分水や手賀沼円筒分水を探訪した時に手賀川浄化施設の前を通りました。施設の中に入り見学したわけでなく、ただ前を通っただけですが興味ある施設なので取り上げます。
掲載写真は(6/2湖北台円筒分水、6/11手賀沼円筒分水)探訪時に撮影したものです。

手賀曙橋より手賀川下流を望む
これは手賀曙橋から眺めた手賀川下流方向です。この橋のすぐ上流に調節水門があり、その上流から手賀沼になります。ここは手賀川の最上流部にあたるところです。左側にゴミ除けの黄色のブイが浮いています。

手賀川浄化施設・曙樋管
黄色ブイの奥、左岸堤防を見ると水門があります。100mほど下流にもよく似た水門があります。初めにこの二つの水門に興味を持ちました。
上流側のこの施設は「曙樋管」と言います。ゴミ除けのスクリーンがあり取水施設と分ります。手賀川浄化施設の取入れ口になります。ゲートは閉じています。

手賀川樋管、樋管ゲート銘板
堤体に貼付けの曙樋管と曙樋管ゲートの銘板です。
1997年(平成9年)に建設省関東地方建設局が造った施設です。

手賀川浄化施設・若鮎樋管
100mほど下流の若鮎樋管です。

手賀川浄化施設・若鮎樋管
若鮎樋管の樋管ゲート。こちらは手賀川浄化施設できれいにした水の放流口なのでスクリーンはなし。後述しますが現在手賀川浄化施設は運転停止中なのでゲートは閉じています。

若鮎樋管の銘板
堤体に貼付けの若鮎樋管の銘板です。曙樋管と同じく1997年(平成9年)に建設省関東地方建設局が造った施設です。

若鮎樋管より手賀川を望む
若鮎樋管より手賀川を望む。

手賀川浄化施設・青色の導水管
手賀川左岸堤防上道路沿いの大口径の青色パイプ施設。
径1350位ありそうです。これは何でしょうかね?利根川下流河川事務所に照会しました。曙樋管裏の取水ポンプからの導水管で手賀川浄化施設へ送水する施設だそうです。

手賀川浄化施設・中央操作室
これは青色パイプ施設の隣にある手賀川浄化施設中央操作室です。手動操作施設で通常は庁舎からの遠隔操作で運転をしていると思われます。

曝気装置
これは何でしょう?道路近くにある施設です。大きなコンクリート製の円形水槽で水車を回し曝気をしています。鳥よけネットで覆っているので隣のフィッシングセンターの施設と思われます。河川事務所に確認したところ手賀川浄化施設とは無関係の施設でした。

手賀川浄化施設
これは手賀川浄化施設沿いの道路です。西側フェンス内が手賀川浄化施設です。湖北駅から調節水門へ通じる道です。歩道がなくひっきりなしに車が通る危険この上ない道です。しかし歩かないとこの施設の存在に気づくことはないと思います。

手賀川浄化施設
北東側から見た手賀川浄化施設。浄化方式は礫間接触酸化法です。このコンクリート容器の中に礫が詰まっていると思います。

手賀川浄化施設
南東側から見た手賀川浄化施設。手前に第1系列の表示があり、奥に向って第2第3系列と思われます。

利根川下流河川事務所提供の手賀川浄化施設概要です。
面積:13,000㎡
施設規模:3㎥/秒
本体施設:幅29.6m×長さ71.1m×3系列
浄化方式:礫間接触酸化法
なお、東北大地震により施設に被害があり現在は運転を停止しているそうです。


今年に入り探訪した平瀬川浄化施設、野川浄化施設、仙川浄化施設と同じ浄化方式です。平瀬川と野川は多摩川河川敷の砂利をそのまま利用し、河川敷のない仙川は川底の下に礫槽を設けました。こちらは地上にコンクリートの礫槽を設けました。色々なやり方があるんですね・・・。施設は運転停止中と言うことで残念ながら若鮎樋管から放流の浄化水を見ることはできませんでした。

6月20日付け読売新聞朝刊に第18回日本水大賞の記事が載っていました。「手賀沼守れ せっけん運動」の見出しでNPO法人せっけんの街が市民活動賞を受賞とあります。記事から一部引用します。
グループが、家庭などから出る食用油を資源として回収し、せっけんに作り変える活動を始めたのは、約30年前。柏市や隣接自治体にまたがる手賀沼の水質が1970年代、生活雑排水の影響により悪化し、全国の湖沼でワースト1になったことが背景にある。
今回取り上げた手賀川浄化施設が造られたのも同様の背景と思います。手賀沼の浄化については北千葉導水事業のように利根川の水を手賀沼に注水してきれいにするようなスケールの大きな対策もとられています。

湖北台円筒分水、手賀沼円筒分水と二つの円筒分水を探訪したお蔭で色々と勉強させてもらいました。(^σ^)

平瀬川浄化施設は「其の292」、野川浄化施設は「其の293」、仙川浄化施設は「其の301」で投稿しました。

手賀川浄化施設の位置です。



其の309 手賀沼円筒分水を訪ねる・千葉県柏市

 6月11日(土)晴れ、千葉県我孫子市の湖北台円筒分水に続いて柏市の手賀沼円筒分水を訪ねました。今回もJR成田線湖北駅からの歩きです。

手賀沼調節水門
手賀沼と手賀川を分ける調節水門にやってきました。手賀沼円筒分水は手賀沼の南側にあるので調節水門管理橋を南へ渡ります。左側の橋は手賀曙橋です。

手賀沼
調節水門管理橋を渡り手賀沼右岸(南岸)沿いのサイクリング道を西へ向かいました。サイクリング道から見た手賀沼です。オオヨシキリの鳴き声「ぎょぎょしぎょぎょし」や、ウシガエルの鳴き声が「ぐおーぐおー」と聞こえてきます。のどかで自然豊かなところです。

泉揚水機場取水樋管
これは調節水門から西へ約1.2km、手賀沼右岸堤防の泉揚水機場取水樋管です。
手賀沼円筒分水の関連施設を用水の流れを追って取水樋管、泉揚水機場、手賀沼円筒分水の順に見て行きます。

泉揚水機場取水樋管
泉揚水機場取水樋管を手賀沼から見ました。ゲートはなんと時代を感じさせる木製です。スクリーンにゴミが一杯引っかかっています。
最大取水量1.4㎥/秒 昭和40年国営事業により竣工。これから訪ねる泉揚水機場、手賀沼円筒分水も一体の施設なので同年竣工です。 (千葉県東葛飾農業事務所提供資料より)

和泉揚水機場・北千葉導水路空気弁室
取水樋管から泉揚水機場を望む。山の下の白い建物です。
目の前の施設は空気弁室。取水樋管から泉揚水機場へ向かう導水路上にあるので関連施設と思ったのですが、そうではなく北千葉導水路の空気弁室でした。

泉揚水機場
泉揚水機場近景。ここは千葉県柏市泉村新田です。

円筒分水を見た帰途この道で大蛇(2m位の青大将)に遭遇しました。長々とした奴を撮りましたが気色が悪いのでアップは控えます。別の場所でも遇ったので今日2匹目です。自然豊かは良いのですが、細長い奴はどうも苦手です。ドキッとします。これからの季節は毒蝮のマムちゃんの方が怖いです。草むらを歩くときは要注意です。

泉揚水機場吸水井
泉揚水機場北側の吸水井。取水樋管から取り入れた用水です。建屋からポンプの唸り音が聞こえてきます。用水は山の上にポンプ揚水されます。

泉揚水機場導水管
揚水機場前の山に揚水する導水管。水力発電所の水圧鉄管みたいです。

泉揚水機場導水管
脇の階段で上まで上りました。コンクリートの水槽に送り込んでいましたが、その凄まじい濁流音に圧倒され早々に下へ戻りました。水槽には落ち葉が入らないようにネットが被せてあります。大気解放された水槽です。
この水槽から手賀沼円筒分水へ地下に敷設したパイプで導水されます。高低差が約2mあるので自然流下です。

地理院地図で各施設の標高を調べました。
手賀沼取水樋管・・・3m
泉揚水機場・・・3.5m
泉揚水機場前の山の上の水槽・・・19m
手賀沼円筒分水・・・16.9m
このように比べると湖北台円筒分水と同じやり方です。一旦高台の円筒分水に導水し低地の田んぼへ自然流下で送水するようになっています。

泉揚水機場付近の谷戸田
泉揚水機場前の山の南側の谷戸田です。田んぼの用水は湖北台円筒分水を訪ねた際に見た赤いバルブの給水栓から引いていました。

田んぼの給水栓・新木新田
参考までにこれは新木新田の給水栓です。どこの田んぼもこのような給水栓から用水を取っています。田んぼの水管理が楽ですね・・・。

手賀沼円筒分水
道に迷いましたが森の中の手賀沼円筒分水に到着しました。
道路からの進入路は一か所のみ。観察可能なスペースが狭く円筒分水が大きいせいもあり同一画面に納まりません。
ここは千葉県柏市柳戸576です。

手賀沼円筒分水
山の上から降下した用水は中央の内側円筒地下から吹き上がっています。

手賀沼円筒分水
左側にゲート付きの施設があります。分水後の水量調節用でしょか。

手賀沼円筒分水
右側に分水後の取入れ口が見えます。水量が多く越流の様子や何か所へ分水かはよく見えません。

探訪後に千葉県東葛飾農業事務所に照会しました。
円筒分水の直径:18.6m
分水先:県営泉東幹線用水路、県営泉西幹線用水路、支線用水路の3か所
だそうです。
今年2月に探訪した二ヶ領用水久地円筒分水の直径が16mでした。それよりも一回り大きいサイズです。湖北台円筒分水と同じく分水後の幹支線用水路は地上からは見えません。水道管のように地下に敷設したパイプ(鋼管かヒューム管かわかりませんが)で各地区の田んぼへ送水していると思います。

手賀沼円筒分水注意看板
手賀沼円筒分水のフェンスに掲示の注意看板。国が造った施設ですが、日常の管理は千葉県手賀沼土地改良区が行っています。

手賀沼円筒分水付近の景色
帰り道、円筒分水の森を振り返りました。台地の上で周りに水田はありません。近くに陸稲の畑がありました。

新木新田の揚水機場と白鳥
これも帰り道、国土交通省手賀川浄化施設付近の揚水機場です。ハクチョウが二羽います。夏なのにハクチョウ?先日来たときは子連れでした。手賀沼で繁殖しているみたいです。

新木新田のコブハクチョウ
おしまいに今日の探訪記念はコブハクチョウです(図鑑を見たらコブハクチョウでした)。このあとは台地上の湖北駅を目指しましたが上り坂がつらかったですねー。(^λ^)

手賀沼円筒分水の位置です。


其の308 貫抜川放水路の河骨(コウホネ)を見てきました

 昨年十二月に海老名市中新田の「冬みず田んぼ」を探訪したあと貫抜川放水路から貫抜川(かんぬきがわ)を下流へたどり河口まで歩きました。その時、河骨保護の会の案内板で河骨(コウホネ・以下コウホネ)と言う植物が保護育成されていることを知りました。 「其の266」 (2016/1投稿)。
「神奈川県下で、コウホネの自生が確認されたのはここ海老名市だけです」とあり、コウホネと言う名前そのものがあまりお馴染みでなく珍しい存在なので興味を持ちました。黄色の花が咲くと知り6月10日(金)、12日(日)晴れの日に行ってきました。

相模川左岸幹線用水路・貫抜制水門
両日とも小田急線相鉄線海老名駅からの歩きです。駅から約1.5km南の相模川左岸幹線用水路の貫抜制水門です。貫抜川放水路はここから始まります。放水路に生息する動植物に配慮し河川維持水としてわずかに放流しています。

貫抜川放水路
少し下流です。田んぼの排水が流れ込んでいます。

貫抜川放水路・河骨保護の会案内板
河骨保護の会の案内板です。

貫抜川放水路
案内板付近より貫抜川放水路上流を望む。この放水路は昭和20年頃に人工的に開削された川で今では自然豊かな水辺空間になっています。この日は一尺くらいのナマズの遡上を見ました。野鳥はカルガモがいましたが地元の方の話ではカワセミも見られるそうです。

貫抜川放水路の河骨(こうほね)
これがコウホネの花です(6月10日撮影)。半開ですが鮮やかな黄色が目立ちます。花径は2cm位でしょうか。水中のワカメのように見えるのがコウホネの葉っぱです。2mくらい離れたところに緑色のつぼみがひとつ見えました。

貫抜川放水路の河骨(コウホネ)
同じ花ですが角度を変えてもう一枚。

貫抜川放水路の河骨(コウホネ)
これは12日撮影の上記と同一個体のコウホネの花です。満開です。再訪した甲斐がありました。水量が増えたせいか水面ギリギリです。

貫抜川放水路の河骨(コウホネ)
二日前に緑のつぼみだったコウホネが黄色く膨らんでいます。右に緑色の新しいつぼみが見えます。

10日に訪れた時に地元の愛好家がコウホネを撮影中でした。コウホネについていろいろと教えてもらいました。コウホネは近くの中新田小前を流れる川沿いで発見され河川改修時に貫抜川放水路へ移植されたこと。花期は6月初旬から9月末まで。海老名市内では目久尻川沿い北部公園付近でも見られることなど。

地元の愛好家さんのサイト「ブラットタモチャン」でコウホネの花の写真を多数公開しています。

結局今日見たコウホネの花はこの三輪だけでした。北部公園は近々探訪したいと思います。
このあとは来た道を戻りましたがむっと来る暑さにはまいりました。これから梅雨が明けると一気に真夏の炎天ですね。水辺を歩く小生にとっては先が思いやられます。

貫抜制水門の位置(中心十字線)です。(地理院地図より)

其の307 田んぼの水はどこから・秦野市鶴巻舞台

 今回は神奈川県秦野市の田んぼの用排水路の話です。
今年三月、大根川ポンプ場と鶴巻排水機場を探訪した時に新川(鶴巻舞台雨水幹線・以下新川)左岸に広がる鶴巻舞台地区の田んぼを知りました。この田んぼは善波川と大根川に挟まれた低地帯にあり長年湛水被害があり昭和53年からの土地改良事業で改良されました。
三月の探訪で見たように、低地を流れる新川は大根川ポンプ場から強制的に大根川へ排水されますが、この地区の田んぼの排水がどのようになっているのか興味を持ちました。用水の流れがある田植えが終わった頃を見計らって行ってきました。
合せて田んぼの水がどこから来るかも調べました。6月4日(土)晴れの日に探訪しました。
収穫は?・・・思わぬところで伏越(ふせこし)を発見しました。

矢茂井橋より善波川上流を望む
今日は小田急線鶴巻温泉駅からの歩きです。新川沿いに下り、途中の身洗戸橋を左折し善波川にやってきました。善波川に架かる矢茂井橋より上流を望む。真正面に大山が見えます。

秦野市鶴巻舞台の田んぼ
鶴巻舞台の田んぼは善波川と大根川に挟まれた低地帯です。
田んぼに引く用水は善波川から取水しているはずです。これは善波川の西側の田んぼです。幅30cm位の用水路がこちらへ流れています。この用水路をたどれば取水源が分かります。

善波川右岸伏越の吐口
用水路を上流へたどって行くと用水路右側にコンクリートの桝がありました。

善波川右岸伏越の吐口桝
グレーチングフタの上に立ち見下ろしました。桝から水が流れ出て用水路左右に分水しています。桝の中を覗くと用水が吹き上がっています。

善波川
善波川からの川底取水かな?と思い、川へ目を転じるとこのように床固めブロックが敷き詰めてあり川底取水ではありません。対岸へ目を向けるとそっくり同じようなコンクリート桝があります。これでようやく伏越で善波川を潜っていることが呑み込めました。用水路と善波川の立体交差です。コンクリート桝は伏越(ふせこし・サイフォンとも言う)の吐口でした。対岸の桝は伏越の呑口です。
下流に釣り人が二人います。アブラハヤが釣れるそうです。信じられないですが時には大物のヤマメが釣れるそうです。

善波川左岸の伏越呑口桝
善波川左岸の伏越呑口桝です。吐口桝とそっくり同じ形です。

伏越呑口桝より用水路上流を望む
善波川左岸堤防下から見た伏越呑口桝の上流方向。
田んぼと田んぼの間をこちらへ流れる幅50cm位の用水路。
上流に水色の取水施設らしきものが見えます。

善波川支流の取水堰
大きく迂回して水色の取水施設の前に来ました。転倒堰で堰き止めて、右岸から取水していました。ここは秦野市の隣伊勢原市笠窪です。この川は善波川の支流で矢茂井橋の上流で善波川に合流しています。

秦野市鶴巻舞台の田んぼ
伏越の吐口に戻り、こんどは用水路を下流へたどりました。
南へ向かう用水路。

秦野市鶴巻舞台の田んぼ
鶴巻舞台の田んぼ沿いを西へ向かう用水路。

秦野市鶴巻舞台の田んぼと用水路
T字路に突き当たりました。正面のフェンスは南流する新川左岸です。
用水路の水量は田んぼへ給水したので減っています。いわゆる余水ですがこのあとは道路を横断し新川へ放流されています。

秦野市鶴巻舞台の田んぼと排水路
これはたどった用水路南側の田んぼから排水路へ排水の様子です。田んぼの中を巡った用水は温泉のように掛け流しで排水路へ流れていきます。川から取った用水には稲の生育に必要な栄養分が含まれているのでしょうかね・・・。

秦野市鶴巻舞台の田んぼと排水路
両側の田んぼの排水を集め、その間を流れる排水路です。

秦野市鶴巻舞台を流れる新川
排水路から南流する新川左岸へ放流しています。予想通り新川へ排水していました。ひょっとして田んぼ専用排水路から直接大根川へポンプ排水しているかと思ったのですが、新川下流に立派な大根川ポンプ場があるので使わない手はないですね。今日の探訪で新川は雨水のみならず農業用排水も受け入れていることが分かりました。
と言うわけで鶴巻舞台の田んぼの水はどこから来て、どこへ排水するか分かりました。用水の取水源は他にもあると思います。
今日は思いがけず伏越も見られて良かったです。(^σ^)

新川に架かる広北橋のジャバラ排水路
おしまいに「其の287 大根川ポンプ場と鶴巻排水機場を訪ねる」で載せた新川の広北橋を今日も撮影しました。掲載した記事の同文を再掲します。
これは何でしょうか。橋の上流側両岸に直径60cm位の樹脂製の蛇腹パイプが2本ずつ埋め込んであります。どこかに引き込んでいるのかなと思って橋の下流側を見ると全く同じように蛇腹パイプが2本ずつ口を開けています。パイプの上流側、下流側は繋がっていると思います。何のためでしょうかね???
後ろの建物は秦野市鶴巻中継ポンプ場です。


この記事が専門家「通りすがり」さんの目に止まり拍手&コメントを頂戴しました。新川が増水した時の逃げ道と言うご意見でした。全くその通りと思います。拍手コメントは非公開ですが私の判断で引用して紹介します。
橋の両端にある蛇腹のトンネルは、水位が橋下まで上昇した場合、橋のせいで開放排水路がボックスカルバート状になり、その部分だけがいきなり満流扱いになるため流速が下がります。すると流しきれなくなった川の水は一気にオーバーフローします。これを防ぐための逃げ道だと思います。

いつも感じるのですが専門家は最悪のことを想定して手を打っているんですね・・・。「通りすがり」さん、ありがとうございました。新川は秦野市が管理する雨水幹線です。一見普通の川に見えますが雨水下水道です。

矢茂井橋の位置(十字マーク)です。(地理院地図より)

其の306 湖北台円筒分水を訪ねる・千葉県我孫子市

 6月2日(木)晴れ、千葉県我孫子市の円筒分水を見に行きました。今日は最寄駅JR成田線湖北駅からの歩きです。

湖北台円筒分水
湖北駅前の道を真っ直ぐ西へ約1.4km、円筒分水は住宅街の中にありました。響き渡る流水音ですぐに分かりました。

湖北台円筒分水
南側から見ました。内側の円筒から吹き上がり周りに分水しています。水量が多く分水比は分りません。周りは高いフェンスで囲われています。

湖北台円筒分水
外側円筒からの越流と分水後の用水路へ流入の様子。この用水路は東方向の新木、古戸地区へ向かう県営我孫子用水幹線です。住宅に接する面は防音壁で囲ってあります。

湖北台円筒分水・用水供給区域図クリック拡大
フェンスに掲げてある「湖北台円筒分水・用水供給区域図」です。南西にある滝下揚水機場からポンプで送られた用水は3方向へ分水しています。東方向の県営我孫子用水幹線のほか北方向は中峠地区へ、南は都部新田地区(水田面積300ha)へ送られます。
別の案内板によると
運転時間は4月半ば~8月下旬までの期間、通常7時~18時。

湖北台円筒分水
湖北台円筒分水周りの景色です。正面のフェンス内が湖北台円筒分水です。不思議なことに分水後の用水路が見当たりません。地下に送水管が敷設されているようです。

地理院地図で地形を見るとここは利根川と手賀沼に挟まれた台地上に位置しています。湖北台円筒分水の標高は14.4m、用水を送る3方向の田んぼは標高がいずれも4m前後の低地帯にあります。取水地点の手賀沼沿岸にある滝下揚水機場の標高は3.5mなので「台地上にある湖北台円筒分水へ低地からポンプ揚水し、低地にある田んぼへ自然流下で送水している」と言えると思います。

我孫子市・都部新田の田んぼ
このまま帰るのはもったいないので「湖北台円筒分水・用水供給区域図」にある都部新田の田んぼを見ながら滝下揚水機場を見に行くことにしました。湖北台円筒分水から坂道を下り西側田んぼ沿いの道へ出てきました。都部新田の田んぼです。普通は道路沿いに用水路があるのですが見当たらないです。しかし田んぼには水が張ってあります。不思議ですね・・・。

都部新田の田んぼ・我孫子市
などと考えながら歩いていたら突然幅30cm位の用水路が出現。その始まりを見るとバルブが付いています。道路地下に敷設した送水管から分岐しているようです。

我孫子市・都部新田の田んぼ
これは別の田んぼですが赤いバルブ下から吹き上がり右側の細い用水路に送っています。田んぼごとにバルブから用水を引いているみたいです。バルブの開閉で水量調節が可能なので農家にとっては水管理が楽になります。こんな給水方法があるのですね。初めて見ました。

都部新田の田んぼ・我孫子市
田んぼの一角にこんなコンクリートの水槽があり中から流水音が聞こえてきます。上部はネットでフタがされているようです。密閉された水槽ではなく大気解放された水槽です。送水施設の一部と思われますがどんな働きをしているのでしょう。調圧のためかな?よく分かりません。謎の水槽です。

手賀曙橋より手賀川下流を望む
せっかくなので寄り道をし、手賀沼と手賀川を分ける調節水門を見てから手賀沼沿いに滝下揚水機場へ向かうことにしました。
これは手賀曙橋から見た手賀川下流です。雄大な眺めです。下流で利根川に合流しています。

手賀曙橋より手賀川上流を望む
同上流を望む。前方の施設が調節水門です。調節水門の上流が手賀沼になります。

手賀川・手賀沼河川管理境界標識
これは調節水門右岸の河川管理境界標識です。
上流が手賀沼で千葉県東葛飾地域整備センター管理。
下流は手賀川で国交省利根川下流河川事務所管理。

手賀沼調節水門
手賀沼左岸から見た調節水門。
右から固定堰、水色の主水門ローラーゲートが3門、舟通しローラーゲート上流側1門、舟通しの隣は魚道と思われます。ゲートはすべて開いています。

手賀沼調節水門
手賀川左岸から見た舟通しローラーゲート下流、上流各1門、魚道、固定堰。舟通しは「其の298」で見た東京水道・調布取水堰閘門とそっくりですね。

手賀沼調節水門銘板
堤体に貼付けの銘板によると「関東農政局手賀沼調節水門」とあり国が造った施設です。機能として「最高計画水位YP3.75m、最低水位YP1.50m」などとあります。
調節とは手賀沼の水位調節のことです。
治水の観点では手賀沼の洪水調節は普段は水位を低く保った方が好ましく、利水の面では農業用水の取水及び排水が関係してくると思います。水位が低すぎると取水不能、高いと田んぼから排水不能となり支障をきたします。計画水位はそれらを考慮した数値と思われます。

湖北集水路
手賀沼沿いに滝下揚水機場へ向かいました。途中見た手賀沼に合流直前の湖北集水路です。田んぼの排水路と思われます。

手賀沼
手賀沼の風景。葦が繁りいかにも沼という感じがします。オオヨシキリが「ぎょぎょし、ぎょぎょし」とせわしなく鳴いていました。

手賀沼の白鳥
田んぼで白鳥?の親子が食事中でした。稲を食べているように見えましたが良いんですかね・・・。

滝下揚水機場取水口
そうこうするうちに滝下揚水機場取水口に到着しました。手賀沼の水が渦を巻いて吸い込まれています。橋が架かっているので昔は開渠水路で揚水機場へ送っていたようです。

滝下揚水機場
取水口前の橋から滝下揚水機場が見えます。
滝下揚水機場
我孫子市岡発戸字滝ノ下 昭和41年竣工の国営施設です。
(手賀沼土地改良区六十年の歩みより)
湖北台円筒分水も同時期に完成したと思われます。

滝下揚水機場吸水池
揚水機場南側の沈砂池兼吸水井と思われる六角形の池。手賀沼から取り込んだ用水です。建屋からポンプの唸り音が聞こえてきます。ここから台地上にある湖北台円筒分水へ揚水されます。

八幡神社の庚申塔
滝下揚水機場のお隣八幡神社で庚申塔に対面です。ここの所行く先々で庚申塔に出合います。造立は明和七年庚寅十月吉日。西暦1770年、およそ250年前です。青面金剛足下の邪鬼の姿が健気です。三猿もちゃんと彫られています。

都部新田のオタマジャクシクリック拡大
今日の探訪記念はオタマジャクシです。都部新田の田んぼで見つけました。オタマジャクシを見るのは一年振りです。


帰りは近くの成田線東我孫子駅へ向かいました。台地上にある駅なので上り坂が少々こたえました。今回の円筒分水も読者情報に基づき探訪しました。ご紹介ありがとうございました。手賀沼は奥が深くほかにも治水利水施設があり面白そうなところです。あと二、三回は足を運びたいですね。芋づる式探訪になりそうです。(^σ^)

湖北台円筒分水(滝下機場の円筒分水)の位置です。

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