横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の264 埼玉県三郷市の三郷放水路を歩く

 前回「其の263」の続きです。東京都水道局三郷浄水場を見た後、三郷放水路を見に行きました。
探訪したのは12月26日(土)晴れの日です。

三郷市東京外環自動車道の蔦 蔦の芸術?
テーマとは無関係ですが面白い風景です。三郷浄水場から中川へ向かう途中、東京外環自動車道沿いを歩きました。防音壁を這う蔦。もう少し冷え込めば蔦紅葉ですね。いまはポプラの木のように見えます。

中川を渡るつくばエクスプレス
県道を西進し谷口交差点から中川左岸堤防上を南下。
つくばエクスプレス線下を通過しました。中川は江戸川より低地を流れていますが、歩いていてもそうとは分かりません。

中川の水位観測所・三郷(1)
これはなんでしょう。
国土交通省中川河川事務所の三郷(1)水位観測所です。
銘板に「利根川水系中川 東京湾から21.8km」とありました。

三郷放水路の三郷水門
これが今日のテーマ三郷放水路の入り口「三郷水門」です。

三郷放水路・三郷水門
三郷水門を内側から見ました。巨大なゲートです。左側の橋は県道67号線境木橋。

三郷水門の銘板
水門堤体に貼付けの銘板です。
三郷水門
関東地方建設局 1974年10月完成
純径間×扉高:22.0m×7.38m
製作:三井造船株式会社 
(銘板より抜粋)

三郷水門より三郷放水路を望む
三郷水門管理橋より三郷放水路(東の江戸川方面)を望む。

三郷放水路は中川・綾瀬川流域の洪水被害の軽減、高潮時における河道水位上昇の緩和、江戸川の利水安定化等を目的として人工的に開削建設された川です。 
(国土交通省案内パネルより抜粋)

地形的な背景としてこんな事情もありました。
中川流域は利根川、江戸川、荒川の大河川に囲まれ、水が貯まりやすい皿のような地形で、河川の勾配が緩やかで水が流れにくい特徴があり、ひとたび大雨に見舞われるとすぐには水位が下がらず、危険な状態が続いていました。 
(国土交通省案内パネルより抜粋)

三郷放水路・栄中付近
三郷市立栄中付近から見た三郷放水路下流方向。

第二大場川河道跡
堤防から右手を見ると第二大場川河道跡が見えました。第二大場川は三郷放水路完成により分断されました。今昔マップを見るとよく分かります。

三郷放水路
左岸の第二大場川付近から見た三郷放水路。三郷水門が閉じているので流れはありません。北から来た第二大場川はこの辺りで三郷放水路沿いに東へ向きを変えています。

三郷放水路・八丁堀橋付近
さらに下って八丁堀橋から見た下流方向です。キンクロハジロ、ヒドリガモなどの水鳥が遊んでいました。

三郷放水路・新大膳橋
新大膳橋まで下ってきました。前方に巨大な三郷排水機場(みさとはいすいきじょう)が見えます。除塵機がずらりと並んで壮観です。ここが三郷放水路の終点です。

洪水時に中川から流入した水は巨大な5台のポンプで樋管を通って江戸川に排水されます。なんとその排水能力は200㎥/秒(1秒間に25mプール一杯分)もあります。もの凄いですね~桁違いの排水能力です。

大場川水門
新大膳橋から見た三郷放水路(手前)と大場川水門。大場川は大場川水門のゲートで遮断されているので伏越で三郷放水路の下を潜り南下します。

大場川伏越呑口
大場川側から見た伏越の呑口。中央の大場川水門操作室下、左側が呑口で除塵機を介して三郷放水路を潜ります。

大場川伏越を背に大場川上流を望む
大場川伏越を背に大場川上流を望む。

三郷排水機場へ向かう第二大場川
これは三郷放水路の北側を並行して流れる第二大場川です。三郷排水機場から江戸川へ合流(排水)しています。

大場川伏越吐口
三郷放水路を伏越で潜り南側へ出てきた大場川伏越の吐口。

三郷排水機場と樋管
おしまいに江戸川右岸堤防から見た三郷排水機場とこちら側は三郷排水機場樋管です。排水能力は前述の通り200㎥/秒です。(日量にすると1728万トンです。)
地図上で三郷水門・三郷排水機場樋管間の延長を測ると1651mでした。

今日は大晦日。今年最後の投稿です。
皆さまどうか良いお年をお迎えください。

三郷排水機場の位置です。(今昔マップon the webより)
緯度経度:35.817691,139.887028
三郷放水路は1975~1978年の今昔マップには反映されていないので、今と昔を較べることができます。

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其の263 三郷浄水場と江戸川の取水施設を探訪しました

 前回「其の262」で、思いがけず東京都水道局市ヶ谷水管橋に出合い、内径1100mmの水道管内を流れる水は埼玉県三郷市の東京都水道局三郷浄水場で作られた水と知りました。
三郷浄水場はどんなところだろうと、地図を眺めると中川と江戸川に挟まれたところにあり、付近には中川と江戸川を結ぶ三郷放水路、用水路や河川の立体交差(伏越)、三郷排水機場などがあり、私にとっては非常に面白そうなところです。
12月26日(土)晴れの日に早速行ってきました。三郷浄水場、その他と2回に分けて発表します。

江戸川・三郷排水機場付近
つくばエクスプレス三郷中央駅からの歩きです。これは三郷排水機場付近の江戸川右岸堤防から見た江戸川と町並みです。一見して江戸川水面の方が町並みより高いと感じます。江戸川は天井川化しています。

江戸川・三郷排水機場付近距離標識
三郷排水機場付近の距離標識。「海から23.75km」。

三郷浄水場取水樋管
10分位上流へ歩いたところにある三郷浄水場取水施設です。

三郷浄水場取水樋管
堤防から下りて取水施設を見上げました。銘板によるとこの施設は「三郷浄水場取水樋管」と言います。

三郷浄水場江戸川取水口
取水樋管から川縁に下りると8門の取水口がありました。今日はここから三郷浄水場までたどります。

取水樋管管理橋に掲示の2枚の水利使用標識によると
一級河川江戸川 
1. 水利使用者名:埼玉県知事 3.242㎥/秒
2. 水利使用者名:東京都知事 13.4㎥/秒
許可権者名:国土交通大臣、取水施設管理者名:東京都水道局長とどちらも共通です。

東京都水道局三郷浄水場取水所
取水樋管の西側、堤防内側の東京都水道局施設です。

東京都水道局三郷浄水場取水所
「東京都水道局三郷浄水場取水所」の表札がかかっています。

東京都水道局三郷浄水場取水所・導水渠入口ゲート
三郷浄水場取水所正門近くの導水渠入口ゲート。ザバッ~ザバッと激しく流れる水音が聞こえてきました。

新和橋より大場川上流を望む
新和橋から大場川上流を望む。取水所を出た導水路は西の沈砂池へ向かっています。北から南へ流れる大場川の下を潜っているはずですが、大場川の両岸に伏越施設(呑口、吐口)は見当たらず。川底直下を素通りしていると思います。

東京都水道局空気弁マンホールフタ
三郷浄水場沈砂池へ行く途中の道で見た空気弁のマンホールフタ。ここは埼玉県三郷市ですが東京都のマークが入っています。

東京都水道局三郷浄水場沈砂池
次の施設沈砂池へ来ました。「東京都水道局三郷浄水場沈砂池」の表札。
江戸川取水口から西へ約550mのところにあります。

東京都水道局三郷浄水場沈砂池
南側から見た沈砂池構内の様子。原水中の大きな砂や土を沈める施設です。東側道路から施設を見ながら歩きましたが水面は見られず。

東京都水道局三郷浄水場沈砂池・除塵機
同、北の突き当りに除塵機が2台見えます。ポンプ室はなく自然流下で三郷浄水場へ送水しているようです。

東京都水道局三郷浄水場
沈砂池の北西約1.3kmにある三郷浄水場です。三郷中央駅近くを流れる第二大場川沿いを上流へたどるとすぐです。第二大場川では愛好家2、3人がタナゴ釣りをやっていました。

東京都水道局三郷浄水場
東京都水道局三郷浄水場南側正門です。

東京都水道局三郷浄水場
正門から見た構内の様子。見学会ではないので表から眺めるだけです。沈砂池から来た導水路の終点、着水井はどこでしょう。ここからは窺い知ることはできません。浄水場に到着した原水はポンプで着水井に揚水し浄水工程に流れて行くはずです。

三郷浄水場は施設能力:日量110万立方メートルで東京都水道局では朝霞、金町、東村山に次いで4番目に大きな浄水場です。処理方式は急速ろ過方式・高度浄水処理。
出来上がった水道水はここから各地の給水所にポンプで送水されます。今回の探訪のきっかけになった市ヶ谷水管橋は西新宿の都庁西にある淀橋給水所から千代田区方面に送る配水本管新宿線でした。地図上で三郷浄水場・淀橋給水所間を測ると直線距離で22.6kmもあります。

神奈川県ではダムや取水堰で表流水を堰き止めて取水しています。
江戸川右岸の取水口では取水堰なしで表流水を直接取水しています。江戸川はゆったりとした流れと言うか流れを感じないほどの大河です。渇水で流量が減った時はどのように対応するのでしょう。上流の利根川分岐点・関宿水閘門で調整するのでしょうかね。
もう一つ意外に感じたのは、浄水場の位置より下流から自然流下で原水を取り込んでいることです。これは江戸川が天井川だから可能なのでしょうか。
三郷浄水場の施設能力:日量110万立方メートルは先日訪れた柿田川湧水の一日の湧水量にちょうど匹敵します。凄いですね!

今回の探訪で巨大都市東京の上水道事情の一端を垣間見て勉強になりました。
次回は三郷放水路、伏越などについて投稿します。

三郷浄水場・江戸川の取水口位置です。


其の262 市ヶ谷水管橋と防衛省市ヶ谷地区見学

 12月17日(木)晴れ、珍しく東京まで出かけました。
目的は防衛省・自衛隊市ヶ谷台ツアーに参加し団体で防衛省市ヶ谷地区内を見学するためです。JRや地下鉄市ヶ谷駅からすぐのところですが、途中で私好みの面白いもの「市ヶ谷水管橋」を発見したので取り上げたいと思います。

東京都水道局市ヶ谷水管橋
市ヶ谷駅を出て外堀に架かる市ヶ谷橋を渡ります。市ヶ谷橋の東側に並行して、見るからに古そうな橋が架かっています。
市ヶ谷橋から見たこれがその橋です。

東京都水道局市ヶ谷水管橋
橋を渡り対岸の外堀通りから見ると、なんと大口径の水道管が敷設されています。水道管を渡すための橋だったんですね。
あとで調べたら水道水はこちらから奥の方(千代田区の方)へ流れています。

東京都水道局市ヶ谷水管橋
水道管の支持部です。これは伸縮可とう管ですね。間違いなく水道管です。締めつけバンドに1100と表示があるので内径1100mmの水道管です。

東京都水道局市ヶ谷水管橋・市ヶ谷橋
下から見た市ヶ谷水管橋(左側)、市ヶ谷橋(右側)。奥は総武線市ヶ谷駅プラットホーム。
右側、市ヶ谷橋の石垣を見ると家紋が刻まれた石が混じっています。この石垣も歴史があるようで研究したら面白いかも知れません。

東京都水道局市ヶ谷水管橋・銘板
市ヶ谷水管橋に貼り付けてあった銘板です。
「昭和四年 株式会社横河橋梁製作所 製作」古いですね~。

以上、見たままを発表しました。

「水管橋 どこからどこへ 行くのだろう」 doushigawa

東京都水道局HPや水道局へ照会して調べた結果を記します。
橋の名前:市ヶ谷水管橋
水源:江戸川右岸で取水(埼玉県三郷市)
浄水場:東京都水道局三郷浄水場(埼玉県三郷市)
系統名:配水本管新宿線。新宿都庁近くの淀橋給水場から千代田区方面への内径1100mm配水本管。HPでは荒川取水の三園、朝霞浄水場系も新宿線に繋がっています。
水道管敷設年:昭和4年、平成9年更新。

現代では鋼管自体を橋桁とするパイプビーム形式の水管橋が当たり前に見られますが、昔は水道管を通すための橋を造りその上に水道管を敷設したのですね。橋は戦災に遭わずよく残ったと思います。
東京のど真ん中にこのような水道管専用の橋は珍しいと思います。江戸の昔から世界的な大都市であった東京。
古いものが残っていてさすがです。日々ここを大勢の人が通行していますが、見慣れた日常の景色に溶け込んでいて何も感じないでしょうね、多分・・・。私は長年東京に勤めていましたが今日初めて気づきました。東京再発見です!

以下簡単に防衛省・自衛隊市ヶ谷台ツアーの様子です。
市ヶ谷・防衛省正門
今日の会場、市ヶ谷の防衛省正門です。先日靖国神社爆破テロがあったせいか物々しい警戒です。正面の高層ビルは庁舎A棟。

市ヶ谷の防衛省
身分証明チェックなどを受け、見学者用立入証を首から下げて見学開始です。エスカレーターで儀仗広場へ向かいます。市ヶ谷台周辺で一番標高が高い位置(標高31.4m)にあるそうです。

市ヶ谷防衛省庁舎A棟前儀仗広場
庁舎A棟前の儀仗広場。

陸軍士官学校本部・旧1号館
市ヶ谷記念館内に展示の旧1号館の模型。旧1号館は現在の庁舎A棟の場所にありました。中央右グレーの屋根が大講堂
(東京裁判が行われた法廷)です。

市ヶ谷記念館
市ヶ谷記念館です。防衛庁の新庁舎建設・移転に伴い1998年(平成10年)に旧1号館のごく一部を移設復元したもの。三島由紀夫が演説をしたのは旧1号館のバルコニーです。

市ヶ谷記念館・大講堂
記念館内の大講堂。極東国際軍事裁判(東京裁判)の法廷として使用されました。

市ヶ谷記念館・大講堂
同正面より入口と二階席を見る。床材はナラの寄木で7200枚全てに番号を付け正確に復元したそうです。

市ヶ谷記念館・大講堂の玉座
大講堂正面一段高いところにある玉座。

市ヶ谷記念館・大講堂階段
右側が玉座への天皇陛下専用階段です。左は一般用の階段。

市ヶ谷記念館・総監室ドア
総監室のドアに昭和45年の三島事件で三島由紀夫が関の孫六で応戦した時の刀傷が今でもそのまま残されています。

この後、広報展示室や厚生棟へ寄り自由時間です。お土産を買いました。
2時間余の見学はあっという間に終わりました。今回は午後の部に参加しました。午前の部では別のところが見られるそうです。また来たいですね。

市ヶ谷台ツアーの詳細・申し込みはこちらです。
「市ヶ谷地区見学(市ヶ谷台ツアー)の御案内」

市ヶ谷水管橋の位置です。


其の261 清水町の柿田川湧水を訪ねる

 12月7日(月)晴れ、三島市の源兵衛川を温水池まで歩いた後、国道1号線を西進し清水町の柿田川湧水を見てきました。
東西に走る国道1号線の南側に忽然と大河が出現します。その大河は生まれてすぐ、わずか1.2kmを流れて狩野川に合流し駿河湾に注いでいます。河川名は一級河川狩野川水系柿田川と言います。

柿田川湧水案内看板
国道1号線沿いの「ここが柿田川湧水」の案内看板。

柿田川湧水第1展望台
柿田川公園に入り、急な階段を下ったところが第1展望台です。

柿田川湧水
展望台からの眺望です。対岸に近い前方は湧水を集め急な流れになっています。

柿田川湧水湧き間
第1展望台付近は柿田川最上流部で、このような砂を噴き上げる涌き間が見られます。

柿田川湧水・アユの遡上
案内パネルに12月に入るとアユの遡上が見られると書いてあります。その通り真っ黒に群がっていました。(黄色矢印周りの黒く見えるのはアユの大群です。)ダイサギがアユを狙っています。

柿田川湧水第2展望台
こちらは第2展望台です。

柿田川湧水
第2展望台からの眺めです。こちらを訪れるのは3回目ですが初回と同じように驚嘆!です。 何もないところに突如大河出現ですから・・・。対岸の建物は沼津市の水道水取水施設「沼津市泉水源地」です。

柿田川湧水湧き間
これは展望台直下の涌き間です。砂を噴き上げこんこんと湧き出しています。これは昔、紡績工場が利用していた井戸の跡だそうです。


どうしてこのように大量に水が涌き出るのでしょう。
園内の案内パネルに詳しく書かれていますので記します。

柿田川湧水のしくみ
都市河川でありながら、比類のない水質を誇る柿田川は、富士山系の伏流水です。約8500年前の富士山の大爆発で大量の溶岩がこの柿田川の上流まできました。「三島溶岩流」と名付けられたこの溶岩は、多孔質層で水を通しやすいという特徴を持っています。その下の古富士火山の表層が水を通しにくいという特徴があるため、富士山周辺に降った雨や雪が三島溶岩流の間を地下水となって流下します。約40km離れた清水町の国道1号線の直下から、こんこんとわき出る水量は1日約100万トンと推定されます。 
(第2展望台案内パネルより)

前回訪れた源兵衛川の源流・小浜池もここと全く同じで、三島溶岩流の地下水が湧出したものです。

こちらは第1展望台の案内パネルです。
天然記念物 柿田川湧水群
源は約40km北方の富士山に降った雨や雪である。これらが地下水となり三島溶岩流の間を長い年月(十数年と言われる)を経て流れ、ほぼ無菌で適度にミネラルを含む、日本有数の素晴らしい湧水となり、ここに湧き出している。
全長約1200m、狩野川と合流し駿河湾に注ぐ。
水質PH7.2、色度0、濁度0、溶存酸素9.5前後、
水温年間15度C前後。
特徴
1. 全川全て湧水。湧水量120万トン/日
湧水口は約数十か所、主として上流部に集中。
2.3.4.略
5.静岡県東部(沼津市、三島市、熱海市、函南町、清水町)約35万人の飲料水。

(公益財団法人柿田川緑のトラスト案内パネルより)

沼津市泉水源地
展望台から見えた対岸の取水施設「沼津市泉水源地」です。展望台案内パネルにあるように、抜群にきれいな水です。水道水として利用しない手はないです。ここから沼津市と清水町の各家庭に送水しています。場内に掲げた水利使用標識によると取水量は1.107㎥/秒(約10万㎥/日)。 

柿田川・沼津市泉水源地付近
沼津市泉水源地南から柿田川左岸を望む。

一級河川かきた川の標識・柿田橋際
柿田川右岸沿い崖上の道を柿田橋までやってきました。途中、川を見通せるところは一か所もなくここまで来ました。国土交通省の標識「一級河川 かきた川 国土交通省」。

柿田橋下より柿田川上流を望む
柿田橋下より柿田川上流を望む。

静岡県企業局堂庭取水場
これは柿田橋上流左岸の静岡県営の柿田川工業用水道(給水区域:沼津市、三島市、長泉町、清水町)の取水施設・堂庭取水場です。給水能力は10万㎥/日。薬品による沈殿の必要がなく、細かな浮遊物を取り除くだけで送水を行っています。

ここからは見えませんが、左岸上流部に県営の駿豆水道(給水区域:熱海市、三島市、函南町)の取水施設・八幡取水場があります。
給水能力は10万㎥/日で、水源が湧水で非常にきれいなため、薬品注入→沈殿という工程が必要なく、送水先の中島浄水場は浄水場としてはコンパクトにできています。(静岡県HPより要旨抜粋)

これで湧水量推定100~120万トン/日の内、沼津市、静岡県の取水施設3か所で30万トン/日を水道水や工業用水として利用していることが分かりました。

柿田橋下より柿田川下流を望む
柿田橋下より下流を望む。アーチ型の廃橋が見えます。

柿田川橋とアーチ型石橋
右岸より柿田橋とアーチ型廃橋を望む。廃橋は石橋です。 
柿田橋西詰めに石橋の碑が立っています。清水町教育委員会の案内パネルによると碑は寛文十一年(1671年)に建立されたそうです。石橋も同年完成とすると344年前のことです。この急流にどのようにして施工したのか大変興味深いです。この廃橋は石橋の遺構と思われます。

柿田橋西詰・柿田川三石碑
柿田橋西詰めの「柿田川三石碑」。中央が石橋の碑と思われます。右端は二百萬遍供養塔。

狩野川に合流する柿田川
柿田橋右岸沿いの道をたどるとすぐ狩野川合流点です。狩野川に合流する柿田川です。わずか延長1.2kmの日本一短い一級河川です。

今日は柿田川観光だけでなく湧水のしくみや利水についても学びました。柿田橋からJR三島駅までの道のりが疲れのせいかやけに遠く感じました。

柿田川公園の位置です。

其の260 三島市の源兵衛川を歩く

 12月7日(月)晴れ、三島市の源兵衛川に沿って歩いてきました。源兵衛川のことは十年ほど前に、新聞のコラム記事「蘇った清流」を読み知りました。川の名前もユニークで前々から一度歩いて見たいと思っていました。

はじめに源兵衛川はこんな川です。
三島市は静岡県を代表する富士山湧水群域です。市街地を流れる源兵衛川は楽寿園の小浜池を湧水源とし、温水池まで達する延長約1.5kmの農業用水路で、水田にきれいな水を供給し、生き物のための豊かな環境をつくると共に人々に潤いのある水辺空間を提供することを目的として整備されています。 
(いずみ橋の案内パネルより)

別の案内パネルによると市民・NPO・行政・企業の結集により10年ほどの歳月をかけ、平成10年に汚れた源兵衛川を再生。平成5年にはゲンジボタルの復活に成功したとあります。源兵衛川流域では5月初めにホタルが飛ぶそうです。普通は6月の始めなので一月早く見られます。珍しいですね~。

三島市・楽寿園
JR三島駅の真ん前にある楽寿園東側の正門です。ちょうど紅葉が真っ盛りでした。源兵衛川は楽寿園内小浜池が源泉です。小浜池からたどる予定が残念なことに今日月曜日は休園日で入れず。正門からの紅葉が見られたのでよしとします。

源兵衛川・いずみ橋
楽寿園の南出口付近のいずみ橋です。奥の楽寿園小浜池から流れ出した源兵衛川の始まりです。

三島市・源兵衛川

三島市・源兵衛川
歩く前に地図で確認すると川沿いの道がなく危惧したのですが、このように川の中(川のみち)を歩けるようになっています。

三島市・源兵衛川
右岸寄りの川のみちから左岸へ渡りました。清流です。ホトケドジョウやサワガニも住んでいるそうです。

三島市・源兵衛川
広瀬橋付近「源兵衛川」の表記。
広瀬橋より下流は中郷地区の農業用水のため人工的につくられた川で、川の名称はこの計画を立て、河川工事に深い関わりを持った寺尾源兵衛に由来すると言われています。 
(案内パネルより抜粋)

三島市・源兵衛川
こんな川のみちを歩きました。アロエの花です。三島は温暖の地なんですね。

三島市・源兵衛川「時の鐘」
三石神社の時の鐘です。江戸時代、三島宿の人たちはこの金の音で時刻を知りました。

三島市・源兵衛川三石神社前水路橋
三石神社前で源兵衛川を渡る水路橋。上水か下水か?何を流していたのでしょう。壊れているので今は使われていないようです。

三石神社付近・アーチ形の橋
三石神社前のアーチ型の風情ある石橋。

三島市・源兵衛川
その下流です。川の中の道が設置されている区間はすべて川のみちを歩きました。

三島市・源兵衛川、下源兵衛橋
下源兵衛橋まで下ってきました。二手に分かれます。
左が源兵衛川です。

三島市・源兵衛川、水の苑緑地
水の苑緑地に差し掛かりました。

三島市・源兵衛川、水の苑緑地
水の苑緑地を流れる源兵衛川。ここにも秋がまだ残っています。

三島市・源兵衛川、ミシマバイカモ
ミシマバイカモです。水の汚染に敏感で、きれいな冷たい水の中でしか育たないそうです。花期が5~9月なので梅の花に似た白い花は見られませんでした。

三島市・源兵衛川、、中郷用水記念碑
源兵衛川沿いの「中郷用水記念碑」。
傍らの碑文に昭和23年5月27日建立とありました。不鮮明で読み取れませんが中郷用水土地改良区が建立したと思われます。

中郷温水池
R1(国道1号線)を渡るとその先は広大な池・中郷温水池(なかざとおんすいち)です。
ため池百選・中郷温水池
湧水を稲作用水として利用するために水を温める池として、昭和28年(1953年)国・県の事業として建設されました。平成8年(1996年)から平成10年(1998年)に再整備され、現在の温水池となりました。
平成18年(2006年)には「静岡県都市景観賞最優秀賞(県知事賞)」を受賞し、平成22年(2010年)には「農林水産省 ため池百選」に選ばれました。 
(案内パネルより)

上中流部では冷たい清流にしか住めないホトケドジョウやミシマバイカモ等に配慮し、末端では田んぼに送るために水を温め、湧水を上手く利用しています。先人の知恵ですね。

中郷温水池より富士山を望む
池からは富士山の眺望がすばらしいです。宝永火口が良く見えます。(ズームで撮りました)。

中郷温水池
池の南東の越流堰です。左右2方向の用水路へ用水を送っています。この池は水を温める温水池ですが分水池の役割も果たしています。

中郷温水池から始まる用水路
こちらは南西隅の越流堰を越え田んぼへ向かう用水路です。来シーズンの田植時にたどってみたいですね。

中郷温水池のカルガモ
温水池内の島で休憩中のカルガモです。こちらを見ていますが人なれしているのか逃げません。ここは水鳥の楽園のようなところで、オナガガモ、マガモ、キンクロハジロ、オオバン、カワウ、アオサギなどを観察しました。

今回の探訪記はJR三島駅南口前観光案内所で頂いた「街中がせせらぎ みしまっぷ」、現地案内パネルを参考にしました。
この後はR1を西進し柿田川湧水を見に行きました。次回発表します。

いずみ橋の位置です。
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其の259 境川水系源流・段木入を訪ねる

 11月29日(日)晴れ、ハイキングを兼ね境川水系の源流・段木入(だんぎり)を探訪しました。町田市青少年センター上流の境川源流(大地沢)、支流の本沢、宝沢に続いて四つ目の源流探訪です。近くの第二駐車場から歩きました。

谷戸の風景・相模原市緑区雨降
青少年センター入り口バス停から青少年センターへ通じる道路から見た谷戸の風景です。正面の山間が今日の目的地、段木入(だんぎり)広場やその奥の段木入の丘へ通じる入口です。
ここは相模原市緑区川尻雨降(あめふらし)です。

蛇行する境川
道路から右手の谷戸の谷間に下りるとこんな蛇行する境川が見られます。これより上流でこれほど蛇行する境川は見られません。

蛇行する境川
上記を上流側から見る。蛇行する境川。

境川・町田市相原町
その上流真っ直ぐな境川。橋を左岸へ渡ると町田市相原町大戸です。前方の竹藪が左手青少年センターから流れてきた境川と右手段木入広場方面から来た沢の合流点です。
前回「其の258」で探訪した境川と宝沢(ほうざわ)合流点の200m位下流となります。

境川・段木入からの沢合流
境川(左側)と段木入広場方面から流れてきた沢(右側)の合流です。
町田市観光コンベンション協会発行「町田観光ガイドブック」p120の地図を参考にしましたが、段木入は地名か沢の名前かはっきりしません。ここでは単に沢と呼びます。

段木入広場
左岸道沿いに谷戸の中へ進みました。段木入広場です。ゴルフ場のフェアーウエイのような広場です。沢は右手の山沿いに流れています。
道沿いに警告看板あり。この辺りはイノシシが出没するようで、地元の町田市大戸町会が害獣駆除のためイノシシの罠を設置しているそうです。

段木入広場
沢沿いを歩く。左側に段々の田んぼがあり木道が設置してあります。

段木入広場・ホタル田の木道
木道より下流を望む。棚田に木道が架けてあります。ホタルの保全用と思われます。

町田市相原町段木入の森
広場から森林に変わりました。ハイキング道が奥へ続いています。

町田市相原町段木入・境川源流
ハイキング道沿いを流れる沢。境川の源流に近づいています。

町田市相原町段木入・境川源流
段木入の丘上り口付近の沢。これより先に沢沿いの道はなく、今日見た最後の境川源流となりました。

段木入の丘登り口道標
段木入の丘上り口の道標です。源流を見たので引き返すところですが、せっかくなので丘の上まで登ることにしました。

段木入の丘登山道
はじめは九十九折の道が途中から斜面を真っ直ぐに登る道に変わりました。キツイ勾配です。これは丘ではなく山です。

段木入の丘
道標から10分近くかけて段木入の丘山頂に到着。

段木入の丘より東方を望む 段木入の丘山頂の道標
段木入の丘東方の眺望。都心の高層ビル群が見えました。
段木入の丘の道標。左段木入の広場、右草戸峠。

町田・八王子境界尾根道ハイキングコース
草戸峠方面から来た尾根道のハイキングコースに入りました。尾根道の左側が八王子市、こちら側は町田市です。
ここに降った雨水はどこへ流れて行くのでしょう。地図を眺めると八王子側は湯殿川、浅川と名前を変え府中四ツ谷橋上流で多摩川に合流し最後は東京湾に注いでいます。こちら側は境川水系の源流なので約52.1km流れ下り、江の島前の相模湾に注いでいます。この尾根道はただの分水嶺ではなく一級河川多摩川流域と二級河川境川流域を分ける流域界です。そんな目で尾根道を見るとちょっと感動的ですね。( ^ω^ )

権現平の道標 権現平の道標。
権現平で尾根道から別れ雨乞い場の碑方面へ向かいます。

権現平・雨乞い場の碑間ハイキング道
杉の森を抜けるハイキング道。

権現平・雨乞い場の碑間ハイキング道
これもハイキング道です。こんな道ばかりなら良いのですが。
落ち葉を踏みしめて歩きます。

雨乞い場の碑
丑田山山頂の雨乞い場の碑に到着しました。
昔からの習慣で旱天が続くと部落の人々がここに集まり、火を焚き神官にのりとをあげてもらい大きな鐘をたたき、たき火の周りを回りながら雨乞いの歌を歌い降雨の祈りをささげた。昭和22年頃に最後の雨乞いが行われた。 (碑文より要旨抜粋)

若宮八幡社
下山途中、若宮八幡社に参拝しました。

町田市相原町大戸・登山口
大戸の青少年センター入口バス停(境川の川上橋付近)付近の登山口に無事下山しました。1時間半ほどのハイキングでした。

今回で四つの境川源流を探訪しました。境川源流探訪はこの辺で終わりにし、いつか私がまだ知らない境川沿いを河口目指して歩きたいと思っています。

段木入からの沢と境川合流点の位置です。(地理院地図より)
緯度経度35.613258,139.282797


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