横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の243 引地川の下土棚遊水地を訪ねる①

 今年9月初め、引地川の農業用水取水堰・長後堰を訪ねそこから始まる用水路を終点の中村橋までたどり「其の237」で発表しました。探訪した時は気付かなかったのですが、おしまいの方でいつの間にか工事中の下土棚遊水地沿いを歩いていたことが後になって分かりました。六会橋以南、こぶし荘から中村橋に至る荒れ地の区間です。
今のご時世、広大な荒れ地は解せないので、調べたところ神奈川県が施工中の下土棚遊水地と分りました。

神奈川県発行の「下土棚遊水地パンフレット」によると計画貯留量はA.B.C.D4池で46万㎥の規模です。境川遊水地のほぼ半分の規模ですが現在進行形で工事が行われています。(工事期間は平成18年度~32年度)

参考までに今年になって探訪した鶴見川の恩廻公園調節池の貯留量は11万㎥。境川の境川遊水地(今田遊水地、下飯田遊水地、俣野遊水地の3池)の貯留量は90万㎥です。

「下土棚遊水地パンフレット」計画平面図によると4池とも一次池、二次池があり完成すると境川遊水地のような姿になると思われます。一次池、二次池、越流堤(D池、A池)や排水ゲート(B池、A池)など工事の進捗、完成までのプロセスに興味があります。

9月21日(月)晴れ、敬老の日、下土棚遊水地のただ今現在の様子を見に行きました。

六会橋より引地川上流を望む
小田急江ノ島線長後駅からの歩きです。長後街道を西進し六会橋まで来ました。六会橋より引地川上流を望む。北西から来た蓼川と合流しています。右手左岸は下土棚奥田地区の田んぼです。

六会橋より引地川下流を望む
六会橋より引地川下流を望む。六会橋以南の左岸は下土棚遊水地の用地で只今工事中です。左岸は下土棚遊水地D池。

下土棚遊水地D池
これは六会橋東の長後街道から見たD池の南方向です。前方の建物は老人福祉センターこぶし荘。左側を長後堰から来た暗渠の用水路が南へ向かっています。用水路はD池の東側法面に重なるのでこの用水路がどのようになるか注目したいです。

D池用地はこのような現況ですが地理院地図で確かめると、こぶし荘西側、中村橋左岸上下流、中村橋右岸下流の湘南台高北側に至る遊水地用地には水田記号が並んでいます。工事が始まる前は田んぼだったことが分かります。航空写真に切り替えるとより明確です。

下土棚大橋より引地川上流を望む
下流の下土棚大橋から上流を望む。左岸は下土棚遊水地D池。D池の引地川左岸越流堤はここから見えるはずですが未着工です。地図上では川沿いに道がありますが両岸ともすべて通行止めになっています。

下土棚遊水地C池
下土棚大橋から引地川左岸の下土棚遊水地C池を望む。

下土棚遊水地C池
左は県道22号線南側の下土棚遊水地C池。

中村橋より引地川上流を望む
下流の中村橋より上流を望む。向かって右側左岸は下土棚遊水地C池です。

中村橋より引地川下流を望む
中村橋より下流を望む。左岸は下土棚遊水地B池。D池越流堤から流入した河川水はC池からB池へと流れ、引地川左岸のB池排水ゲートから放流されます。排水ゲートはここからは見通せず確認できません。
右岸は下土棚遊水地A池です。A池が一番細長く南端は湘南台高グランド北側です。A池の越流堤はここから見えるはずですが未着工です。
左岸の放流水は「其の237」で探訪した長後堰用水路の余水排水です。

下土棚遊水地A池
引地川右岸の下土棚遊水地A池です。

下土棚遊水地A池
その先の広々とした下土棚遊水地A池。前方に湘南台大橋が見えます。左側濃い緑の帯は引地川左岸堤防の桜並木です。

下土棚遊水地工事看板
湘南台大橋手前で見た工事看板。橋が架かるようです。

下土棚遊水地A池
湘南台高校北側の上河内橋人道橋から引地川上流を望む。下土棚遊水地A池の南端です。護岸が上流部とは違い白くて新しく、改修工事は完了しているみたいです。
手前のゲートは雨水下水樋管のようです。遊水地とは関係のない施設と思われます。

下土棚遊水地A池・排水ゲート
南端から100mほど上流にA池排水ゲートが完成していました。

ざっと4池を端から端まで歩きました。下土棚遊水地について詳しくは冒頭の「下土棚遊水地パンフレット」をご覧ください。
幸いにしてまだ未着工の部分が多くこれからどのように変貌するか、工事の進捗状況を眺めてみたいと思います。工期は平成32年度工事完成予定と息の長い工事です。5年半先の完成まで年に一度くらいは訪ねたいと思います。

帰りは桜並木の堤防沿いを小田急江ノ島線湘南台駅へ向かいました。大木が多く花の季節が楽しみです。毎年花の季節に訪れるのも良いですね。あるいは緑滴るころに・・・。
忘れないように訪れたいと思います。

マルバルコウ
今日の探訪記念は熱帯アメリカ原産の帰化植物マルバルコウです。花径15mmくらいの可愛らしく艶やかな花です。こぶし荘付近の下土棚遊水地D池にて。

六会橋の位置です。




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其の242 俣野堰用水路を歩く・続編

 この夏、境川のゴム堰・俣野堰から始まる農業用水路を(終点と思われる地点まで)探訪し「其の230」で発表しました。今回はその続きです。
前回の探訪を終えてどうも内心引っかかるものがあります。用水路を途中で見失ったこともありますが、おしまいの方に載せたこの写真のことです。

西俣野排水機場
除塵機があり南側には排水ゲートもある施設ですが、入り口に表札もなく、藤沢市の遊水池だろうとその時は勝手に想像しました。
ずうっと気になっていたので思い切って藤沢市に
1.施設の名称と働き
2.俣野堰から来ている用水路との関係の有無
について照会したところ以下の事実が判明し、懐いていた疑念が一気に吹き飛びました。初回探訪の時、この施設の西側で水路を見失いました。ひょっとして遊水池に流れ込んでいるのではと想像したので関係の有無も照会しました。

藤沢市から頂いた回答内容です。
名称:西俣野排水機場
管理者:藤沢市(農業水産課)
目的:西俣野地区の湛水防除
働き:ゲートを閉めることにより河川の逆流を防ぐ。 排水ポンプにより内水を河川に放流する。
放流先:境川


補足説明も頂きました。その要旨です。
1. 当施設の所在地は西俣野水田地区の最下流に当り、農業用用排水(余水)を境川に放流。農業用施設と一体の施設。
2. 西俣野地区は地盤が低く大雨などで河川の水位が上昇すると河川水が逆流し水田が水没する被害を度々被ってきた。その被害を軽減するための施設。
3. 河川の水位が一定以上に上昇すると排水口のゲートを閉め逆流を防ぐ。その代り水田側の水が排水できなくなるのでポンプで吐き出す。


その意外性に大変驚きました。関係の有無どころか大有りでした。俣野堰用排水路と一体の施設だったとは・・・
排水機場といえば甲府盆地の天井川を巡った時に数か所を実際に見て投稿もしています。まさかこの施設が排水機場とは思いも寄らなかったです。「其の210 甲府盆地の天井川を訪ねる・市川三郷町の道場川」で発表した天井川の道場川がこのケースとよく似ています。

以上を踏まえ9月15日(火)晴れ、再探訪し施設をつぶさに見てきました。

俣野堰用水路
夏に探訪した時の写真です。ここまで来てその先の俣野堰用水路を見失いました。場所は小雀浄水場へ向かう馬入川系統水路橋の真下辺りです。

俣野堰用水路
今日はその先の水路も探訪しました。水路は表通り沿いに現れ、200mほど南の立石の信号まで続いています。ただし写真前方のガードレールから先は水の流れがなく水路跡が残っているだけです。

俣野堰用水路
ガードレールの位置から分岐し東の西俣野排水機場(白い建物の方)へ向かう俣野堰用水路。

西俣野排水機場・遊水池
その先の西俣野排水機場・遊水池へ流れ込む俣野堰用水。

西俣野排水機場
北側から見た西俣野排水機場。遊水池の東西(左右)に水の流入口があります。右側の流入口が俣野堰から来た上記の俣野堰用水です。
左側が西俣野の田んぼの余水排水を集めてきた排水路の流入口です。
中央が除塵機でポンプ排水するときにここを経由し、白い建物(ポンプ場)から排水ゲートを迂回しその先の排水樋管経由境川へ放流されます。除塵機の左は平常時の流出口でそのまま自然流下で排水ゲートを潜り排水樋管経由境川に放流されます。

西俣野排水機場
南東側から見た西俣野排水機場。水色の排水ゲート開閉器が見えます。大雨で境川が増水した時にはこのゲートを閉め境川からの逆流を防ぎます。行き場を失った用水、余水排水は遊水池に貯留するのでポンプで排水することになります。排水ゲートは閉まっているのでゲートの下流側の排水樋管に接続されています。

俣野堰余水排水路
これは前回載せた写真です。水路橋北側の地下を流れる排水路の点検口です。下流で上記の西俣野排水機場・遊水池東側に流れ込んでいます。

西俣野排水機場と排水樋管放流口
境川左岸から見た西俣野排水機場と排水樋管放流口。平常時及びゲートを閉じたポンプ排水時もここから放流されます。

これで疑念が一掃されました。俣野堰用水路の終点が確認できすっきりしました。藤沢市の担当部署の方にはご多用のところお手を煩わしました。ありがとうございました。

世の中は今日19日からシルバーウィーク、行楽に出かける人が多いみたいです。9月15日、和泉川の川底取水堰探訪を終え俣野堰を通りがかると、ぺしゃんこの倒伏状態で取水は終わっていました。境川遊水地公園情報センターのお話ではその日の朝、堰管理者が空気を抜いたそうです。今季の用水路歩きは終わりですね。人出の多い行楽地を好まない管理人、次の探訪をどこにするか思案のしどころです。

西俣野排水機場の位置です。


其の241 和泉川の農業用水取水施設を訪ねる

 この夏探訪した境川のゴム堰・俣野堰のすぐ下流で和泉川が境川に合流しています。地理院地図を開くと和泉川に架かる中和田橋から境川遊水地まで左岸一帯に水田記号が並んでいます。田んぼのあるところに取水堰あり。航空写真でたどると何やら若宮堰に似た堰が2か所あります。知ったからにはこの目で確認したくなります。
9月15日(火)晴れの日に早速行ってきました。

草木橋より和泉川下流を望む
和泉川はこんな川です。草木橋から和泉川下流を望む。
横浜市営地下鉄下飯田駅から東へ歩くと草木橋に出ます。念のため中和田橋から700m上流の草木橋から歩きました。

中和田橋・和泉第一揚水施設
途中取水堰らしきものは何もなく、中和田橋まで下ったところであっさり見つけました。若宮堰と同じような作りで中央に河川表流水取水弁が鎮座しています。珍しい川底取水堰です。左岸護岸に流入管が立ちあがっています。

中和田橋・和泉第一揚水施設
左岸から見た川底取水堰全景。

中和田橋・和泉第一揚水施設、河川表流水取水弁
河川表流水取水弁のアップです。これなら魚は自由に行き来できます。

中和田橋・和泉第一揚水施設、操作室
左岸の操作室。下の方に外径135mmのパイプが立ちあがっています。サイズから川からの流入管と思われます。手前足元に桝があります。ポンプ揚水した用水はここから下流の田んぼへ送られると思います。操作室に表札や銘板はありません。
この施設の名称は和泉第一揚水施設と思われます。(後述)

和泉第一揚水施設用水路
和泉川左岸沿い道路脇の田んぼへ向かう用水路。桝の中に水流はありません。取水は終わったみたいです。

和泉第一揚水施設用水路
その先で開渠水路になった用水路。用水の流れはありません。この地区は畑の方が多いです。農作業中の方に伺うと、かつての和泉川氾濫により田んぼが砂利で埋まってしまい、畑に転用した農家が多いという話でした。

和泉第二揚水施設
鍋屋橋下流で見つけた今日二つ目の川底取水堰です。

和泉第二揚水施設・川底取水堰
鍋屋橋から見た川底取水堰。円形の河川表流水取水弁にごみが引っかかっています。

和泉第二揚水施設・操作室
鍋屋橋際の操作室。中和田橋際の操作室とよく似ています。幸いこちらには銘板が掲げてありました。

和泉第二揚水施設・操作室銘板
名称:和泉第二揚水施設
取水工法:河川表流水取水工法
ポンプ型式:ユニバーサル片吸込渦巻ポンプ
取水量:ポンプ揚水能力1.6㎥/分
表流水取水弁:D-600L-150-0Z
施工年度:平成6年3月
 (銘板より抜粋) 

河川表流水取水工法、表流水取水弁等大和市福田で見た若宮堰と同じ用語がつかわれています。今日はじめに見た中和田橋の取水施設は兄妹施設と思われます。

探訪前に航空写真で見たその位置に確かに取水施設があり、二つとも予想通り川底取水の農業用水取水堰でした。たった一度の探訪で同時に二つの珍しい取水堰を見つけました。

和泉第二揚水施設・操作室
操作室西側の流入管と吐出管。桝の先は田んぼへ向かう用水路。表流水取水弁から河川水と共に砂も流入しているはずです。どのように砂を除去しているかは不明です。

下和泉土地改良区事業完成記念碑
田んぼの一角に建てられた記念碑。
下和泉土地改良区事業完成記念碑 平成十年十二月建立。
横浜市泉区和泉町字天王森鍋屋地域の河川改修、道路網、農地整備、用排水路整備などの事業完成を記念して建てられました。

天王森泉公園前の案山子コンテスト
天王森泉公園前の田んぼ沿いで案山子コンテストをやっていました。

新折越橋より和泉川上流を望む
新折越橋より和泉川上流を望む。今日は向かって右側、左岸の田んぼを探訪しました。和泉川は新折越橋の300mほど下流で境川に合流します。

白色の彼岸花・中和田橋付近
今日の探訪記念は中和田橋付近の白色の彼岸花です。

中和田橋の位置です。


其の240 宮ヶ瀬ダム・石小屋ダムの放流を見てきました

 9月11日(金)晴れ、神奈川県が管理する三つのダム(城山ダム・相模ダム・道志ダム)のゲート放流を見たその足で宮ヶ瀬ダム・石小屋ダムの放流の様子を見に行きました。

石小屋ダムの放流
これは宮ヶ瀬ダムの副ダム・石小屋ダムの放流です。前回見た三つのダムとは違いゲートが見えません。ここには数回来ていますが越流放流は初めて見ました。

石小屋ダムの放流
堤体の上に架かる石小屋橋を渡って右岸から見ました。こちらの方がより迫力があります。

石小屋ダムの越流放水
左岸から見た石小屋ダムの越流放流です。

石小屋橋から石小屋湖を望む
石小屋橋から石小屋湖を望む。遠くに宮ヶ瀬ダムが見えます。左岸の施設は津久井導水路の取水口で横浜水道青山沈澱池近くの道志川右岸吐口経由津久井湖へ水を補給しています。

石小屋橋より下流の中津川を望む
石小屋橋から下流の中津川を望む。虹がかかっています。すぐ下流右岸に横須賀水道半原系統の取水口施設が残っています。

宮ヶ瀬ダムの放流
宮ヶ瀬ダムの放流です。高位常用洪水吐設備左側から放流しています。観光放流では左右2条5分間のみの放流でした。
高位常用洪水吐の上に開口が三つあります。これが非常用洪水吐でゲートを持たない越流式の洪水吐設備。宮ヶ瀬湖に貯まった水が越流して放流されます。これを見る機会はめったにないと思います。

宮ヶ瀬ダムの放流
今日は観光放流ではなく本物の放流です。
高水圧から解放された放流水が発するのでしょうか笛のような恐ろしい唸り音、莫大な放流水の落下音が入り混じり、右岸の大口径利水放流設備からも放流しているのでその迫力は半端ではありません。強風こそないですが、超大型台風の真っただ中にいるようで恐怖感を覚えます。

宮ヶ瀬ダムの放流と虹
管理橋際に虹がかかりました。

宮ヶ瀬ダム天端より宮ヶ瀬湖を望む
宮ヶ瀬ダム堤体内のエレベーターでダム天端へ上がります。ダム天端より宮ヶ瀬湖を望む。貯水量は箱根の芦ノ湖とほぼ同じだそうです。

宮ヶ瀬ダムと宮ヶ瀬湖
右岸より宮ヶ瀬湖、宮ヶ瀬ダムを望む。非常用洪水吐が見えます。

宮ヶ瀬ダム天端より下流を望む
宮ヶ瀬ダム天端より下流を望む。先ほど訪ねた石小屋橋が見えます。はるかかなたに横浜のランドマークタワーがくっきり見えました。
この後県立愛川公園駐車場へ戻り小沢頭首工へ向かいました。

宮ヶ瀬ダムの位置です。

其の239 城山ダム・相模ダム・道志ダムのゲート放流

 神奈川県企業庁HP「かながわの水がめ」を開くと神奈川県が管理する四つのダム(城山ダム・相模ダム・道志ダム・三保ダム)の放流情報が見られます。9月11日朝の情報で四つのダム全てがゲート放流をしていることを知りました。普段あまり見ることが出来ない光景が見られる絶好のチャンスです。近場のダムのゲート放流を見に行きました。宮ヶ瀬ダムの観光放流を見たことがありますが、ダムのゲート放流は今まで見たことがありません。すべて初見です。

城山ダムゲート放流
これは城山ダム展望台から見た城山ダムのゲート放流です。6ゲート中2ゲートが放流中です。「かながわの水がめ」11日朝のデータによると洪水吐(こうずいばき)ゲート放流量は84.61㎥/秒です。大量の水を只今放流中です。(以下の放流データもすべて11日朝時点です)。

城山ダムゲート放流
これは放流中のゲート真上から見たところです。普段はダムの下流1.4kmにある津久井発電所放流口までは水無川ですが、薄茶色の濁流が流れて行きます。もの凄い迫力で圧倒されます。

下流では普段より84.61㎥/秒もの水が増水し大水状態と思われます。帰路、城山ダムのおよそ7.4km下流にある農業用水取水施設・小沢頭首工の対応を見に行きました。洪水吐転倒堰4門すべてが少し角度はありましたが転倒していました。やはり大水の時は自動的に転倒するように設定してあるのですね。そうでなければボタン操作で転倒させたかも知れません。

城山ダムと津久井湖
城山ダムで堰き止めた津久井湖です。ダム堤体上は城山大橋といいR413が走っています。

津久井発電所1号機取水塔
今日の津久井発電所1号機の取水塔。水位マークを見ると津久井湖の水位は117.5m位です。
発電放流量は62.01㎥/秒。洪水吐ゲート放流水と合わせると146.62㎥/秒が放流されています。莫大な水量です。

相模ダム管理橋・築井大橋
次に向かったのが相模ダムです。これは相模ダム堤体上の管理橋・築井大橋です。こちらには展望台がありません。

相模ダムゲート放流
相模発電所から見るのが一番ですが、管理橋・築井大橋から見た今日の洪水吐ゲート放流の様子です。

相模ダム管理橋より下流を望む
管理橋より下流を望む。神奈川県企業庁相模発電所が見えます。只今発電中です。
洪水吐ゲート放流量46.19㎥/秒、発電放流量は80.85㎥/秒で下流放流量は合計127.04㎥/秒になります。

相模ダム
これは2013/10に相模発電所を見学した時に撮った平常時の相模ダムです。

相模ダム管理橋より津久井湖を望む
管理橋から相模湖を望む。津久井湖同様薄茶色の湖水。大量のゴミが浮いています。

道志ダム
三つ目のダムは道志ダムです。樹木に遮られ洪水吐ゲート放流水が見えません。

道志ダムゲート放流
左岸から見たこれがベストアングルです。

道志ダムゲート放流
ダム堤体上から見た洪水吐ゲート放流の様子。水しぶきに虹がかかっています。

道志ダム・ダムカード
平成27年6月に新規発行された道志ダムのダムカードです。
一般人はこの角度の写真は撮れないので参考までに。ゲートはローラーゲートが5門あります。今日は2門から放流しています。

奥相模湖
ダム堤体より奥相模湖を望む。ダム堤体天端を県道76号線が通っています。通行する車に注意しながら自由に見学可能です。

道志ダムより下流を望む
ダム堤体より下流の道志川を望む。
洪水吐ゲート放流量は13.96㎥/秒、発電放流量が2.32㎥/秒で合計下流放流量は16.28㎥/秒です。

この後、国土交通省が管理する宮ヶ瀬ダムと石小屋ダムの放流の様子を見に行きました。次回投稿いたします。

城山ダムの位置です。

其の238 境川の広田取水堰を訪ねる

 今年7月から8月にかけ境川の農業用水取水堰(俣野堰、高飯堰、上高倉堰)を探訪し、そこから始まる農業用水路を終点まで探訪しました。珍しいゴム堰にも出合いました。これらは境川下流部の横浜市・藤沢市の境界に設置されています。
今回探訪した広田取水堰は上高倉堰のおよそ33km上流の東京都町田市・神奈川県相模原市の都県境にあります。
見慣れた下流部に比べ境川上流部はどのような表情の川か興味があります。9月12日(土)晴れの日に探訪しました。

相模原市緑区広田の水田
これが広田取水堰用水で潤している広田の田んぼの東方向です。この辺りの境川は西から東へ流れています。境川右岸に開けた田んぼのほぼ全景です。境川左岸は東京都町田市で丘陵が連なり住宅が立ち並んでいます。

広田取水堰用水路
田んぼの西のはずれで田んぼへ向かう用水路を見つけました。すでに田んぼから水を落としていたので水流はわずかです。

境川・下馬の橋
上流の境川右岸で取水しているはずです。広田取水堰と取水口を探しに行きました。これはすぐ近くの下馬の橋です。境川は名前の通り都県境を流れています。対岸は町田市。こちら側右岸は相模原市緑区広田です。下馬の橋の上流で広田取水堰を見つけました。

境川・下馬の橋上流
下馬の橋の100mくらい上流の名もない小さな人道橋から見た境川上流です。大きく蛇行しています。私も同じ市内に住んでいるので境川がこの辺りを流れていることは知っていますが、実際に川べりを歩き、眺めたのは今日が初めてです。

境川・下馬の橋上流
上記の小さな人道橋から下流を望む。川面にマンションの白い影が映っています。それが広田取水堰です。左岸の草むらに踏み込み、もっと近づけばはっきりしますが細長いやつが怖いので思いとどまりました。

境川・広田取水堰取水門
右岸の取水堰辺りで見つけた取水門と手動式水門巻き上げ機です。いたずらをされないように鎖に南京錠がかけてあります。取水堰は目立った施設がなく固定式と思われます。

相模原市緑区広田の水田
田んぼへ戻りました。早くも彼岸花が咲いていました。

広田水田組合の駐車禁止看板
駐車禁止の看板。広田水田組合の名前があります。

相模原市緑区広田の水田
東のはずれから見た広田水田組合の田んぼ。

境川・相模原市緑区広田
田んぼ北側を流れる境川。すぐ上流の蛇行部では親子連れが川遊びをしていました。この辺りの境川は唱歌ふるさとの一節「わすれがたきふるさと」を思い起こさせます。

相模原市緑区広田の水田の余水排水放流口
その下流、東のはずれに田んぼで用いた後の余水排水放流口がありました。

読者の方のコメントで知ったゴム堰・俣野堰をきっかけに境川や近所の引地川を探訪するようになりました。国土地理院地図(一般図)を眺めていて用水路歩きをする者にとってありがたいことは、水田記号がきっちり表示されていることです。広田取水堰もそんなことで所在をつかみました。稲穂が黄金色に染まってきました。今季はあといくつ用水路を歩けるでしょうか。

広田取水堰取水門の位置です。


其の237 引地川の長後堰を訪ねる

 9月3日(木)晴れ、前回「其の236」で探訪した若宮堰の一つ下流の農業用水取水堰・長後堰を訪ねました。

引地川・長後堰
今日も高座渋谷駅からの歩きです。引地川右岸から見た長後堰全景です。
右岸の魚道、堰、左岸取水口、操作室、揚水ポンプなどが見えます。

引地川・長後堰
引地川左岸から見た長後堰です。
右岸の魚道と堰。堰はゴム堰(ゴム引布製起伏堰)です。上流に落差工が2か所、白色の管理橋が架かっています。

引地川・長後堰管理橋
近寄って見た落差工と管理橋。右岸の放流水は前回訪ねた若宮堰用水路の余水排水です。

引地川・旧長後堰跡
管理橋の下に転倒堰の痕跡を見つけました。転倒堰の底辺を軸に開閉した扇形の痕跡が残っています。左右両岸に残っていました。現長後堰に改修前の旧長後堰の跡と思われます。

引地川・長後堰
左岸真横から見たゴム堰・長後堰。最近境川の俣野堰や高飯堰を見ているので比較するとかなり小振りに感じます。
長後堰の銘板を探しましたがあいにく見つからず。データは紹介できません。長後堰の概要は分り次第追記で投稿いたします。

引地川・長後堰魚道
右岸の魚道です。落差がそれほどなく単純な構造で分かりやすいです。今年1月に見た鈴川の豊田堰もこんな方式でした。

引地川・長後堰用水ポンプ
操作室北側の揚水ポンプ。取水口からコンクリート製の水槽に取入れ2台のポンプで揚水し南北の用水路に送水しています。

引地川・長後堰揚水ポンプと用水路
ポンプから北(こちら側)へ向かう用水路。

引地川・長後堰用水路
その先で東へ転じ丘陵へ向かう用水路。水量が多く長後堰用水の幹線用水路です。丘に突き当たると丘の裾に沿って南流し、引地川左岸一帯に広がる田んぼに用水を配っています。

引地川・長後堰用水路
これは南流する幹線用水路から分水し西(こちら側、引地川の方)へ流れる支線用水路です。北側の田んぼから余水排水が流れ込んでいます。稲穂の実りは順調なようです。

引地川・長後堰用水路
上記の下流です。用済みの余水排水を早々と引地川に放流していました。先ほど取水したばかりなのに。

引地川・長後橋上流
長後橋上流の放流の様子。使われなくなった排水樋門が見えます。

長後橋西詰め「穣々歳々の碑」
長後橋西詰めで見つけた「穣々歳々」の碑。
長後土地改良区が昭和38年3月に建立した記念碑です。
東側、左岸の田んぼを眺めるように立っています。

「穣々歳々」の碑 土地改良事業竣工記念碑
長後土地改良区24.5haの耕地は従来区画狭小不整形の湿田であった。昭和31年土地改良区を設立、以来7か年の歳月と総工費2100万円をもって昭和38年3月に区画整然とした乾田に用水堰、用排水路、農道及び橋梁等が完備された現在の姿になった。
(碑文より要旨抜粋)
長後堰以南の田んぼは引地川左岸に広がっています。この記念碑はなぜか右岸に立っています。

引地川・長後堰用水路
長後橋東、県道42号線付近を流下する長後堰用水路。上流を望む。

引地川・長後堰用水路
その先、東側の丘に沿って流下する長後堰用水路。

熊野橋上流引地川左岸沿いの田んぼ
引地川左岸と東側丘の間に開かれた田んぼ。用水路は丘に沿って流れています。熊野橋上流付近。

長後堰水利組合の注意看板
藤沢市長後堰水利組合の注意看板。熊野橋東。

引地川・長後堰用水路
その先の長後堰用水路と田んぼです。今日見た最後の田んぼになりました。地図によるとここは藤沢市下土棚奥田地区です。

引地川・長後堰用水路
上記田んぼの南東のはずれ六会橋東、小田急江ノ島線長後駅に通じるバス通りを潜る長後堰用水路。この先はずっと暗渠水路が続きます。水の流れがある長後堰用水路を見たのはこれが最後です。

引地川・中村橋下流長後堰用水路放流水
暗渠水路上を道なりに南下します。老人福祉センターこぶし荘を過ぎ県道22号線を越え、T字路に突き当たり右折すると中村橋に至ります。
中村橋下流引地川左岸に放流される長後堰用水路の余水排水です。暗渠水路の入り口からここまで田んぼはなくこのような雑草が生い茂る荒れ地ばかりでした。かつては長後堰用水を利用した田んぼが広がっていたと思われます。長後堰からここまでの延長を地図上で測ると約2397mでした。
短い水の旅を終え小田急江ノ島線湘南台駅へ向かいました。

今回の長後堰探訪で引地川の農業用水取水堰はゴム堰の石川堰、珍しい川底取水の若宮堰と3か所を巡ったことになります。私が知らない新たな取水堰があれば随時探訪したいと思います。

長後堰の位置です。


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其の236 引地川の若宮堰を訪ねる

 引地川の農業用水取水堰は2年前に藤沢市のゴム堰・石川堰とそこから始まる用水路を探訪したことがあります。今回はそれより上流の大和市福田の若宮堰を訪ねました。
今回も小田急江ノ島線高座渋谷駅からの歩きです。東へ歩くと前回訪ねた境川の上高倉堰へ出ますが、逆に西へ向かい坂を下ると引地川に出ます。8月27日(木)晴れの日に探訪しました。

引地川の若宮堰
ほどなく若宮堰に到着しました。これが若宮堰の全景です。
河川水を川底から取水する「河川表流水取水工法」で施工してあります。河川水を堰き止める河川横断構造物がない一風変わった取水施設です。今まで鋼製起伏堰や転倒堰、スライドゲート、ゴム堰などを見てきましたが、こんな堰を見るのは初めてです。

河川水を2条の流れに分け角落しでほんの少しだけ水位を上げています。水中のコンクリート製円形部2か所(河川表流水取水弁)の側壁から取水しています。これなら魚は堰に阻まれることなく自由に移動ができるので魚道は不要です。

引地川・若宮堰断面図
これは下流側から見た若宮堰断面図です。(大和市設置の現地説明パネルより)
取水した用水は川底に築造されたφ1500集水井からφ400流入管を通って引地川左岸のポンプ場内密閉受水槽に送られます。

引地川・若宮堰ポンプ場
引地川左岸のポンプ場です。密閉受水槽内に設置の水中ポンプで揚水し左右岸の用水路に送水しています。

若宮堰の概要
灌漑面積・・・6.5ha
取水量・・・・0.22㎥/秒
水利権者及び施設管理者・・・大和市
統括管理者・・若宮堰用水路組合 
昔の「堰上げ方式」から現在の方式へ。平成14年8月完成。

(大和市設置の説明パネルより)

引地川・若宮堰用水路
ポンプ場脇の道路に敷設された用水路。用水は左側のポンプ場から眼前の桝へ入ります。桝から東の方へ向かう暗渠用水路。

引地川・若宮堰用水路
住宅の間を南東へ向かう若宮堰用水路。水路にはフタがしてあります。昔は開渠水路だったと思います。
この先の若宮堰用水路は若宮橋付近のバス通りへ出たところまでで、その先は見失いました。大和市設置の説明パネルによると左右岸用水路に送水とあるので、まず引地川左岸堤防に沿って下流の田んぼまで歩くことにしました。

若宮橋より引地川上流を望む
これは若宮橋から見た上流の景色です。150mほど上流に若宮堰があります。目の前に水管橋があります。水管橋といえば上水道を連想しますが、私はもしかして若宮堰用水路が右岸へ渡るための水管橋ではないかと睨んでいます。大胆な想像ですが・・・。

引地川・若宮橋下流
若宮橋下流の引地川。右岸にも用水を送っているということなので、引地川を渡る水路橋や伏越施設の所在に注意しながら歩きました。

引地川・長後堰用水路
東海道新幹線の下を潜り大和市立下福田中前を通り大山橋を過ぎたところでようやく田んぼを発見。引地川を背に東へ向かう用水路です。
残念ながらこれは若宮堰用水路ではなく、大山橋下流左岸一帯の田んぼへ用水を配っている長後堰からの用水路でした。
若宮堰からここまでの探索(約1.5km)で左岸側には若宮堰用水路や対象となる田んぼがないこと、水路橋や伏越で右岸へ渡る施設もないことが分かりました。

引地川右岸大山橋付近の田んぼ
大山橋へ戻り右岸へ渡って見つけた田んぼです。

引地川右岸大山橋付近の田んぼ
北東の隅から上記の田んぼへ向かう用水路。若宮堰から来ている水路かも知れません。水量がポンプ場脇の桝で見た水量と見合っています。

引地川・若宮堰用水路
上記のすぐ上流側です。暗渠水路が北東方向、下福田中グランドの方から来ています。上流へたどりました。

若宮堰用水路
これは東海道新幹線を潜る若宮堰用水路です。地理院地図を見ると新幹線南側に田んぼ記号が表示してあります。今は畑ですが昔は田んぼがあったようです。いま若宮堰用水路と思われる水路を上流へたどっていますが、新幹線を潜った暗渠水路は西側の丘の裾に沿って北の方へ続いています。この先は暗渠水路上に蔓性の夏草が繁茂し歩行不可。地図上でたどると若宮橋の方から来ています。若宮橋上流の水管橋が右岸へ渡る用水路かも知れないと推測した理由のひとつです。左岸沿いを歩いて水路橋や伏越施設がなかったこともその理由です。真相はどうなのでしょうか。まだ確認が取れていないので判明次第追記で発表することにします。

ここのところ7月から8月初めにかけての猛暑日から一転して梅雨に逆戻りしたような天気が続いています。晴れたら次回も引地川を探訪する予定です。

若宮堰の位置です。



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