横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の235 境川上高倉堰を訪ねる

 前回、其の234でゴム堰・境川高飯堰とそこから始まる用水路を探訪しました。今回は境川高飯堰の一つ上流の農業用水取水堰・境川上高倉堰を訪ねました。

境川上高倉堰
8月22日(土)晴れ、小田急江ノ島線高座渋谷駅からの歩きです。10分ほどで境川に到着。右岸から見た境川上高倉堰です。堰はゴム堰ではありません。鋼製転倒堰のようです。
堰の上には管理橋が架かり左岸に操作室が見えます。左岸に魚道や取水門は見当たりません。

境川上高倉堰より上流を望む
境川上高倉堰管理橋から見た上流はこんな景色です。県営いちょう団地が見えます。

境川上高倉堰より下流を望む
管理橋より下流を望む。今日はここから左岸沿いの幹線用水路を歩きます。

境川上高倉堰
管理橋を渡り左岸から見た境川上高倉堰。位置は海から16km地点で、標高は31.6m。

境川上高倉堰
左岸より境川上高倉堰を望む。こちら側から見ても対岸に魚道と取水門は見えません。普通は左右どちらかに魚道があるはずです。両岸共にないのは珍しいです。左岸寄りに浮遊ゴミ除けの竹竿が浮かべてあるので左岸取水と思われます。

境川上高倉堰
取水堰のアップです。ワイヤロープで起立させています。
堰の高さは1mあります。下流のゴム堰・境川高飯堰の堰高が3.2mなのでかなり低く感じます。

境川上高倉堰銘板
境川上高倉堰の銘板を見つけました。

境川上高倉堰
純径間×堰高:10.60m×1.000m
門数:2門
開閉型式:電動ウインチ式
製作年月:平成2年3月
製作:豊国工業株式会社 
(銘板より抜粋)

電動ウインチは操作室の中に設置されていると思われます。堰の設置者名表示がありませんが、俣野堰と同じ神奈川県と思われます。

境川上高倉堰・操作室
操作室東側からパイプが出ています。付近に水中ポンプ盤あり、水中ポンプで揚水し左岸の用水路へ送り込んでいると思われます。

境川上高倉堰用水路
操作室東側道路沿いで見つけました。これが境川上高倉堰用水路の始まりです。南へ向かっています。いつものように幹線用水路沿いに終点までたどりました。どこへ出るのか楽しみです。

境川上高倉堰用水路
その先、横浜市営上飯田団地西の田んぼ沿いを流れる境川上高倉堰用水路。

境川上高倉堰用水路
その先、農協JA横浜付近を南の田んぼへ向かう用水路。

境川上高倉堰用水路
長後街道(県道22号線)南を南下する境川上高倉堰用水路。西側に広がる上飯田町の田んぼに配水しています。田んぼの西側には境川が流れ前回訪ねたゴム堰・境川高飯堰があります。

境川上高倉堰用水路
西側の田んぼへ水を送るため角落しで堰上げをしています。田んぼへ向かう水路は北から南へ流れる境川高飯堰用水路と決して合流することなく伏越や水路橋で横断し、田んぼに水を配った後、その余水排水は境川に放流されます。伏越や水路橋の様子は前回其の234で発表しました。

境川上高倉堰用水路・境川へ放流
これは境川高飯堰下流の左岸親水護岸から見た放流の様子です。

境川上高倉堰用水路
下流で奇妙なパイプを見ました。上高倉堰用水路の両岸に径300mmと150mm位の逆J字型の鋼管が立っています。これはなんでしょう?

境川上高倉堰用水路
その下流、大分流量が少なくなりました。横浜市南西部農政事務所と下組水利組合の注意看板が立っていました。

境川上高倉堰用水路・高飯堰用水路と合流
下飯田町に入ったところで境川上高倉堰用水路(黄色矢印)は北から来た境川高飯堰用水路(赤色矢印)に合流していました。
境川上高倉堰からここまでの延長を地図上で測ると約2214mでした。

境川高飯堰用水路
これはその先の前回歩いた下飯田町を流れる境川高飯堰用水路です。この先美濃口屋敷前を通り最後は今飯橋上流で境川に放流されます。

境川上高倉堰の位置です。



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其の234 境川のゴム堰・境川高飯堰を訪ねる

 今年7月、境川の「俣野ゴム堰と川の生き物観察会」を見学して俣野堰の上流に二か所の農業用水取水堰があることを知りました。どのような取水堰なのか詳しく知りたくなり、8月16日(日)晴れの日にその内のひとつを探訪しました。ついでにそこから始まる用水路を終点まで歩いてきました。

高鎌橋より境川上流を望む
小田急江ノ島線長後駅からの歩きです。長後街道を東進し境川に架かる高鎌橋から見た上流の景色です。水位が上がり流れもなく湖のようになっています。稼働中の堰が見られそうです。

境川高飯堰
高鎌橋のすぐ下流、近づくにつれ堰を越流する水の落下音ですぐわかりました。なんと!想像もしなかったゴム堰です。犬も歩けば棒に当たる!珍しいゴム堰にまたまた遭遇です。一見して俣野堰より規模は大きいみたいです。左岸堤防上正面の建物は操作室です。魚道も見えます。左側の橋は管理橋ですが通行止めでした。

境川高飯堰
高鎌橋を渡り左岸から見たゴム堰。右岸に魚道は設置してありません。

境川高飯堰
下流から見たゴム堰。堰高は3.2m、河床幅12.24mあります。
ちなみに俣野堰は堰高2.35m、河床幅13.5m。
堰高は俣野堰より0.85m高く迫力があります。

境川高飯堰銘板
この堰は境川高飯堰と言います。境川右岸が藤沢市高倉、左岸が横浜市泉区上飯田町なので一文字ずつ取って高飯堰と名付けたようです。
操作室に掲示の境川高飯堰の銘板です。

境川高飯堰
形式:空気式ゴム引布製起伏堰
堰底幅:12.240m
堰高:3.200m
倒伏水位:3.600m
操作駆動方式:(起立)モーター、(倒伏)自然排気
起伏時間:(起立)約20分、(倒伏)約20分
完成年月:平成20年3月
製作会社:(株)丸島アクアシステム
 (銘板より)

水位が3.6mに達すると自動的に倒伏するようになっています。

境川高飯堰注意看板 境川高飯堰注意看板
ゴム堰の危険注意看板。ゴム堰設置者神奈川県藤沢土木事務所の名前がありますが、管理者(土地改良区)の名前はありません。

境川高飯堰右岸取水門
境川高飯堰は農業用水の取水堰で左右両岸取水しています。これは管理橋上流の右岸取水門です。

境川高飯堰左岸取水門
こちらは管理橋上流の左岸取水門です。

境川高飯堰操作室
境川高飯堰操作室と管理橋。

境川高飯堰用水路
左岸取水樋管から取り入れ南の田んぼへ向かう幹線用水路。今日はここから始まる用水路=境川高飯堰用水路を終点までたどります。

境川高飯堰用水路
歩き始めてすぐ、用水路と用水路の立体交差です。境川高飯堰用水路をヒューム管で横断する支線用水路。上流から来た別系統の用水路と思われます。

境川高飯堰用水路
もうひとつ。こんなところで伏越を見つけました。左右に横切る境川高飯堰用水路を手前から奥へ伏越で横断する支線用水路。これも別系統の用水路と思われます。

境川高飯堰用水路
ずっと下って美濃口屋敷前を流下する境川高飯堰用水路。

境川高飯堰用水路
また伏越を見つけました。美濃口屋敷の先で道路を伏越で潜る境川高飯堰用水路。地下へ落下する水音で伏越と分かります。

境川高飯堰用水路
東側の丘と境川左岸堤防の間に開かれた田んぼ。

境川高飯堰用水路
境川高飯堰用水路は丘の裾沿いに流下しています。

境川高飯堰用水路
丘を抜け町中を流下する境川高飯堰用水路。横浜市泉区下飯田町横浜リバーサイド泉付近。

境川高飯堰用水路
相鉄いずみ野線、横浜地下鉄線下を流れる境川高飯堰用水路。

境川高飯堰用水路
境川に近い丘の裾に沿って流れる境川高飯堰用水路。終点間近です。

境川高飯堰用水路
最後に丘をトンネルで抜けた用水は境川左岸に放流されていました。ここは今田遊水地の対岸で、今飯橋の上流になります。

境川高飯堰用水路・終点
上記のアップです。フラップゲートを潜り境川へ戻っていく境川高飯堰用水。

境川高飯堰用水路の延長を地図上で測りました。約2458mの短い水の旅でした。もう勘弁というくらいの暑さでしたが、道すがら田んぼや丘の緑にいやされました。稲の成長は早いです。ついこの間田植えを終えたと思っていたら頭をたれている稲もありました。水の流れがある用水路歩きは9月いっぱいです。それまでは用水路中心の歩きになると思います。もう少し涼しくなってほしいですね。

境川高飯堰の位置です。


其の233 相模川流域下水道・柳島管理センターを訪ねる

 水道みち・用水路好事家の管理人、今回はいつもとは180度違って、茅ヶ崎市の下水道終末処理場を訪ねました。
8月5日(水)晴れ、公益財団法人神奈川県下水道公社主催「夏休み下水道教室」が開催されました。普段あまり見ることの出来ない下水道終末処理場を小学生と机を並べ、処理施設を見学してきました。相模原市内の雨水下水道の放流口(市内の相模川に放流される吐口)を追っかけたことがありますが、汚水の下水道終末処理場見学は初めての体験です。

神奈川県下水道公社・柳島管理センター 
「夏休み下水道教室」の会場、公益財団法人神奈川県下水道公社・柳島管理センター管理棟です。この青空!7月31日から続く猛暑日6日目です。

神奈川県下水道公社・柳島管理センター
朝9時30分から会議室でビデオやパネルで処理場の概要説明を受けた後、施設見学に出発です。
これは管理棟屋上から見た場内の施設です。白色の建物や緑地帯のみで汚水を処理する池の水面が全く見えません。水道水をつくる浄水場のような広大な池が無数にあるとイメージしていたので意外な感じです。

柳島管理センター中央監視室
こちらは管理棟2階の中央監視室です。常時、処理施設の運転状況を監視しています。

神奈川県下水道公社・柳島管理センター
管理棟を出て、処理施設へ向かいます。

柳島管理センター・非常用自家発電設備
これは途中にあった非常用自家発電設備です。

柳島管理センター・沈砂池ポンプ棟
傾斜屋根の沈砂池ポンプ棟前を通りました。地下深く流れてきた相模川流域下水道左岸幹線の土砂やごみを取り除き水処理施設の高さまで汲み上げる施設です。
相模川流域下水道左岸幹線:相模川左岸の相模原市、座間市、海老名市、寒川町、茅ヶ崎市を通る延長58kmの下水道幹線。管径は最大4mもある巨大幹線です。

神奈川県下水道公社・柳島管理センター
天井の高い広大な建物に入ってきました。東から西へ通じる見学通路を歩いています。見学通路の左右地下に処理施設の池があります。

柳島管理センター・処理施設
見学通路から見た南側の処理施設。処理工程は東から西へ順に最初沈澱池、反応タンク、最終沈澱池と進みます。汚水なので臭いが発生します。臭いを抑えるために池にはそれぞれ蓋がしてあり、脱臭ダクトが配管してあります。

柳島管理センター・処理施設
この広大な建物を西側から見るとこんな風になっています。天井の上は植栽がされ広さが7haの多目的広場になっています。建物そのものが覆蓋化され下水の臭いが近隣に漏れないような構造になっています。
目の前のコンクリートの通路状のものは塩素混和池で、最終沈澱池の次の施設です。この先で相模湾へ放流されます。

柳島管理センター処理施設・最初沈澱池
覆蓋化された建物の中です。最初沈澱池の中の様子です。臭いが酷いです。下水をゆっくり流して、沈砂池で沈まなかった小さなゴミや砂を沈ませて取り除きます。処理時間約1.4時間。(説明パネルより)

柳島管理センター処理施設・反応タンク
次の工程、反応タンクの中の様子です。前の工程より濁っています。
微生物の混ざった泥(活性汚泥と言います)を加えて、底から空気を吹き込みます。微生物が汚れをえさにして綿のような大きなかたまりを作り、汚れを取り除きます。処理時間約9.1時間。 (説明パネルより)
処理場の入り口から出口までの処理所要時間は約15時間だそうです。その内6割を反応タンクが占めていることになります。微生物の働きに頼っているので反応時間は季節により変動するそうです。微生物の動きが活発な夏場に比べ冬場は反応時間が長くなります。

柳島管理センター処理施設・最終沈澱池
最終沈澱池の中の様子です。綿のかたまりのようになった活性汚泥は池の底に沈み透明感のあるきれいな水に変わっています。臭いもましになった感じです。

柳島管理センター・汚泥処理棟
続いて処理水の放流口見学に向います。第3汚泥処理棟前を通過。

柳島管理センター・汚泥処理棟
建物からパイプが出ていました。遠心濃縮機分離液管と書いてあります。汚泥を脱水する施設のようです。

柳島管理センター・汚泥焼却炉
一旦場外に出て処理場の南西角にある汚泥焼却炉前を通過。

柳島管理センター・放流渠出口
処理場の南西角、処理水の放流渠出口です。

柳島管理センター・放流渠出口放流水
眼前の相模湾に放流される処理水。上流のダムから浄水場、配水池、各家庭事業所から下水管へと大地を巡った水の旅の終点です。
この後管理棟へ戻り簡易水質実験、顕微鏡をのぞいて微生物が動き回る様子観察、質疑応答などを行い12時ちょうどに散会。大変お世話になりありがとうございました。
私は相模原市に住んでいるのでトイレ、風呂、洗面所、台所などの生活排水は相模川流域下水道の左岸幹線に流れ込みます。日々柳島の処理場にお世話になっていることを改めて認識しました。今日の下水道教室で汚水処理について大筋を理解し、処理場がより身近な存在になりました。

柳島管理センター・放流水の水質BODクリック拡大
おしまいに柳島管理センターに流入した下水と処理した放流水の水質の比較です。どれくらい汚れを取りきれいな水になるのか気になります。
BOD(生物化学的酸素要求量)流入下水180mg/L→→放流水3mg/Lとなり、汚れ除去率はなんと98%です。

BOD(Biochemical Oxygen Demand)
BODは、水に含まれている有機物の量を表す指標であり、水中の好気性微生物によって5日間で消費される溶存酸素の量である。数値が高いほど有機物の量が多く、汚れが大きいことを示している。

公益財団法人神奈川県下水道公社のパンフ「かながわの流域下水道」より。

柳島管理センターの位置です。

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