横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の158 酒匂川左岸の酒匂堰を歩く

5月28日(水)晴れ、酒匂堰を鬼柳分水堰から小田原市の終点まで歩きました。酒匂川左岸幹線用水路の鬼柳分水堰までは「其の153 酒匂川左岸幹線用水路を歩く」 で投稿しました。今回はその続きです。

文久橋  文久橋←クリック拡大
小田急線新松田駅下車。今回も川音川に架かる文久橋を渡りました。欄干親柱に文久橋の名前の由来となった「文久永宝」のレリーフが刻まれています。神奈川県HP「かながわの橋100選」に「その昔船の渡り賃として文久銭1枚を取ったので」とその由来が書かれています。

酒匂川左岸幹線用水路・鬼柳分水堰
5月10日に訪ねた鬼柳分水堰に再びやって来ました。左側2門が酒匂堰の起点です。終点は小田原市の万石橋でその延長は6,897mです。

酒匂堰・足柄上郡大井町金手
流下する酒匂堰。下流を見る。流量は3.36㎥/秒です。ここは足柄上郡大井町金手。

酒匂堰・大井町金手
分水の様子。転倒ゲートで水位を上げ分水しています。ゲート開閉機の銘板を見ると「KS式自動堰」とあり自動的に開閉しているようです。大井町金手。

酒匂堰・大井町金子
酒匂堰を水路橋で渡る支線用水路。用水路と用水路の珍しい立体交差です。すぐ隣りで支線用水路から酒匂堰に放流しています。この用水路はどこから来たのでしょう。左側(北側)から来ています。おそらく金田堰(用水路)の支線が巡り巡ってここまで来た余水排水と思われます。あちこちで余水排水放流を見かけました。実に巧みに水を利用しています。足柄上郡大井町金子・井向橋付近。

酒匂堰分水堰・大井町金子
その下流、今日初めての本格的な水門です。ゲートを下げ用水を堰き止めて分水しています。

酒匂堰ゲートの銘板・大井町金子
ゲートの銘板です。
型式:ローラーゲート
寸法:幅3.5m×高さ1.75m
扉重量:2.00t
材質:SS400
制作年月:平成9年3月
製作者名:宇野重工株式会社


酒匂堰・日の坪堰
二つ目の水門です。日の坪堰といいます。銘板が貼ってありました。水門の上流側に水位計が設置してありました。ゲートの自動開閉を行っていると思われます。

酒匂堰・日の坪堰銘板
型式、寸法は一番目と同じです。平成5年3月に神奈川県が造りました。吉原入口バス停付近。

酒匂堰に和田堰が合流
その下流R255西側で和田堰が北(右側)から合流しています。和田堰は金田堰の終点です。これより上流1.1kmのところで金田堰が和田堰に合流しています。

酒匂堰分水堰大井町上大井
その下流の三つ目の水門です。足柄上郡大井町上大井。

酒匂堰・三島神社東付近
三島神社東付近を流下する酒匂堰。上流を望む。

酒匂堰・二方堰
小田原市の境界近くの二方堰です。四つ目の水門です。このタイプ(ローラーゲート型式)の分水堰を見たのはこれが最後です。銘板によると昭和63年3月に神奈川県が造りました。幅6.20m×高さ1.75m。

酒匂堰に菊川が合流・小田原市下大井
二方堰の下流で東から来た菊川が合流します。

酒匂堰ゴム堰・山王橋下流
その先、山王橋下流で見つけたゴム引布製起伏堰(ラバーダム)です。いや~嬉しいな~楽しいな~。いま酒匂堰を下流へたどっているところです。徐々に水位が上がるのに青色の水門がなかなか見えません。もしかしてと思ったらやはりゴム引布製起伏堰でした。水路歩き3年目で三つ目のラバーダムと対面です。まさか酒匂堰でお目にかかるとは・・・想定外です。初めてゴム引布製起伏堰(ラバーダム)を見つけたのは去年8月藤沢市の石川堰を探訪したときです。
「其の97 引地川の石川堰を訪ねる」  (2013/8投稿)
二つ目は嵐発電所を探訪したときに山北発電所頭首工(取水施設)でお目にかかりました。
「其の116 嵐発電所を訪ねる」  (2013/11投稿)
水路歩きをしていてもなかなか目にすることがない珍しい取水堰なのでよく覚えています。
写真奥のブロック作りの建物は操作室です。起伏堰に空気を圧入するポンプや水位計などの設備があると思われます。

小田原球場前宮前橋から酒匂堰上流を望む
その下流です。小田原球場前宮前橋まで下って来ました。宮前橋より酒匂堰上流を望む。水位が上がっています。支線用水路の余水排水を集めています。

酒匂堰ゴム引布製起伏堰・小田原球場西南
水位が上がっているはずです。二つ目のゴム引布製起伏堰です。ここは小田原球場の西南のはずれです。左右両岸に分水しています。

酒匂堰小田原球場西南の起伏堰より下流を望む
小田原球場西南の起伏堰より下流を望む。

酒匂堰水式ゴム引布製起伏堰銘板・小田原球場西南
小田原球場西南操作室に掲げてあった水式ゴム引布製起伏堰銘板です。
河床幅:8.00m 堰高:1.70m 設置数:1門
竣工:1991年3月 豊国工業株式会社  
(銘板より)

酒匂堰湛水防除事業竣工記念碑
堰の傍らに立っていた酒匂堰湛水防除事業竣工記念碑です。平成5年3月神奈川県が建立。
碑の隣に酒匂川左岸土地改良区理事長名の「湛水防除事業の概要」が書かれていました。
酒匂川左岸地域は開発が進み農地が減少するにつれて、水田が持っている雨水の貯留機能が薄らぎ、降雨時には地域の排水が酒匂堰に集中する事態となった。しかし水路は、昭和27年から33年に改修されたもので、排水能力が不足しており、豪雨時には急激に増水し、各所で溢水氾濫し周辺の地域に大きな被害を及ぼしてきた。
県営事業として酒匂堰改修工事は昭和59年度から着手し、小田原市酒匂地先の小八幡堰から順次上流に向かって進め、大井町金子地先の和田堰流入地点に至る延長6.5kmの改修を行って、平成5年3月に完了した。総事業費20億余円。 
(「湛水防除事業の概要」より抜粋)

酒匂堰・千代中付近の田んぼ
その下流、千代中付近の田んぼの風景です。田植は終わっています。
驚いたことに千代中前にもゴム引布製起伏堰がありました。これで三つ目です。同じ光景なので写真は省略します。

酒匂堰・千代橋下流の支線用水路
千代橋下流の支線用水路。並行して流れています。左側の水路が千代中前で取り入れたばかりの用水で、右側はその一つ上流で取水した水路と思われます。左側の水路より高い位置を流れています。下流で合流します。

酒匂堰・千代境橋
途中四つ目のゴム引布製起伏堰を見たあと小田原厚木道路直前、千代境橋まで下って来ました。いよいよ終点間近です。

酒匂堰ゴム引布製起伏堰・下堀橋下流
小田原厚木道路を潜った先、五つ目のゴム引布製起伏堰です。こんなに見られるとは想定外です。酒匂堰はゴム引布製起伏堰の宝庫のようなところです。この2年間で二つしか見たことがなかったのに今日1日で五つも見てしまいました。

酒匂堰ゴム引布製起伏堰・下掘橋下流
下流から見たゴム引布製起伏堰。風景にとけこんでいて日常通行する人は何も感じないでしょうね。

酒匂堰・万石橋
酒匂堰終点万石橋に着きました。神奈川県と酒匂川左岸土地改良区が管理する酒匂堰はここまでです。鬼柳分水堰からの延長は6,897mです。

万石橋より小八幡川下流を望む
万石橋より小八幡川下流を望む。万石橋より下流は小田原市が管理する準用河川小八幡川に名前が変わります。地図を見るとこれより下流は小田原市酒匂、小八幡を流れJR国府津駅西方の森戸川河口近くで森戸川に合流し最後は相模湾に注いでいます。

馬頭観音・酒匂堰湘光中付近
今回の探訪記念です。水路沿いに祀られていた馬頭観音像です。金田堰を歩いた時にもありました。昔からお馬さんは農耕馬として大切にされていたのでしょう。大井町金子湘光中付近にて。

足柄平野を南へ歩くとき、振り返ればいつも富士山を仰ぐことが出来ます。今日はご覧のような天候でそれもかなわず少々残念でした。私好みの伏越(ふせこし・サイフォン)は結局、川音川サイフォンだけでしたが、予想もしなかったゴム引布製起伏堰を五つも見られて大満足の探訪となりました。これで松田郵便局付近宮前橋以南の酒匂川左岸幹線用水路(酒匂堰、鬼柳堰、金田堰)の探訪は終わりです。
今回も水路の区間、延長、通水量など神奈川県県西地域県西総合センターご提供の資料を参考にいたしました。

今回のスタート地点鬼柳分水堰の位置です。

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其の157 谷戸の田んぼを訪ねる・町田市三輪町から寺家ふるさと村

5月24日(土)晴れ、相模原市立博物館民俗調査会のフィールドワークに参加しました。この日は「町田観光ガイドブックを歩く」の第1回目で「悠久の三輪の里山と古寺を巡る」を歩きました。拙ブログでは、ただ今用水路歩きの真最中で水路施設や田植え前の田んぼの風景などを楽しんでいます。この日は興味深い谷戸の田んぼ沿いも歩きました。東京・横浜とは思えない里山の風景や田植え前の田んぼの様子などを短く投稿いたします。

代掻き・町田市三輪町
妙福寺から寺家ふるさと村へ向かう途中で見た谷戸の田んぼ。今時珍しい人手による代掻き(しろかき)作業をやっていました。くろつけ(畔塗り)は終わっていて畦道がきれいになっています。
ここは東京都町田市三輪町です。

山谷の切通し・町田市三輪町
山谷の切り通しです。ここは町田市三輪町。

谷戸の田んぼ・町田市三輪町
切り通しを過ぎたら目の前に田んぼが広がっていました。美しい風景です。上から段々になっています。代掻きが終わり水は澄んでいます。水源は湧水でしょうか。地図を見るとここは横浜市青葉区寺家町(寺家ふるさと村)に入っています。

谷戸の田んぼ・町田市三輪町
東に広がる谷戸の田んぼ。こちらでは機械で代掻き作業中です。

谷戸の田んぼ・町田市三輪町
用水路との境界。立派な石積みです。

谷戸の田んぼのお願い看板・町田市三輪町
こんな看板が立っていました。夏にはホタルが鑑賞できるそうです。
この小川の生物を捕らないでください。貝のカワニナはホタルのエサになります。生物を大切に育てて夏には皆さんでホタルを鑑賞しましょう。寺家ふるさと村振興組合 横浜市青葉土木事務所 (看板より)

用水路と水門・町田市三輪町
田んぼ沿いの用水路。地図で下流へたどると鶴見川へ合流しています。
この後近くの「四季の家」で休憩し後解散。「谷戸田の一年」という写真付の説明パネルが参考になりました。野菜の直売コーナーもありました。

熊野神社の庚申塔・町田市三輪町
これは熊野神社の庚申塔です。青面金剛合掌六臂・日月・2鶏・邪鬼・3猿、邪鬼の健気な表情が面白いです。その他多くの石仏石像を見ました。これはその内の一点です。

フタリシズカ・町田市三輪町
今日の生き物は道沿いで見つけたフタリシズカです。和名は静御前とその亡霊の舞姿を例えたものという。 (山渓カラー名鑑「日本の野草」より)

町田駅前キリンシティー
帰路、小田急線町田駅前キリンシティーにて。毎回いつものメンバーによる反省会も楽しみの一つです。

今日は小田急線鶴川駅から歩きました。

其の156 酒匂川左岸の金田堰を歩く

5月20日(火)晴れ、金田堰(という名前の用水路)の終点まで行ってきました。今季の酒匂川左岸幹線用水路探訪記の3回目です。前回は鬼柳堰を終点までたどりました。今回は「其の153 酒匂川左岸幹線用水路を歩く」で通った金田分水堰からスタートし終点の和田堰合流点まで延長1,666mを歩きました。

金田堰
小田急線新松田駅下車、川音川に架かる文久橋を渡り再び金田分水堰へやって来ました。分水堰より金田堰下流を見る。通水量は1.2㎥/秒です。金田堰の管理は大井町が行っています。

金田堰・松田惣領
流下する金田堰。上流を見る。ここは足柄上郡松田町松田惣領です。

金田堰分水門・県道78号線金手信号付近
今日見た最初の分水門。角落し堰で水位を上げています。県道78号線金手信号付近。

金田堰・大井町金手
流下する金田堰。下流を見る。ここは大井町金手です。

金田堰分水門・大井町金手
近くの二つ目の分水門。堰で水位を上げることなくなく、そのまま分水しています。

大井町金手の田んぼ
分水門から支線用水路を下流へたどってみました。200mほど下流です。早くも田植えが終わっていました。手前は支線用水路です。大井町金手。

金田堰暗渠水路・大井町金手
ここからは暗渠水路です。R255金子駅入り口の信号まで900m、暗渠水路が続きます。先ほどまで見た開渠水路写真は貴重です。
3年前に購入した一万分の一の地図では水色の水路表示になっています。最近になって改修工事をしたようです。コンクリートの色が新しいです。

金田堰暗渠水路・相模金子駅付近
金田堰暗渠水路。JR御殿場線相模金子駅付近。
水路の暗渠化は水路の安全、不法ごみ投棄対策として有効でしょうが私のような者にとっては味気ないですね~。貴重な水辺空間と思うのですが。

金田堰・大井町金子
相模金子駅を過ぎ転倒堰の開閉機(水色の設備)を発見しました。分水しているようです。

金田堰・支線用水路
すぐそばに田んぼに向う支線用水路がありました。

金田堰・支線用水路
そのすぐ東側にも支線用水路がありました。この水路に金田堰の通水量1.2㎥/秒の残り全てを流していると思われます。

金田堰・太井金子郵便局前
その下流、大井金子郵便局前の金田堰暗渠水路。点検口の中を覗くと水の流れはありません。これより下流に水需要はなく、田んぼはないということでしょう。

金田堰・R255金子駅入口信号東
R255金子駅入り口交差点を過ぎ開渠水路に戻った金田堰。
水の流れはありません。

金田堰終点
ここが金田堰の終点です。突き当りのT字路を北から南に流れる和田堰に合流しています。地図上で和田堰を下流へたどると1.1km先で酒匂堰へ合流しています。

和田堰
和田堰です。T字路付近南側から上流を見る。

馬頭観音像・大井町金手
今日の探訪記念は生き物ではなく路傍の石仏です。
金田堰水路沿いに祀られた馬頭観音像。足柄上郡大井町金手。


今回も前回同様、神奈川県県西地域県政総合センターご提供資料を参考にいたしました。
次回はいよいよ酒匂川左岸幹線用水路探訪の残り、酒匂堰を歩きます。なるべく五月晴れの日を選んで歩こうと思っています。
関連記事
「其の153 酒匂川左岸幹線用水路を歩く」 
(2014/5/13投稿)

今回のスタート地点金田分水堰です。

其の155 葉山島頭首工を訪ねる

相模川左岸幹線用水路(大堀)や烏山用水を探訪した時に訪ねた清水下頭首工の上流約740mのところに農業用水の取水施設があります。相模川右岸、県道511号線沿いにありますが目立たない存在で知らない人が多いと思います。葉山島の田んぼを潤す農業用水取水施設で葉山島頭首工といいます。
今季は5月15日に通水と聞き5月16日(金)晴れの日に探訪しました。

葉山島頭首工取水堰
相模川右岸、県道511号線より葉山島頭首工取水堰を望む。全長105mの固定堰で、高さは60cmしかありません。この下流左岸崖下に清水下頭首工があります。

葉山島頭首工・上流側揚水機場
河床が低いためポンプ揚水です。二カ所あるうちの上流側の揚水機場です。

葉山島頭首工・下流側揚水機場
下流側の揚水機場です。

葉山島頭首工・幹線水路
揚水機場から約250m先の田んぼへ向かう用水路。水路幅は60cm位です。

藤木沢
西から東の相模川へ流れる藤木沢です。北から南へ流れる用水路はこの沢の下を潜ります。用水路と河川の立体交差ですがサイフォンではないようです。

葉山島の田んぼ
藤木沢の南に広がる葉山島の田んぼです。南北に通る幹線道路沿いに流れる幹線用水路。左右の田んぼに配水しています。

藤木沢・ホタルの里の看板
清水橋のたもとにこんな案内看板が立ててありました。「ようこそホタルの里へ!この藤木沢流域では毎年6月頃ゲンジ蛍が飛び交います。サワガニやカジカガエル、アブラハヤなども生息・・・」と書いてあります。

湘南葉山島耕地事業竣工記念碑
藤木沢の河口付近に湘南葉山島耕地事業竣工記念碑が立っていました。葉山島の田んぼの北の隅にあり南の田んぼを向いて立っています。昭和二十九年十月 湘南村葉山島開拓事業組合が建立しました。
沿革が書いてあります。要旨を記します。
葉山島の耕地は昔不毛の地であった。
明治三十八年 整田事業に着手。
明治四十年 稀有の大洪水で耕地の全てが流失。
大正七年 葉山島耕地組合を設立、その後三十有余年の歳月を経て七町五反歩の美田が完成。
戦後食糧増産が愁眉の急務であった。葉山島開拓事業組合を設立。
昭和二十三年 耕地拡張に着手。
昭和二十九年 七町五反歩の沃田、二町三反歩の畑地の拡張を実現し十七町三反歩の耕地となる。
昭和二十九年十月建立 湘南村葉山島開拓事業組合
 (碑文より)

湘南葉山島耕地事業竣工記念碑傍らの像
湘南葉山島耕地事業竣工記念碑の傍らに祀られていた像4体。バラエティーに富んでいます。左から二番目は火焔を背にしているのでお不動さんでしょうか、三番目は双体道祖神です。可愛らしいです。

葉山島頭首工取水堰下流の堰
これは湘南葉山島耕地事業竣工記念碑から見た相模川です。葉山島頭首工取水堰の下流ですがこの堰はなんでしょう。右岸寄りの流れを制するため六脚ブロックが大量に使われています。葉山島頭首工取水堰より堰高がある固定堰です。おそらく、この画像奥寄り、下流の左岸崖下にある清水下頭首工の取水量安定確保のためと思われます。

水張り後の葉山島の田んぼ
水を張り終えた葉山島の田んぼの風景です。代掻き(しろかき)といって水張り後田んぼに機械を入れ耕して均す作業もやっていました。

葉山島の田んぼ・分水の様子
幹線水路から分水の様子です。幹線水路に背の低い固定堰を設け水位を上げています。

葉山島の田んぼ育苗
田んぼの中で育苗中。30cm×60cmのパレットが並んでいます。田植時にはパレットから取出し田植機に載せれば後は機械が植え付けてくれます。テレビなどでよく見る田植の風景です。用水路沿いを歩いていますが目の前でその作業を見たことはありません。そんな場面に出くわすといいですね。

下河原川
これは葉山島の田んぼを横断する下河原川です。相模川に流れ込んでいます。北から南にに縦断して流れる幹線用水路は伏越(ふせこし・サイフォン)で横断(立体交差)します。

葉山島頭首工・幹線用水路伏越呑口
伏越の呑口です。

葉山島頭首工・暗線用水路伏越吐口
下河原川の川底を潜った伏越の吐口です。
私が用水路歩きを始めたきっかけは伏越探索です。伏越をまだ一度も見たことがなく、どうしても見たくなり地図上で河川と河川の立体交差を探し出し初めて探訪したのが相模川左岸幹線用水路の「座間サイフォン」です。初めて吐口を見たのですがその迫力にびっくりしました。水勢と水音、吹き上がるという表現がぴったりです。伏越・サイフォンを見るなら私のお勧めは相模川右岸幹線用水路(西部用水)です。相模川伏越に始まり山際川、中津川、小鮎川、渋田川などに道路や鉄道を横断する伏越など伏越・サイフォンがいっぱい見られます。
探訪記事はすべて投稿済です。ページ右上のブログ内検索窓にキーワードを貼り付け、ボタンをクリックすると関連記事タイトルが別ウインドで一覧表示されます。(アーカイブ2012/6、2012/7)

葉山島の田んぼ
伏越吐口の西側の田んぼの隣りでこんな装置を見つけました。これはなんでしょう。井戸とポンプみたいです。白い配管は吐口の方へ向かっています。用水の補給水でしょうか?

葉山島の田んぼ・奇妙な穴
相模川右岸堤防内側と田んぼの間にある奇妙な穴を見つけました。これはなんでしょう。数ヶ所ありました。大きさは2×3m位で深さは2m位あります。素掘りで側面には堆積した大き目の栗石が見えます。上部に黒い径30cm位のパイプが見えます。パイプは田んぼ沿い素掘りの水路に繋がっていました。相模原市の看板「危ない!入ってはいけません」が立っています。
田んぼの排水を導いてここで浸透させているとしか思えませんが、堤防沿いのこの辺りの田んぼだけなぜそうしているのかは良く分かりません。謎です。

葉山島の田んぼ・西南の端
葉山島の田んぼの西南の端です。田んぼを潤した用水の余水排水がここへ流れてきます。

葉山島の田んぼの余水排水放流口
その先は北から来た小河川へ放流していました。ここは町田乗馬センターの厩舎裏です。この先は葉山島ゴルフクラブ内を通り相模川へ戻って行きます。揚水機場から1.4kmほどの短い水の旅でした。

葉山島頭首工の概要
所有者:城山町(現相模原市)
管理者:城山町葉山島開拓事業組合
所在地:城山町葉山島字藤木(現相模原市緑区)
沿革:大正8年組合を設立し開拓工事を施工 
昭和18年河床低下に伴いポンプ用水となる(以下略)
規模構造:全長105m(固定堰のみ100mうち洪水吐開口部8m)
固定堰の構造:コンクリート及びブロック 高さ0.6m
揚水機場:上流施設と下流施設 渦巻ポンプと水中ポンプ
受益面積:15.9ha
取水量:0.48㎥/秒
受益者数:71戸

神奈川県 農業用水施設の概要(平成15年版)より抜粋

さくらんぼ・葉山島青少年広場にて←クリック拡大
今日の探訪記念です。ついこの間まで桜前線、開花、満開、散り始めなどと言っていたらもうサクランボが実っていました。葉山島青少年広場にて。

葉山島頭首工の位置です。

其の154 酒匂川左岸の鬼柳堰を歩く

前回の続きです。5月10 日(土)晴れ、酒匂川左岸幹線用水路・鬼柳分水堰から鬼柳堰沿いに下流へたどりました。終点は小田原市飯泉のR255鴨宮中入口交差点東側歩道脇の分水堰までです。その延長は6,623mです。

鬼柳堰・足柄上郡大井町金手
酒匂川左岸堤防の内側沿いを流下する鬼柳堰。ここは鬼柳分水堰の下流、足柄上郡大井町金手です。

栢山頭首工
酒匂川左岸堤防上から見た栢山頭首工です。昭和46年に神奈川県が造った農業用水の取水施設です。全長230.5mあり、洪水吐け転倒堰、土砂吐け、魚道、取水口などで構成されています。取水口は左右両岸にあり珍しいと思います。県が造った頭首工は相模川の清水下頭首工、小沢頭首工、磯部頭首工と中津川の昭和用水頭首工を今までに探訪したことがありますが、いずれも左右どちらか一ヶ所です。ここは右岸の取水口がメインで右岸一帯の田んぼに水を配るための施設です。頭首工以下の水路をいつか探訪したいと思います。
さて、目の前の左岸取水門はただ今お休み中のようです。一番手前の転倒堰が倒れていて貯水していません。

栢山頭首工・洪水吐け転倒堰
左岸から二つ目の洪水吐け転倒堰です。起立していてシリンダーが三つ見えます。

栢山頭首工・左岸鬼柳堰補給水水路
頭首工取水門の背後、堤防の内側を見下ろすとコンクリートのフタをした水路が見えます。

栢山頭首工からの補給水取入れ口
水路は堤防沿いに流れる鬼柳堰に繋がっていました。栢山頭首工左岸取水口は鬼柳堰へ用水を補給するために造られたことが分かります。

鬼柳堰・大井町西大井
その下流、支線用水路へ分水の様子。転倒堰で水位を上げ取水してます。大井町西大井。

酒匂川左岸堤防より上流を望む。大井町西大井
酒匂川左岸堤防より上流を望む。ここでも鬼柳堰は堤防内側沿いに流れています。こんな景色のいいところを歩きました。大井町西大井。

鬼柳堰注意看板・大井高校前
大井高校前の鬼柳堰注意看板。右側の看板に「神奈川県 農業用水路 鬼柳堰」とあります。下の方に管理者及び連絡先が書いてあります。「酒匂川左岸土地改良区と神奈川県県西地域県政総合センター」の連名です。
鬼柳堰と酒匂堰(酒匂川左岸用水路)の管理について県西地域県政総合センターの資料によると
水路の所有は神奈川県で、構造物の管理者は神奈川県で、農業利用に必要な日常の管理は酒匂川左岸土地改良区が県との管理委託協定により管理を行っているそうです。

鬼柳堰・西大井NECテクニカルセンター前
流下する鬼柳堰。西大井のNECテクニカルセンター前。上流を見る。

鬼柳堰・報徳橋東信号付近
酒匂川沿いから離れ大井町と小田原市の境界、報徳橋東信号付近です。制水門が二つ続いています。分水施設のようです。手元の地図を見ると分水した水路は鬼柳桑田用水とあります。南側一帯は小田原市鬼柳で鬼柳堰の名前の由来と思われます。

鬼柳堰・清源寺付近
清源寺付近を流れる鬼柳堰。ゲートは上がっています。支線への分水はまだのようです。終点まで6ヶ所位制水門を見ましたがどこも同じでした。

鬼柳堰・R255新明橋付近
別の水路が合流し急に広くなった鬼柳堰。R255新明橋付近。

鬼柳堰・R255根下橋付近
R255沿いを流下する鬼柳堰。根下橋付近。

鬼柳堰豊川支線分水堰(大又堰)
鬼柳堰豊川支線分水堰(大又堰)です。左が鬼柳堰本川で右(西方向)が鬼柳堰豊川支線です。ここはR255沿い西濃運輸の東側です。

鬼柳堰豊川支線分水堰(川又堰)
同、下流から見たところです。豊川支線の方が水量が多いようです。豊川支線の終点は小田原市飯泉にある小田原市準用河川金瀬川合流まで。手元の地図を見ると金瀬川は下流の中新田で酒匂川に合流しています。前述(其の153)のように酒匂川左岸幹線用水路の水源は東電内山発電所の放水路です。内山発電所の取水口は酒匂川右岸足柄橋際にあり、結局酒匂川で取水され酒匂川へ戻って行きます。長い長い水の旅面白いです。

鬼柳堰・下耕地交差点信号付近
豊川支線と別れ下耕地交差点信号付近を流れる鬼柳堰。両岸につっかい棒がしてあります。

鬼柳堰の廃止水門、下耕地信号下流
下耕地交差点下流で見た廃止水門。ゲートも巻揚げ機も取り払われています。右岸に四角い取水口が見えます。

転倒ゲート、下耕地信号下流
廃止水門から10mほど下流の転倒ゲート。スライドゲートから転倒ゲートに改修したようです。

鬼柳堰鴨宮支線分水堰
県道717号線南にある鬼柳堰鴨宮支線分水堰です。左が鬼柳堰本川で右が鴨宮支線です。鴨宮支線はここから南東へ伸びる路線で県道718号線手前の暗渠まで。延長は843mです。

鬼柳堰・小田厚道路付近
小田原厚木道路付近を流下する鬼柳堰。いよいよ終点近くです。

鬼柳堰・小田厚道路小田原東IC付近
小田厚道路小田原東ICを潜り抜けR255沿い東側歩道下を流下する鬼柳堰。下流を見る。

鬼柳堰終点・R255鴨宮中入口信号
ハ~イ、終点に到着しました。
ここが(神奈川県、酒匂川左岸土地改良区が管理する)鬼柳堰終点です。延長は鬼柳分水堰から6,623m。場所はR255鴨宮中入口信号前です。変わった水門(分水堰)です。鎖で開閉するようです。この水門の手前左岸に取水門があり東へ水路が伸びています。この水門(分水堰)より下流は小田原市の管理です。どこへ流れて行くのでしょうか?。推測ですが多分豊川支線と同じように酒匂川へ戻って行くと思います。

R255鴨宮中入口信号から東へ向かう用水路
分水を受け東へ向かう用水路。帰路、この用水路沿いにJR鴨宮駅へ向かいました。

今回も前回に続き神奈川県県西地域県政総合センターから提供いただいた資料及び神奈川県HP「県西地域にある農業土木施設」を参考にいたしました。

ミカンの花
今日の生き物はミカンの花です。鬼柳分水堰付近の畑に咲いていました。

今回のスタート地点、鬼柳分水堰の位置です。

其の153 酒匂川左岸幹線用水路を歩く

平成26年5月10日(土)晴れ、酒匂川左岸幹線用水路、鬼柳堰(用水路)を探訪しました。松田郵便局付近から鬼柳堰の終点まで頑張って一気に行ってきました。今回はその内の酒匂川左岸幹線用水路(終点は鬼柳分水堰まで)を投稿します。
昨年9月18日に文命用水の起点から終点まで歩き、終点間際から始まる酒匂川左岸幹線用水路(以下左岸用水路または左岸用水)を下流へたどり松田郵便局あたりで探訪を終えました。その先は9月末に通水が終わったため今季の通水待ちになっていました。いよいよ本格的な通水が始まりました。用水路はどこを通ってどこまで行くのか、どんな施設景観が見られるか楽しみです。

その前にこれより上流を探訪したときに発表できなかった左岸用水の施設がありましたのでこの稿で取り上げます。
惣領樋門・酒匂川左岸幹線用水路
これは惣領樋門という水門です(銘板表示あり)。場所は今日のスタート地点松田郵便局付近の上流、新十文字橋の下です。昨年9月18日に通った時に撮りました。その時はこの樋門の機能が分らず左岸用水路と関連づけることなく発表を飛ばしました。樋門とは水路や小河川が本川へ合流する直前にあり、本川が洪水の際の逆流防止と理解していました。普段水門は開いているはずです。しかしこの水門は閉じています。流入する河川はなく不思議な水門です。

酒匂川左岸幹線用水路・新十文字橋北
これも同じ日の写真です。新十文字橋上流から見た左岸用水路の下流です。橋の手前で水路トンネルに入ります。惣領樋門は水路トンネル右側にあります。

惣領樋門・酒匂川左岸幹線用水路
これは2月に河南沢(手前の細い流れ)を探訪した時の写真です。新十文字橋の下流から見た惣領樋門(緑色の矢印)と左岸用水路(黄色の矢印)。用水路はこのあたりでは地下を通っています。
位置関係は以上のような状況です。
そこで調べた結果、惣領樋門は左岸用水路の施設の一部であることが分かりました。
・元々は左岸用水の取水不足時の補給水の取水設備でした。
・その後酒匂川の河床低下により取水不能に。
・酒匂川の洪水時に逆流を防ぐため樋門に改修した。
・左岸用水の緊急時の排水機能を持たせている。
以上のような次第でよく理解できました。

酒匂川左岸幹線用水路
さて、小田急線新松田駅下車、10分位で松田郵便局付近の宮前橋までやって来ました。宮前橋の下を流れる左岸用水です。とうとうと流れています。通水量は6.23㎥/秒です。

宮前橋・酒匂川用水←クリック拡大
宮前橋の欄干親柱に「酒匂川用水」と刻まれています。

酒匂川左岸幹線用水路
小田急線の下を流下する左岸用水。

酒匂川左岸幹線用水路・川音川サイフォン
その下流、川音川サイフォンに到着しました。前方の川音川をサイフォン(伏越・ふせこし)で横断します。用水路と河川の立体交差です。

酒匂川左岸幹線用水路・川音川サイフォン
右岸の余水吐け兼排水施設。サイフォン呑口直前右側に排水門があり、土砂吐けも兼ねていると思います。6.23㎥/秒目一杯通水しています。わずかに越流しています。

松田用水と酒匂川左岸幹線用水路・川音川サイフォン放流口
これは川音川サイフォンの上を交差する松田用水の下流を見たところです。右岸にサイフォン余水吐けからの水が流れ込んでいます。
何でもない光景ですが、どちらの水も元をたどると南足柄市の東京電力内山発電所放流水路に至ります。別々の経路を流れ下りここで劇的な合流です。水の旅面白いです。凄いな~・・・などと、かんがい用水を見ながら感慨にふける管理人です。どちらの経路も歩いているのでなおさらです。

酒匂川左岸幹線用水路・川音川サイフォン銘板
川音川サイフォンの銘板です。
構造:径2200遠心力鉄筋コンクリート管コンクリート巻立
竣工:平成4年3月 発注者:神奈川県(西部農地整備事務所)


川音川サイフォン・原形の碑
「原形の碑」が展示してあります。径2200はでかいです。測ったら管の肉厚は190mmもありました。

川音水位観測所
川音川サイフォンのそばにあった川音水位観測所です。神奈川県三保ダム管理事務所が建てました。川の水位を自動的に観測し、データは15分ごとに三保ダムの電子計算機に送り込まれるそうです。
川音水位観測所←クリック拡大
川音水位観測所説明パネル。

川音川左岸より川音川サイフォンを望む
川音川左岸より川音川サイフォンを望む。制水門と原形の碑が見えます。この川底に径2200のコンクリート管が敷設されています。

川音川サイフォン吐口
川音川サイフォン吐口です。水が渦を巻いています。水量の割には今一迫力不足です。サイフォン管は多分それほど深くないところを通っているのでしょう。

酒匂川左岸幹線用水路・金田分水堰
そのすぐ下流から迫力ある水流音が聞こえてきました。金田分水堰です。金田堰という名前の用水路へ分水する施設です。写真の手前と右が左岸用水の本流で、金田堰は左の方へ流れて行きます。

酒匂川左岸幹線用水路・金田分水堰
左岸用水路の右岸側から見た金田分水堰。画像奥が金田堰です。ここは足柄上郡松田町松田惣領「健楽園」の東側です。

金田堰(用水路)
分水後の金田堰(用水路)。分水量は1.2㎥/秒。終点はR255の信号「相模金子駅入口」から東へ約300mで合流する和田堰です。延長は1,666m。別の機会に歩きたいと思います。

酒匂川左岸幹線用水路・健康福祉センター下流
流下する左岸用水。健康福祉センター下流。

酒匂川左岸幹線用水路・鬼柳分水堰
その下流鬼柳分水堰に着きました。もの凄い迫力です。鬼柳分水堰は左岸用水路(延長:4,102m)の終点です。ここで酒匂堰(用水路)と鬼柳堰(用水路)に分水します。電動式転倒ゲートが3門見えます。左2門が酒匂堰、右1門が鬼柳堰の起点になります。
ここは足柄上郡大井町金手「わかもと製薬相模大井工場」の西南地点です。

酒匂川左岸幹線用水路・鬼柳分水堰
下流側から見た鬼柳分水堰。分水量は酒匂堰へ3.36㎥/秒、鬼柳堰へ1.67㎥/秒。

酒匂川左岸幹線用水路・鬼柳分水堰銘板
鬼柳分水堰銘板です。
型式:ステンレス製自動転倒ゲート
操作方式:電動式(手動)
堰幅×堰高(門数):1.8m×0.4m(2門)1.5m×0.4m(1門)
設置年月:2004年3月
製作者:開成工業株式会社


酒匂川左岸用水完成記念碑
付近の酒匂川堤防上の酒匂川左岸用水完成記念碑です。昭和45年秋に酒匂川左岸土地改良区が建立しました。
碑文を要約し記します。
・酒匂川左岸の耕地は往時より酒匂川本流を堰き止め取水
・かんがい面積は1,200ha
・出水ごとに堰が決壊流出し修理復旧に莫大な出費
・昭和7年に文命用水完成、武永田から取水、多大な成果得る
・水路断面狭小のため全面改修計画中、先の大戦で中断
・昭和27年着工し16年の歳月をかけ水路が完成
・その延長は幹支線22,389m 総工費は4億円 


鬼柳分水堰より下流を望む
鬼柳分水堰より下流を望む。左端白いガードレールが酒匂堰(用水路)、右端フェンスが鬼柳堰(用水路)。中央の二筋は酒匂堰から分水した支線用水路です。今日の探訪はここから鬼柳堰を下流へたどりました。次回投稿いたします。

関連記事
其の106 足柄平野の文命用水を歩く (2013/9投稿)
其の107 酒匂左岸用水を歩く (2013/9投稿)

今回の探訪にあたり神奈川県県西地域県西総合センター様より酒匂川左岸土地改良区受益地全図(路線名入り)、水路の概要、一部施設の概要など資料提供を頂き、それを参考にさせていただきました。ご支援ありがとうございました。

イソヒヨドリ(雄)←クリック拡大
今日の生き物は足柄大橋付近で見たイソヒヨドリ(雄)です。相模原では見かけない青と赤褐色が美しい小鳥です。遠くて鮮明に撮れず残念でした。

今日のスタート地点宮前橋の位置です。

其の152 諏訪森下頭首工を訪ねる

小倉橋の下流に相模川が作った広大な中洲があります。地図でその大きさを測ると長さは1,150m、幅は広いところで370mほどあり、サツマイモのような形をしています。中洲の中は航空写真で見るとよく分かりますがきれいに区画整理された農地(水田)です。諏訪森下頭首工は中洲内の田んぼに水を配るための施設です。いつものように末尾に地図を付けましたので参照願います。5月7日(水)晴れの日に探訪しました。

諏訪森下橋
小倉橋の下流1kmのところに架かる諏訪森下橋です。橋に貼り付けの銘板によると1984年(昭和59年)3月に相模原市が造りました。型式は三径間連続ラーメン橋とあります。
今まで何回も橋の前を通っていますが渡るのは今回が初めてです。中洲へ渡れるのは唯一この橋だけです。

中洲の北の端から上流を望む
中洲の北端から上流を望む。新小倉橋や小倉橋(手前の白い橋)が見えます。
ここは地図を見ると相模原市緑区大島とあります。字名の記載はなし。

諏訪森下頭首工
中洲の西側に築造された諏訪森下頭首工取水堰です。堰の長さは90m、堰の高さは50cm、六脚ブロックの固定堰です。

六脚ブロック
中洲内の道路沿いに転がっていた六脚ブロックです。用済みのブロックでしょうか。こんなブロックを整然と並べて堰を造っています。

諏訪森下頭首工・取水口
相模川左岸の取水口です。田んぼの方が水面より高い位置にありポンプ揚水です。

諏訪森下頭首工・取水口
同、上流側から見る。格子の中を覗くと上部から泥土で濁った水が大量に落下していました。これより上流に位置する田んぼに配り終えた用水の余水排水の放流口も兼ねているようです。

諏訪森下頭首工・揚水機場
揚水機場です。ポンプは400mm 17㎥/分 1台、125mm 1.86㎥/分 2台。
取水量は0.31㎥/秒 (計算すると125mmポンプ1台は予備のようです。)

諏訪森下頭首工・ポンプ揚水
ポンプ揚水された用水。

諏訪森下頭首工・田んぼへ向かう用水路
中洲内の田んぼへ向かう用水路。東西に通る幹線道路沿いの南北の田んぼに配水しています。

諏訪森下頭首工・田んぼへ向かう用水路
同、北方の田んぼへ向かう用水路。

諏訪森下頭首工・開田記念碑
揚水機場横の開田記念碑。昭和32年4月20日竣工。諏訪森下頭首工の管理者、諏訪森下用水組合が建立しました。碑文は判読不可でした。

諏訪森下頭首工・田んぼ
5月5日が通水予定との情報を得、今日の探訪となりました。早くも水を張り終えた田んぼ。

諏訪森下頭首工・田んぼに水張り
田んぼに水張りの様子です。径10cmの首振り塩ビパイプ式です。どの田んぼもこの方式でした。

稲の苗
田んぼの一角に置かれた稲の苗。30×60cmのパレットに植えられています。ここで育苗し時期が来たらパレットごと田植機に載せて田植という段取りでしょうか?

南西から見た中洲の田んぼ
南西の端から見た田んぼの風景です。ここはまだ水張り前です。目の前の四角い桝に余水排水が集まるようになっています。

諏訪森下頭首工・余水排水放流口
中洲の南西の端の堤防に設けた余水排水の放流口。逆流防止フラップゲートが取り付けてあります。これが機能するほどの洪水が来たら一大事です。すぐ上流に城山ダムがあるのでその心配は無用です。上流にもう1ヶ所放流口がありました。

ハルジオン
いつものように今日の生き物です。今日の探訪記念です。図鑑で調べたらハルジオンでした。北アメリカ原産の帰化植物。大正時代に観賞植物として輸入したと伝えられています。北から南へ流れる用水路沿いで撮りました。そばに白花も咲いていました。

諏訪森下頭首工の概要
所有者:相模原市
管理者:諏訪森下用水組合
沿革:江戸時代より自然取入れにより取水。明治40年頃耕地整理実施、取水設備も整備 昭和7年下大島との共同取水を単独のポンプ取水に、平成3年度災害復旧により改修し現在に至る。
規模構造:堰長 90m、堰高 50cm、ブロックの固定堰
ポンプは400mm 17㎥/分 1台、125mm 1.86㎥/分 2台
取水量:0.31㎥/秒 
受益面積:9.5ha 受益者数:87戸

(神奈川県 農業用水取水施設の概要[H15年版]より抜粋)

この中洲は江戸時代から利用されてきたそうです。驚きました。中洲の外周堤防の中にも堤防が築かれ二重になっているところもあります。長い年月の積み重ねで今の形になったと思われます。用水路歩きで色々と勉強になります。

諏訪森下頭首工の位置です。

     

其の151 相模原幹線用水路が通水しました

5月3日(土)憲法記念日 晴れ、相模原幹線用水路(大堀)が通水しました。この日はちょうど望地弁天キャンプ場に家族親戚が集まったバーベキュー大会の日で、そばを流れる大堀の通水の様子をタイミング良く見ることが出来ました。翌4日は前回探訪時、進入路崩壊で見そこなった清水下頭首工取水口を見に行き、ついでに下流の原当麻まで水路沿いを探訪しました。ぐるっと3時間ほどかけて自転車で一回りしてきました。

清水下頭首工
相模原幹線用水路(大堀)(以下大堀)の起点、清水下頭首工です。右岸に扇形の跡が付いています。転倒堰です。なぜか転倒ゲートは倒れたままです。まだ本格通水前のようです。

清水下頭首工・取水口
取水口です。水門は2門、取り入れた水は水路隧道で800mほど下流の山王坂下の分水施設まで送られ大堀と烏山用水に分かれます。取水量は最大2.1㎥/秒。

清水下頭首工進入路
2月の大雪で大木が倒れ、倒木に壊された進入階段が応急復旧していました。帰り道の方が怖かったです。行く人は十二分な注意を。まあ行くのは好事家の私くらいのもので通らない方がいいです。危険です。

相模原幹線用水路(大堀)滝隧道出口
相模原ふれあい科学館北で出現した大堀・滝隧道出口。右手にある段丘崖からの湧水が流れ込んでいます。(通水後の4日撮影)

相模原幹線用水路(大堀)望地隧道入口
その下流の望地隧道入口(左側の水門)です。右は制水門で水門は閉じています。余水排水は弁天どぶへ流れ込んでいます。(3日通水後撮影)

相模川・弁天どぶ
弁天どぶです。いつもよりヘラブナの釣り人が少ないです。
弁天どぶ
川の水がよどんでいるところや淵を「どぶ」と呼ぶことがありました。ここは「弁財天」が近くにあるので弁天どぶと呼ばれています。
相模原市が立てた「弁天どぶ」の碑より

望地弁天キャンプ場
望地弁天キャンプ場の様子です。盛況です。GW後半5月3日から6日までは予約者以外は利用できないそうです。

相模原幹線用水路(大堀)望地隧道出口 相模原幹線用水路(大堀)望地隧道下流分水門 相模原幹線用水路(大堀)望地隧道出口制水門下流←クリック拡大
通水前の3日朝10時半ごろに撮影した望地隧道出口付近の様子です。水路内に落ち葉が溜まっています。

相模原幹線用水路(大堀)望地隧道出口付近
3日11時過ぎに通水が始まりました。津波のように押し寄せるかと思ったら実際にはじわじわっと来ました。去年の9月以来の通水で水が濁っています。落ち葉が大量に流れて行きます。

相模原幹線用水路(大堀)望地隧道下流制水門・分水門
通水後の望地隧道下流、大堀の制水門と分水門(右側)です。分水門以下の水路は望地河原田んぼの幹線道路沿いを流れ左右の田んぼに水を配った後下流で大堀と合流します。

望地地区の田んぼ
望地弁天キャンプ場駐車場から下流の望地河原田んぼを望む。これより下流約1.5kmの区間、上当麻隧道入口付近までは6月初めになるとゲンジボタルが飛び交います。

望地河原苗代水田
通水翌日の望地河原田んぼの苗代水田です。ここだけ早くも水張りの最中でした。

相模原幹線用水路(大堀)上当麻隧道入口
望地弁天キャンプ場から約1.5km下流の大堀・上当麻隧道(延長752m)入口です。

相模川幹線用水路(大堀)企業団水路橋下
神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋下を流れる大堀。

相模原幹線用水路(大堀)企業団・相模川水路橋下
同、相模川水路橋下を流れる大堀。

マムシ注意看板
段丘崖から降りる途中の道沿いで見たマムシ注意の看板。これからの季節、藪や森の中は要注意です。

企業団・相模川水路橋北詰
先ほど下から見上げた企業団・相模川水路橋を上から見たところです。水路橋の上流厚木市・愛川町方向を望む。監視カメラがこちらを見ているので足早に去ります。

相模原幹線用水路(大堀)熊野稲荷神社前
相模原愛川IC内を通過し熊野神社前を流れる大堀。上流を見る。

相模原幹線用水路(大堀)県道508号線
県道508号線(八王子街道)を潜った大堀。予想通り今日は手前から奥へ普通に流れています。前回(今年3月)探訪した時は逆流していました。右側の水門は分水門。分水中です。

相模原幹線用水路(大堀)亀形橋制水門
その先八瀬川に架かる亀形橋際、大堀の制水門と余水吐排水施設です。制水門は閉じ、余水吐け転倒ゲートは水平に倒れています。つまり全量八瀬川へ放流中でした。3日の通水は試験的通水でこれから本格化すると思われます。

相模原幹線用水路(大堀)八瀬川へ放流中・亀行橋
清水下頭首工で取水した大堀の用水が八瀬川へ放流されています。亀行橋下流。

相模原幹線用水路(大堀)と当麻地区の田んぼ
当麻地区の田んぼの様子です。田起しが終わっています。まもなくこちらにも通水されると思います。

お終いに今日の生物です。
シャガ・望地弁天大堀沿い
シャガです。しゃがんだらシャガが咲いていました。蜂がとまっています。望地河原の大堀沿いにて。

清水下頭首工の位置です。

続きを読む

其の150 小沢頭首工幹線水路通水式

5月1日(木)晴れ、小沢頭首工幹線水路通水式の模様を見学しました。用水路沿いを歩くようになって今年で3年目ですが、通水式を初めて見せていただきました。

小沢頭首工
対岸の相模原市から見た小沢頭首工。

泳げ鯉のぼりと小沢頭首工
「泳げ鯉のぼり相模原」と小沢頭首工です。両岸に渡した5本のワイヤーに1,200匹の鯉が泳いでいます。

小沢頭首工
相模川右岸、県道511号線から見た小沢頭首工。今日の通水式の会場です。小沢頭首工を初めて見学したのが去年の5月です。ちょうど1年ぶりの再訪です。その時のご縁で小沢頭首工土地改良区連合の篠﨑理事長にお願いしたところ快諾を頂き今回の見学が実現しました。
手前は操作室の屋上です。4門ある洪水吐け転倒ゲートは既に立ち上がっていて貯水していました。ゲートを越流して滝のように凄まじい音を立てて流下しています。堰上流は湖のようになっています。

小沢頭首工通水式
参列者は土地改良区の理事長、理事役員さん、神奈川県、厚木市、愛川町関係者二十数人です。朝10時ピッタリに始まりました。関係者が見守る中、理事役員さん代表4人が一番下まで下りお清めの儀式を執り行っています。初めに左側の取水口ゲートに清酒、塩、米をまいていました。赤色の土砂吐けフラップゲートの上を渡って魚道脇でも同様に執り行っています。

小沢頭首工通水式
アップ画像です。ゲートの上、堰の上、魚道、上流、下流と四方八方にまいているように見えました。
その後は操作室横で参列者全員が堰の上流を向き厳粛に二礼二拍手一礼し水路の安全と豊作を祈願しました。

儀式後操作室で取水ゲート遠隔操作盤でゲートが開かれました。平成26年度の通水おめでとうございます。

操作室入口に掲げてある銘板です。(参考のため過去記事の再掲です)
小沢頭首工水門銘板クリックで拡大します。
操作室の中には操作盤があり転倒ゲート、フラップゲート、取水口スライドゲートはボタン一つで操作可能になっています。
門扉名 洪水吐門 てんとうゲート 22.5×1.35m 4門
     土砂吐門 フラップゲート 6.5×2.6m  1門
     取入水門 スライドゲート 2.5×1.7m  2門
昭和42年3月完成 
小沢頭首工水門銘板より

小沢頭首工幹線水路の通水前後の写真を撮りましたのでご覧ください。
小沢隧道出口
取水口から600mほど下流の小沢隧道出口です。底に透き通った水が滞留しています。通水前です。(5月1日朝9時25分頃撮影)

小沢隧道出口
同、小沢隧道出口です。通水後です。(同11時25分頃撮影)
津波のように押し寄せる通水の瞬間を撮りたかったのですがそれは今回は無理でした。またの機会に。

小沢頭首工幹線水路
小沢隧道出口から500mほど下流の愛川町角田小沢の小沢頭首工幹線水路。やはり水路底にきれいな水が滞留しています。通水前です。(5月1日9時20分頃撮影)

小沢頭首工幹線水路
同、通水後です。(同11時20分頃撮影)

いよいよ用水路に通水が始まりました。明日がたしか八十八夜と思います。これからあちこちの用水路沿いを歩けます。楽しみです。今回の見学は小沢頭首工土地改良区連合の篠﨑理事長のご厚意により実現いたしました。また別会場にも呼んでいただき来賓各位(県農政課、厚木市長、愛川町農政課)の祝辞を拝聴しました。また思いがけなく拙ブログの紹介までしていただきました。いろいろとありがとうございました。

藤の花
今日の生物は野生の藤の花です。小沢頭首工入口付近に咲いていました。

初めて見学した時の記事です。(2013/6/6投稿)
其の88 小沢頭首工幹線水路を歩く1・小沢頭首工を訪ねる

小沢頭首工の位置です。

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