横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の119 岩流瀬堰を歩く

 11月24日(日)晴れ、内山発電所探訪の帰り道で新たに伏越(ふせこし)・サイフォンを見つけました。それの探索と見つけた用水路・岩流瀬堰(がらせせき)沿いに東山北駅まで歩きましたのでその模様を投稿いたします。

内山発電所放流水路
これは前回投稿の内山発電所放水路です。繰り返しになりますが正面は排水門で全閉状態です。右側に下流の福沢第1発電所取水口があります。排水門の先は酒匂川右岸です。画面左側に小さな水門があります。用途不明の気になる水門です。

岩流瀬堰取水口
小さな水門のアップ画像です。操作盤が見えます。
近寄って見ると「東電ゲート操作盤」とあり、取水中でした。
結論から言うと岩流瀬橋を渡り酒匂川左岸側を探索した結果、岩流瀬堰(用水路)の取水口と分かりました。新たな発見です。

取水量は内山発電所の使用水量20.9㎥/秒と福沢第1発電所の使用水量20.31㎥/秒の差0.59㎥/秒と思われます。
一本道の東電導水路(放水路)でなぜ取水量に差があるのか疑問でしたがこれで解りました。岩流瀬堰へ分水していたからです。

内山発電所放流口より酒匂川左岸を望む
岩流瀬堰取水口から酒匂川右岸堤防へ出て対岸を見ました。
岩流瀬橋(がらぜはし)の上流側になります。堰です。魚道も見えます。堰の名前は地図に載っていません。もしかして「岩流瀬堰」と言うかも知れません。緑色の矢印の位置に伏越の吐口(出口)があります。呑口は未確認ですが取水口が兼ねているかも知れません。岩流瀬堰(用水路)と酒匂川の立体交差です。

岩流瀬堰・酒匂川伏越吐口
酒匂川左岸へ渡りました。酒匂川の川底を横断した伏越の管(多分コンクリート製ヒューム管)はフェンス内直径2m位の竪穴の地下で繋がっています。伏越の吐口ですね。中を覗いて穴底の水流を確認しました。水量が少ないので吹き上がってはいません。普通の流れです。

岩流瀬堰・酒匂川伏越吐口
竪穴の中の様子です。水が流れています。

岩流瀬堰
酒匂川左岸堤防を潜って出て来た岩流瀬堰。
山北町教育委員会が立てた看板「岩流瀬堰(用水)」。
「がらせせき」と仮名が振ってあります。

岩流瀬堰水門
酒匂川左岸堤防上に立ち最初に目に入ったのがこの水門です。傍らに操作盤が立っています。「東電ゲート遠方操作盤」と表示があります。これを見て内山発電所放水路の気になる取水口が岩流瀬堰の取入れ口であると確信しました。この操作盤で取水口のゲート開閉操作が可能ということでしょう。この後、堤防上へ戻りいとも簡単に伏越の吐口を見つけました。


「岩流瀬堰 どこからどこへ 行くのだろう」 doushigawa

思いがけず見つけた伏越と用水路です。どこから来たかは分かりました。とにかく下流へ辿ってみることにしました。どこへ行き着くか楽しみです。

岩流瀬堰
流下する岩流瀬堰。今あらためて地図を見るとこの辺りは山北町宿とあります。

岩流瀬堰・山北町宿
岩流瀬堰。田んぼが見えます。山北町宿。

岩流瀬堰・分水門。山北町宿
岩流瀬堰分水門。山北町宿。

岩流瀬堰・山北町宿
山裾に沿って流下する岩流瀬堰。

岩流瀬堰・支線
岩流瀬堰支線用水路。

岩流瀬堰・山北町向原
岩流瀬堰・山北町向原。終点近くです。カルガモのつがいが泳いでいました。

岩流瀬堰・山北町向原終点
岩流瀬堰・山北町向原終点です。

岩流瀬堰・山北町向原終点、尺里川
酒匂川支流の尺里川(ひさりがわ)へ流れ込んでいました。
上本村橋から撮影。

地図で測ると取水口から終点まで延長約1927mでした。管理人はこの9月に文命用水を歩くために東山北駅から県道721号線を通って岩流瀬橋を渡りましたが、終始下り坂の印象を持っています。道は違いますが今回の逆方向から歩いたわけです。
今あらためて地図(3万分の1)を眺めると確かに水色の水路表示が載っています。どう眺めてみても尺里川の終点から酒匂川岩流瀬橋の方へ流れてるように見えます。現実は今日歩いた通りです。不思議です。

それからなぜわざわざ伏越管敷設までして川向うから取水したのでしょう?酒匂川は暴れ川です。洪水の際は東電が大元の足柄橋際の取水口を閉じます。岩流瀬堰取水口ゲートも閉じれば万全で岩流瀬堰(用水路)に被害は及びません。慣行水利権も関係しているかもしれません。・・・などと勝手に想像するのですが如何でしょう。

いずれにしても管理人好みの伏越探索と用水路沿いを歩くことが出来、面白く楽しいウォーキングとなりました。JR御殿場線東山北駅はすぐ近くです。

カラスウリ
もうちょっと熟して夕日が当たるとベストなんですが・・・。
少し早かったようです。山北町宿、岩流瀬堰沿いにて。

岩流瀬堰取水口付近の地図です。

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其の118 内山発電所を訪ねる

 11月24日(日)晴れ、山北発電所から内山発電所まで導水路に沿って歩きました。前回の続きとなります。
晴天に恵まれ暑くもなく寒くもなく気持ち良く施設ウオッチングを楽しんで来ました。最寄駅はJR東海御殿場線・山北駅です。

JR東海御殿場線山北駅
JR東海・山北駅です。ここは神奈川県足柄上郡山北町です。
JR東日本かと思ったのですがJRロゴマークがオレンジ色です。

山北町内循環バス 山北駅前赤い郵便ポスト
駅前広場に停まっていたレトロバス。山北町内循環バスです。
もう1台ボンネットタイプのレトロバスも走っているそうです。
赤い郵便ポストはまだ現役みたいです。

山北駅付近から御殿場方面を望む
山北駅付近跨線橋より御殿場方面を望む。
桜並木の紅葉がまだ残っています。なかなか良い眺めです。

酒匂川に架かる足柄橋
酒匂川に架かる足柄橋まで来ました。右岸から見た足柄橋。
この橋の上から前回訪ねた山北発電所や内山発電所取水口が良く見渡せます。

東京電力山北発電所全景
酒匂川右岸から見た東京電力山北発電所全景。
建物左側にも大きな放流口が見えます。上池の余水吐兼排水放流口と思われます。
最大出力7,000kw、最大使用水量20.9㎥/秒。
大正3年12月運転開始。

東京電力内山発電所取水堰
足柄橋から見た内山発電所取水堰です。左岸側が山北発電所で酒匂川へ流れ込む放流水が見えます。

東京電力内山発電所取水口
堰き止めた水を右岸の内山発電所取水口が口を開けて待っています。用済みの放流水を逃さないように完璧に取り込んでいます。同じ水を繰り返し使って実にしたたかですね~。手前の階段状の水路は魚道と思われます。(足柄橋から撮影)

東京電力内山発電所取水口
足柄橋から見た取水門の裏側です。隧道の入口が見えます。
250m位先で隧道を抜け開渠の導水路になります。

内山発電所水利使用標識
内山発電所水利使用標識 取水量最大20.90㎥/秒。
山北発電所と同じ取水量です。

内山発電所導水路・屋久野橋
その下流で顔を出した内山発電所導水路。導水路に架かる屋久野橋から撮影。

山内発電所除塵施設
屋久野橋付近から下流を見る。右へ急カーブしています。
本流の4門の制水門前に除塵機が付いています。正面の2門は土砂吐兼排水門、左端の空の水路は余水吐と思われます。
左岸水路壁が一段低くなっています。越流堰ですね。堰を越えて空の水路から酒匂川へ放流されると思います。以上のことからこれらの施設は除塵、土砂吐、排水、通水量など総合的に用水を制御する施設と思われます。山北発電所取水施設の下流にあった施設と同じですね。

山内発電所導水路
上記施設を下流側から見る。水路幅が広くなっています。
左岸から突き出した橋はなんでしょう?

滝沢側と立体交差
その下流で滝沢川と立体交差します。導水路は滝沢川を水路橋で渡ります。水路橋より滝沢川上流を望む。滝沢川上流に名所「洒水の滝」があります。

内山発電所導水路・山北町平山
真っすぐ流下する導水路。

内山発電所導水路・棚倉神社付近
棚倉神社付近の導水路。上流を望む。水路幅は8m位です。

内山発電所導水路・棚倉神社付近
隧道で山を潜る直前の内山発電所導水路。前方の山が山北町と南足柄市の境界です。

内山発電所導水路
地上へ出て来た内山発電所導水路。南足柄市内山。

内山発電所導水路・南足柄市内山
内山発電所へ向かう導水路。南足柄市内山。

内山発電所上池・調整池
内山発電所上池・調整池まで来ました。水圧鉄管直前の水門と除塵機。右端に越流堰が見えます。越流水(余水)は発電所北側(左側)を流れる酒匂川へ放流しているようです。調整池左側にも越流堰がありましたが、なぜか嵩上げされていました。

内山発電所
内山発電所建物と水圧鉄管。水圧鉄管は3条です。

内山発電所
東京電力内山発電所。右側は変電設備。
最大出力3,900kw、最大使用水量20.9㎥/秒。
大正7年1月運転開始。

内山発電所放流水路
内山発電所を背に下流を望む。発電後の放流水は酒匂川へ戻すことなく下流の福沢第1発電所へ送られます。正面の排水門は全閉で、右側の水門(福沢第1発電所取水口)を経て送られます。

福沢第1発電所取水口
福沢第1発電所取水口から取水の様子。

福沢第1発電所・水利使用標識
福沢第1発電所・水利使用標識です。取水量最大20.31㎥/秒。

福沢第1発電所導水路(文命用水)
下流から見た取水口。福沢第1発電所導水路の起点です。
そして文命用水の起点でもあります。これより下流は福沢第1発電所、福沢第2発電所を経て開成町との境、斑目で酒匂川へ放流されます。文命用水については(2013/9/22)に其の106 足柄平野の文命用水を歩くで投稿しました。

三保ダム直下の田ノ入発電所をはじめに嵐、山北、内山と酒匂川水系4発電所を訪ねました。三保ダム常用放流設備の取水口から取り込んだ12.0㎥/秒の用水を繰り返し巧みに運用していることがよく理解できました。また地形をうまく生かした発電所の配置と導水路の設定、奥深い山中での施工に感嘆しました。敬服。

4発電所と下流2発電所の運転開始年月をまとめました。
東京発電・田ノ入発電所:昭和53年4月
東京電力・嵐発電所:大正9年8月
東京電力・山北発電所:大正3年12月
東京電力・内山発電所:大正7年1月
東京電力・福沢第1発電所:昭和6年3月
東京電力・福沢第2発電所:昭和6年3月
(東京発電、東京電力HPより)

サネカズラ(ビナンカズラ) サネカズラ(ビナンカズラ)
真っ赤な実を付けたつる性の植物。帰って図鑑で調べたらサネカズラで一名ビナンカズラと言うそうです。
左は今日南足柄市内山で、右は前回探訪時、県道76号線沿い酒匂川の崖上で撮りました。記念になります。

山北発電所の地図です。

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其の117 山北発電所を訪ねる

 11月18日(月)晴れ、前回訪ねた嵐発電所の下流にある山北発電所を訪ねました。最寄駅はJR御殿場線山北駅ですが、ウォーキングを兼ね施設を見て楽しむのがdoushigawa流なので嵐発電所の最寄駅谷峨駅からスタートしました。谷峨(やが)駅は一つ上流の駅です。

東京電力嵐発電所
前回投稿で触れた嵐発電所の放流口について繰り返しになりますが位置関係が分かるように撮影し直した写真で説明します。

嵐発電所の放流口は30m位下流にあります。(緑色の矢印) 左岸堤防から石造りの小突堤(長さ3m位、黄色の矢印の位置)が流れに突き出 しています。左岸堤防上に立ち覗き込むと小突堤の下流側で渦を巻き吹き上がっている水流(緑色の矢印)を確認することが出来ます。

嵐発電所放流口
小突堤、放流口の拡大画像です。

と言うわけで三保ダム常用放流施設取水口から取水した河川維持水12.0㎥/秒は田ノ入発電所の水車を回した後、分水槽で河川維持水と発電用に分水され嵐発電所の水車を回した後、ここで河川維持水として放流されました。放流量は前述のように8.35㎥/秒です。水は最大限に有効活用されています。

なお緑色矢印の右側は山の上にある発電所上池の余水放流口と思われます。水路脇に東電の注意看板(急な流水注意)が立っていました。

嵐橋
今回もこの吊り橋を渡りました。嵐橋と言います。
人道橋で20人以上同時に渡れません。

東京電力山北発電所取水口より酒匂川上流を望む
東京電力山北発電所取水施設より酒匂川上流を望む。
東名酒匂川橋が見えます。

山北発電所取水堰・魚道
頭首工に付き物の魚道はやはりありました。鮎のシーズンは終わり、今は通水していないようです。白色の堰手前のジグザグに仕切られた水路がそれです。

今回の探索行の参考資料は国土地理院地図閲覧サービスと市販の地図を併用しました。隧道は青色の波線で表示してあります。いつものように末尾にgoogleマップを載せました。この地図には水路地上部しか載っていませんが参照願います。ここから始まる水路隧道は蛇行する酒匂川に沿って流下しています。川沿いの県道727・76号線を歩きました。

山北発電所導水路隧道出口
取水口から約400m下流で見つけた導水路隧道の出口。

山北発電所導水路
隧道出口より下流を見る。最大取水量20.9㎥/秒の流れです。

山北発電所導水路施設
その下流です。水門が4門と除塵機が見えます。
水門の先でまた隧道になります。正面にも水門があります。
これらは除塵、土砂吐、流量調整をする施設のようです。

山北発電所導水路放流口
上記施設の下流の様子です。酒匂川へ余水を放流しています。
鞠子橋より撮影。

山北発電所導水路施設
バス停瀬戸六軒屋と四軒屋の間の県道沿いで見つけた導水路の施設。東電の進入禁止看板が掲げてあります。
耳を澄ますと水流音が聞こえました。導水路隧道に繋がっているようです。柵の中にコンクリートのフタがしてあります。
人が入るための点検口か水道管でよく見かける空気弁のような働きをしているかも入れません。

酒匂川の流れ・バス停二軒屋付近
その先、バス停二軒屋付近の酒匂川です。

安戸隧道と新安戸隧道
安戸の信号の先、県道安戸隧道とR246新安戸隧道まで来ました。地図を見ると隧道の上を山北発電所導水路が通っています。隧道手前を左折し地図上にある水路橋の探索に行きました。導水路は酒匂川支流の鍛冶屋敷沢を水路橋で渡っています。

鍛冶屋敷沢水路橋進入階段
道路沿いにあるこの階段が目印です。付近道路右側に道祖神の祠があり、これも目印になります。

鍛冶屋敷沢水路橋
急な階段を降り切ったところに導水路がありました。
鍛冶屋敷沢を水路橋で渡る山北発電所導水路。上流を望む。

鍛冶屋敷沢水路橋
アーチ型の水路橋です。
山北発電所の運転開始は大正3年12月です。
当時すでにこれだけの土木技術があったということです。
凄いですね~。余談ですが横浜水道の城山隧道(延長4,358m)も大正3年に完成しています。当時すでに照明、動力等に電気を利用して施工したと伝えられています。

鍛冶屋敷沢水路橋
鍛冶屋敷沢を渡り再び隧道に入る導水路。

山北発電所導水路隧道出口
その下流の隧道出口を見つけました。

山北発電所導水路・安戸隧道上流
隧道出口より導水路下流を望む。左岸沿いに歩きました。

山北発電所上部調整池
安戸隧道、新安戸隧道の上を通り山北発電所上の調整池まで来ました。除塵機が見えます。右手は余水吐施設でしょうか?

山北発電所・水圧鉄管
水圧鉄管を見上げる。

山北発電所・水圧鉄管
水圧鉄管発電所側。酒匂川の畔に発電所建物があります。
取水口からここまで実に巧みに地形を利用していることが分かります。最大出力7,000kw、最大使用水量20.9㎥/秒。
大正3年12月運転開始。

山北発電所変電施設
発電所建物と変電施設。前方の足柄橋のたもとに下流の内山発電所の取水口が見えます。

内山発電所取水口
内山発電所取水口です。これより先、内山発電所まで次回探訪する予定です。内山発電所の下流は文命用水になります。今年9月、終点の酒匂川放流口まで探訪しました。

今日の探索行でも赤とんぼやカマキリ、名前も知らないルビーのような木の実などいろいろ撮影しました。その中のカワラノギクによく似た野菊の花です。道端各所で見かけました。
酒匂川・野菊 中津川のカワラノギク
花径は35mm位。右側の写真は中津川の本物のカワラノギクです。

嵐発電所の地図です。

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其の116 嵐発電所を訪ねる

 11月13日(水)晴れ、三保ダムを訪ねた日です。車窓から嵐発電所の看板が見えたので三保ダムへ行く前にちょっとだけ探索しました。ここでもまったく予期せぬものに出遭いました。おしまいの方に出て来ます。

東名高速酒匂川橋・嵐発電所
R246から見た東名高速酒匂川橋です。酒匂川左岸側に小さく嵐発電所と水圧鉄管が見えます。
酒匂川橋の下に立つのは初めてですが実に壮大な眺めです。
橋脚の高さは建設当時は日本一の65mで、直径は7mもある鉄筋コンクリート製です。橋の長さ750m、昭和44年竣工。
かながわの橋100選。

(神奈川県企業庁HPかながわの橋100選より)

東京電力嵐発電所
酒匂川右岸堤防より嵐発電所を望む。崖の途中で水圧鉄管は2条に分かれます。発電機は2台あるようです。
発電後の放流水の放流口はこの30m位下流の酒匂川です。左岸堤防から石造りの小突堤(長さ3m位)が流れに突き出しています。あとで左岸堤防上に立ち小突堤の下流側で渦を巻き吹き上がっている水流を確認しました。

東京電力嵐発電所
対岸へ渡り発電所建屋裏の水圧鉄管を見上げる。
東京電力のHPを見ると最大出力5,700kw、大正9年8月運転開始とあります。ずいぶん歴史のある水力発電所です。水源は前回探訪した三保ダムで、分水槽を経由してここまで送られました。使用水量は最大8.35㎥/秒です。前を通るとちょうど運転中で水車が回る音が聞こえて来ました。

マピオンで標高を調べてみると、
三保ダム分水槽が250m、ここが175mでした。

東京電力山北発電所取水口
発電所の下流300m位のところに取水施設が見えたので見に行きました。

東京電力山北発電所取水口
取水堰があり取水口もあります。頭首工ですね。
帰宅後国土地理院の地図閲覧サービスで青色の破線を下流へたどってみました。東京電力山北発電所に至りました。水路隧道で山北発電所へ導いているようです。

東京電力山北発電所取水口
対岸の建物前にあった東京電力の警告看板。

東京電力山北発電所取水口
真横から見た取水堰。

山北発電所取水口下流の吊り橋
取水堰下流の吊り橋。人道橋です。左岸へこの橋を渡りました。

東京電力山北発電所取水口
吊り橋より東京電力山北発電所頭首工(取水施設)を望む。
ややっ!ここで初めて気づきました。予期せぬものです。

東京電力山北発電所取水堰(ラバーダム)
ラバーダム(ゴム引き布製起伏堰)です。
空気を圧入することにより堰を起伏させる型式のダムです。
いやぁ~こんなところでお目にかかるとは、驚きました。
これで今年8月に藤沢市の引地川・石川堰で初めて見て以来、2件目です。新しい発見は楽しいですね~~。

ところで頭首工と言えば魚道が付きものです。左岸側に流れがありますが維持放流水路と兼ねているのでしょうか?

東京電力山北発電所取水口
最後に頭首工下流側の様子です。この後発電所の前を通り三保ダムへ向かいました。

ラバーダムの記事は「其の97引地川の石川堰を訪ねる」で投稿しました。

東京電力嵐発電所の地図です。

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其の115 三保ダムへ行って来ました

 11月13日(水)晴れ、久々に雲の少ない探索日和になったので紅葉狩りをかねて三保ダムへ行って来ました。
R246清水橋の信号から県道76号線に入り河内川沿いにさかのぼれば自然に行き着きます。

三保ダムの碑
三保ダム管理事務所付近駐車場の隣りにあった三保ダムの碑。裏面には三保ダムの概要が記されています。施工は鹿島建設とありました。

三保ダム堤体
駐車場から三保ダム堤体(長さ587.7m)が見えました。

三保ダム堤体
堤体天端上の道を右岸側へ歩きました。

三保ダムのあらまし 三保ダム標準断面図
近くにあった説明パネル「三保ダムのあらまし」と標準断面図。
以下「三保ダムのあらまし」の要点です。
建設の目的:水道用水供給・洪水調節・水力発電
ダムの形式:土質しゃ水壁型ロックフィルダム
ダムの高さ:95.0m
ダムの長さ:587.7m
ダム頂標高:325.0m
着工・完成年月:昭和49年5月~昭和53年7月
事業者:
 神奈川県、神奈川県内広域水道企業団、東京発電(株)
工事執行者:神奈川県企業庁
貯水池名称:丹沢湖
満水位標高:321.5m


堤体から見た丹沢湖
堤体から見た丹沢湖。島はボッコウ塚。

永歳橋
永歳橋です。橋の左側に東電落合発電所が見えます。

田ノ入発電所
ダム堤体左側眼下に発電所と水圧鉄管が見えます。
東京発電田ノ入発電所です。

神奈川県企業庁酒匂川水系ダム管理事務所・三保ダム管理事務所
三保ダム堤体から見た神奈川県企業庁酒匂川水系ダム管理事務所・三保ダム管理事務所の建物です。
ダムの洪水調節業務は三保ダム管理事務所が、利水運用業務は企業庁酒匂川水系ダム管理事務所が行っています。

三保ダム・洪水吐ゲート
三保ダム右岸側の洪水吐ゲートです。
左から4門が常用洪水吐でラジアルゲート、5門目はローラーゲートです。右端は非常用洪水吐・越流堤自由越流と言います。ゲートはなく目の前のコンクリート堰を越流した水が自由に流れ出るようになっています。

三保ダム・洪水吐
下流側から見た三保ダムの洪水吐です。左下に隧道(トンネル)の出口が見えます。底部放流トンネルと言います。

三保ダム・2号洪水吐ゲート
三保ダム・2号洪水吐ゲートより下流を望む。

三保ダム・洪水吐ゲート銘板ゲートに掲示の銘板です。
昭和53年3月三菱重工業製。

三保ダム・洪水吐
5号洪水吐ゲートの隣り、非常用洪水吐。滑り台みたいです。
足がすくみます。

三保ダム・測水塔
こちらは企業庁の事務所正門前にある測水塔です。

三保ダム・常用放流設備の取水設備
その近くの常用放流設備の取水設備(取水口)です。
下流の河川維持水として最大12.00㎥/秒取水しています。
ゴミ除けブイで囲ってある白い建屋がその施設です。
手前の水色の施設は漂着ゴミ処理施設ですね。

落合発電所水車ランナー
これは丹沢湖記念館前に飾ってあった落合発電所で使われていた水車ランナーです。

落合発電所水車ランナー説明パネル
水車ランナーの説明文です。

この後、ダム直下の田ノ入発電所を見に行きました。
行く途中、管理人好みの予期せぬものに出遭いました。

東京発電田ノ入発電所
先ほど三保ダム堤体上から見た東京発電田ノ入発電所です。
概要を記します。
最大使用水量:12.00㎥/秒
有効落差:71.871m
最大出力:7,400kw
水車形式:立軸フランシス
発電機型式:立軸回転界磁三相交流同期式

神奈川県企業庁「三保ダム酒匂川総合開発の概要」より

最大使用水量:12.00㎥/秒は前述の常用放流設備取水口から取り入れています。河川維持水として放流前の水を利用しています。合理的ですね~。

三保ダム常用放流設備・分水槽
予期せぬものとはこれです。三保ダム常用放流設備・分水槽です。田ノ入発電所の下流側にあります。発電後の放流水は画面黒い開口からこの円筒形(内槽と外槽の二重水槽)の内槽へ入り画面右側の水門を経て出て行きます。水門は東京電力嵐発電所の取水口になっています。水門の側面に水利権標識が掲示されています。「取水量最大8.35㎥/秒」とあります。

左側の建物は分水槽建屋と言い企業庁酒匂川水系ダム管理事務所が補修工事中です。

三保ダム常用放流設備・分水槽
建屋左側の様子です。分水された水は外槽の下の方を画面左へ流出し三保ダム下流の河内川へ放流されます。
放流水量は12.00-8.35=3.65㎥/秒になります。
分水方法は反対側へ回って観察しました。分水建屋の下、内槽水面に接する位置に小さな開口があり、そこで外槽へ分けているようです。
なお洪水吐の説明で底部放流トンネルに触れました。これは常用放流設備が点検等で通水が止まった時の代替設備です。
河川維持水は止めるわけにいきません。きちんと配慮した設計と造りになっています。
画面でバックの芝生のように見えるのは三保ダム堤体です。

この後企業庁ダム管理事務所を訪ねダムカードを頂きました。
ついでに水の流れ(取水口→田ノ入発電所→分水槽→嵐発電所)を確認したり質問したり、突然の訪問にもかかわらず親切に応対していただきました。ありがとうございました。
神奈川県企業庁「三保ダム酒匂川総合開発の概要」という10頁物のパンフを頂き辞去いたしました。大変参考になるパンフです。
今日は予期せぬところで意外な分水槽にお目にかかりなんか得した気分です。楽しいですね~~。

今回の参考文献は上記の通り神奈川県企業庁パンフレット
「三保ダム酒匂川総合開発の概要」です。

三保ダムの地図です。

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其の114 津久井発電所・津久井分水池を訪ねる

11月6日(水)晴れ、神奈川県企業庁利水電気部発電課主催「あいかわ・つくい次世代エネルギーパーク第3回バスツアー」に参加し津久井発電所と津久井分水池を見学しました。
神奈川県営発電所見学は8月に城山発電所、9月に愛川第1発電所、10月に相模発電所と今回で4カ月連続となりました。
以下、津久井分水池と津久井発電所の探訪記です。
今回の行程、愛川太陽光発電所、宮ヶ瀬ダム観光放流、「宮ヶ瀬ダム水とエネルギー館」見学までは前回(第2回バスツアー相模発電所見学会)と同内容なので省略しました。

神奈川県企業庁相模川発電管理事務所
相模原市緑区谷ケ原の神奈川県企業庁相模川発電管理事務所に到着しました。津久井発電所はこの建物の裏にあります。

津久井発電所水車ランナー
モニュメントとして水車ランナーが展示してあります。
この水車ランナーは神奈川県営電気事業最初の発電所として昭和18年に運転を開始した津久井発電所で40年間にわたり回り続けその役目を終わったものです。説明パネルより

ダムエレキくん
企業庁利水電気部キャラ、ダムエレキくんが出迎えてくれました。今日が県内初お目見えだそうです。肩書は広報部長。

相模発電所水車発電機精密模型
1階ロビーで簡単な説明を受け見学に出発しました。
先月見学した相模発電所の発電機の精密模型が飾ってありました。(20分の1のスケール)

津久井発電所、津久井分水池は管理人にとっては高嶺の花的存在でした。特に津久井分水池にはたびたび来ているにも関わらずいつも表からフェンス越しに眺めるだけでした。

津久井発電所は相模川左岸崖下あります。崖を下る途中に津久井分水池があります。

津久井分水池
嬉しいですね~いつもは見れない対象が目の前に展開しています。津久井分水池です。正面の池は本来水で満たされているのですが今は空っぽです。通常は津久井発電所2号機、水道事業者向けに分水する重要な働きをしています。

津久井分水池
角度を変えて見ました。津久井導水路(隧道)の出口が見えます。
本来は沼本ダムで取水した水がここから出て来るのですが、隧道の耐震化工事のため通水が止まっています。当然のことながら発電所の発電機2号機は運転休止中です。

参考までに津久井導水路の概要を記します。
着工年月 昭和15年11月
完成年月 昭和18年12月
長さ    約6.3km
幅と高さ 幅・高さとも6.0mの馬蹄型
工法   山岳工法
送水量  最大で毎秒約53立方メートル
送水方法 自然流下

企業庁相模川水系ダム管理事務所:doushigawa調べ

津久井分水池
津久井分水池の発電機用水槽です。左側(東側)の水槽が
津久井発電所2号機用の水槽、右側(西側)の水槽は1号機用の水槽ですが今は使われていません。現在の1号機の水槽は津久井分水池西側の調圧水槽です。調圧水槽の水は城山ダム際の取水塔から取水しています。

津久井分水池
沼本ダムからの送水が止まっているので代わりに城山ダム際の取水塔から調圧水槽経由で取り入れています。そうしないと2号機水槽の東にある分水池から取入れの水道事業者(横浜・川崎・県営水道)に支障が出てきます。
撮影地点の右下から流入しています。水が渦を巻いています。
なお、今ある2号機水槽の水を用いて2号機の運転は不可です。
なぜって?城山ダムで取水した水だからです。2号機は沼本ダムで取水した水しか利用できない決まりになっているそうです。

両水槽の間にある小判型は越流堰(オーバーフロー)で越流水は余水路を経て相模川へ放流しています。発電機の運転を止めた時に溢れ出るそうです。

川崎水道取水口
川崎水道の取水口が見えました。川崎第2導水隧道です。
川崎市宮前区の西長沢浄水場へ流れて行きます。

畑地かんがい隧道取水口
畑地かんがい隧道の遺構が残っていました。隧道入口上部に銘板がはめ込まれています。「畑地かんがい・・」まではっきり読み取れます。草で隠れていますが「畑地かんがい隧道」と彫られていると思います。
前回「其の113畑かん西幹線用水路を歩く6」で投稿のように津久井分水池から藤沢市円行の終点まで水路の上をたどって追いかけました。
今日ここで畑かん用水路の起点である「畑地かんがい隧道」に出遭い何でも知りたがり屋の管理人にとっては何か特別な感慨のようなものを覚えます。

川崎水道取水口と畑地かんがい隧道の間に横浜水道川崎水道共用の取水口相模隧道入口があるはずですが死角で撮影できず。残念でした。

津久井分水池
津久井分水池南端の水門。水圧鉄管直前の水門です。
手前は使われていないせいか手入れがされていません。
ゲートや巻上機は取り外され水路は塞がれたようです。

津久井発電所
30度位の急な崖をつづら折りの道で下ります。発電所の建屋が見えて来ました。

津久井発電所変電施設
津久井発電所変電施設。11,000Vで発電し66,000Vに変圧して送電しています。変電施設の向こう側にインクライン(斜面重量物運搬施設)が敷設されています。

津久井発電所インクラインレール
津久井発電所インクライン。建物の中へ入って行きます。
見学者もここから中へ入りました。

津久井発電所
南側から見た発電所の建物。

津久井発電所の概要です。
発電所型式:ダム水路式(1号機)、水路式(2号機)
最大出力:25,000kW
最大使用水量:65.14㎥/秒
有効落差:45.4m
台数:2台
運転開始:昭和18年12月31日
所在地:相模原市緑区谷ケ原

津久井発電所は、全国公営電気事業の第1号の発電所として昭和18年に2号機が運転を開始し、昭和19年に1号機が運転を開始しました。当初は1・2号機とも沼本ダムから取水していましたが、1号機は昭和40年より相模川総合開発事業により築造された城山ダムからの取水に変更されました。
平成13年度から平成16年度の改造事業により、最大出力が2,000kW増えています。

当日配布資料(神奈川県営電気事業)より

沼本ダムの概要です。
型式 重力式コンクリートダム
高さ:34.5m
長さ:126.0m
完成年月日:昭和18年(1943)12月31日
貯水池・調整池:沼本調整池
総貯水容量:233万㎥

沼本ダムから取水された水は、津久井分水池で、県営水道、横浜市、川崎市の水道用水などに分水された後、津久井発電所2号機を通して、下流で取水する水道事業者の水道用水や下流の河川維持流量などとして放流されています。

当日配布資料(神奈川県営電気事業)より

津久井発電所発電機
津久井発電所1号機です。2号機は奥に並んでいます。
手前はインクラインの台車です。天井が高いです。台車の上の方に日立製のクレーンが設置してありました。
発電機に銘板が貼ってありました。同期発電機で東芝製、2004年製造とありました。

津久井発電所配電盤室
配電盤室です。常時無人運転で城山発電所2階の発電制御室で制御しています。県営発電所はどこも共通です。

津久井発電所発電機・水車銘板
初代発電機・水車の銘板扁額。
1、2号機の運転期間が書いてあります。
発電機は明電舎製、水車は電業社原動機製造所製。

津久井発電所1号機水圧鉄管
津久井発電所1号機水圧鉄管です。右が水車側。

津久井発電所1号機入口弁
同入口弁です。

津久井発電所1号機水車
1号機の水車です。ただ今運転中です。ぐわぁ~んぐわぁ~んぐわぁ~んと煩いことこの上なし。説明中の職員さんの声が聞き取れません。発電所巡り4カ所目にして初めて主軸の回転を見、回転音を聞きました。
カニの脚のようなものはガイドベーンです。その開閉操作はリング左右に連結の右側の2本の長い棒で行います。

1号機水車ガイドベーン電動サーボモータ
てっきり油圧かと思ったのですが電動式でした。
長い棒はこの機械に繋がっています。東芝製で「電動サーボモータ」と言います。

津久井発電所1号機主軸
水車の上の階です。主軸が回転(214rpm)しています。
この上で回転子が回っているのでしょう。

津久井発電所放流口
最後に放流口を見学しました。
手前が1号機の放流水です。最大使用水量は32.57㎥/秒。
2号機は休止中で流れはありません。この放流水は下流の大切な河川維持水になるはずです。2号機の休止で放流量が減るわけです。どのように補充するのかな?冬場は下流の農業用水(小沢頭首工、磯部頭首工)の取水がなくなるので1台分の放流で十分間に合うということかも知れません。

津久井発電所放流水
これは別の日に撮った相模川への放流の様子です。
(2012/12/19新小倉橋から撮影)
左が津久井発電所の放流水。右側の崖から流れ落ちているのが津久井分水池の余水(溢流水)放流水です。
ここより上流約1.2kmに城山ダムがありますがその間はいつも水無川状態です。こうした放流で河川維持水の大切さが分かります。

こうして1時間余りの駆け足見学を終えました。
高嶺の花が現実となり貴重な体験をさせてもらいました。
引率添乗、施設説明の職員の方々大変お世話になりありがとうございました。

津久井湖畔花の苑地にて 津久井湖畔花の苑地にて
津久井湖畔花の苑地にて

神奈川県企業庁相模川発電管理事務所の地図です。

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