横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の102 城山湖へ行って来ました

 8月29日(木)晴れ、城山湖へ行って来ました。
城山湖はわが国初の大規模な揚水式発電所・城山発電所の上池(上部調整池)にあたります。
城山発電所は8月25日(日)に見学したばかりです。
学んだ知識が薄れないうちにと思い早めに行って来ました。
下池(下部調整池)の津久井湖の放水塔も見に行きました。

神奈川県企業庁発電総合制御所
R413都井沢の信号を入り発電所手前のコミュニティ広場無料駐車場に駐車し、そこからウォーキングです。
先日見学した発電総合制御所・城山発電所前を通りました。
本館後ろの山の向こう側が城山湖です。

発電総合制御所前より城山ダムを望む
発電総合制御所前より城山ダムを望む。木立の間から城山ダムが見えました。
左側黒い線は城山発電所を出た送電線です。

城山発電所変圧施設
城山発電所変圧施設と送電線鉄塔。154,000Vの高圧線。
手前の建物は非常用予備発電機室。

城山湖
歩き始めて10分ほどで到着しました。近いですね。
右側堰堤は本沢(ほんざわ)ダム。

城山湖
城山湖。ただ今水位は満水のようです。付近にあった警告看板によると一日の水位変化が28mもあるそうです。

城山湖
城山湖の中央。真ん中の白いものは測水塔。パンフによると測水塔付近湖底に取水口が2基設置してあります。

城山湖
東側から見た城山湖。南側斜面上はソーラー展望台。

本沢ダム
本沢ダムです。
ロックフィルタイプのダムで近くに材料の良質な土石が得られたこと、またその掘削によって貯水量が拡げられたことからこの形式が選ばれました。
高さ73m、長さ234m。
城山湖(本沢調整池)の総容量は3,927,000㎥。
発電総合制御所・城山発電所パンフより。

付近に水利使用標識が掲げてありました。それによると
河川名:2級河川境川水系本沢・1級河川相模川水系相模川
と書いてあります。という事は境川水系の本沢という川を堰き止めたダムなんでしょうか?良く分かりませんが地図を見ると本沢ダムの東には境川が流れているので境川の源流かも知れません。写真奥にコンクリートの堰堤と細長い開口が見えます。
越流堰(オーバーフロー)と思われます。

城山湖ソーラー展望台
ソーラー展望台です。城山発電所について分かりやすく解説したパネルが立っています。

城山発電所透視図クリックで拡大します。
パネルの一部城山発電所透視図です。
文字が小さく読みづらいですが、城山湖のH.W.L280m、
L.W.L252mとあります。その差は28mあります。

城山湖の碑
城山湖の碑。神奈川県知事内山岩田郎書。
城山湖の由来と発電所の概要が記してあります。


R413花の苑地第2駐車場に駐車して城山発電所の下池(下部調整池)津久井湖にある放水塔を見に行きました。
2カ所から見ました。
城山発電所放水塔
R413北根小屋バス停付近から見た城山発電所放水塔。
参考までに8月29日現在の城山ダムの水位は
-13.92m=EL110.08m  貯水率:57%
流入量:28.19㎥/秒 放流量:22.52㎥/秒

(8月30日「かながわの水がめ」より)
 
三井大橋と三井そよかぜ橋
三井大橋と三井そよかぜ橋。三井(みい)そよかぜ橋は平成24年5月完成の人道橋です。

城山発電所放水塔
三井そよかぜ橋から見た城山発電所放水塔。

小網より城山を望む
小網の貸しボート店から見た城山です。標高375m。
ここは相模原市緑区太井小網です。

太井隧道
上の写真をズームアップしました。
8月12日に訪ねた横浜水道道志川系の遺構太井隧道です。
太井隧道(おおいずいどう)の上口、下口を同時にとらえました。黄色の矢印が下口です。隧道側面が写っています。
これは今回投稿のおまけです。
8月12日の探訪記は2013/8/14に投稿しました。
「其の98太井隧道・城山隧道を訪ねる」

お終いに今日の生き物です。
トノサマバッタ トノサマバッタクリックで拡大します。
トノサマバッタがおんぶしています。
オンブバッタではなくおんぶトノサマバッタです。
城山湖ソーラー展望台付近にて。

城山発電所の地図です。

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其の101 城山発電所を訪ねる

 8月25日(日)小雨、「ワクワク体験・地下発電所の探検」(城山発電所見学会)に行って来ました。
神奈川県企業庁の主催で年に1回開かれます。
城山発電所はわが国初の大規模揚水式発電所です。

神奈川県企業庁発電総合制御所
神奈川県企業庁発電総合制御所正門です。
R413都井沢の信号から上りの一本道を道なりに上りきったところが今日の会場発電総合制御所です。

発電総合制御所・城山発電所パンフ
これは受付で頂いたA4判のパンフレットです。
表紙を含む8ページのパンフでタイトルの他、県営発電所全ての設備概要などが詳しく書いてあります。
写真の事務所本館の地下に城山発電所があります。

まず初めに1階の会議室でビデオと職員さんによる概要説明がありました。要点を箇条書きします。
・城山湖と津久井湖の水面の有効落差153mを利用した水力
 発電。
・本館地下230mに4台の発電機がある。
・一日の電気の需要に合わせたピーク発電を行っている。
・東電から注文があった時は6分後に送電可。火力発電に較
 べ立ち上がりが早いのが特長。(そば屋の出前より早い!)
・発電能力は最大で25万KW。5.5時間運転すると城山湖の
 水は空っぽになる。パンフには最大使用水量192㎥/秒
 とあります。(半端な水量じゃない。もの凄い!)
・夜間余った電気を利用して発電機を逆回転して津久井湖から
 城山湖へ揚水している。
・運転開始は昭和40年10月29日(パンフより)
・発電総合制御所は県営12発電所の遠隔監視制御を行って
 いる。

城山発電所透視図クリックで拡大します。
パンフに記載の城山発電所透視図です。

監視制御室
説明の後10人位のグループに分かれて探検に出発です。
2階の監視制御室。城山発電所を含む県営13発電所が対象。
城山発電所の4台の発電機は運転休止中でした。日曜日で需要が少ないせいかな?
ちなみに津久井湖の減水の影響がある津久井発電所1号機はやっぱり休止中でした。沼本ダムから取水の2号機は運転中。
ランプの色でリアルタイムにその様子が分かります。

城山発電所
2階からエレベーターに乗り一気にB2階の地下発電所に下りてきました。エレベーター内にEL表示があり、2階のELが315m、B2階が88mでした。

城山発電所
4台の発電機が並んでいます。手前から1号機、一番奥が4号機。1、2号機は日立製。3、4号機は東芝製。
パンフにはここは発電電動機室と書いてあります。
奥行きは約120mあるそうです。それにしても広い空間です。

城山発電所
2号機のドアを開けています。励磁(れいじ)装置です。
励磁装置は電流を流し回転子を電磁石にする装置です。
説明パネルより。

ドア上のメーカー銘板には「交流同期発電電動機」とあります。
受付で頂いたパンフには
本発電所の揚水時は発電機がモーター(電動機)となって逆回転し、水車は逆回転することによってポンプとなります。
との記述があります。二役を演じるので「発電電動機」というのでしょう。

水車発電機の構造
水車発電機の構造です。上部が発電電動機で下がポンプ水車です。上記パンフより。

城山発電所・発電電動機室クレーン
発電電動機室の奥の方、上を見上げると巨大なクレーンが。
何かの時に発電機を吊り上げるためでしょうね。

城山発電所・インクライン
発電電動機室の一番奥です。インクラインの最下点です。
B2階からB3階へ下りたところにあります。

城山発電所・インクライン
インクラインです。パンフには重量物運搬斜坑とあります。
エレベーターが故障の時は右側の階段を利用して脱出します。

ポンプ水車入口弁
Φ3000の水圧鉄管に取り付けられたポンプ水車入口弁。
ここはB3階(EL75m)です。

ポンプ水車入口弁
構内にモニュメントとして展示中のポンプ水車入口弁(バタフライ弁)。全体はこんな形をしています。
 
ポンプ水車説明パネルクリックで拡大します。
ポンプ水車説明パネル。

ポンプ水車とガイドベーン
ポンプ水車とガイドベーン。中央は主軸。

ポンプ水車主軸
ポンプ水車主軸上部。この上にある回転子と同軸です。

ポンプ水車ランナとガイドベーン
構内に展示のポンプ水車ランナと右側はガイドベーン。

ポンプ水車ランナと説明パネルクリックで拡大します。
ポンプ水車ランナの説明パネル。

ポンプ水車周りの工具
これはポンプ水車周りに使用する工具です。すべてこれらの工具を使用した手作業だそうです。

この後B3階(EL75m)からエレベーターで本館2階に戻りました。2階通路から彼方に水位が下がった城山ダム堤体が見えました。

城山発電所・変圧器
地上設備の変圧器です。1号機から4号機まであります。
発電機と同じく日立製が2台、東芝製が2台です。
地下で発電した電気はエレベーターと同じ竪坑内に配線のケーブルでこちらへ導かれます。18,000Vを154,000Vに変圧して送電するそうです。

今日は概要説明の段階でエレベーターのトラブルが発生し地下発電所探検が危ぶまれたのですが無事復旧し見学をすることが出来ました。最後に受付へアンケートを提出し記念品を頂き帰路につきました。城山湖の周りや本沢ダムを見たかったのですが別の機会に是非歩いてみたいと思います。職員の皆様、引率案内と解り易い説明ありがとうございました。

城山発電所の地図です。

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其の100 三井用水取入所・沼本ダムを訪ねる2

 8月21日(水)晴れ、前回に続き再度三井用水取入所跡と沼本ダムを訪ねました。といっても全く同じコースではなく対岸の三ケ木(みかげ)からの探訪です。これも異常渇水のお蔭で実現しました。

城山ダム
今日の城山ダム・津久井湖です。平時の水際線がくっきり。

城山ダム・津久井湖
同津久井発電所の取水塔。黄色線が標高124m、青色線が120mを表示しています。
8月21日の水位を「かながわの水がめ」で調べてみました。
-13.64m=標高110.36m 貯水率59%
流入量:26.98㎥/秒 流出量:23.41㎥/秒

8月12日に太井隧道・城山隧道を訪ねた前日(11日)よりさらに1.31m水位が低下しています。

道志川右岸崖道
さて探訪開始です。R412三ケ木の信号の先サークルKの交差点を右折します。バス停野尻近くで左折し湖岸へ下る道に入ります。このような崖道で車は無理です。バイクは可。

道志川右岸崖道
急斜面の崖道からこんな道に出て来ました。釣り人が切り開いたのでしょうか。細長いヤツを踏まない様に注意。こんな道ではマムちゃんに飛びつかれるのが一番の恐怖です。

沼本ダム・相模川と道志川合流点
その先、沼本ダムと道志川合流点。こんなに水が減るとは・・・。
比較するために平時の写真です。↓沼本ダムと津久井湖。

沼本ダムと津久井湖
この写真は去年1月に撮りました。撮影地点は偶然ですがほぼ同じ場所です。沼本ダムは水没しています。

道志川右岸崖・相模原市緑区三ケ木
道志川を背に道志川右岸崖を望む。今この崖を下って来ました。私は今津久井湖の湖底に立っています。
平時の水際跡がはっきり残っています。

道志川の流れ・河口付近
相模川に合流直前の道志川。水位低下で道志川の流れが復活しました。この川縁に立っているのが不思議です。
冒頭で引用した流入量:26.98㎥/秒の流れ? 

横浜水道三井用水取入所
横浜水道三井(みい)用水取入所跡全景。黄色の矢印の辺りが沈澄池で「三井用水取入口跡」の看板が立っています。
釣り人が一人、かなりの大物を釣り上げていました。
鮭はまさかいないだろうからニジマスかな?それとも外来魚かな? 一番手前が道志川です。

三井用水取入口看板クリックで拡大します。
「三井用水取入口跡」の看板。

横浜水道三井用水取入所跡
横浜水道三井用水取入所跡。

横浜水道三井用水取入所跡・沈澄池付近
横浜水道三井用水取入所跡・沈澄池付近です。
「三井用水取入口跡」の看板が見えます。

津久井湖城山ダム方向を望む
道志川合流地点河原から見た津久井湖の城山ダム方向です。前回も載せましたが中央が管理人が推測した巨岩「鳶の巣」を利用した相模橋の橋台と思われます。

鳶の巣
「鳶の巣」(とんびのす)のアップです。人の手が加わっており相模橋の橋台だと思うのですが・・・。

相模橋について「横浜水道百年の歩み」から以下引用します。
新路線は道志川・相模川合流点付近で終わるが、その地点には三ケ木村の「仏の座」と称する巨岩が対岸の相模川左岸の三沢村地内「鳶の巣」と称する巨岩と相対し、その川幅は約50mで、昔から洪水にたえて基礎強固な天然橋台の位置と形を揃えていた。そこで、この岩石を基礎として橋台を築き、次のような直立、端柱の「プラット」式構桁鉄橋(相模橋)を架設した。(中略)この橋には、人道部分を設けて一般の通行に供したため、地元の人々は相模川の横断が容易になった。

津久井郷土資料室のHPで相模橋の写真を見つけました。
詳しい解説文つきの珍しい写真です。是非ご覧ください。
右岸「仏の座」も写っています。
トップページ→「写真はがき」をクリック→「三ケ木水道橋付近の絶景」をクリック。

沼本ダム
沼本ダム全景。5門のゲートはすべて閉じています。
津久井湖への放流はゼロです。貯めた水は全量津久井分水池へ送っています。手前は合流寸前の道志川。
遠くに旧県道515号線の白いガードレールが見えます。

沼本ダム
参考までにこれも去年1月に撮った写真です。ゲートはすべて上がっています。これが平時の沼本ダムです。

沼本ダム
旧県道515号線から沼本ダムを望む。今年1月撮影。
「其の62相模ダムから名手橋へ」(2013/1投稿)で投稿した写真の再掲です。
左岸の取水施設は津久井導水路(隧道)の起点で津久井分水池と繋がっています。
津久井導水路の概要です。
着工年月 昭和15年11月
完成年月 昭和18年12月
長さ    約6.3km
幅と高さ 幅・高さとも6.0mの馬蹄型
工法   山岳工法
送水量  最大で毎秒約53立方メートル
送水方法 自然流下

出典:神奈川県企業庁HP相模川水系ダム管理事務所
doushigawa調べ。

沼本ダムの概要です。
型式 重力式コンクリートダム
高さ 34.5m
長さ 126.0m
完成年月日 昭和18年(1943)12月31日
貯水池・調整池 沼本調整池
総貯水容量 233万㎥
沼本ダムから取水された水は、津久井分水池で、県営水道、横浜市、川崎市の水道用水などに分水された後、津久井発電所2号機を通して、下流で取水する水道事業者の水道用水や下流の河川維持流量などとして放流されています。

出典:神奈川県営電気事業より

沼本ダムより上流は上記の通り沼本調整池と言います。
相模ダムの放流水(県営相模発電所放流水)を貯めています。
沼本調整池・弁天橋付近
上流の弁天橋より見た沼本調整池。(今年1月撮影)

今回は通常ではありえない道志川河口の川縁に立ち三井用水取入所跡、相模橋橋台跡、沼本ダムの(水没していない)雄姿を見ることが出来ました。
大変貴重な体験をしました。
このチャンスを逃したら数年は見れないと思います。

今回の探訪記の参考文献は本文に記載の通りです。

R412、R413三ケ木交差点信号付近の地図です。

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其の99 三井用水取入所・沼本ダムを訪ねる

 8月15日(木)晴れ、横浜水道三井用水取入所跡を訪ねました。前回訪ねた太井隧道と同じで異常渇水の時しか見ることが出来ません。管理人のような横浜水道みちファン垂涎の的で必見の施設跡です。このところ好天続きで雨の気配がまったくありません。しかし急に台風がやってきて大雨が降るかも。
そうなると数年はチャンスが巡ってこないかも知れません。猛暑も何のその、いつものように気楽にぶらっと一人で行って来また。

同所には今回が3度目の探訪となります。1回目は去年2月、2回目は今年1月に行きました。いずれも冬場です。津久井湖は平時の水位で沈澄池までは見ることが出来ました。それより下にあった取水施設の遺構は水没で見ることは出来ませんでした。その様子は
1回目「其の14三井用水取入所を訪ねる」(2012/4/27投稿)
2回目「其の62相模ダムから名手橋へ」(2013/1/8投稿)
で発表しましたので参照願います。

旧県道515号線・相模原市緑区三井
落石の危険がある車両通行止め区間の県道515号線です。地図には県道の表示がありません。旧県道515号線です。津久井又野公園へ駐車。名手橋を渡り、通行禁止区間の侵入防止柵を過ぎここまで歩いて来ました。冬場と違って草木が生い茂っています。最近は降雨がなく落石の危険はありません。ただ細長いヤツが心配です。

青大将・旧県道515号線にてクリックで拡大します。
などと思っていたら道端でさっそく見てしまいました。ロープではありません。苦手な人はクリックしないで下さい。頭隠して尻(尻尾)も隠しています。人の足音を聞いたら逃げてほしいのですが・・・。踏んづけなくて良かったです。

三井用水取入口跡案内看板
三井用水取入口跡案内看板。ここから湖岸へ下ります。

三井用水取入所進入通路
三井用水取入所進入通路です。途中倒木あり、そこが難所です。倒木は去年2月に訪ねた時と変わっていません。

立入禁止警告看板クリックで拡大します。
途中あった立入禁止の警告看板。

横浜水道三井用水取入れ所跡
通路を一番下まで下りてきました。そこが三井用水取入所沈澄池です。沈澄池については過去記事で詳しく触れていますのでここでは省略します。(この写真は今年1月撮影です)。

階段下の説明看板を再掲します。
横浜水道三井用水取入れ所跡説明看板クリックで拡大します
ここは、明治20年に完成したわが国で初の近代水道である横浜水道創設時の取入れ所跡です。建設時は道志川と相模川の合流する地点に2個の突堤で小湾口を設け、一日最大5,720㎥の水を鉄管2条で抽水井に導き、そこからポンプで沈澄池に揚水していました。沈澄池からは、隧道と導水管により自然流下で約44km離れた横浜市内の野毛山浄水場に送水していたもので、明治30年には道志川の青山に移されたことにより廃止されました。またこの取入れ所跡は、昭和60年5月に日本の近代水道発祥の史跡として「近代水道百選」に選定されました。 (説明看板より)

三井用水取入所沈澄池より道志川河口を望む
三井用水取入所沈澄池より道志川河口を望む。いつもは津久井湖の一部になっていて河口がどこか判別がつきません。

沈澄池下の広場と石垣
異常渇水で姿を現した広場と石垣。沈澄池下から見た上流。この広場に建物や施設が建っていました。

創設当時の三井用水取入所
創設当時の三井用水取入所。階段下の説明看板より。

用水取入所之図クリックで拡大します。
用水取入所之図。「横浜水道百年の歩み」より。

三井用水取入所跡
三井用水取入所跡。異常渇水により湖底から姿を見せました。バックは沼本ダム。

三井用水取入所跡
位置から上の創設時の三井用水取入所写真の煙突のある建物付近と思われます。

三井用水取入所跡
レンガ造り残骸。

三井用水取入所跡
中央の円柱形は抽水井と思われます。

三井用水取入所跡
沼本ダムを背に三井用水取入所跡を望む。

沼本ダム
沼本ダムの雄姿。こんなに間近で見るのは初めてです。表面のコンクリートの色に注目。白色部分は水没していた証拠です。沼本ダムと言えば「いつも水没しているダム」のイメージがあります。

沼本ダム
形式:重力式コンクリートダム
高さ:34.5m
長さ:126m
完成年月日:昭和18年12月31日
貯水池・調整池:沼本調整池
総貯水容量:233万㎥
「神奈川県営電気事業」パンフより


これでいつもは見れない三井用水取入所跡と沼本ダムを見ました。こんなチャンスにもう一つ是非見ておきたいものがあります。
三井用水取入所より津久井湖城山ダム方向を望む
これは沈澄池下の湖岸水際から城山ダム方向を見たところです。右側から山がせりだし湖が狭くなっています。

鳶の巣
左岸側をズームアップしました。橋台のような岩があります。巨大な岩石「鳶の巣」(とんびのす)を生かした橋台です。
管理人の推測ですが相模橋の橋台で間違いないと思います。右岸側には「仏の座」という橋台があるはずです。死角で見えず。相模橋は明治30年三井用水取入所から道志川沿い青山に取水所が変更され、青山→三ケ木→相模橋→三井創設路線に接続るために相模川に架けられました。以降大正4年に城山隧道、鮑子取水口、青山沈澱池などが完成するまでこのルートで野毛山浄水場へ送水されました。当初は18吋管(460mm)、後に複管工事により22吋管(560mm)の2条の導水管が三ケ木から相模川を相模橋で渡りました。

「横浜水道百年の歩み」には
川幅は約50m、プラット式構桁鉄橋。人道部分を設けて一般の通行に供したため、地元の人々は相模川の横断が容易になった。との記述があります。

旧県道515号線・相模原市緑区三井
帰路、車両侵入防止柵まで戻って来ました。ここまで来ると一安心。今日は世の中俺一人しかいないのか!というくらい人と出会う事もなく静かな探索行でした。

名手橋
今日の名手橋。かながわの橋100選。

名手橋から見た津久井湖
名手橋から見た津久井湖。いつもはエメラルド色の美しい湖面です。やはり異常渇水です。

ゴマダラカミキリクリックで拡大します。
今日の生き物ゴマダラカミキリです。名手橋付近にて。旧県道515号線で今時珍しいイナゴを見つけました。撮影するもピン
ボケでした。残念。名手橋を渡れば5分ほどで津久井又野公園です。

今回の参考文献です。
・「横浜水道百年の歩み」横浜市水道局
・その他本文に記載の通りです。

津久井又野公園の地図です。

大きな地図で見る

其の98 太井隧道・城山隧道を訪ねる

 神奈川県を除く関東1都5県は渇水のため利根川水系8ダムの貯水率が58%にまで落ち込み、7月24日から10%の取水制限を行っています。住民には節水を訴えています。などと報じられていたのはごく最近のことです。
じゃ神奈川県はどうなっているの?と「かながわの水がめ」を覗いて見ました。
相模川水系の相模ダム、城山ダム、宮ヶ瀬ダムと酒匂川水系の三保ダムの貯水状況を知ることが出来ます。管理人が関心のある城山ダムについては次の通りです。
水位:-12.33m 貯水率:64%(8月11日現在)
ええっ!こんなに下がっているんだ~。基準水位が標高124mだから引き算をすると111.67mです。

城山ダム取水塔
すぐ城山ダムへ走りました。こんなに水位が下がった津久井湖を見るのは初めてです。これはR413城山大橋から見た津久井発電所の取水塔です。(8月12日撮影)。
近頃はいつ来ても青線より少し下の117mでした。直近の6月27日に訪ねた時もやはりそれぐらいでした。
今日はいつもより5m以上水位が下がっています。
(ちなみに黄色線は標高124m、青色線は120mを示す)。

横浜水道・太井隧道
千載一遇のチャンス!太井隧道の上から下まで全景が見られるかもしれません。善は急げ。その足で早速見に行きました。
花の苑地第2駐車場から歩きました。R413沿いの大蔵寺参道から湖岸へ下りる道に入りボート乗り場から湖岸へ出ました。右側の石垣はいつもは水中です。太井隧道が見えます。

横浜水道・太井隧道上口
横浜水道の遺構・太井隧道上口(上流側入口)の全景です。
普段は四分の三が水没していて上部の横線が見えるか見えないかの水際です。ピラスターに挟まれた上部中央部が壊されています。かってここに太井隧道の銘板がはめ込んでありました。

太井隧道銘板・西谷水道記念館
右書きで「太井隧道」の銘板。今は横浜水道西谷浄水場・水道記念館にモニュメントとして飾ってあります。
(平成24年5月19日見学時に撮影)。

横浜水道・太井隧道上口
参考までにこれは去年(平成24年2月)に撮った太井隧道上口の写真です。今日は夢のような状態であることが分かります。

横浜水道・太井隧道上口
横浜水道・太井隧道上口内部
今日の隧道入口と内部の様子。太井隧道は管路隧道で完成時、ドイツマンネスマン社製42吋鍛接鋼管が敷設されました。

太井隧道:津久井郡津久井町地内城山の北麓を貫通する隧道でその延長は50間(91m)。明治44年4月完成。
横浜市水道局「横浜水道百年の歩み」より抜粋


津久井湖・太井隧道付近
太井隧道上口付近より津久井湖を望む。

津久井湖湖岸・太井隧道付近
太井隧道上口付近。足元を見るとひび割れが。
通常ここは湖底です。

横浜水道・太井隧道下口
折角の機会なので崖伝いに太井隧道下口(下流側入口)を見に行きました。記念すべき珍しい写真が撮れました。
いつも上口の水没写真は撮れても下口の写真は撮れません。月の裏側を見るようなものです。
上口と同様、銘板が取り外してあります。

以下3枚の写真は「其の10城山ダムから・・」(2012/4投稿)
記事の再掲です。
城山ダム管理事務所の隣に津久井湖記念館があります。
そこに横浜市水道局から寄贈の下流側の銘板と在りし日の太井隧道下流側の写真が飾ってあります。
太井隧道下口銘板
太井隧道銘板説明パネル
太井隧道下口
太井隧道下口にはまだ銘板が付いています。
これ程の水位低下は異常渇水の時しかありません。
昭和57年は城山ダムの水門の修理のため水位を下げたと聞いたことがあります。

横浜水道第1接合井と太井隧道上口
太井隧道の215.4m上流に城山隧道下口があります。位置は画面左下隅です。右側フェンスで囲われた施設が第1接合井でどちらも現役の施設です。
奥正面に太井隧道の遺構が見えます。
太井隧道は城山ダム完成により城山水管橋、中沢接合井と共に廃止となりました。
第1接合井より下流は城山水路隧道(1.9m馬蹄型、739m)で城山ダム右岸の第2接合井に繋がっています。

横浜水道・城山隧道下口
第1接合井の上流側にある横浜水道・城山隧道下口です。
向かって左側にドイツマンネスマン社製の42吋(Φ1050)鍛接鋼管、右側にΦ900鋼管が敷設してあります。

横浜水道・城山隧道下口銘板
横浜水道・城山隧道下口銘板のアップです。

横浜水道・城山隧道上口
横浜水道・城山隧道上口
この2枚の写真は青山沈澱池構外の城山隧道上口です。
(平成24年1月に青山沈澱池を訪ねた時に撮影)。

城山隧道上口銘板
城山隧道上口銘板のアップです。書体が違います。

横浜水道・城山隧道上口説明パネル
隧道の傍らに立っている説明パネルです。
城山ずい道
高さ2.80m×巾3.04m×延長4,358m
レンガ巻 馬蹄型 管路ずい道
道志川の水を横浜まで送るため大正3年(1914年)に設けられた管路ずい道で、当時わが国では2番目に長いトンネルでした。
内部には内径900mmと1,050mmの管が布設されています。1,050mmの鍛接鋼管(ドイツマンネスマン社製)は、わが国で初めて使用されたもので、現在も水を送り続けています。(近代水道百選施設)

城山隧道説明パネルより


城山隧道の概要を記します。
断面形状 内法拱径間 3.03m 中央高さ2.42m
       馬蹄形
延長   4358.5m
その他  横穴2延長226.3m 竪穴延長26.7m
      第1横坑169.1m 第2横坑57.3m 
着工   明治44年(1911)2月27日
      上口、下口、第1第2の横坑4カ所から導坑
      の掘削を開始
完成   大正3年(1914)4月4日

横浜市水道局「横浜水道百年の歩み」より抜粋


城山ダム
城山ダムへ戻りました。展望台から見た城山ダム。
ダム堤体に導水管が添架されています。一番太いパイプが横浜水道道志川系Φ1350鋼管です。いわゆるパイプビーム型式の横浜水道・城山ダム水管橋です。
前述の第2接合井は右岸に小さく見えます。

横浜水道・道志川系第3接合井
城山ダム左岸の第3接合井。Φ1350鋼管が繋がっています。
これより下流側はR413の下を200m程進んだところで既設の久保沢隧道に接続されています。
今年6月27日にここを訪ねた時は久保沢隧道耐震補強工事の真っ最中で工事用の塀で囲われていました。今はそれも終わり本格通水しているようです。お終いに第3接合井フェンスに「横浜市水道局城山水管橋」の銘板を見つけましたので掲載します。制作年月:昭和39年3月とあります。
横浜市水道局城山ダム水管橋銘板クリックで拡大します。

今回の探訪記の参考文献等です。
・「横浜水道百年の歩み」横浜市水道局
・横浜市水道局HP

花の苑地第1第2駐車場付近の地図です。

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其の97 引地川の石川堰を訪ねる

 8月7日(水)晴れ、藤沢市内を流れる引地川に設置の石川堰を訪ねました。そこから始まる用水路の探索にも行って来ました。

小田急江ノ島線六会日大前駅
小田急江ノ島線六会日大前駅です。ここから目的地へウォーキングです。時刻は11時過ぎ、お天気はこんな感じです。
駅前から日大沿いに西進し、天神3丁目の信号で横須賀水道みちへ入ります。

横須賀水道みち・藤沢市亀井野
その先の横須賀水道みち。引地川左岸崖上の切通しです。
左側斜面、木の根元に海の杭(海軍境界杭・波入り)が見えます。去年(平成24年)11月に横須賀水道みち探索でここを通りました。「其の54横須賀水道みち12・・・」
(2012/11投稿)

海の杭(海軍境界杭・波入り)
上記の海の杭(海軍境界杭・波入り)です。横須賀水道は元々、帝国海軍横須賀鎮守府により軍港水道として建設されました。増加の一途だった艦船給水、工廠用水に対応するためでした。区間は愛川町半原から横須賀市逸見(へみ)浄水場までの53km。大正10年3月完成。
海の杭(海軍境界杭・波入り)は帝国海軍用地の証です。  
横須賀水道みちを歩くとよく見かけます。付近にもう1本立っていました。逗子市で地中から引き抜かれた杭を見たことがあります。寸法は20cm角、全高は99cmあります。

横須賀水道引地川水管橋
切通しを下ったところが引地川です。横須賀水道引地川水管橋です。有馬系Φ1000と半原系Φ500の2条の鋼管でアーチ形が美しいパイプビーム形式の水管橋です。去年11月に通った時は水管橋の影が全て水に映ることはありませんでした。

藤沢市円行・石川堰
水管橋の下流の様子です。去年11月に撮りました。
今日のように水深はなくさらさらと流れています。護岸に堰の跡があり、水が長期間溜まった跡があります。近くには取水口もあり対岸には魚道まであります。農業用水の取水施設と見ました。どんな方法で川の水を堰き止めるのか興味を持ちました。
農繁期に探訪すればわかることです。まあそんなわけで猛暑の中今日訪ねた次第です。

石川堰取水口
引地川右岸から見た同地点の今日の様子。3mくらい水位が上がっています。取水口も写っています。堰の脇の平屋建物は操作室。

藤沢市円行の石川堰・ゴム引き布製起伏堰
東山田橋より石川堰を望む。これが石川堰です!
ここは藤沢市円行です。

引地川・石川堰(ゴム引き布製起伏堰)
引地川左岸から見た石川堰。堰は円柱状で厚みがあります。
両岸から堰下のアユを狙って釣り人が長い竿を振っていました。引っかけ釣りみたいです。

石川堰(ゴム引き布製起伏堰)と魚道
右岸側の魚道です。堰本体はゴム風船みたいです。

石川堰左岸(ゴム引き布製起伏堰)
引地川左岸の石川堰取付け部アップ。

引地川左岸・石川堰取水口と操作室
左岸の取水口(奥の水色)と操作室(手前の平屋)。
操作室には堰の中へ空気を圧入するポンプなどの設備があると思われます。

石川堰を一見し、「なんだこりゃ!」が第一印象です。
こんな堰は初めて見ました。頭の良い人が発明したのでしょう。これは「ゴム引き布製起伏堰」という形式の堰です。ラバーダムとも言うそうです。

石川堰の概要を調べました。
・堰の沿革:旧石川堰は、昭和28年に鋼製起伏ゲートとして
 設置されて以来、補修を重ねながら50数年間にわたり農業
 用取水施設として利用されてきました。
 現在の石川堰は、引地川の河川改修に伴い改築となり、
 平成21年に完成したものです。
・堰の形式:ゴム引き布製起伏堰(ラバーダム)
 空気を圧入することにより堰を起伏させるものです。
・取水量:0.5㎥/秒を上限
・堰の高さ:3.3m
・堰の延長:22.39m
・完成年月:平成21年5月
・管理者:石川堰水利組合

(神奈川県HP:県藤沢土木事務所 doushigawa調べ)

なお操作室に掲げてあった石川堰銘板には
起伏時間:30分以内と書いてありました。
あっという間に堰が出来るわけです。驚きです。

石川堰の謎を解明しすっきりした管理人、この後ここを起点とする農業用水路の探索に向かいました。
石川堰用水路・東山田公園付近
流下する石川堰用水路。東山田公園付近。

石川堰用水路・自性院東
自性院(じしょういん)東を流下する石川堰用水路。

石川堰用水路・自性院南
自性院南付近の石川堰用水路。ここで初めて田んぼが出現しました。中には開花直前の稲もありました。愛川町の小沢で田植直後の田んぼを見たのが6月5日でした。稲の成長は早いです。

石川堰用水路・石川ポンプ場付近
石川ポンプ場を過ぎ、左手の丘の裾沿いに流下する石川堰用水路。用水路は丘と引地川に挟まれた地域の田んぼを潤しています。

横浜水道引地川水路橋
右手前方に横浜水道引地川水路橋が見えます。

「水路橋 どこからどこへ 行くのだろう」 doushigawa

横浜水道・横須賀水道共同施設の馬入川系統導水路線です。
寒川取水施設で取水した相模川の水を隧道で小雀浄水場へ送っています。引地川、境川は水路橋で横断しています。
昭和39年3月末完成。

横浜水道引地川水路橋・石川下河内信号付近
横浜水道引地川水路橋の下を潜り南側から撮りました。
石川下河内信号付近にて。

石川堰用水路・石川下河内信号南
石川下河内信号を過ぎ民家前を流れる石川堰用水路。
水路幅が狭くなりました。

ひまわり
その付近の道沿いに咲いていたひまわりです。

石川堰用水路・引地川親水公園東付近
引地川親水公園東付近の石川堰用水路。農作業中の人と話をしました。この辺りが石川堰用水路の終点だそうです。
地図を見るとここは藤沢市大庭とあります。円行の石川堰から石川、大庭とここまでの距離は約2.3kmでした。

石川堰用水路南端の田んぼ・引地川親水公園東
引地川親水公園から見た石川堰用水路終点付近の田んぼ。

引地川親水公園左岸フラップゲート
大庭鷹匠橋下流、引地川左岸のフラップゲートを見つけました。石川堰用水路の余水と排水の放流口でしょうか?
引地川で取水して田んぼを潤した後再び引地川へ戻しています。面白いですね~。途中、自性院前でも排水門があり引地川へ放流していました。

今回は珍しいゴム引き布製起伏堰(ラバーダム)を見学しました。
引地川水路橋も初めて見ました。海の杭(海軍境界杭・波入り)や引地川水管橋にも再会し嬉しく楽しいウォーキングになりました。

今回の参考文献等です。
・「水の旅横須賀水道100年史」横須賀市上下水道局
・「横浜水道百年の歩み」横浜市水道局
・神奈川県HP

今日のスタート小田急江ノ島線六会日大前駅の地図です。

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其の96 相模取水施設を訪ねる・相模大堰編

 前回の続きです。7月27日(土)晴れ、「みずきフェスタ2013」に行って来ました。会場は神奈川県内広域水道企業団(以下企業団と言う)社家取水管理事務所です。

神奈川県内広域水道企業団・相模大堰
企業団相模取水施設のメイン相模大堰です。
相模川河口から12km上流に位置し、相模川を堰き止め、左岸取水口から621,000㎥/日の原水を取水しています。
堰の延長は495m。平成10年7月供用開始。

神奈川県内広域水道企業団・川表ゲート
ビオトープ見学を終え、今日の見学ポイントの一つ魚道の見学に向かいました。これは相模川左岸堤防下の川表ゲートです。堤防の向こう側に川裏ゲートがあります。取水口の次にある施設で、取水渠の途中にあります。相模川が洪水の時は当然締め切られます。

相模大堰取水口
管理橋から見た取水口です。こういった写真は今日しか撮れません。取水口は幅4.5m×4門です。
取水量は相模川堤防上の水利使用標識に記載してあります。
毎秒7.190㎥とありました。621,000㎥/日です。横須賀水道有馬浄水場の取水口も兼ねているので合わせて毎秒8.106㎥、日量約700,000㎥になります。凄いですね~。

神奈川県内広域水道企業団・相模大堰取水口
これは4月に訪ねた時に撮った写真です。取水口を上流側から見たところです。ゴミ除けブイの左が取水口です。手前の取水口はこれから見学する魚道関連施設の呼び水水路の取入れ口です。勢い良く流れ込んでいます。

相模大堰右岸側魚道
取水口付近から見た魚道。左が副魚道、右が主魚道。

相模大堰魚道
これは下流側から見た魚道です。管理橋から撮りました。
外周が副魚道、中央の二本が主魚道です。どちらもコの字型で折り返しています。
普段は入れないフェンスが開放されています。中へ入り階段(写真の赤丸)を下り地下にある魚道観察窓へ向かいました。
写真右側の矢印が副魚道、写真左側の矢印が主魚道の観察窓がある位置です。

相模大堰左岸魚道
魚道の下流側です。相模大堰管理橋から撮影。
左端が副魚道、その右側と右端が主魚道。主魚道に挟まれたデルタ形が呼び水の出口です。呼び水が一番勢いがあるように見えます。取水口から地下の水路を通ってここで噴き出しています。呼び水水路の役割は、アユは川岸に沿って流れに向かって遡上する習性があることから、呼び水水路から水を流すことでアユを魚道に誘う働きをしているそうです。

相模大堰・左岸副魚道観察窓
副魚道観察窓です。水族館のように分厚いアクリル製の板が窓にはめ込んであります。流れが緩やかで小魚が数匹遊んでいました。魚は左から右へ遡上します。

相模大堰・左岸主魚道観察窓
こちらは主魚道観察窓です。アユの遡上の様子を見ました。水量が多く勢いがあり迫力満点です。右から左へ遡上します。

魚道の説明パネルがありましたので以下に記します。
相模大堰は、学識経験者の指導・助言に基づき魚が遡上や降河がしやすい新しいタイプの魚道を両岸に設置しています。相模川の代表的魚類の一つであるアユを対象とした主魚道とヨシノボリのような底生魚や遊泳力の小さな魚類を対象とした副魚道を設置すると共に、遡上魚を誘導するための呼び水水路を併設しています。
水道企業団は、相模大堰が地域に開かれた社会学習の場になるように考え、魚道に魚類の遡上と降河の状況が見られるように観察施設を設置しました。
神奈川県内広域水道企業団・社家取水管理事務所


相模大堰管理橋
相模大堰管理橋左岸側入口です。普段はここから先は立ち入り禁止です。今日は特別に対岸の厚木まで渡ることが出来ます。延長498mあります。橋脚の下流側に空きスペースがあります。道路橋を計画中とのことです。

相模大堰管理橋
相模大堰管理橋より相模川左岸を望む。道幅は3.5m。
上を横切るのはさがみ縦貫道です。
この管理橋通路下に導水管が添架されています。↓
相模大堰・伊勢原系導水管Φ1650
伊勢原系導水管Φ1650です。相模大堰で取水した原水は社家ポンプ場からこの導水管で相模川を渡り伊勢原へ送られます。
伊勢原浄水場地下の伊勢原接合井から酒匂川系導水トンネルに合流しています。そして相模川水路橋で再び相模川を渡り相模原ポンプ場、相模原浄水場、川崎の西長沢浄水場へ流れて行きます。くだくだと細かいことを書きました。以上の知識があると下の話↓は即理解が出来ます。

やまなみ五湖のブレンド水
これは企業団の「やまなみ五湖のブレンド水」です。
ビオトープ前の休憩所で係りの人が来場者に配っていました。冷やしてあったのでありがたく頂戴しました。
初めて見る飲み物です。それもそのはず、企業団のイベント用グッズで非売品のようです。帰宅して虫眼鏡で細かい文字を読むと採水地は何と私の地元、企業団相模原浄水場です。つい先だって訪ねたばかりです。

やまなみ五湖とは神奈川県北西部の人造湖で
1.相模湖(相模川本川) 2.津久井湖(相模川本川)3.奥相模湖(相模川支流の道志川) 4.宮ヶ瀬湖(相模川支流の中津川) 5.丹沢湖(酒匂川系)のことを指します。
5.の丹沢湖以外は相模大堰の上流にあります。
なるほどな~。これでブレンド水の意味が理解できました。といってもその成分の9割強は酒匂川系ですね。この伝でいけば伊勢原浄水場、西長沢浄水場で採水しても「やまなみ五湖のブレンド水」になります。

相模大堰管理橋
相模大堰管理橋中央部です。ガラス張りの建物はゲート操作室です。全部で8室ありあります。内1室は今日は特別開放され中を見学することが出来ました。巨大なワイヤーリール、モーター等の操作施設が左右に1基ずつ鎮座していました。

相模大堰・ゲート操作室
ゲート操作室の中です。今日見学するまでは「ゲート操作室」という名前すら知らなかったのですが勉強になりました。

相模大堰調整ゲート
左岸側の調整ゲートです。右岸側にも1門ありました。

相模大堰洪水吐ゲート
洪水吐ゲート。堰中央部に4門あります。右端にワイヤーが見えます。

相模大堰・右岸魚道
相模大堰・右岸魚道です。こちらは呼び水水路が中央を通っていて目視できます。左端が副魚道。

相模大堰・右岸魚道
同下流側です。中央が呼び水水路で急流です。

管理橋から見た景色です。
相模大堰管理橋より上流を望む
相模大堰管理橋より上流を望む。東名高速と海老名Jctが見えます。左隅はカワウの群れです。

相模大堰管理橋より下流を望む
相模大堰管理橋より下流を望む。中洲とその向こうに企業団相模川水管橋が見えます。中洲はコアジサシの繁殖のために人工的に土砂を積み上げ造られました。4月初めに飛来し9月には南半球へ帰るそうです。観察用の双眼鏡が用意してありましたが今日はあいにく観察できませんでした。餌獲りにでも出かけたのでしょうか。

相模大堰管理橋より相模川左岸を望む
相模大堰管理橋より相模川左岸を望む。
社家取水管理事務所の建物が見えます。

水源通行手形
帰りに受付へアンケートを記入し提出。企業団の詳しいパンフレットや記念品をいただきました。その内の一つ水源通行手形です。「山梨県道志村水源林間伐材謹製」。裏面に詳細は横浜市水道局HPでご案内中とあります。

前回及び今回の探訪記参考資料です。
・「かながわの広域水道」パンフ 神奈川県内広域水道企業団
・「社家取水管理事務所」パンフ 同上
・「社家ビオトープ」パンフ 同上
・「みずきフェスタ」当日案内書 同上

社家取水管理事務所の地図です。

大きな地図で見る


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