横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の91 相模川水路橋と相模原ポンプ場

 この6月、小沢頭首工幹線水路を歩いた時に相模川水路橋の下を潜りました。相模川右岸沿いを歩くことはそうそうありません。せっかくなので水路橋の南詰の様子を見に行きました。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
県道511号線から見た神奈川県内広域水道企業団の相模川水路橋です。右が相模川右岸の厚木市上依知、左が対岸の相模原市南区当麻です。

相模川水路橋
県道から200m程入ったところです。相模川右岸の崖から始まる相模川水路橋です。小田原の酒匂川取水施設で取水した原水はポンプで高台に揚水しそこから延々30kmを大口径の導水トンネルでここまで送られました。
それも自然流下で送水しています。凄いですね~。導水トンネルは内径3.8m馬蹄型または内径4.0m円型の二通りがあります。昭和49年4月供用開始。水路橋の上部を横切っているのは相模縦貫道です。


6月19日(水)晴れ、対岸の相模川水路橋北詰と隣接する相模原ポンプ場の探索に行って来ました。探索といってもただ表から眺めるだけです。何か新しい発見があれば良いのですが・・・。いつもそれが楽しみです。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
相模川左岸から見た相模川水路橋です。
かながわの橋100選に選定されています。

相模川水路橋の概要です。
幅3.4m×高さ3.8m、鋼製箱桁型 橋長 873.0m
供用開始=昭和49年4月

神奈川県内広域水道企業団HPより

相模川水路橋北詰・相模原市南区当麻
相模川を渡った相模川水路橋の北詰です。
左側は相模原ポンプ場の外周道です。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
外周道から見た相模川水路橋上流方向はこんな風になっています。右側に歩廊が設けてあります。

神奈川県内広域水道企業団・相模原ポンプ場
外周道から見た相模原ポンプ場。相模川を渡った原水はこの池(吸水池)に入りポンプでこの先の相模原浄水場へ送られます。さらに相模原浄水場内の虹吹分水池で分水され淵野辺接合井経由川崎の西長沢浄水場へ送られます。虹吹分水池で次のように分水されます。
相模原浄水場へ527,600㎥/日 
西長沢浄水場へ937,700㎥/日 

(神奈川県内広域水道企業団HP浄水場の処理能力より)

写真で池の左端に堰が見えました。原水を送り過ぎた時には堰を越流して相模川へ戻すような仕組みになっています。

このポンプ場の通水量は酒匂川系、相模川系を合わせて
1,465,300㎥/日(16.95㎥/秒)です。相模川系はその内の10%未満でほとんどが酒匂川系です。
(神奈川県内広域水道企業団HPを参考に推定)

参考までに同じ相模原市内にある下九沢分水池の通水量は横浜水道と川崎水道合わせて11.1㎥/秒です。なんとその1.53倍の通水量です。規模の大きさが分かります。

神奈川県内広域水道企業団・相模原ポンプ場
相模原ポンプ場正門です。この建物内にポンプが設置されていると思います。建物裏が吸水池です。
供用開始は昭和49年4月。

当麻谷原古墳について・案内看板クリックで拡大します。
正門前に掲げてあった「当麻谷原古墳について」の案内看板です。ポンプ場構内に古墳時代後期(7世紀後半)の古墳3基が整備保存されています。内1号墳は相模原市指定文化財です。

相模原市指定文化財・当麻谷原古墳(1号墳)
外周道東側から見た当麻谷原古墳(1号墳)。
吸水池左側、鉄塔の手前の墳丘が1号墳です。

相模原ポンプ場余水放流口
これは相模川左岸堤防下の相模原ポンプ場の余水放水路です。放水路出口は直径2、3mありそうです。

相模原ポンプ場余水放水路出口警告看板クリックで拡大します。
余水放水路出口の警告看板です。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
余水放水路出口とそこから見た相模川水路橋。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
相模川左岸堤防上を走る県道48号線から見た相模川水路橋です。

相模川水路橋
これは相模原ポンプ場外周道から見た相模川水路橋です。


自宅の近くにこんな大規模な水道施設あるとは驚きました。
灯台下暗し。今回歩き企業団のHPをあらためて眺めて勉強になりました。酒匂川から取水しその原水を酒匂川、相模川という神奈川県の二大河川の流域を越えて東京湾側の川崎市まで大量に送水しているその壮大さに感嘆しました。脱帽です。
ポンプ場の中の古墳保存は新しい発見でした。車社会の中で普段は気が付かないことも歩けば新たな発見があります。
神奈川県内広域水道企業団酒匂川系、相模川系は面白そうです。これからあちこち探索したいと思います。

今回の探訪記は神奈川県内広域水道企業団HPを参考にしました。

相模原ポンプ場の地図です。

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其の90 小沢頭首工幹線水路を歩く3・六倉から中依知へ

 前回からの続きです。六倉幹線水路(暗渠)の上と思われる道を歩きましたが工場に行く手を阻まれ、やむなく県道511号線を歩きました。探索したのは6月5日、8日の二日間です。終点の中依知からその先の下依知排水路まで行って来ました。

県道511号線・厚木市上依知
県道511号線。このように歩道がありません。右側を通行しましたが大型トラック通過時はそれはそれは怖かったです。居眠りでもされたらガードレールに挟まれて一巻の終わりです。ここは厚木市上依知です。

六倉幹線水路暗渠出口
神奈川県内広域水道企業団の相模川水路橋の下を潜りその先で六倉幹線水路(暗渠)の出口を見つけました。上はさがみ縦貫道路。ここは厚木市上依知です。

六倉幹線水路暗渠出口
これは暗渠出口から下流側を見たところです。

鬼ケ谷水門
その下流鬼ケ谷水門です。R129沿いにあります。
上流を見たところです。右側の青色の施設は自動開閉式ゲートです。銘板にはウォッチマンとありました。自動的に水位の調節をするようです。このような自動式ゲートを見るのは初めてです。土砂吐、余水吐の働きもしている思います。
概要書を見ると小沢頭首工からここまでの延長は4141mとなっています。

鬼ケ谷水門
下流方向を見たところです。手前のトンネルは上依知排水路でR129を潜り小河川経由相模川へ排水されます。右奥が本流で上依知隧道(延長618m)の入口になります。

上依知隧道出口
上依知隧道の出口です。昭和橋下流右岸堤防を下りたところで見つけました。ここからは6月8日に探索した時に撮った写真を使用します。ここは厚木市上依知入之藪です。ここから厚木市入之藪土地改良区の地域になります。

上依知隧道出口付近分水
隧道出口付近下流で分水していました。左側が本流。分水の仕方が色々あって面白いですね~。この下流からしばらく暗渠水路になります。

小沢頭首工幹線水路・上依知
暗渠水路で分水し南進する支線用水路。と思ったのですがこれが本流でした。後で合流するので分かります。水路の中が二つに仕切られています。

小沢頭首工幹線用水路支線・上依知
南下する支線用水路。支線とは言え水路幅は約1mあります。上依知から下流は一面広大な水田地帯になります。

熊野神社・厚木市猿ケ島
田んぼの中の森、熊野神社です。田んぼに浮かぶ島のようです。

厚木市猿ケ島・山際
厚木市猿ケ島・山際付近の景色です。一週間ぐらい前から田植えが始まり、どの田んぼももう終わったようです。横切っているのは相模縦貫道路。

小沢頭首工幹線水路・厚木市山際
上依知で分水した幹線水路と支線が再び合流します。
ここは厚木市山際と猿ケ島の境界付近です。支線の上流に熊野神社の森が見えます。

小沢頭首工幹線水路・山際川
その下流、山際川に架かる小平橋手前まで来ました。
小沢頭首工幹線水路はここで姿を消します。写真の白い水路フタの奥グレーチング点検フタの下が桝でその中にごうごうたる水音とともに吸い込まれていきます。この桝は伏越(サイフォン)の呑口桝です。道路と写真左奥の田んぼの下を潜ってその奥にある西部用水(相模川右岸幹線用水路)の伏越施設構内吐口桝に繋がっています。

西部用水伏越施設
西部用水の伏越施設構内です。手前のコンクリートが小沢頭首工幹線水路伏越吐口桝。写真奥の赤色の機械は除塵機です。除塵機のこちら側に山際川を潜る伏越呑口桝があります。

小沢頭首工幹線水路山際川伏越吐口桝
道路と田んぼを潜った小沢頭首工幹線水路伏越の吐口桝。左から入って右へ流れています。行先は西部用水の伏越呑口桝です。

つまり簡単に言うと西部用水の山際川を潜る伏越に相乗りして山際川を渡るという事です。

西部用水山際川伏越・除塵機
西部用水(相模川右岸幹線用水路)の除塵機です。
排水門、余水吐(溢流堰)などが見えます。流量は5㎥/秒。磯部頭首工から取水しています。
西部用水探索探訪記は「其の20相模川伏越を訪ねる」以下「其の21、24~29」で発表しました。(2012/6、2012/7投稿)。

山際川・小平橋より
小平橋から山際川下流を望む。伏越でこの川底を横断します。左岸に四角い余水吐排水口が見えます。

山際川伏越・吐口桝
小平橋を渡って見つけた伏越吐口桝。鉄板のフタがしてあります。耳を近づけると5㎥/秒プラスαで吹き上がる水音が聞こえました。正面奥に赤い除塵機が見えます。これより下流は暗渠水路になります。

西部用水暗渠出口・御嶽神社東
その先御嶽神社東の西部用水暗渠出口です。
相乗りした小沢頭首工幹線水路は右側の分水門で分かれ自前の水路に戻ります。ここで逆に西部用水が小沢頭首工幹線水路に相乗りします。その分も合わせて分水しているはずです。(以下最後まで読むと分かります。)

小沢頭首工幹線水路・厚木市関口
その下流の暗渠水路。上流を見たところです。
去年6月に初めてここを探索した時は小沢頭首工幹線水路の存在は知る由もなく、この用水路は西部用水の支線とばかり思い込んでいました。
管理人は西部用水(神奈川県相模川西部土地改良区)の「管内図」を所持していますがそれによるとこの辺りは管内に含まれていません。飛び地のようにここよりずっと下流の下依知地区が赤い線で囲ってあります。
どのようにして飛び地に水を配っているのでしょう。この水路しかないと思います。従って相乗りと言いました。この度の探索で謎がだんだんと解明されてきました。

小沢頭首工幹線水路・厚木市関口
分水して田んぼへ向かう支線用水路。厚木市関口。

小沢頭首工幹線水路・厚木市関口
流下する小沢頭首工幹線水路。水路幅は約1m。
上流方向を望む。相模縦貫道や県道42号線が見えます。
ここは厚木市関口です。

小沢頭首工幹線水路・厚木市中依知
中依知の圏央厚木IC付近で分水桝を見つけました。
角落とし堰で水位を上げて分水しています。
方向は田んぼとは逆方向画面右へ向かっています。

小沢頭首工幹線水路・(西部用水)
IC用地内へ入って行きます。小沢頭首工幹線水路は中依知が終点です。管理人の推測通りならこの分水桝より下流は西部用水の支線用水路という事になります。この流末が下依知の田んぼを潤すはずです。

小沢頭首工幹線水路の終点・厚木市中依知
こちらは分水後の小沢頭首工幹線水路の下流です。
正面が県央厚木ICで、台地手前が中依知地区の田んぼの南端です。右側の田んぼへ配水を終えた小沢頭首工幹線水路の余水は正面のIC敷地沿いに西進し北から南に流れる深い排水路へ放流されています。

中依知地区の田んぼ
その先の県央厚木ICの南まで歩いてみました。
下依知地区の田んぼです。と思ったのですが経路図をよく確認したらIC南の中依知地区南端の田んぼでした。IC北側が南端と思ったのですが、中依知地区の田んぼはICにより分断されていたわけです。画面左奥が県央厚木IC。

西部用水支線用水路・県央厚木IC付近
IC用地内へ入った西部用水支線と思われる用水路が田んぼの北側へ出て来ました。田んぼの東側を流下し中依知地区南端の田んぼへ配水していました。

小沢頭首工幹線水路流末・厚木市下依知
小沢頭首工幹線水路の余水、排水はIC北側で深い排水路に放流されました。その流末です。道路下を潜り青色の水門(樋門)を通って相模川へ戻っていきます。
写真左、錆色の鉄板でフタがしてあるのがIC南側田んぼに水を配り終えた小沢頭首工幹線水路の終点です。
写真のように水路橋で排水路を渡りここより下流の下依知の田んぼへ流れて行きます。ここから西部用水下依知支線用水路なります。タイミングよく軽トラに乗って水路のゴミを取り除きに来た人に出遭いました。
「この用水路の水はどこから来ていますか?」「磯部頭首工からです」というわけで私の推測通りでした。


延長10km余の小沢頭首工幹線水路を歩きました。
小沢頭首工見学を含めて延べ三日かけての探索でした。山際川伏越など一部を除き全て未知の世界で数々の施設を見学でき楽しく面白い旅でした。大満足です。
篠﨑理事長はじめ事務局の方には大変お世話になりました。ありがとうございました。
御嶽神社東の分水門での分水量の取り決めはどのようになっているのか興味があります。神奈川県「水土里ネットかながわ」という共通項があるので上手く協調しているのでしょう。

今回の探索探訪記は次の資料を参考にしました。
・「頭首工・幹線用水路等の概要」
 小沢頭首工土地改良区連合
・「用排水系統図」
 小沢頭首工土地改良区連合
・「管内図」神奈川県相模川西部土地改良区

今回のスタート地点、六倉幹線水路(暗渠)入口付近の地図です。

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其の89 小沢頭首工幹線水路を歩く2・小沢から六倉へ

 6月5日(水)晴れ、前回見学した小沢頭首工から始まる小沢頭首工幹線水路の探索に行って来ました。

県道54号線小沢バス停
神奈中バス半原行に乗車、高田橋を渡り愛川町に入ります。
高田橋際のバス停小沢(こさわ)下車。

小沢隧道出口
小沢バス停の南へ回り込みあっさり見つけました。
小沢頭首工取水門から地下を潜ってきた小沢隧道の出口です。隧道の延長は631.40mあります。
地図を見ると小沢という小河川が高田橋下流で相模川に注いでいます。小沢と小沢隧道は立体交差をしています。交差の仕方に興味があったのですが小沢の下を隧道が潜っているようです。撮影地点から下流は暗渠水路です。暗渠フタの上から撮りました。

アーチ型の橋・小沢隧道出口付近
水路はこのようにフタがされています。
小沢隧道付近で見たアーチ形の橋。歴史を感じさせる年代物の橋です。

小沢頭首工幹線水路
アーチ型橋の下流付近の暗渠水路。下流方向を望む。

土地改良基幹施設整備事業完成記念碑
その先小沢大堀北バス停付近の完成記念碑。
記念碑正面に土地改良基幹施設整備事業完成記念碑と刻んであります。この記念碑を挟む上下流の水路暗渠化(平成15年完成)を記念して建てられました。

遊歩道化された小沢頭首工幹線水路
記念碑の下流側です。左側フェンスとサツキの植栽の間が遊歩道化用水路。所々に点検口が設けてあります。地元の方のお話では昔は水路沿いは桜並木だったそうです。今はクリスマスの頃には左側のフェンスにイルミネーションが点灯され、見物に訪れる人が多いそうです。
右や前方に連なる森は相模川右岸の崖です。崖上は中津台地です。小沢頭首工幹線水路は中津台地と相模川に挟まれた地域を流下します。

小沢頭首工幹線水路(小沢幹線水路)
約300m続いた遊歩道・用水路が終わり、開渠水路に変わります。水門があり用水路らしくなってきました。
経路図を見るとこの辺りは「小沢幹線水路」とあります。地区ごとに固有の名前を付けているようです。

ゴミ注意看板・小沢幹線水路
ゴミ禁止警告看板・小沢幹線水路
ゴミ捨て禁止と危険警告看板。要所要所に掲げてあります。
理事長さんのお話ではゴミ投棄と子供の危険防止対策が一番の悩みだそうです。

どこの土地改良区も共通の悩みのようです。去年西部用水(相模川右岸幹線用水路)と昭和用水を歩いた時に見たユニークな看板です。どちらも幽霊が登場します。
警告看板・西部用水小室隧道入口付近 不法投棄警告看板・昭和用水干無川河口付近←クリックで拡大します。
左は西部用水小室隧道付近の警告看板、右は昭和用水干無川河口付近の不法投棄警告看板。
小室隧道は「其の26玉川サイフォン・・」2012/7投稿。
昭和用水は「其の31昭和用水・・」2012/8に投稿しました。

田植えが終わった田んぼ・愛川町小沢
今日は6月5日、早くも田植えが終わった付近の田んぼ。愛川町小沢。

小沢幹線水路・愛川町小沢
その先、大塚下工業団地内を南東に流下する小沢幹線水路。この辺りでは水路幅およそ2m。1.8㎥/秒の流れです。昭和初めの通水時の頃は両岸一帯が田んぼだったと思われます。

小沢頭首工幹線水路・六倉隧道入口
その先で相模川右岸の崖が北にせり出しています。避けないで隧道で直進します。これは六倉隧道と言いその入口です。水路壁左側の開口は余水吐でしょうか?青色の水門の働きはどうなっているのでしょう。ゲートを下げると水位が上がって開口部から溢流して排水されるので流量調整用かも知れません。完全に閉めきることはあるのでしょうか?経路図を見ると大塚下排水路とあります。

大塚下排水路
相模川へ向かう大塚下排水路。管理人はその先へ向かうため県道511号線へ迂回しました。

小沢頭首工幹線水路・六倉隧道出口
県道511号線沿いのサークルK付近で出現した六倉隧道の出口。隧道の延長は309.00mです。右上の青色の施設はなんでしょう?分水用の水門かな?

六倉隧道出口
隧道の中を覗いてみました。出来立てのようで真っ新な感じです。概要書にはコンクリート巻立工幌型と書いてあります。右側下部に開口が見えます。

六倉隧道出口の水門
六倉隧道出口(画面右側)のすぐ下流で水路は直角に右折します。

六倉隧道出口の水門
水門に遮られ右に向きを変える本流。その流れは結構迫力があります。

六倉隧道出口の水門と支線水路
水門の背後に見える支線用水路。この水門は本流の制水と分水、二つの役割を果たしています。

小沢頭首工幹線水路・六倉幹線水路
六倉隧道より下流は六倉幹線水路と言います。隧道の下流5、60m先で暗渠水路になります。これはその入口です。

今日はこの先の依知神社付近まで歩きましたが今回はここまでとします。これより先は次回投稿いたします。

今回の探索探訪記は次の資料を参考にしました。
・「頭首工・幹線用水路等の概要」
 小沢頭首工土地改良区連合
・「用排水系統図」
 小沢頭首工土地改良区連合

今回のスタート地点高田橋付近の地図です。

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其の88 小沢頭首工幹線水路を歩く1・小沢頭首工を訪ねる

 5月31日(金)晴れ、幸運にも小沢頭首工を見学する機会を得、喜び勇んで行って来ました。
相模川中流域、高田橋の上流に小沢頭首工という農業用水の取水施設があります。
高田橋の河原は5月の泳げ鯉のぼりや夏の納涼花火大会、河原でバーベキューなど年間を通じて人々に親しまれているところです。その人たちはすぐ上流の小沢頭首工(こさわとうしゅこう)の取水堰も必ず目にしていると思います。しかし誰もが訳も分からずただ堰があるな~くらいの認識だと思います。管理人がそうでした。水道みちや用水路沿いを歩くようになって興味を持ち、いつか探索して見ようと考えていました。
私が言う探索とは水路の起点から終点まで辿って歩くことですから、それには経路図が必要です。5月29日に土地改良区へ厚顔にもお願いの手紙を投函しました。打てば響くように翌日夕方に「31日に理事長が小沢頭首工へ行く予定があるので都合がつけばいらっしゃい」と嬉しいメールを頂き当日を迎えたわけです。瓢箪から駒が出るとはこんなことをいうのでしょうか。
ラッキー!LUCKY!ですね~~。

前置きが長くなりましたが、連載中の畑かん西幹線用水路探索はひとまず脇に置いてその探訪記をどうぞご覧ください。

小沢頭首工
相模川左岸(相模原市中央区田名)から見た小沢頭首工。
位置は相模川河口より28.8km上流地点です。
取水堰、取水用水門、崖の中腹に操作室の建物が見えます。

高田橋
相模川右岸から見た高田橋。かながわの橋100選。
大正13年架橋時に相模川右岸の地名愛甲郡高峰村と左岸側の地名田名村の頭文字を取り「高田橋」と命名された
神奈川県設置の案内看板橋名の由来より

小沢頭首工
高田橋を渡り県道511号線沿いに右の崖下へ下りる道を探しながら歩きました。近づくにつれ堰を越えて大量に流れ落ちる水音ですぐわかりました。ここで理事長さんとご対面です。よろしくお願いします。今日は他地区の土地改良区の方々の見学会だそうで、私は飛び入りで同行という形になりました。ありがとうございます。
これは県道際から見た小沢頭首工です。手前のコンクリートは崖の中腹にある操作室の建物の屋根です。スピーカーが設置してあります。

小沢頭首工・取水堰
階段を下り操作室横から見た小沢頭首工取水堰。
その延長は225.5mあります。昭和42年3月完成。
手前から
1.赤いゲートはフラップゲートと言い土砂吐(どしゃばけ)用。
2.その奥が魚道。
3.その奥白く泡立っているのが洪水吐門てんとうゲートと言い4門あります。
てんとうゲートはゲートの底辺を軸にゲートを起こしたり寝かせたり角度を調節することで貯水量を調整しているとのことです。上流部の城山ダムが放流するとこちらにも影響が及ぶので密接に連携しているようです。
4.その奥がコンクリートの固定堰です。

小沢頭首工取水門
同じく操作室横から見た取水口の水門です。
水門の背後は水路隧道で相模川右岸沿いに下っています。隧道の名前は小沢隧道と言います。

小沢頭首工
階段を一番下まで下りました。凄まじい水音です。

小沢頭首工より下流を望む
下流を望む。魚道はジグザグになっています。
川を遡る鮎に配慮した造りになっています。

土砂吐フラップゲート
土砂吐用のフラップゲートです。ゲートの開閉は上の操作室で行います。隣の取水門近くは水深を深くしてあるそうですがどうしても土砂が溜まりやすく、このゲートを開けることで深いところに溜まった土砂を一気に排出出来るそうです。

小沢頭首工取水門
取水門です。鋼製電動式スライドゲートが2門。
取水量は1.8㎥/秒。慣行水利権は4.9㎥/秒。
当初250町歩の田んぼに配水していたのが相模縦貫道路工事などにより100町歩に減ったので今は水利権は余裕があります。

小沢頭首工
崖上を見上げたところです。この階段を下りてきました。
上の建物は操作室。

小沢頭首工旧取水門跡
階段上り口にある旧取水門跡です。水門巻き上げ機の軸穴が見えました。大正12年9月1日水門や水路隧道の工事中に関東大震災に遭ったそうです。その後昭和の初めに通水したそうです。現在の水門とレベルを比較すると見た目でも明らかに当時の方が高かったと分かります。

小沢頭首工水門銘板クリックで拡大します。
最後に操作室の中を見せてもらいました。
中には操作盤がありてんとうゲートやフラップゲートはボタン一つで操作可能になっていました。
写真は入口に掲げてあった小沢頭首工水門の銘板です。
門扉名 洪水吐門 てんとうゲート 22.5×1.35m 4門
     土砂吐門 フラップゲート 6.5×2.6m  1門
     取入水門 スライドゲート 2.5×1.7m  2門
昭和42年3月完成 

小沢頭首工水門銘板より

今回見学したこの施設は
愛甲郡相模川右岸土地改良区と厚木市入之藪土地改良区が連合を組んだ小沢頭首工土地改良区連合が管理運営しています。

今回ご案内いただいたのは愛甲郡相模川右岸土地改良区と小沢頭首工土地改良区連合の理事長を兼任されている篠﨑様です。大変お世話になりました。ありがとうございました。
改良区の事務所は厚木市関口830です。
厚木愛川地区土地改良区等合同事務所と言います。
(上記の右岸、入之藪、小沢頭首工連合の他に中津川左岸土地改良区の4改良区合同事務所)篠﨑様は合同事務所の所長も兼任されています。

小沢頭首工を起点とする用水路は小沢頭首工幹線水路といいます。
厚木市中依知まで相模川右岸沿い延長約10kmの用排水路です。篠崎様から2種類の経路図を頂きました。
一つは小沢頭首工土地改良区連合用排水系統図、もう一つは何と手作り経路図です。これから晴天の日を選んで探索したいと思います。

高田橋上流小沢頭首工付近の地図です。


其の87 谷ケ原浄水場を訪ねる

 6月2日(日)晴れ、神奈川県営水道谷ケ原浄水場の年一回の施設開放デーに行って来ました。毎年水道週間(6月1日~7日)期間中の日曜日に開催されています。私は去年に続いて2回目の訪問です。

谷ケ原浄水場施設開放デー
会場の様子です。水質実験、水道相談、アンケート、水道水の飲み較べコーナーなど職員さんが応対していました。

いんろう継手の鋳鉄製水道管
テント前に展示のいんろう継手の鋳鉄製水道管。
一見大砲の砲身かと思いました。昭和16年当時この浄水場の敷地内に敷設されていた水道管だそうです。バックの芝生の下にコンクリート製の浄水池(浄水した水を一時的に貯めておく池)があります。
↓説明パネルです。クリックで拡大します。
いんろう継手説明パネル

来場者は1グループ5、6人に分かれ、職員さんが浄水施設を案内してくれました。

谷ケ原浄水場・急速着水井
これは急速着水井です。場外から取り入れた原水は最初にここへ入ります。谷ケ原浄水場構内で一番標高の高いところに設置してあります。次の浄水工程に自然流下で送水するためだそうです。なるほどな~。こんなことは浄水場のHPを見ても書いてありません。

お隣の津久井分水池からポンプで汲み上げた原水は着水井の底から湧き上がっています。写真で上から注いでいる水は後ろの処理工程で固形分を分離した後の返送水です。
取水量2.09㎥/秒 日量18万㎥(水利権)


谷ケ原浄水場・緩速着水井
こちらはお隣の緩速着水井です。
相模川左岸崖下の第一取水ポンプ所で伏流水をポンプで汲み上げています。
取水量0.085㎥/秒 日量7,344㎥(水利権)

なお全国的に見ても緩速ろ過、急速ろ過を併用している浄水場は珍しいそうです。

谷ケ原浄水場第一取水ポンプ所
谷ケ原浄水場第一取水ポンプ場
谷ケ原浄水場第一取水ポンプ所です。
去年2月横浜水道みち探索中に前を通りました。
その時の写真です。津久井発電所の西にあります。
「其の8谷ケ原浄水場から・・」(2012/3投稿)

谷ケ原浄水場・緩速沈澱池
緩速沈澱池です。メンテのためでしょうか水が抜いてあります。構造が良く分かります。昭和17年の創設時は緩速ろ過方式を採っていたそうです。ゆっくりした速度で薬品を使わず微生物の働きで水をきれいにするそうです。

谷ケ原浄水場・緩速ろ過池
次の工程緩速ろ過池です。緩やかな速度でろ過砂についている微生物により水をきれいにします。

谷ケ原浄水場・フロック形成池
急速ろ過方式のフロック形成池。緩速方式と違って水をかきまぜたり、薬剤投入や、底に溜まったフロック(濁りのかたまり)をかき集める装置が付いています。

谷ケ原浄水場・横流沈澱池
フロック形成池に続く横流沈澱池の端末。
ここまで来るとすっかりきれいな水になっています。写真では分かりませんが透き通っているので水中のコンクリート壁が見通せるほどです。

谷ケ原浄水場・急速ろ過池
その次の工程急速ろ過池です。ここで水道水が出来上がり浄水池(水道水をいったん貯めておく池)へ向かいます。ここでも緩速方式とは違っていろいろな装置が付いています。

浄水施設見学後に緩速方式と急速方式で出来た水の飲み比べがありました。私にはどちらも同じ味と感じました。甲乙つけがたいですね。

ろ過層モデルクリックで拡大します。
これは本館玄関前に展示してあった急速ろ過層と緩速ろ過層の比較断面モデル。1/2スケール。

最後のコーナーで出来上がった水道水2種(緩速と急速ろ過)とミネラルウォター計3種類の飲み比べアンケートに挑戦しました。正直どれも同じ味でした。味覚音痴?・・・。
ちなみに我が家では毎日谷ケ原浄水場の水を飲んでいますが浄水器は設置しておりません。必要性をまるで感じないもんですから。

浄水場のパンフによると緩速、急速の割合はおよそ14:86でブレンドして給水しているそうです。

この後アンケート用紙に記入し来場記念品を頂きました。
神奈川県営水道80周年のエコバッグにかながわの水、トイレットペーパー、ラップフィルム、浄水場のパンフ等、他にはエコチップ(ダムに漂着した倒木をチップ化したもの)まで頂き良いお土産になりました。来年も行かなくっちゃ~。
↓エコバッグです。
神奈川県営水道80周年エコバッグ


北相送水管2号(仮称)NO.2到達立坑
最後にこれはなんでしょう?谷ケ原浄水場正門を入った右側にあります。去年の開放デーの時にすでにありました。これは「北相送水管2号(仮称)」のNo.2到達立坑です。でっかい穴だな~。深さも相当ありそうです。
現行の北相送水管のバックアップ路線で大島谷ケ原浄水場間2741mのシールド工事をただ今施工中です。来年は工事完了のため見られません。今回が見納めです。Φ7500 深さ13.5m。中に黒いパイプ配管が見えました。Φ1100送水管と思われます。

No.1発進立坑・相模原市緑区大島
帰路、県道48号線沿い西側のNo.1発進立坑を運転席から撮りました。シールド工事の基地です。現在、ここより下流のNo.3到達立坑に向けて施工中と思われます。ここは相模原市緑区大島です。


今年1月神奈川県営水道北相送水管の管路上を歩きました。
津久井分水池から相模原市、厚木市、愛川町の中津配水池に至る約17kmを3日かけて歩きその模様は、「其の64神奈川県営水道みちを歩く1」から6回にわたり発表しました。(2013/1投稿、カテゴリ神奈川県営水道みち)

その時谷ケ原浄水場は表から眺めただけでした。今回見学してその内容を発表できようやく神奈川県営水道みちが一本に繋がった気がいたします。

今回の参考資料です。
・神奈川県企業庁 「谷ケ原浄水場」パンフ
・神奈川県企業庁 「相模原市大島~城山町谷ケ原地内
 送水管布設(シールド)工事」パンフ
・神奈川県企業庁 谷ケ原浄水場HP

谷ケ原浄水場の地図です。

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