横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその水源を目指して探索探訪をします。時には独りよがりな感想意見を述べます。

其の218 伊勢原浄水場を訪ねる・続編

 平成25年(2013)12月に伊勢原浄水場を訪ね「其の125 伊勢原浄水場を訪ねる」で探訪記を発表しました。ただその時は浄水場の外周道をひと回りした表から眺めた探訪記でした。
先月17日に開催の少人数の伊勢原浄水場見学会に参加し浄水施設の見学をしました。今回は表から眺めた浄水場に対して内から見た探訪記です。

伊勢原浄水場正門
伊勢原浄水場
神奈川県内広域水道企業団 伊勢原浄水場正門です。いつもは門が閉ざされ近寄りがたい雰囲気がありますが、今日は見学者のために開門されています。

伊勢原浄水場
会議室で浄水場の概要説明を受け見学開始です。これは前回撮った写真ですが右側手前の独立した建屋が伊勢原接合井です。(伊勢原浄水場平面図参照) 小田原の飯泉取水堰で取水し導水管・酒匂川導水路トンネルで送られてきた酒匂川の原水が海老名市社家の相模大堰で取水し内径1650mmの導水管で送られてきた相模川の原水とここで合流します。地下55mの螺旋階段を下りたところにあります。コンクリートで囲われているので合流の様子は見えないそうです。

伊勢原浄水場平面図
伊勢原浄水場平面図です。(当日配布資料より)

伊勢原浄水場・揚水ポンプ場
浄水場西側の揚水ポンプ場です。浄水場の南西角から北西角に抜ける酒匂川導水路トンネル上にあります。伊勢原接合井で合流した原水はここで着水井にポンプ揚水されます。地下55mの揚水ポンプ場見学を密かに期待したのですが残念ながら見学コース外でした。

伊勢原浄水場・ポンプ揚水場
地下の揚水ポンプ場の様子です。内径20m、深さは55mの円筒形。(伊勢原浄水場案内パンフより)

伊勢原浄水場・着水井
揚水ポンプ場と一体の着水井。毒物などが投げ込まれないよう安全対策上フタがしてあります。
着水井の水位はH.W.L117mで、当然のことながら場内で一番標高の高い位置にあり、順次自然流下で次の浄水工程へ進み最終的には神奈川県営水道、横須賀水道の給水地点まで自然流下で送られます。

伊勢原浄水場・混和池
着水井から原水渠を通りこの混和池に流れてきます。原水なので酒匂川、相模川で取水した川の水そのものです。酒匂川系は飯泉ポンプ場から約4時間、相模川系は社家ポンプ場から約2時間かけて到達するそうです。
ここで左右2方向に分れ、その先でさらに2方向に分れるので都合4ブロックに分かれます。維持管理のため1ブロックが休止しても他の3ブロックが稼働し浄水を作ることが出来ます。

伊勢原浄水場・混和池かき混ぜ機
混和池上の水色の機械は凝集剤(ポリ塩化アルミニューム)と原水をかき混ぜる機械。右側の配管は薬品を注入する装置。

伊勢原浄水場・フロック形成池
次の工程フロック形成池です。凝集剤の力で原水に交じっている砂や土が沈みやすくするためフロックと言うかたまりを作るところです。フロキュレータ―と言う羽根がぐるぐる回っています。

伊勢原浄水場・フロック形成池
東の端のフロック形成池が維持管理のため休止中でした。中の様子が良く観察できます。羽根は木製だそうです。隔壁の無数の穴から隣の池へ流れて行きます。

伊勢原浄水場・沈澱池
次の工程、沈澱池です。これも中の様子が分かる休止中の沈澱池の写真です。大きなフロックを沈める池で、速やかに沈殿させるため傾斜板式を採用しています。

傾斜式沈澱池モデル
傾斜板式沈澱池のモデルです。ピンク色粒子はフロックで、左側の傾斜板式の方が早いと一目瞭然で分かります。

伊勢原浄水場・沈澱池フロック掻き寄せ機
これも休止中の沈澱池です。底の方にフロック掻き寄せ機が見えます。掻き寄せたフロックは排水処理施設へ送られます。

伊勢原浄水場・沈澱池出口
沈澱池の出口です。きれいになった上澄みは樋の穴を越流し急速ろ過池へ流れて行きます。

伊勢原浄水場・急速ろ過池
最終工程の急速ろ過池です。沈澱池でも取り除くことが出来なかった小さなフロックを砂の層を通して取り除きます。きれいになった水に塩素を入れて消毒し調整池(出来上がった浄水を一旦ためておく池)へ流れて行きます。ろ過砂は目詰まりするので定期的に調整池の水で逆洗洗浄するそうです。

ろ過砂サンプル
急速ろ過池のろ過砂サンプル。結構厚みがあります。

以下の写真は場内の目立った施設です。
伊勢原浄水場・太陽電池
これは沈澱池上に設置の太陽電池です。CO2排出量削減対策の一環だそうです。日当たり抜群なので発電効率は高いと思います。

伊勢原浄水場・排気塔
これは排気塔です。調整池の芝生の上に立っています。排水処理場でフロックを水と土に分け最後は脱水します。上から出ているのは煙ではなく脱水した水蒸気です。伊勢原浄水場ならではの施設です。

伊勢原浄水場・給水塔
これも目立つ施設です。浄水場内自家用水道の給水塔です。

見学を終え質疑応答をし、一時間半の駆け足見学を終えました。お蔭さまで水道施設に直に接することが出来理解を深めることが出来ました。見学者一同来場記念「やまなみ五湖のブレンド水」や伊勢原浄水場パンフや説明資料を手に辞去。大変お世話になりありがとうございました。

表から見た伊勢原浄水場はこちらです。見学コース外で表からしか見えない施設にも触れています。
「其の125 伊勢原浄水場を訪ねる」 (2013/12投稿)
神奈川県営水道、横須賀水道の給水地点へ送る送水管(日向川水管橋)や調整池(2)、排水処理施設、「やまなみ五湖のブレンド水」についてなど。

伊勢原浄水場の位置です。




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其の190 飯泉取水堰を訪ねる・続編

 ちょうど一年前の12月に飯泉取水堰から曽我接合井を探訪しました。その時、飯泉取水堰は左右両岸から眺め、隣接の沈砂池や吸水井などの施設はただ外周道を回るのみで、それらを見ることなく探訪を終えました。
11月29日(土)に企業団飯泉取水管理事務所主催の「野鳥観察会」が開かれると知り行ってきました。会場は飯泉取水堰管理橋です。沈砂池や吸水井などの施設も見られます。今回は続編として取水施設構内から見た探訪記です。
参考までに一年前に発表した「其の121 飯泉取水堰を訪ねる」 (2013/12投稿)です。

神奈川県内広域水道企業団飯泉取水管理事務所正門
今日の会場、神奈川県内広域水道企業団飯泉取水管理事務所正門です。お天気は残念ながら雨降りでした。

神奈川県広域水道企業団・飯泉取水施設
これは飯泉取水施設の全景写真です。(神奈川県内広域水道企業団・飯泉取水管理事務所パンフレット表紙写真より)

飯泉取水施設・除塵機
受付を済ませ吸水井、沈砂池脇を通り飯泉取水堰管理橋へ向かいます。ちょうど良いタイミングで稼働中の除塵機の様子を見ることが出来ました。赤色の設備2台が取水口の格子(スクリーン)に溜まった落ち葉などのごみを掻き揚げベルトコンベアに載せています。
水位を検知し自動的に運転するそうです。オイルフェンスや流木などの大物ごみ除けが見えます。

飯泉取水堰・土砂吐フラップゲート
これは管理橋から見た土砂吐フラップゲートです。

飯泉取水堰・魚道

管理橋から見た魚道です。頂いたパンフによると三門連動式フラップゲートとあります。

飯泉取水堰・土砂吐、魚道
管理橋から見た土砂吐(左側)と魚道(右側)の下流方向。魚道はこの1条だけです。社家の相模大堰は左右2条ありました。こちらの設置実績を後年築造した相模大堰の魚道に活かしたそうです。

飯泉取水堰・洪水吐ローラーゲート
洪水吐ローラーゲート。全部で6門あります。

泉取水堰・洪水吐フラップゲート
管理橋下から見た洪水吐フラップゲート。左岸右岸に1門ずつあります。近くで見ると巨大で迫力があります。

飯泉取水堰管理橋
管理橋中央に準備された野鳥観察用の望遠鏡。カモメ、カモ、サギの仲間が観察できます。あいにくの天気でした。

飯泉取水堰・新型除塵機
沈砂池入り口の新型の除塵機。初めに見た赤い除塵機は1、2年後にこの新型に代わるそうです。

飯泉取水施設・排砂機
沈砂池4池をまたぐクレーンのような設備。池の底に溜まった砂を取り除く排砂機です。後ろの建物は管理棟とポンプ棟。

飯泉取水施設・吸水井
吸水井です。右側がポンプ棟。ポンプで約4.7km先の曽我接合井に揚水されます。

飯泉取水施設・導水管備蓄置場
構内の一角に白い筒状のものが並んでいます。内径3100mmの導水管です。これと同じものが曽我接合井まで敷設してあるそうです。いざという時のための備蓄用ですね。東日本大震災の際に活かされたそうです。

帰りにアンケートを提出し辞去。記念品を盛りだくさん頂きました。企業団の各種パンフレット(飯泉取水管理事務所、かながわの広域水道、みずき便りなど)、やまなみ五湖のブレンド水、ウォービーなどなど。私のようなものにとってはパンフが一番のお土産です。
お陰様で水道施設に間近に接することが出来、理解を深めることが出来ました。来年は青空の下じっくり水鳥を観察したいと思います。

神奈川県内広域水道企業団・やまなみ五湖のブレンド水
やまなみ五湖のブレンド水は容器とデザインが変更されました。ピンクリボンつきです。採水地は企業団相模原浄水場。右側は企業団キャラのウォービー。

今回は企業団パンフ「飯泉取水管理事務所」を参考にいたしました。

神奈川県内広域水道企業団・飯泉取水施設の位置です。

其の128 相模川右岸の相模川水路橋

前回の続きです。中津川をサイフォンで横断した神奈川県内広域水道企業団(以下企業団)酒匂川導水路トンネルは中津原台地の地下を潜り相模川右岸の崖へ向かっています。

愛川町中津・一本松交差点
前回の帰り道に撮った写真です。一本松交差点から東の中津工業団地の方向を見たところです。酒匂川導水路トンネル(内径3800mm馬蹄型)はこの道の地下を通っています。工業団地内の東外3丁目交差点を過ぎるといよいよ相模川右岸です。

相模川右岸崖沿いの市道・厚木市上依知
相模川右岸崖沿いの市道まで来ました。写真右側崖下が相模川です。中津川サイフォンを探訪した翌日に車で見に行きました。崖上に何か地上施設があるのでは?と思ったのでこの付近をウロウロ探索しましたが何も見つからず。何も無いことが分かりました。左側オレンジ色の塔は東京電力「中津線9」送電線鉄塔です。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
上記から見た企業団・相模川水路橋。今の季節だからこのように見通せます。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
やや南東よりから見た企業団・相模川水路橋。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
ぐるっと大回りをして昭和橋から県道511号線に入り、相模川右岸崖下まで来ました。企業団・相模川水路橋の南詰です。水路橋の上は圏央道(さがみ縦貫道)です。

神奈川県内広域水道企業団・相模川水路橋
水路橋の取出し部です。巨大なコンクリート壁に繋がっています。多分これは大きな水槽(接合井)と思われます。入口側は中津川サイフォン下口接合井から来た内径3800mm馬蹄型トンネルが接続されていて出口側の水路橋(鋼製箱桁型)に接続するための接合井と思われます。通水量は飯泉取水堰の取水量に社家ポンプ場からの送水分を加え、伊勢原浄水場への分水分を引いた1,465,300㎥/日(16.9㎥/秒)となります。毎日、毎秒これだけの水道用原水が人知れずここを流れています。凄いですね~。

相模川水路橋の概要です。
幅3.4m×高さ3.8m、鋼製箱桁型 橋長 873.0m
供用開始=昭和49年4月
企業団HPより


神奈川県内広域水道企業団・相模川水路
これは昨年6月5日、小沢頭首工幹線水路を歩いた時に同地点から撮った相模川水路橋です。初夏で新緑が美しい頃です。わざわざ県道からここまで入り右岸取出し部を確認しました。思えばここでこの水路橋を見たのが企業団の施設探訪のきっかけになった気がします。以来相模原ポンプ場から淵野辺接合井、昨年暮れからは飯泉取水堰、曽我接合井から始まる酒匂川導水路トンネル地上施設探訪と、今日ここへ来て双六でいえば振出しに戻った感がします。それから大元の水源、三保ダムも探訪し想定外の水力発電所巡りへと発展しました。新たな発見が続き自身にとっても随分と勉強させてもらいました。この企画は良かったと思っています。
どちらかと言えば地味で縁の下の力持ち的存在の水道施設の中でもこの酒匂川系は見所が多く一般人にアピールする力が大きいと思います。前述のように曽我接合井から相模原ポンプ場まで約30.7kmを自然流下で送水しています。酒匂川系は企業団設立からわずか5年で供用を開始しています。設計測量するだけでも大変なことなのに供用開始までわずか5年です。驚くべきことです。それから神奈川県の2大河川酒匂川流域と相模川流域を越えて川崎市の西長沢浄水場まで導水しています。これにも驚きます。飯泉取水堰から淵野辺接合井までが43km、そこから川崎水道第2導水隧道に入り西長沢浄水場まで約12km合わせて55kmです。素人には想像もできないことをやってくれました。実に壮大で驚嘆の連続です。

お終いに訪ねた施設の印象を一言ずつ。

・飯泉取水堰 「取水堰 ここから始まる 水の旅」doushigawa

・飯泉ポンプ場 「導水管 ポンプアップで 上曽我へ」  〃

・曽我接合井 「接合井 自然流下の 始まりだ」   〃

・中井竪坑  「山の中 ポツンと寂しい 円柱形」  〃

・秦野サイフォン 「導水路 秦野盆地で 顔を出し」   〃

・伊勢原浄水場 「浄水場 地下を流れる ブレンド水」  〃

・中津川サイフォン 「導水路 サイフォンで潜る 中津川」  〃

・相模川水路橋 「導水路 とうとう着いたよ 相模川」  〃

 
今回は国土地理院「地図閲覧サービス」と企業団HPを参考にしました。

前回探訪の中津川サイフォン下口接合井の地図です。(緑色の矢印)

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其の127 中津川サイフォンを訪ねる

昨年12月11日に神奈川県内広域水道企業団(以下企業団)飯泉取水堰、曽我接合井を訪ねて以来、相模川右岸に至る酒匂川導水路トンネル上の地上施設探訪を続けて来ました。今回はその続きです。伊勢原浄水場の次に目を付けたのは中津川です。相模川を立派な水路橋で渡っているのに隣りを流れる中津川を水路橋で渡っているとは聞いたことがありません。水路橋でなければ私好みの伏越(ふせこし)・サイフォンで横断しているはずです。国土地理院「地図閲覧サービス」を参考にし、地上施設所在場所の目星をつけ探索に行って来ました。
1月3日(金)晴れ、神奈中バス半原行に乗車し箕輪辻下車。県道65号線沿いに歩きました。今年のウォーキング初めです。

信玄道の碑
県道65号線愛川東中学校付近で見た信玄道の碑。
信玄道(しんげんみち)
三増合戦の折、武田信玄の軍が通ったという伝承がある古道。現在は、その大部分が県道に重なっている。愛川町教育委員会
 石碑より。

横須賀水道みち・帝国海軍境界杭
中津で横須賀水道みちとX字形に交差します。交差点信号付近で見た海の杭(帝国海軍境界杭・波マークなし)。相模川以西の横須賀水道みちはこのタイプで希少な珍しい境界杭です。川を渡った海老名市以東横須賀市までは波マーク入り海の杭になります。横須賀水道みちは一昨年の秋に半原水源地から横須賀の逸見浄水場まで53kmを歩きました。懐かしいです。

二宮金次郎像・中津小学校
一本松の信号を右折し中津川を目指します。途中、道路沿いの中津小学校で見た二宮金次郎像。柴を背負い読書をしながら歩く金次郎像が一般的ですがこの像は草鞋(わらじ)を手渡そうとしています。蛇籠の上に立っているので酒匂川の堤防が決壊しその復旧工事中の村人に自らが編んだ草鞋を配っているところと思われます。こんな金次郎像もあるんですね~。初めて見ました。
道々いろいろ見聞できるのがウォーキングの良いところです。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン
さて本題に入ります。中津小の先、中津大橋の上から見た中津川です。眼下にサイフォンの施設とその延長線上対岸の山裾(黄色矢印)にサイフォンの呑口と思われる施設が見えます。労することなくあっさり見つけました。

ハ菅橋より中津川上流を望む
対岸の施設を見るため八菅橋(はすげばし)を渡りました。八菅橋より中津川上流を望む。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン呑口
中津川サイフォンの呑口(入口)です。位置は鳶尾山の山裾です。秦野サイフォン上口接合井と同じような形状です。換気装置(ルーフファン)も同じです。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン呑口
後ろから見ました。伊勢原浄水場地下を通りここまで来た内径3800mm馬蹄型導水トンネルはここで地下に潜り中津川を横断します。推進工部分は内径4000mm(セグメント・コンクリート管)が敷設されたと思います(後述)。酒匂川導水路トンネルと中津川の立体交差です。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン呑口立ち入り禁止看板
立入禁止看板。企業団・相模原浄水場とあります。秦野サイフォンのように標札も看板もありません。だからgoogleマップに載っていません。ここでは説明上「上口接合井」と呼びます。

道端の石像・愛川町棚沢
近くの道端で見た石像。山王大権現 宝暦十二壬午年と刻まれています。西暦1762年で252年前の像です。左側草むらの中に馬頭観世音像が二体ありました。歴史を感じさせます。愛川町棚沢にて。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン
八菅橋を渡り中津川左岸へ来ました。左岸堤防上から見た企業団のサイフォン施設。この道の地下を導水路トンネル(サイフォン推進工部分)が通っています。白い橋は中津大橋。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン
円柱形で上に換気装置が付いています。標札は無し。あるのは立ち入り禁止と不法投棄禁止看板のみで企業団の施設であることは分かります。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン
中津大橋から見るとこんな感じです。小ぶりですが中井竪坑とそっくりです。サイフォンの吐口(出口)で中津川を潜った原水はここで吹き上がっていると思います。説明上敢えて名前を付け「中津川竪坑」と呼びます。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン
上記施設の奥50mのところにもう一つ施設があります。中津川左岸崖際の施設です。形状は秦野サイフォン・上口、下口接合井と同じです。やはり標札無しです。ここでは説明上「下口接合井」と呼びます。

神奈川県内広域水道企業団・中津川サイフォン
背後から見た中津川サイフォン下口接合井。鳶尾山山裾の上口接合井まで一直線です。中津川竪坑間約50mは導水トンネル(内径3800mm馬蹄型か内径4000mm円型)で結ばれていると思われます。接合井の出口側は内径3800mmの馬蹄型導水路トンネルで中津原台地の下を潜り抜け相模川右岸に至ります。

地図上で施設間の延長を測りました。
上口接合井から中津川竪坑までの延長は541m。
中津川竪坑から下口接合井までの延長は50m。
企業団HPには中津川サイフォンについて、所在地や概要についての記述はありません。以下に管理人の私見(個人的な感想)を記します。中津川竪坑はシールド機の発進基地として掘られたと思います。従ってサイフォン推進工部分(541m)は内径4000mm(セグメント・コンクリート管)が敷設されたと思います。ひょっとすると下口接合井まで50mも浅い位置を内径4000mm管が敷設されたかも知れません。
中井竪坑は「其の124 中井竪坑・震生湖を訪ねる」で触れました。

下口接合井側面に施工業者の銘板が貼ってありました。
中津川サイフォン銘板
神奈川県内広域水道企業団
導水路中津川サイフォン工事
施工 フジタ工業株式会社
竣工 昭和48年6月30日 
銘板より

新坂(にいさか)
帰りは中津原台地に上るため下口接合井の背後にある新坂(にいさか)を上りました。相模原の七曲によく似た坂です。

愛川町・小沢坂(こさわざか)
来た道を通りましたがバスの時刻表を見て県道63号線に入り小沢坂(こさわざか)を下り水郷田名まで歩きました。相模川右岸の急な崖道です。坂道を下りきったところで小沢頭首工(こさわとうしゅこう)から来た小沢頭首工幹線水路が交差しています。

小沢坂の碑
小沢坂(こさわざか)
中津原大地の上段中津角田境と下段の小沢を結ぶ坂。道路整備前は屈曲の多い道で大山道とも呼ばれました。愛川町教育委員会 
石碑より。

今回の参考資料は本文に記載の通りです。合わせて企業団HP「施設と仕事」を参考にしました。

中津川サイフォン(上口接合井)の地図です。

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其の125 伊勢原浄水場を訪ねる

12月22日(日)晴れ、中井竪坑、震生湖を訪ねた後、神奈川県内広域水道企業団(以下企業団)伊勢原浄水場へ向かいました。伊勢原浄水場は昭和49年4月の酒匂川系施設の供用開始に遅れること2年、昭和51年7月に給水を開始しました。酒匂川導水路トンネルの上に建てられました。酒匂川導水路トンネルの地図をたどることなく誰でもわかる地上施設です。今日は日曜日、浄水場は休日です。どんな浄水場なのかぐるっと浄水場外周道を一周してきました。

伊勢原浄水場入口案内看板
R246を東進し伊勢原原市役所入口の信号を左折、県道63号線へ入り山の方へ向かいます。途中分かれ道の信号を左へ入り宮ヶ瀬湖へ向かう県道64号線へ入ります。薬師バス停付近でこの看板を見つけました。ペンキがはげかけていますが「神奈川県内広域水道企業団伊勢原浄水場入口」と読めます。

神奈川県内広域水道企業団伊勢原浄水場
入口案内看板付近から見た伊勢原浄水場遠景です。山の麓にあります。左に管理棟や右には鉄塔や給水塔が見えます。浄水場は給水圧を得るためどこも高台にあります。ここも同じくですね。マピオンで測ると着水井の辺りがEL119mでした。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場日向川水管橋
案内看板を左折ししばらく行くと左手に大口径の水管橋が。企業団日向川水管橋です。伊勢原浄水場で作った浄水を横須賀水道有馬浄水場や神奈川県営水道の伊勢原、平塚、海老名の拠点へ送る送水管です。内径1650mmの鋼管で自然流下で送っています。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
企業団伊勢原浄水場正門です。

伊勢原浄水場の概要
施設能力:220,000㎥/日、急速ろ過方式
給水開始:昭和51年7月
水源:酒匂川、相模川(社家ポンプ場経由)
供給先:神奈川県営水道、横須賀水道

(企業団HPから抜粋)

伊勢原浄水場の見所は個人的には二つあります。
一つは着水井で、浄水場の地下を通る酒匂川導水路トンネルからポンプ(伊勢原ポンプ場L.W.L62m)で汲み上げています。着水井のH.W.Lは117mでその差は55mもあります。もう一つは伊勢原接合井です。これは相模川系の相模大堰で取り入れた原水を社家ポンプ場から内径1650mmの導水管で導き酒匂川導水路トンネルに接続する施設です。伊勢原ポンプ場の上流側にあります。簡単に言うと酒匂川の水と相模川の水がここで合流するということです。「やまなみ五湖のブレンド水」の出来上がりです。
どちらの施設も地下55mの深いところにあるのが珍しく興味深いです。浄水場見学会があったとしても多分見せてもらえないでしょうね。
なお、社家ポンプ場から来ている導水管は伊勢原系といい逆送も可能だそうです。相模大堰が何らかの理由で取水不能に陥った時は酒匂川系の水を社家ポンプ場経由綾瀬浄水場へ送水可能というわけで、最悪のことを考慮した設計と造りになっています。素晴らしいですね。

やまなみ五湖のブレンド水
これが企業団謹製「やまなみ五湖のブレンド水」です。採水地は相模原浄水場です。やまなみ五湖とは相模川水系の相模湖、津久井湖、奥相模湖、宮ヶ瀬湖と酒匂川水系の丹沢湖です。確かに自然にブレンドされていますが9割以上が酒匂川の水です。

さて今日は表から眺めるだけです。以下その様子です。
神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
南西の角から見た伊勢原浄水場。正面は特殊な建物みたいです。地下は伊勢原接合井かな?ここまでは場内が良く見渡せます。西側に着水井がありますが生垣で目隠しされていて見えません。相模原浄水場の虹吹分水池(着水井)にかけてあった覆いと同じものが隙間からチラチラと見えました。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
これは沈澱池です。4池あります。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
北西の角から見た中の様子です。正面は唸り音が聞こえて来たので変電設備のようです。近くに東電の伊勢原浄水場専用線鉄塔が立っていました。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
東側から見た沈澱池。建屋が乗っかっています。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
逆光になりました。右側土手上が急速ろ過池で16池あります。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場給水塔
東側の給水塔。小規模です。浄水場内自家用のようです。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
南側から見た浄水場。芝生の広場地下は浄水を貯めておく施設(調整池)と思われます。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
東南の角の施設。池があり水色のゲート操作台が林立しています。この池はなんでしょうね。残るのは排水処理施設しか思い浮かびません。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
ぐるっと一回りして管理棟東側の施設の前に来ました。スケールホッパと書いてあります。多分排水処理工程で残った固形分を場外へ搬出するための施設と思われます。

神奈川県内広域水道企業団・伊勢原浄水場
外周道東側の巨大な施設。調整池と思います。最近になって新設したようです。googleマップにまだ載っていません。

小田原の曽我接合井から酒匂川導水路トンネルの地上施設をたどって来ました。延べ4日かけてここまでやって来ました。相模川右岸の導水路トンネル終点はまだこの先です。この続きは年明け後に探索探訪したいと思います。

今回の資料は企業団HPを参考にしました。

伊勢原浄水場の地図です。

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