横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその取水源を探訪します。
前々回の境川金森調節池工事現場の上流約4.5kmのところに東京都南多摩東部建設事務所が建設中の「境川木曽東調節池工事」現場があります。2月16日(火)に訪ねました。

今日はJR横浜線古淵駅からスタートです。駅から南の方向へ歩き境川・桧橋に出ました。桧橋より境川上流の眺めです。

桧橋から200mほど上流、左岸の塀で囲われたところが「境川木曽東調節池工事」現場です。


桧橋を渡り神奈川県から東京都へ入ります。町田駅前通りに面する現場出入口です。現場は近隣に配慮し背の高い防音壁で囲ってあります。

「境川木曽東調節池工事」の案内板が掲げてありました。
以下案内板より概要を抜粋して記します。
●境川木曽東調節池工事その2のお知らせ
この工事は、境川流域の水害に対する安全性を早期に向上させるための地下箱式調節池(貯留量約4.9万㎥)を建設する工事です。
●概要
工事場所:町田市木曽東二丁目地内
工事概要:調節池(深度 約22m)、越流堤、放流渠等
調節池の貯留量約4.9万㎥
工期:令和2年6月11日~令和8年5月29日
●完成イメージ図です。(案内板より)

越流堤があり放流渠先端のフラップゲート?が見えます。境川金森調節池と同じように多層構造です。
昨年末から今年にかけ本郷・根岸遊水地、風間遊水地、鶴金橋上流の遊水地、境川金森調節池など境川の遊水地・調節池を見て回りました。工事中は風間、境川金森に今回の境川木曽東を加えると3現場となります。境川流域は着々と治水施設整備が進められているので住民は枕を高くして寝ることができます。
境川木曽東調節池の位置です。(地理院地図より)
前回訪ねた上鶴間道正山雨水調整池の対岸で東京都建設局による調節池設置工事が行われていました。

上鶴間道正山雨水調整池近くの仮設歩道橋から見た境川左岸の「境川金森調節池工事」の現場です。現場は背の高い防音壁で囲われています。上流の橋は金山橋。

仮設橋付近の東京都建設局の案内看板。
以下、その概要を案内板より抜粋してお伝えします。
●「境川金森調節池工事のお知らせ」
東京都では、台風や集中豪雨による水害から皆様の命と暮らしを守るため、西田スポーツ広場の地下に洪水を一時的に溜める調節池を設置します。
●施設概要
貯留量:約15万㎥
(内訳 一次貯留量:3万㎥ 二次貯留量:12万㎥)
形式:地下式(鉄筋コンクリート造り、管理棟一部は地上)
施設規模:長さ約190m、幅約90m、深さ約20m
●工事期間は2024年5月31日まで。(別の案内板より)
●完成イメージ図です。(案内板写真より)

越流堤や管理棟前には境川への排水口が見えます。地下調節池上の西田スポーツ広場は高いネットで囲ってあります。
●調節池断面図(イメージ)です。(案内板写真より)

越流堤が描かれています。入口に電柱のような棒(スクリーン)が並んでいます。帷子川分水路取水庭や鶴見川・川和遊水地にもありましたね。
図によると一次貯留槽は地下1階、二次貯留槽は地下2、3階と読めます。文字通り一次貯留槽から二次貯留槽へ流れるとすれば、洪水はまず一次貯留槽で受け止め、そこから溢れた洪水が地下2階、3階へと順次流れて行くのでしょうか。バケツに例えると水を張るときは底から溜まっていきますが、ここはバケツの上の方から水を溜める感じですね。もしそうであれば何故このようにしたか、その理由と構造が気になります。
工事完成は3年先です。調節池設置工事の進捗状況を見たいので年に一回くらいは訪ねたいと思います。
西田スポーツ広場の位置です。
飛び入りで望地弁財天付近の桜花です。


別の日、散歩の途中早咲き桜に出合いましたよ!
2月20日(土)望地弁財天付近にて。
2月4日(木)、お天気が良かったので東京都・神奈川県境を流れる境川を散策しました。

JR横浜線町田駅下車、近くに境川が流れています。左岸沿い「境川ゆっくりロード」(歩行者自転車専用道路)をぶらぶら下流へ歩いていくと遊水地が見えてきました。画像は境川ゆっくりロードから上流を見たところです。境川は河川改修により川幅が広くて深い直線化した川になっています。

ゆっくりロードの内側が遊水地となっています。
掘り込式の遊水地で周囲に柵はなく歩行者は自由に出入りできます。左手前の黒いフェンスで囲った施設は排水口(吐出口)です。
この遊水地は東京都建設局が造った治水施設です。南多摩東部建設事務所HPによると容量は約15,500㎥です。

遊水地の北側はこのように大きく蛇行していて、河川改修で直線化する前の境川旧河道を見ているかのようです。
今昔マップで確認します。(今昔マップ on the webより)
昭和50年二改版(1975~1978年)の地図です。境川は直線化されていますが旧河道も示されています。昭和41年改測(1965~1968年)に切り替えると旧河道のみの表示となります。旧鶴金橋の西側が現鶴金橋です。
昔の境川はこのように自由気ままに蛇行していました。
この遊水地は境川旧河道、河川敷を掘り込んで遊水地として活用していることが分かります。


遊水地の中に入りました。遊水地から見た境川左岸堤防・境川ゆっくりロード。上部に開口があります。34個のボックスカルバートを並べた越流堤です。境川が洪水になるとここから滝のように落下し、あっという間に広い池に変わると思います。

スクリーン付き排水口(吐出口)です。遊水地に溜めた水の出口は唯一ここだけです。越流堤からどっと流入した洪水は、排水口サイズが越流堤に比べて極小(オリフィス)なため、遊水地に貯留することになります。川側にフラップゲートが付いているので、ここから境川の洪水が逆流することはないですね。

右岸から見た越流堤。下流側にフラップゲート付きの排水口(吐出口)が見えます。

角型フラップゲートです。洪水になると河川水の水圧が遊水地方向にかかるのでゲートは閉の状態になります。境川の洪水が収まり川の水位が下がると貯留水の水圧が川の方向へかかるのでゲートは開となり排水されます。遊水地に貯留・排水する仕組みは、オリフィス+このようなゲートの働きと思うのですが、フラップゲートは水圧による自動開閉なので管理が楽ですね。ただしゲートに物が挟まると閉じないのでスクリーンはそれを防止するためと思います。脇にメンテ用の梯子が付いていますね。

遊水地の下流側に旧河道が残っていました。現在の境川に比べるとうんと浅いです。

こちらは鶴金橋下流のゆっくりロードから見た境川旧河道です。やはり浅い川ですね。
この遊水地は、以前境川旧河道を探訪したときに載せましたが、遊水地テーマとして改めて取り上げました。
旧河道テーマの過去記事です。「其の249 蛇行する旧境川河道跡・鶴金橋付近」
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横浜水道みち歩きから始めたブログですが、いつのまにか用水路や河川など水辺歩きブログになってしまいました。看板に偽りあり!です。やっていることは下のカテゴリに分け、手がけた順に並べてあります。
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