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横浜水道みちを行く

横浜水道みちの事なら何でも知りたがり屋の管理人がその取水源を探訪します。

其の595 比例円筒分水堰と円良田湖を訪ねる・埼玉県寄居町

 9月6日(金)、寄居町の比例円筒分水堰を見に行きました。
7月末に東金円筒分水工を訪ねたので今季二か所目の円筒分水です。

比例円筒分水堰・埼玉県寄居町用土
いきなりですが、寄居町用土の円筒分水工「比例円筒分水堰」です。通水が終わり中央からの吹き上がりと周りへの分水の様子は見られません。昨年、富山の円筒分水工巡りは9月中旬でしたからね~。まだ見られるかもと内心期待しながらの探訪でした。残念。


比例円筒分水堰・埼玉県寄居町用土
周りから見るとこんなところで、比例円筒分水堰は生垣の中にあります。場所は分りやすく迷うことなく一発で到着しました。
探訪したこの日の予想最高気温は33℃、暑さ対策と他の施設も合わせて見るため車を利用しました。


比例円筒分水堰・埼玉県寄居町用土
角度を変えてもう一枚。この水はどこから来るのでしょう?気になります。
寄居町HPに簡単な案内文があります。それによると水源は西方にある円良田湖(つぶらたこ)で、鐘撞堂山の地下を通ってきた農業用水はこの円筒分水まで運ばれ、用田地区の水田に一定の比率で分配されるとあります。通水量、分水比の記載はなし。

あらためて見ると比例円筒分水堰周り西側にコンクリートの構造物があります。この構造物が地下水路トンネルの終点で、用水はここから地下に落下しU字形サイフォンで円筒分水中央から吹き上がるのではないかと想像するのですが、どうでしょうかね・・・。観察したところ用水は3方向に分水しています。


比例円筒分水堰銘板・埼玉県寄居町用土
コンクリート構造物に銘板が埋めこんでありましたよ。(^σ^)
「比例円筒分水堰 昭和二十八年一月十五日竣功」


比例円筒分水堰からの眺め
比例円筒分水堰から見た東方向の景色。田んぼが見えます。


比例円筒分水堰付近の田んぼ・寄居町用土
稲穂が垂れ、株元を見ると乾いています。もうじき稲刈りが始まる段階です。これではね・・・円筒分水堰の出番は終わっています。来年の田植時に出直しです。電車利用の場合はJR八高線用土駅から1.4km、約20分のところです。


円良田ダム堰堤
このあと取水源の円良田湖を見に行きました。進入道路から見た円良田ダム堰堤です。


円良田湖
円良田湖側から見た円良田ダム堰堤。湖面の至るところに釣り用桟橋が設置してあります。ヘラブナ釣りの名所みたいです。


円良田湖取水塔
湖岸を走りましたが農業用水の取水施設らしきものはこの取水塔に似た施設だけです。管理橋入口に看板も表札もなく施設名は名無しの権兵衛さんです。


円良田湖・洪水吐
右岸に立派な洪水吐があります。ダム湖らしさを感じます。


円良田湖・洪水吐水路
洪水吐下流方向です。流末は荒川です。


比例円筒分水堰の位置(中央十字線)です。

グーグルマップでは「寄居町用土の円筒分水工」で開きます。

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其の588 東金円筒分水工を訪ねる・千葉県東金市

 7月26日(金)、梅雨明けを思わせる炎天下、千葉県まで遠征し今季初めての円筒分水工を見てきました。

JR東金線求名駅
最寄り駅はJR東金線求名駅です。初めての土地で駅名が読めません。「ぐみょう駅」と読みます。ここから目的地までいつものようにてくてくひとり旅です。ごくまれに二人連れのときもありますが・・・。(^σ^)


御狩橋より真亀川上流を望む
求名駅から東金駅方面に戻り県道に入ります。県道沿いに駅から1kmほど歩くと真亀川に架かる御狩橋に出ます。御狩橋から見た真亀川上流方向です。東金円筒分水工はこの川沿いにあります。下流へたどると河口は九十九里浜なので太平洋へ出ますよ~。


真亀川左岸の田んぼの風景
真亀川左岸側の田園風景。これから訪ねる円筒分水工で分水した用水路から水を引いているかも知れませんね。


真亀川
御狩橋からおよそ1kmのところにある無名橋です。橋のたもとの門柱に注目。それにしても川の汚れがひどい!


東金円筒分水工所在公園
一対の門柱が立っています。かつて表札が埋め込まれていたのでしょうが、今は何もなく名無しの権兵衛さんです。中は荒れた公園風です。


東金支線竣工記念碑
門から公園風の園内にお邪魔しましたよ。高く立派な記念碑が立っています。「天恵人和 東金支線竣工記念」と刻まれています。昭和44年に建てられた農業用水路の竣工記念碑です。


東金円筒分水工から流れる用水路
園内は雑草が伸び放題です。雑草をかき分け、水路を発見しました。これは水路の上流方向です。

東金円筒分水工で分水した用水路
下流方向は水路トンネル入口で、ここから地下に潜っています。先ほどたどってきた真亀川を左岸側に潜り抜けているみたいです。


東金円筒分水工
上流に東金円筒分水工がありました。通水量が少なく流水音も控えめです。この水路が3本ある分水路中のメイン用水路のようですが、現在は送水を止めています。迫力のある分水が見られなく残念ですね・・・。


東金円筒分水工
雑草をかき分け左側からアプローチしました。手前が、分水比が一番大きい(4/5くらい占めているように感じました)用水路向けですが、角落し板で嵩上げし絞っています。


東金円筒分水工
その隣の越流堰。3条に分かれて越流し用水路に向っています。右側ゲートから地下水路となり行き先は不明です。


東金円筒分水工
東金円筒分水工
こちらは4条に分かれて越流。円筒分水工らしい迫力ある越流です。分水工周りに沿って流れ、そこから用水路が始まります。


東金円筒分水工
分水工周りを流れる4条越流の支線用水路。その内側は最大分水比の支線用水路。


東金円筒分水工
下流側から見ました。下を流れる最大分水比の用水路と4条越流の用水路。4条越流の支線用水路の行く先をちょっとだけ追っかけてみました。

東金円筒分水工で分水した支線用水路
園外に出て真亀川を水路橋で渡る支線用水路。

東金円筒分水工で分水した支線用水路
真亀川左岸に渡り県道に出てきた支線用水路。

東金円筒分水工で分水した支線用水路
県道沿いを田んぼへ向かう支線用水路。


両総用水 東金円筒分水工案内板
円筒分水工回周りにあった両総土地改良区が立てた案内板です。画像をクリックすると拡大します。

両総用水 東金円筒分水工
両総用水事業の一環として昭和30年度完成。サイフォンの原理で吹き上がった水を所定の分水比に分けた円周上の堰を越流させることで「田間派線」「豊海片貝線」「求名派線」の3方向へと分水しています。 
(案内板より抜粋)
残念ながら流水量、分水比、該当する支線用水路名の記載はありませんでした。


真亀川の取水堰
円筒分水工の水はどこから来るのでしょう?
東金円筒分水工の北西方向100mほどのところにある真亀川の取水堰を見に行きました。


真亀川の取水堰
取水堰管理橋より真亀川上流の眺めです。たどってきた真亀川は掘込み河道の深い川でした。川の表情が一変していますね。


真亀川の取水堰・取水ゲート
右岸に取水ゲートがあります。


真亀川取水ゲート下流の用水路
取水ゲート下流の用水路。この一部が円筒分水工へ流れて行きます。


真亀川取水ゲート下流の用水路
その下流です。石造りの水門跡があり前方に白い柵が見えますが、その奥の森の中に東金円筒分水工があります。サイフォンで円筒分水工の中央から吹き上がっているので、サイフォンの呑口が白い柵近辺にあるはずです。


東金円筒分水工付近の用水路
道路沿いの白い柵付近にそれらしきグレーチング桝がありましたが、呑口か否かは??です。残念ながら確信が持てませんでしたね。東金円筒分水工は用水路左側の森の中にあります。

円筒分水記事が増えてきました。今回記事より過去記事を含め「円筒分水」カテゴリにまとめました。

両総用水 東金円筒分水工の位置(中央十字線)です。


其の516 赤祖父円筒分水槽を訪ねる・富山県南砺市川上中

 9月14日(金)、富山県の円筒分水工巡り二日目です。南砺市の赤祖父円筒分水槽を訪ねました。

赤祖父円筒分水槽・富山県南砺市
赤祖父円筒分水槽(あかそぶえんとうぶんすいそう)です。清らかな水が中央から吹き上がっています。
案内板によると待望の赤祖父ため池が昭和20年6月に完成し、4年後の昭和24年赤祖父円筒分水槽が完成。これにより赤祖父12ヵ村で長年続いた水争いは解消したそうです。
あとで見学する赤祖父ため池から用水を引き3方向に分水しています。この写真は東側からみたところですが、左奥のゲートが「一の用水」向けです。

赤祖父円筒分水槽
西側から見ました。北側にゲートが2門あります。「二の用水」、「大川筋用水」へ流れて行きます。

赤祖父円筒分水槽・断面図平面図
平面図・断面図です。(赤祖父円筒分水槽案内板より)
内槽:φ3,050   外槽:φ5,150
内槽外層間の仕切板位置で分水比を決めています。
通水量の記載がありませんが水源の赤祖父ため池の最大取水量は0.95㎥/秒となっています。

赤祖父円筒分水槽・一の用水
赤祖父円筒分水槽・一の用水
いつものように用水路を下流へたどってみました。これは西方の田んぼへ向かう一の用水幹線水路です。橋の手前で早速右へ分水しています。直進する幹線水路は北から来た用水路の下を潜り西の方へ向かっています。用水路同士の立体交差です。

並行して流れる用水路
茶色に濁った北から来た用水路がこちらの方に流れています(南流)。一の用水から分水した右側の細い支線水路は北へ流れています(北流)。並行する用水路が逆方向へ流れる面白い風景です。

一の用水支線用水路
一の用水支線水路をさらに下流へたどると管路になります。

水管橋で赤祖父川を渡る一の用水支線用水路
その先です。完全に管路となり、水管橋で赤祖父川を渡っています。赤祖父円筒分水槽を発した用水の一部は右岸地区の田んぼへ向かっていることが分りました。隣りの大口径の赤い管橋は何でしょう。

赤祖父川水管橋
実は赤い管橋も水管橋です。茶色に濁った用水はこの中を流れています。農作業中の方にたずねると庄川で取水した用水だそうです。面白いですね~。農業用水の水管橋はめったに見られないです。それも逆方向に流れる水管橋が並列している風景はとても珍しく貴重な存在です。今探訪で最大の収穫です。おまけですね。(^σ^)

赤い水管橋は銘板によると「赤祖父川水管橋」と言います。県営南砺山麓用水補給事業により昭和48年3月に架橋されました。
管内径1.197m 有効径間:30.0m 2径間連続ビーム


並行する用水路・赤祖父円筒分水槽付近
並行して逆方向へ流れる一の用水支線水路と南砺山麓用水補給事業用水路。赤祖父円筒分水槽のゲート開閉器が正面に見えます。

南砺山麓用水補給事業用水路
赤祖父円筒分水槽付近で川上中トンネルへ入る県営南砺山麓用水補給事業用水路。

赤祖父川水管橋たもとの記念碑
おしまいに赤祖父川水管橋たもとの記念碑です。「水到渠成」と大きな文字が刻まれています。胸像は南砺山麓用水補給事業実現に功労のあった故伊東米次郎氏の像。平成6年3月庄川上流用水土地改良区が建立。

次回は水源の赤祖父ため池を訪ねます。

赤祖父円筒分水槽の位置です。


其の515 上市町釈泉寺円筒分水槽を訪ねる・富山県上市町

 9月13日(木)、東山円筒分水槽を見学したあと上市町釈泉寺円筒分水槽を訪ねました。

上市町釈泉寺円筒分水槽
上市川左岸沿いにある上市町釈泉寺円筒分水槽です。
この写真は東側(上流側)から見たところです。撮影地点背後から地下水路で導かれた用水が円筒分水槽中央真下から吹き上がっています。階段下は分水用仕切壁になっています。

上市町釈泉寺円筒分水槽へ流入する用水
円筒分水槽東側で地下に潜る用水。前方は円筒分水槽です。

上市町釈泉寺円筒分水槽へ流入する用水
同地点から見た上流側の開水路(共通幹線水路)。近くの頭首工から取水した流れです。頭首工はあとで見に行きます。

上市町釈泉寺円筒分水槽
北側から見ました。階段下は仕切壁になっています。こちら側へ落下した用水は、右岸幹線水路へ流れて行きます。

上市町釈泉寺円筒分水槽
南側から見た円筒分水槽。左岸幹線水路へ流れていきます。

上市町釈泉寺円筒分水槽
西側から見た円筒分水槽。右岸幹線水路と左岸幹線水路。どちらもここから地下に潜り地下水路になります。右岸幹線水路にゴミ除けスクリーンが写っています。右岸幹線水路は伏越で上市川を潜り右岸の田んぼへ向かいます。

上市町釈泉寺円筒分水槽案内板
上市川沿岸土地改良区が立てた上市町釈泉寺円筒分水槽案内板です。要点を抜粋します。
事業年度:昭和26年度~34年度
受益面積:542ha
頭首工:一か所
用水路:7,045.62m  
円筒分水槽:直径9.3mの同心溢流円筒型槽により、水を右岸幹線水路、左岸幹線水路へ配分する。分水比:右岸0.49左岸0.51 

通水量:記載なし(後述の上市川第一発電所の最大使用水量は8.0㎥/秒)

上市町釈泉寺円筒分水槽前を流れる上市川
上市町釈泉寺円筒分水槽付近より上市川下流を望む。前方の橋は釈泉寺橋です。ここへ来るときこの橋を左岸から右岸へ渡りました。

上市川第一発電所案内標識
進入路が分りにくいので簡単に説明すると、釈泉寺橋を渡ってすぐ、この標識が目印です。上市川右岸沿いに上流へ、頭首工手前の橋を渡り、左岸沿いの農道のような狭い道を下ると円筒分水槽です。

上市川第一発電所下流の頭首工
円筒分水槽前の道は袋小路なので来た道を引き返します。
上市川に架かる橋から見た頭首工です。奥の建物は富山県企業局上市川第一発電所です。

上市川第一発電所
富山県企業局上市川第一発電所です。これより約1km上流の上市川ダムで取水し管路で導水しています。
昭和39年(1964年)運用開始、最大使用水量は8.0㎥/秒。 
水力ドットコムより)

上市川・上市川第一発電所前
発電所前の上市川に放流しています。下から吹き上がる放流水。上市川ダムから河川維持用放流はないようで、上流からの流れはありません。

上市川第一発電所下流の頭首工
発電所前から見た頭首工取水施設です。2門ある可動堰上流、左岸の赤いゲート2門が取水施設です。取水後は地下水路から開渠、地下水路となり上市町釈泉寺円筒分水槽中央から吹き上がります。

上市町釈泉寺円筒分水槽の位置です。


其の514 東山円筒分水槽を訪ねる・富山県魚津市東山

 9月13日(木)、前回の貝田新円筒分水に続いて東山円筒分水槽を訪ねました。

東山円筒分水槽・富山県魚津市東山
片貝川右岸側にある東山円筒分水槽です。3方向に分水しています。左側が東山用水、右側は青柳用水。

東山円筒分水槽・富山県魚津市東山
東側から見ました。右端は天神野用水。青空であれば水面が映えるんですが・・・少し残念です。

前回見たように片貝谷発電所の発電機水車を回した放流水は貝田新円筒分水以下の分水施設でかんがい用水と放流水に分水されました。かんがい用水の一部(2.05㎥/秒)は片貝川右岸側の水田向けとして片貝川を伏越で横断しています。前回「其の513」で貝田川左岸の伏越呑口施設まで探訪しましたが、伏越吐口がこの東山円筒分水槽です。直径9.12mの円筒分水槽中央から吹き上がっています。

東山円筒分水槽・富山県魚津市東山
西側から見た円筒分水槽と天神野用水。ビヤ樽のような形ですね。ゲートは地下水路トンネルの制水門と思われます。
用水路が河川を伏越で潜り対岸に設けた円筒分水で吹きあがる事例は、川崎の二ヶ領用水久地円筒分水とそっくりですね。

魚津市水循環遺産 東山円筒分水槽
東山円筒分水槽地名標柱。魚津市の水循環遺産だそうです。

東山円筒分水槽案内板
構内の案内板です。要点を抜粋します。
事業年度:昭和25年~30年度
受益面積:1,800ha  水路延長:10,374m
通水量:最大2.05㎥/秒


東山円筒分水槽案内板
同概要です。

東山円筒分水槽から始まる用水路
東山円筒分水槽から田んぼへ向かう東山用水(右側)と青柳用水(左側)。

東山円筒分水槽付近の片貝川
円筒分水槽前はこんな風景です。片貝川右岸より片貝川上流を望む。あいにくの天気です。

東山橋より片貝川上流を望む
帰り道、片貝川を渡り次の目的地上市町の円筒分水槽へ向いました。東山橋より片貝川上流を望む。

東山円筒分水槽の位置です。


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